東方妄想譚 ~ドタバタ☆私立幻想学園~   作:さとゴン

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今回も遅い投稿になってしまい申し訳ありません。

僕の話はきちんとコメディできているだろうか?

そんな不安を抱えながらの更新です(^_^;)


第6話  朝の一幕と委員会

 

 

 

 「………。」

 

 むう、なんか声が聞こえるなぁ。

 

 「………い。」

 

 何か言ってるみたいだけど今は置いといていいよね。

 

 「…き…さい!」

 

 どんどん声が大きくなってきたな。もう少しだけほっといてよぉ。

 

 「起きなさいって言ってるでしょ!!!」

 

 「ぎゃふん!!」

 

 いきなり世界がひっくり返った。

 

 「い、痛い。何が起きたんだ?」

 

 床に打ち付けた頭をさすりながら、僕は状況を確認する。

 

 どうやらベッドから転げ落ちたらしい。

 

 「はあ、やっと起きたわね。」

 

 声のしたほうに振り向く。そこには布団を抱えた霊夢が立っていた。

 

 どうやら僕を叩き起こしたのは霊夢のようだ。そういえば毎朝起こしに来てくれてるんだっけ。

 

 しかし、もう少し穏便に起してくれてもいいんじゃないかなぁ。

 

 「何言ってんのよ。いくら声をかけても起きなかったじゃない。」

 

 「…だから心を読まないでよ。」

 

 「読んでないわよ、どこぞの悟り妖怪じゃあるまいし。もちろん勘に決まってるじゃない。そんなことより朝御飯できてるからさっさと食べちゃって。」

 

 「え?」

 

 部屋にあるテーブルを見ると、ご飯に味噌汁、さらには焼き魚などのおかずが並べられていた。

 

 「昨日、紫が私の部屋に来て頼んでいったのよ。」

 

 朝食を食べながらこの状況の説明を受けた。

 

 霊夢の話によると、紫さんは僕が疲労困憊であることを見抜いていたらしく、朝もしっかりとしたものを食べてほしかったらしい。しかし自分は色々と忙しい、ならば誰かに頼もう、ということで霊夢に白羽の矢が立ったのだ。

 

 「本当にあの妖怪は過保護ね。」

 

 「ははは、最近はそうでもなかったんだけどね。」

 

 昔から紫さんは少し過保護すぎるところがあったんだよね。僕が大きくなってからは自重してたみたいだけど、異変のせいで再発しちゃったかな。

 

 「それにしても霊夢の料理はやっぱりおいしいね。」

 

 「…。」

 

 「昔から思ってたけど霊夢って料理に関しても天才的だよね。」

 

 「そんなにすごくないわよ。私より料理の上手い人なんてたくさんいるわ。」

 

 「そうかもしれないけどさぁ。でもやっぱりすごくおいしいよ。こんなにおいしい料理なら毎日食べたいくらいさ。」

 

 「っ!!」

 

 あれ、霊夢の顔が真っ赤になっている。なんか気に障ることでも言っちゃったかな?

 

 「そ、そこまで言うなら毎朝作ってあげる。」

 

 「えっ、いいの?」

 

 「別にいいわよ。どうせ毎朝起こしに来るんだし、大した手間じゃないわ。」

 

 「ありがとう!」

 

 こっちの世界での楽しみがまた一つ増えた。元の世界じゃ宴会の時くらいしか霊夢の料理は食べれねかったしね。

 

 そんな朝の一幕を終えて僕たちは学校に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「委員会?」

 

 「ああ!なんかやんのか!」

 

 先生の挨拶や連絡が終わり流たちが僕の席までやってきた。

 

 そういえば今日の一時間目はホームルームだったっけ。その時にクラスの係りや委員会とかを決めるって言ってたな。

 

 実は入りたい委員会があるんだよね。

 

 「僕は図書委員に立候補しようと思ってるよ。」

 

 そう、図書委員。理由はもちろんある。

 

 この学園にはものすごく大きな図書館がある。そしてこの世界は外の世界を模して造られている。ということは、図書館にあるのはもちろん外の本!外の世界の本が読み放題ということだ!!

