東方妄想譚 ~ドタバタ☆私立幻想学園~   作:さとゴン

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今回オリキャラが登場します。苦手な方はご注意ください。


前回は全く学園要素がなくタイトル詐欺になってしまいましたが、今回から学園ストーリーを

展開していきますよ!


第1話  夢の学園生活

 

 

 

「むー、いったい何が起きたんだ…ってここどこ?」

 

 

 光が消えたと思ったら知らない部屋にいた。

 

 

 おかしいな、さっきまで博霊神社に居たはずなのに。それに霊夢と魔理沙も見当たらない。

 

 

 というかあんなにピカピカ光ってた僕は大丈夫なのだろうか。し、心配だ。

 

 

 パッと見たかんじ見た目に変化はないな。僕が着ている黒い中華服も壊れていないみたいだ

 

し。

 

 

 もしかして見えないところに変化があるかも。記憶が消えたりしてないだろうか?

 

 

 えーと、僕の名前は八雲叶也で小さい時に幻想入りした。それから紫さんに拾われて面倒見

 

てもらって、霊夢に出会って、魔理沙に出会って、色々なところに連れられてって…。うん、

 

大丈夫みたいだ。

 

 

 とりあえず部屋から出てみようかな。そう思って扉を開けようとしたとき、

 

 

 「ごばっ!」

 

 

 いきなり扉が開いて僕にぶつかった。

 

 

 「あら、あんたがこんなに早く起きてるなんて珍しいわね。ところでその恰好は何?コスプ

 

レ?」

 

 「いたた、いきなり扉を開けるなんて危ないじゃ、な…って霊夢?霊夢こそ、その恰好はど

 

うしたのさ。」 

 

 

 そこに立っていたのはよく見知った僕の幼馴染である少女。

 

 

 しかし着ている服は幻想郷ではあまり見慣れない服だった。 

 

 

 独特の形をした襟が特徴的な長袖の服にスカート、そして胸元にはリボン。

 

 

 …そう、セーラー服を着た霊夢が目の前には立っていた。

 

 

 「はあ?もしかしてまだ寝ぼけてんの。それともドアの当たり所が悪くて頭がおかしくなっ

 

たのかしら。とにかく早く着替えないと学校に遅れるわよ。」

 

 

 「…今なんと?」

 

 

 「だから、学校に遅れるって言ってんのよ。まさか新学期早々遅刻するわけにもいかないで

 

しょ。」

 

 

 ああ、これは夢か。あまりにも僕が外の世界に行きたがってたから夢に出てきたんだな。だ

 

ったら楽しまなきゃ損だよね!

 

 

 「よし!すぐ行こ!早くいこ!超特急で行こう!」

 

 

 ドキドキが止まらないぜ!さあ駈け出そう!今の僕を止められるものなど何もない!

 

 

 「待ちなさいよ。」

 

 

 「ごふっ!」

 

 

 部屋から飛び出そうとした僕に霊夢のボディーブローがめり込んだ。

 

 

 「何をするのさ!早くしないと夢が覚めちゃうよ!」

 

 

 「あんたが何を言ってるのかはさっぱりわからないけど、そんな恰好でどこ行くつもりよ。

 

とりあえず学ランに着替えなさい。」

 

 

 そういえば、外の世界では学校の生徒はみんなおんなじ服を着て登校するんだっけ。さすが

 

僕の夢だな、細かいところまで作りこまれてるぜ!

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 あの後僕は学ランに着替えて、霊夢と一緒に登校した。

 

 

 本当は見たことのない物に今すぐにでも飛びつきたかったが、僕が暴走しそうになるたびに

 

霊夢が止めに入り、結局何事もなく学校にたどり着いてしまった。

 

 

 「おおう、これが学校かぁ。思ってたよりも大きいな。」

 

 

 「…本当に今日のあんたはおかしいわね。いつも普通におかしいけど、今日は異常におかし

 

いわ。」

 

 

 さらりと普段の僕が貶された気がする。

 

 

 それにしても夢とは思えない精巧さだな。まるで本物みたいだ。

 

 

 あれ?そういえば霊夢に叩かれたとき普通に痛かったぞ。夢なのになんで?

 

 

 僕が少しばかり現状に疑問を抱いていると霊夢が声をかけてきた。

 

 

 「ほら、クラス発表の張り紙が出てるわ。」

 

 

 ほうほう、あれがクラス分けってやつか。

 

 

 どうでもいいことで悩んでいる場合じゃないな!これも学校のイベントの一つだし!

 

 

 「えーと、僕は一組だね。」

 

 

 「ふーん、また同じクラスね。」

 

 

 ん?何となく霊夢が嬉しそうだ。まあ僕も同じクラスで嬉しいからおかしくはないか。

 

 

 「じゃあ私は用があるから先に行くわね。」

 

 

 タッタッタ、と音を立てながら霊夢は走り去っていく。

 

 

 …あれ?僕はこれからどうすればいいのだろう?

 

 

 いや、勿論始業式の会場に向かうのだが、どこが会場なのか全く見当がつかない。

 

 

 このままでは折角の学校イベントが体験できなくなってしまうじゃないか!

 

 

 僕の夢なんだったら何とかしろよ!いや、して下さい!

 

 

 そんな風に頭を悩ませていると、不意に肩を叩かれた。

 

 

 「よっ、叶也!今年も同じクラスだな!」

 

 

 そこには良く知る三人組、僕の数少ない男友達がいた。

 

 

 「なんだ、お前らか。」

 

 

 「お前らか、とは何だよ!まあ今年も楽しくやろうぜ!」

 

 

 この騒がしいのは鞍馬流(くらま りゅう)。烏天狗だ。

 

 

 「代わり映えのしないクラスになりそうですね。」

 

 

 丁寧な言葉遣いのこいつは狐妖怪の稲荷啓(いなに けい)。

 

 

 「…よろしく。」

 

 

 そしていつも口数がすくな寡黙な河童。久沼淵(ひさぬま えん)。

 

 

 この三人とはよく一緒に遊んでいる。

 

 

 それにしてもこいつらまで夢に出てくるとわ。ホントに何でもアリだな、僕の夢。

 

 

 「…そろそろ始業式が始まる。」

 

 

 「よっし!じゃあ体育館に行くか!」

 

 

 おっ、どうやらみんなについていけばこの難局を打破できそうだな。

 

 

 しかし、霊夢やこの三人がいるのならば幻想郷のみんながもっといるかもしれない。

 

 

 少しあたりを見回してみる。

 

 

 …結構いるね。さすがに見るからに妖怪って感じのやつはいないけど、人型に変化してるの

 

がちらほら混じってるよ。

 

 

あまりに浮かれてて気づけなかった。

 

 

 「おい、叶也!なにぼっと突っ立ってんだよ!」 

 

 

 おっと、気づかないうちにみんなが先に進んでる。

 

 

 「今行くよ!」

 

 

 いざ、始業式へ!

 

 

 しかし僕が追いつこうと駆け出そうとした瞬間、

 

 

 僕の足元に‘スキマ’が現れた。

 

 

 「え?」

 

 

 僕は素っ頓狂な声を上げ、重力に負けて落下していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、スキマのおばさ…お姉さんが登場!!


御意見、御指摘、御感想お待ちしております。

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