東方妄想譚 ~ドタバタ☆私立幻想学園~   作:さとゴン

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予告失敗orz


第17話  花見に行こう

 

 

 

 「みんなでお花見をしましょー」

 

 朝食を食べている最中に、幽々子さんがそんなことを言い出した。

 

 因みに紫さんと萃香さんも一緒に朝食を食べている。

 

 朝目を覚ましたら霊夢と紫さんたちが何やら言い争いしていたけど、今は和解したようだ。

 

 それにしても花見か…。悪くないかもしれない。明日はちょうど学校が休みだし、今日学校で何人か誘って、明日はみんなで集まり桜の下で宴会。

 

 うんうん、なんだか楽しみになってきた。

 

 「花見なんてどこでやんのよ。ここら辺に桜の見れるとこなんてなかったでしょ」

 

 僕の妄想は霊夢の一言で打ち砕かれた。そういえばそうだったよ…。

 

 「それなら大丈夫よー。ねー、紫ー」

 

 「ええ、私のスキマを使えば一瞬で桜の木の下に到着よ」

 

 おお、なんて準備がいいんだ。昨日の夜に打ち合わせでもしたのかな?

 

 そのあとも幽々子さんは何時に集合だとか、どこの桜を見に行くのかとかの説明を続けた。

 

 「幽々子さん、友達誘ってもいいですか?」

 

 「別にかまわないわー。でも、おいしい物を持ってきてもらってねー」

 

 何とも幽々子さんらしい。今回の花見もお花見団子が食べたいとかが理由なんだろう。

 

 「ん、そろそろ時間だね」

 

 「そうね。あんたたち、後片付けくらいやっときなさいよ」

 

 霊夢は幽々子さんたちにそう言い放つと外に出て行った。

 

 「じゃあ、いってきます」

 

 「「「いってらっしゃい」」」

 

 久しぶりに聞いた挨拶を背に受けながら、僕は霊夢の後を追った。

 

 「遅いわよ」

 

 「ごめんごめん。ところで霊夢はお花見来るよね?」

 

 「…まあ、せっかくだから行くわよ」

 

 なんだかんだ言ってもやっぱり楽しみなんだろう。幻想郷のみんなは基本的に宴会好きだからね。

 

 僕と霊夢は明日の花見について話ながら学校へ向かった。

 

 

 

 

 

 「花見ですか…」

 

 教室に入るとちょうど啓たちに会ったので誘ってみた。

 

 「つっても、今の話だと校長とかも来んだろ?」

 

 「そうなるね」

 

 「私は遠慮させてもらいます」

 

 「俺もパスだ!」

 

 「………同じく」

 

 綺麗に空振り、スリーアウトだ。あれ?スリーストライクだっけ?…まあ、いいや。

 

 たぶん断られるんじゃないかと思ってたし。

 

 「お前もよくあいつらと楽しくやれるよな!」

 

 「………不思議」

 

 このセリフは別に紫さんたちを貶しているわけではない、簡単に言えば恐れているんだろう。

 

 三人とも弱い妖怪と言うわけではないけど、紫さんはかなり強力な妖怪だ。そこら辺の雑魚妖怪なら睨まれただけで気絶してしまうような力を持っている。

 

 それは幽々子さんや萃香さんも同じ。彼女たちはまさに大妖怪、幻想郷でも屈指の力を持つ存在だ。普通の妖怪はそんな猛者が集まる場所に行こうとは思わない。おそらくだけど。

 

 中にはそんなこと全く気にしない奴とかもいるしね。

 

 それに今のところ集まるのは女性ばかり。男三人では肩身が狭いというのが一番の理由かもしれない。

 

 「あんたたち、今度は何の話してんのよ」

 

 現れたのは天子だ。この流れは以前の大富豪の時を思い出すな。今回は目の前の三人組は不参加だけど。

 

 「叶也から花見のお誘いを受けてたんですよ」

 

 「花見?面白そうじゃない。私も行くわ」

 

 即答かよ。後で聞こうと思ってからいいけどね。

 

 「じゃあ明日の正午に寮の前に集合だから。あとおいしいものを思ってきてくれるとうれしいかな」

 

 「おいしいもの?」

 

 「うん、この花見の参加条件みたいなものかな」

 

 「しょうがないわね。あんたがそこまで言うなら私がとびっきりの弁当を作ってやるわよ」

 

 なぜか天子の中ではおいしいもの=自分の弁当になったらしい。まあ持ってきてくれるんならいっか。

 

 「明日を楽しみにしてなさい!」

 

 そういうと天子は自分の席に戻っていった。

 

 そのあと阿求さんにも聞いてみたがどうやら明日は忙しいらしくて断られてしまった。残念。

 

 さてと、あとうちのクラスで誘えそうなのはアリスと魔理沙くらいかな?妖夢は幽々子さんから話を聞いてるだろうし、他の人は啓たちと同じ理由で無理だろうし。

 

 ちょうどその時、件の二人が教室に入ってきた。なんともグッドタイミングだ。

 

 「おはよう二人とも。いきなりなんだけど、明日花見に行かない?」

 

 「ホントにいきなりね」

 

 「急遽決めたから。で、どう?」

 

 すると二人は額を寄せ合ってひそひそ話を始めた。なにゆえ?