 

 でもさすがに一日中図書館に籠っているわけにはいかない。それにこっちの世界ではやりたいことがたくさんあるからそればっかりに時間は割けない。でも図書委員になれば仕事の傍らに本も読めると考えたわけさ。

 

 「今年も図書委員ですか。」

 

 「今年も?」

 

 啓の言葉に思わず聞き返してしまった。

 

 「叶也は去年も図書委員だったじゃないですか。」

 

 どうやら僕は去年も図書委員だったらしい。記憶にないとこういう時に困る。

 

 「そ、そういえばそうだったね。そういうみんなは何かやるの?」

 

 「俺はやらねえよ!めんどくせぇからな!」

 

 「私も今のところは特に考えてませんね。」

 

 「…同じく。」

 

 積極性の足りない奴らだなぁ。もっと学園に関わっていこうよ!

 

 「あっ、先生が来ましたね。」

 

 いろいろ話しているうちにもう一時間目が始まる時間だ。霖之助先生が教室に入ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 授業開始のあいさつを終え、先生が話し始める。

 

 「それではまず学級委員を決めたいと思います。誰かやりたい人はいるかい?」

 

 学級委員か。ここで名乗り出る人ってあんまりいないよね。

 

 そんなことを考えながら教室を見回す。

 

 やっぱり誰もいない。

 

 このまま推薦とかになるのかなと思っていたら、一本の手が挙がった。

 

 あれは、妖夢?

 

 「先生、誰もやらないなら私がやりましょう。」

 

 「そうか、それは助かるよ。」

 

 ふむ、妖夢か。真面目でしっかり者だしぴったりかもしれない。…少々非常識であることを除けば。

 

 「あとは副学級委員を決めようか。学級委員が女子だから副委員は男子に頼もうか。」

 

 これまた手は上がらない。そのまま膠着状態が続くかと思ったその時。

 

 「あの、私から指名してもいいでしょうか?」

 

 妖夢が意外な提案を切り出した。確かに学級委員である妖夢にも選ぶ権利はあるよな。

 

 「ああ、いいよ。」

 

 先生からの許可も下りた。いったい妖夢は誰を選ぶのだろう?…少し嫌な予感がする。

 

 「私の補佐は、八雲叶也に頼みたいです。」

 

 やっぱりきたあああああああ。うすうす感づいてたよ!そもそもこのクラスで僕以外に妖夢の知り合いの男子なんていないしね!!

 

 「ということなんだけど叶也君、頼めるかな?」

 

 何とか避けたい。僕だって副学級委員なんてめんどくさそうな仕事はごめんだ。

 

 「あのー、僕、図書委員をやりたいんですけど。」

 

 「そうだったのか。じゃあ仕方がない。」

 

 おお、案外簡単に諦めてくれるものだな。

 

 「特別に両方やってもいいよ。」

 

 「どうしてそうなるんですか!?」

 

 おかしいでしょ!というか学校のシステム上それはアリなのか?

 

 「まあ、副学級委員は学級委員の補佐が仕事だから実際そんなに仕事はないんだよ。だから兼任でも大丈夫さ、…たぶん。」

 

 今最後にぼそっとたぶんって言ったよね?

 

 「そうだ。もしこの話を飲んでくれたら、どれだけ図書委員になりたい人が出てきても君を図書委員にしてあげようじゃないか。」

 

 教師がそんな取引を持ちかけていいのだろうか。

 

 「無言は肯定ということで。」

 

 「ちょっ!」

 

 「それじゃあ君は今日から副学級委員兼図書委員だ!!」

 

 こうして理不尽に僕の運命は決定した。

 

 

 

 






活動報告もよろしくね(*^_^*)



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