ダンジョンズ&ドラゴンズもの練習   作:tbc

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懲りずに日記形式っぽいアレ。書きやすかったけど途中で飽きました。



イチャイチャ話の没1話

「チートと共に転生してやろう。何がほしい?」

「kingの財宝!無限アイテム、無限マニー!あと出来れば中性的イケメンボディも」

 

          ~転生女神に異世界転生を告げられた直後のやり取り~

 

 

・1日目

 異世界転生でチートを与えられるなら、この世全てのアイテムを操る彼の能力が鉄板だと思う。あるいは彼そのものになるところか。元ネタには詳しくないけれど、多彩な武器や防具で身を守れ、俺TUEEEも出来、イケメンボディで、万が一落とし穴があっても適当な換金アイテムを出すだけで少なくとも悪くない生活は送れる彼の英雄の能力は。誰だってそう思う、俺だってそう思う。

 だから俺も転生神を名乗る女神にチートを尋ねられた時、真っ先に告げた。彼女(かの神?)は少し考える素振りを見せて、「取り出せるアイテムは転生先の異世界準拠」「俺が死んだり、変質した時には取り出した全てのアイテムがこの世から失われること」、「神に纏わる特殊なアイテムを取り出す時は自己責任で」との条件付きで存在する全てのアイテムを与えることを許した。なんでもインフレを防ぐためだとか神同士の争いを防ぐためだとか言っていたけど、転生させる方にも思惑はあるのだろう。

 転生先は660年前に地上を脅かした魔王を名乗る邪悪な侵略者が倒され、今まさに666年の時を経て彼の魔王の復活が近づいているなどRPG的なテンプレファンタジー要素を含む世界であるそうな。かつては6柱の神に祝福された6人の勇者が倒した話などを聞かされて、うすうすと俺もその勇者の一員になることを期待されてる気もするが、俺のチキンハートは転生しても治りそうにないもので羞恥プレイは勘弁してほしい。

 以上のやり取りの末に、俺は異世界ジ・アースへ赤ん坊から転生した。チートついでのイケメンボディでというお願いが通ったかは不明だが、おかんの腹を抜けた直後の我がつぶらな瞳で両親を見た限り、俺は草食系茶髪ダンディと黒髪マダムの間の子のようで、生まれガチャは悪くない引きと感じた。ありがとう女神様、そしてごめんね産んだ子どもの中身がこんなダメ男マインドで。

 

 

・飛んで3年ほど

 ある貴族家の司書を務めるアルバス家に命名:オリシュが生まれてはや3年。意外と少ない給金を除けば教養のある父と愛情のある母の間で知識を得ながらすくすくと育つ俺。半年前には妹も生まれて幸せな家族生活を満喫していたが、家族全員で遠い街へお引越しすることになりその道中に両親がショッキングな光景となる。ここは危険の多いファンタジー世界でつね。

 我が中身は両親を二度持つ経験をした転生者とはいえ、この世のことを詳しく教えてくださった父に、何も出来ずちうちうと乳を吸わせてくださった母にはかなり敬愛していただけに、二人が襲撃してきたスケルトンから多数の矢を受けた時には唖然とした。

 尤もここらも含めて転生神は折り込み済みなのか、俺と妹は護衛の助けが間に合い命を落とすことはなかった。以後、遺児の俺たちは引越し先の神殿に預けられる。

 

 

・更に3年

 6歳になった俺は、妹と共に預けられた闇の女神を祀る神殿でものを持てる程度に育った。ようやくチートで取り出したアイテムを振るえるだけの肉体を得た俺は、早速聖剣片手に冒険を……することもなく、粛々とボランティア活動じみた神殿の慈善活動に従事していた。亡き父からの知識と、神殿で得た見識からアイテムだけでは覆せないものもあると知ったためだ。この世界の多くのアイテムは肉体や能力を強化したり、魔法使いが使う呪文の効果を模すものばかりで、本人の実力が伴わなければ満足に振る舞えないか、そもそも使用できないとのことだ。そういえば原典の能力も、持っているがその真価を発揮できないなどの制限があったように覚えている。

 幸いにして、神殿には魔法や魔法のアイテムに関する蔵書があり、難しく記されてはいるが読むことを許されている。素敵な環境を得られたことを、ここまで導いてくださったどこか見覚えのある顔を象った闇の女神の彫像に感謝の祈りを捧げながらすくすくと成長中なう。

 

 