 

 一分くらいが経ち、二人は顔をあげた。

 

 「残念だけど私は参加できないわ。でも、魔理沙は明日暇みたいだから連れてってあげて」

 

 「うん、いいけど」

 

 魔理沙の方を見ると何故か顔を赤くしている。はて?どうしたんだろう?

 

 「魔理沙、大丈夫?」

 

 「うぇっ!?だ、大丈夫大丈夫、花見が楽しみでちょっと浮かれてただけだぜ」

 

 「そう、ならいいんだけど。あっ、あとお願いなんだけど何かおいしい物を持って来てくれるかな?」

 

 「………ま、まあ叶也がそういうなら明日は私が弁当を作っていくぜ!」

 

 少し間があったけど了承してもらえた。

 

 しかしなぜか魔理沙の中でもおいしいもの=自分の弁当の方程式ができてるようだ。

 

 魔理沙は幻想郷でも一人暮らしだったし料理にも慣れてるはずだから自信があるのかな?

 

 とりあえず、言うことは言ったのでお互い席に着く。もうすぐ朝のホームルームの時間だ。

 

 今日は図書委員の仕事もあったし、パチェや大ちゃんも誘おうかな。

 

 「はい、ホームルームを始めるよ」

 

 チャイムと同時に霖之助先生が入ってきた。

 

 とりあえず放課後までは授業に集中するか。

 

 

 

 

 

 ~SIDE 魔理沙~

 こーりんの話を聞きながら、私はさっきのことを思い出していた。

 

 叶也から突然花見に誘われた。ここまではよかった。

 

 私としては明日は特に用事もないしすぐに了解の旨を伝えるつもりだった。

 

 でも何故かいきなりアリスに袖を引かれた。

 

 「なんだアリス?」

 

 「よかったじゃない。これはチャンスよ」

 

 「チャンス?」

 

 額を突き合わせながら私は首をひねった。

 

 「ええ。私が花見を断れば叶也と魔理沙の二人きり、つまりデートよ」

 

 「で、で、で、デート!?」

 

 「声が大きいわよ。それにまだ確定じゃないわ。もしかしたら他にも誰か誘ってるかもしれないし。でもどっちみち明日は私用事があるから行けないの。だから精々楽しんできなさい」

 

 そういうとアリスは顔あげて、叶也に自分の言いたいことだけ言うとさっさと自分の席のほうに歩いて行ってしまった。

 

 や、やばい。なんだか恥ずかしいぜ。だってデートって、あれだろ?こ、恋人同士がするあのデートのことだろ?手をつないだり、映画観たり、一つのカップに二つのストローとか…

 

 「魔理沙、大丈夫?」

 

 「うぇっ!?だ、大丈夫大丈夫、花見が楽しみでちょっと浮かれてただけだぜ」

 

 び、びっくりした…。心臓が飛び出すかと思ったぜ。

 

 「そう、ならいいんだけど。あっ、あとお願いなんだけど何かおいしい物を持って来てくれるかな?」

 

 おいしいもの?つまりお弁当を作ってきてほしいってことか?

 

 わざわざ私に頼むってことは…やっぱり私しか誘ってないのか!

 

 「ま、まあ叶也がそういうなら明日は私が弁当を作っていくぜ!」

 

 そのあとは明日の待ち合わせ場所などを聞いて、お互いの席に戻り、今に至るというわけだ。

 

 明日は叶也と花見か…

 

 ま、また顔が熱くなる。あ、アリスのやつが余計なことを言うからだ!

 

 とりあえず後で絶対にアリスに文句を言ってやるとして、今は明日の弁当の中身を考えよう!

 

 ~SIDE OUT~

 




次回予告(?)
やっほー、てゐちゃんだよ!
作者がまだ次回を考えてないから予告はできないってさ
まあそのおかげで出番をゲットできたんだけどね!
一応、次回で花見の前日譚は終わらせる予定で頑張ってるみたい
といっても予告失敗してる作者の言葉だからあてにならないけどねw
第18話「修羅場再び」、次回は再登場のパチュリーと大妖精にピックアップ!

ご意見ご指摘ご感想お待ちしております
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