妹に砲を向けられた時   作:風月 雪桜

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束の間の平和...
二、三回に分けて、人間と艦娘それぞれどんなことをしているか
そして、何故艦娘が反乱したのかを書いていきたいと思います


平和な時間1

「あ、お兄ちゃん、待ちました?」

 

「全然、待ってないから大丈夫」

 

確かにちょっと待ち合わせ時間過ぎているが、気にするほどじゃない

 

「よかったです!

あ、今日は何処に行きますか?」

 

憲兵詰所に吹雪は外出許可書を出しに行くと、俺に尋ねてくる

 

「別に俺は行きたい所とかないし、吹雪が行きたい所でいいよ」

 

「ええ...

いつも私の行きたい所じゃ、お兄ちゃんつまらなくないですか?」

 

「大丈夫だよ

心配すんなって」

 

「でも...」

 

「しゃーないな

じゃあ、俺の行きたい場所が一つあるからそこに行こう

それでいいな?」

 

苦笑いしながら、俺は吹雪の頭に手を置く

 

「は、はい...///」

 

詰所の奴等が横槍をいれてくる

 

「このリア充め

早く恋人になっちゃえよ!」

 

「俺と吹雪はそんなんじゃないですよ」

 

「全く...

お前だっていい年なんだからそろそろ家庭をな?」

 

「そういう先輩こそ家庭をって話でしょ

 

じゃ、そろそろ行きますね?」

 

吹雪も恥ずかしいのか、俯いてしまっている

俺はそんな吹雪の肩を軽く掴む

 

「まずはいつものデパートだよね?」

 

「...は、はい!」

 

ハッと我に帰った吹雪を軽く押して、出発する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

色々な場所を巡った後、俺が行きたい場所に来る

 

「...ここですか?

お兄ちゃんが来たかった場所って...」

 

「ああ、ここでお茶しよう」

 

「ふふ、お兄ちゃんがネコ好きだったなんて意外です」

 

クスクスわらう吹雪...こういう反応されるんじゃないかと思って連れてくるの嫌だったんだよ!

 

「早く入りましょう!」

 

吹雪は目を輝かせながらネコカフェのドアを開け、中に入ろうとする

俺も後を追って店内に入った

 

席につくと、吹雪はネコ達のいる所に行ってしまった

平日の昼間ということもあり、俺達以外に客はいない

俺は店員に紅茶を頼むと、ネコとじゃれあう吹雪を眺める

吹雪はネコの喉元を撫で、ネコは気持ち良さそうに喉を鳴らす

 

その様子を見て他のネコ達が吹雪の周りに集まってくる

終いには、膝の上だけでなく肩や頭の上にもネコが登り始める

 

「お、お兄ちゃん、助けて!(涙目)」

 

「あはは、吹雪はいい娘だから、ネコ達もそれを感じ取って集まってるんだよ」

 

「で、でも、いくらなんでも集まり──

ひゃん!

そんな所...

 

そんなっ、駄目ですぅ!?」

 

ネコ達に好かれ過ぎて大変なことになっている吹雪を助けるため、俺は二匹のネコを抱き抱える

 

「大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫です...

ありがとう、お兄ちゃん」

 

顔を真っ赤にして吹雪は返事をする

その時、手にざらざらしたものが触れる

片方の白いネコが俺の手を舐めている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にゃー

 

俺はネコの鳴き声で目を覚ます

まだ外は暗く、騒がしさもない

基地に来てから...いや、吹雪と再開してから、何度も吹雪の夢を見る

きっと俺が心のどこかで未だに吹雪が戻ってくる、そう思っているからだ

 

その時、夢と同じようなざらざらした感触がまた手にある

 

「お前だったのか、雪」

 

俺は手を舐める雪と名付けたネコをもう片方の手で撫でる

 

基地の外をランニングしていたら、こいつが雪の上で凍えていた

右前足に怪我をしていたのでほっとけず、保護したのだ

 

幸い、艦娘共や深海悽艦共の侵攻は数ヶ月間起こってない

こいつが回復するまではこの基地にいるだろう

 

俺はこいつの意図を汲み取り、餌を皿に出す

雪はガツガツと一心不乱に食べている

 

コンコン

 

「どうぞ」

 

「おっはよー

こよみん!」

 

「朝っぱらから元気だな...

俺はお前が凄いと思うよ(ある意味)」

 

「元気ないね?

どうかしたの?」

 

「なんでもねぇよ

で、用事は?」

 

彩は用事は?って訊かないと無駄話をずっと続けるからな

 

「えっと、こよみんの健康調査と平山くんからの伝言だね

 

じゃあ、まず健康調査から一応内臓損傷は治ったみたいだけど

他に何か異変はない?」

 

俺は彩に身体面や精神面での調査をされる

 

「最後に、吹雪と再会してから異変はない?

例えば、吹雪の夢を──」

 

「みてない」

 

「え、あ、うん...」

 

「これで終わりか?」

 

「うん...

あ、伝言は『朝飯食ったら、工廠に来い』って」

 

「了解」

 

俺は食堂に行くため部屋を出た

 

 

 

「暦くん...やっぱり、吹雪ちゃんの事気にして...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、こんな所に呼び出して何の用だよ」

 

「おお、やっと来たか

こいつらの紹介だよ」

 

平山以外に三人の男女がいる

全員緊張しているようだ

 

「俺は暦、奏川 暦だ」

 

「は、話には聞いています!

私は神代 小波です!

階級は1等陸士です!」

 

「俺は信濃 五鈴です

階級は2等陸士です」

 

「横田 長州でしゅ...です

階級は同じく2等陸士です」

 

一人が舌を噛んだのか、顔を真っ赤にしている

 

「こいつらは新兵だが、全員実力は確かだ

お前の指導があれば、十分戦力になれるはずだ」

 

「まさか、俺にこいつらの分隊長になれって言うんじゃ...」

 

「察しがいいな

そのまさかだ」

 

「はぁ...

じゃあ、前線は当分お預けか

そんな感じはしてたんだけどなぁ」

 

「今回の命令は提督からだからな、諦めろ」

 

「大将からの命令なら仕方ない...」

 

あの人には借りがあるしな

 

「ま、提督はもう元帥だけどな

んじゃ、よろしくな~」

 

平山は書類を俺に渡し、工廠から出ていく

 

「おう!

じゃ、とりあえずお前らの実力を確かめさせてくれ」




最後まで読んでくださりありがとうございます

最近スマホの調子が悪くて辛いです...
たまにいきなり再起動になって書いている物が消えたりするので新しいのに替えようと思います

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