・それから半年の後

 この世界では、日本人の常識よりも神と人との距離が近いことを今日知った。

 666年の時を経て、かつて倒された魔王が復活したとの神託を神殿長が賜ったことが、神殿の皆に告げられる。それから数日の後、神殿を擁する街に沢山の蘇りし死体、アンデッドの群れが襲ってきた。スケルトンやゾンビから、中には知性を持つグールなども見られ、これほどに沢山のアンデッドを従えるものは死霊の王オーカスに間違いないと、復活が世に広まった。

 魔王現れる時、六柱の神に祝福されし勇者の誕生が噂されているが、未だ幼い俺は戦うどころか旅することすら無理ある身。チートを使いたいとうずうずする一方で、最近魔法のアイテムが放つ魔法のオーラは魔法を扱う者ならば初歩の魔術でその数とアイテムの強さをいとも簡単に知覚できることを知って、対策を練るまでは迂闊に使えないなと自らを戒めるのであった。少なくとも勇者の話が収まるまでは

 ところで我が妹は俺と共に毎日、闇の女神へ真摯に祈りを捧げていたのだが、最近その信仰の厚さから神の言葉を聞いた。言い換えると、神の力を行使する神官――クレリックに目覚め、初歩的な信仰呪文を使えるようになった。今はまだ1レベルにも満たない半人前ながらも、歳の割に早熟として神殿長から目をかけられるようになった。一方の俺は、そのように目覚める気配など微塵もない。

 まあ祈りと感謝こそすれど、心の底から崇拝しているわけでもクレリックになることを望んでいるわけでもないために、奇跡の力を授かることはないだろう。

 

 

・そして更に4年の月日が経った

 別の大陸において、風と火の神の勇者が立った知らせを耳にする。10歳になった俺は、神殿仕えの男手として、たびたび外回りに駆り出された。あの最初の大襲撃ほどではないが、たびたび自然発生したゾンビやスケルトンのようなアンデッドが街や村、街道を渡る馬車を襲撃する事件が起きている。クレリックたちはアンデッドを破壊、ないし制御するスペシャリストであるために、闇の神殿はいつも大忙しなのだ。

 未だ若手ながらも期待のホープとして引っ張り出される妹に付き添って、大剣(グレート・ソード)をぶん回してスケルトンを破砕する日々。時折り現れるゾンビは、職業柄、刀剣武器を扱い慣れないクレリックの方々に代わって筋力任せに振り回す俺は勇猛な子どもとして様々な意味で可愛がられるようになった(なお、実際は増強の魔法が込められたポーションをこっそり取り出してドーピングしている。これが初めてのチート使用だった)。光るものを持たないながらも、健康な茶髪のさわやか風そこそこイケメンに産んでくれた両親、そして産ませてくれた闇の女神には今でも感謝の祈りを忘れずにきちんと捧げている。

 しかしながらそれ以上に、信仰のエネルギーを放出し、知性無きアンデッドの集団を漏れなく畏怖させ、動きをピタリと止めさせる妹の勇姿を見る人々の目は、まるでアイドルを見ているようでどこか危うげな気持ちを俺は抱いている。確かにどこか冴えない俺よりも流れるような黒髪に煌めく瞳を持つ彼女が魅力的に映るのは分かるけど。俺の側におらずとも立派になりつつある妹からは、俺がポッと出のガチャ産レアとすると、妹はシナリオ入手SRのような……そんな完成されていて当然の雰囲気、あるいは誰かの思惑を感じる。具体的には闇の女神様の意図を。

 

 

・12歳の頃

 先年、水と土の神の勇者が名乗り出たことで、残るは闇と光の二勇者だけとなった。勇者伝説に曰く、光の勇者は最後に現れるそうなので、次に現れるのは闇の女神の勇者となる。勇者の登場には2ケースあって、神殿に勇者たる人物と認められて祝福を受けるケースと、出生時に女神から祝福を受けているケースがあるという。今代の火や風の勇者は前者で、水と土の勇者は後者らしい。そのケースで言えば闇の女神から祝福という名のチートを得た俺は、女神の言動からも闇の勇者筆頭だろうと思っている。が、チキンハートの俺が名乗り出なかったりチートをフル活用して逃げ切った時は世界はどうなるのか?そう考えると、恐らく“控え”が用意されているのではないだろうかと推測した。幼くして女神から信仰呪文を授かり、アンデッド退治で経験を積み一廉の信仰者となり、そして仮に俺が勇者候補とすると、同じ血筋、経歴を持つ我が妹などは間違いなく闇の勇者第二候補だろう。というより転生者ゆえに幼い頃から才能を鍛えている俺に匹敵する天性の才を見せる妹は、そうでもなければ同じ血から生まれ同じ場所で育ったものとは説明つけがたい。それに、よくよく考えれ見れば勇者候補を同じ場所でまとめて育てるのは合理的だ。

 俺と違って第一の生ながら女神に愛される妹の天運にやや嫉妬しつつ、クレリックとしての活動に精を出す妹を見て心配もお節介もいらなかろうと、勇者に認定されるのを防がないことにした。一方で、万が一うっかり俺が勇者認定されないかという心配から、(闇の女神は俺の心配をお見通しだとは思うが)念には念を入れてお伺いを立てることにした。最大三回まで願いを叶える魔法のルビーが嵌った、リング・オヴ・ウィッシーズ。そのルビーの力を一つ費やして、クレリックが神託を得る時に用いる“交神(コミューン)”呪文のパワーを模倣することで、闇の女神に「はたして俺は闇の勇者に認定されうるのか?」「俺はこのまま過ごしていても認定されずに済むのか?」などの、俺の勇者認定と回避手段について確認を取った。

 闇の女神からの返答は「心配は無用」という一言だった。質問の答えになってないが、どこか聞き覚えのある声だったため俺は信頼して時を待つと決めた。

 

 

・半年後の妹10歳の日

 妹10歳の誕生日、神殿長から二人まとめて呼び出しを受けた。珍しいと呟く妹に、うっすらと展開を察した俺は黙って神殿長の元へと彼女を急かす。

「今代の闇の勇者は太陽。太陽は魔王を調伏する、と闇の女神は仰せられた」

 そうして人気のない場所へ連れられた俺たち二人は、そこで前置きの闇の女神から賜った託宣を告げられる。そして神殿長は、今代の闇の勇者は我が妹であると告げた。

 俺は察していただけに驚きはないが、どんな顔をしているかと妹を見たが、まるで驚いた素振りを見せなかった。妹は承りますが、何故私が選ばれたのでしょうかと神殿長に問い返した。女神のご意思であるが、と神殿長は少し迷った様子を見せ、真実のところを語った。

 伝承に曰く、地水火風の四勇者は生まれ持った、あるいは身につけた武勇により選ばれるが、光と闇の勇者の選出は異なるという。特に闇の勇者は、類稀に見る容姿を持つそうな。しかるに、そこそこイケメンに収まる俺と比して煌めく黒髪を持つ絶世の美女たる片鱗を見せる妹は、その基準に合致する。

 妹は、女神への信仰や能力、才能によって選ばれたわけでないことに少々不満顔を見せるも、「闇の勇者の名、謹んで拝命いたします」と神殿長、そして闇の女神像に向かって述べた。

 神殿長は、今後闇の女神に祝福された勇者のみ使うことの出来る神器を手に入れるため、闇の聖域へ向かうよう妹に指示し、他勇者と合流するまでの妹の護衛に俺を指名した。妹が闇の勇者に指名されただけかと安心していたところに突然名前を出されたことに驚く俺。立場や経験、レベル的にも神官戦士がいるはずではないかと問うが、神殿長は俺にこう言った。

「闇の女神様の託宣において、太陽という言葉は月と対で用いられるのが常。しかし今代の勇者を太陽と述べながら、対となる月については触れられていない。では彼女が太陽ならば、月は誰か?女神は述べないが、太陽の妹に対する月はすなわちその兄のことを暗に指しているのではないか。私は、月たる兄に何か意味があるのではないかと思っている」と、神殿長は自らの考えを伝え、俺に闇の勇者行への同行、その是非を問うた。

 俺は闇の神殿が預かっている身だが、女神に身を捧げていないのでその代理たる神殿長の言葉に従う必要はない。これはお願いである。妹も俺が心配するほど弱くもなければ、チートで甘やかされる必要もないだろう。しかしながら、勇者の護衛という立場には興味があった。正確にいえば、合流した時に顔を合わせる、転生者かもしれない他の勇者の素性に興味がある。故に俺は妹の心配が3割、打算6割で使命を受けた。残り1割は特に理由もなく、神殿を出て外を旅するには都合のいい機会であること。神殿暮らしは住まいの心配が無いけど、金銭収入は少ないのが贅沢な悩みである。

 神殿長はそんな思惑まで知らず、俺が悩む余地なく受けたことに安心した様子を見せ、妹を、もとい新生闇の勇者を頼んだと告げられる。出発は明日だが、餞別に魔法のロングソード(長剣)をいただいた。切れ味を強化する以上の効果はかかってない、武器としては高価ながら魔法の武器として見ると最低質のものだ。しかし、何もこのロングソードをそのまま使う必要はない。体の良い出所が得られたのだから、後はこれをチートで取り出した武器と交換すれば持っていてもおかしくない武器となる。渡した神殿長本人とは暫く会うことはないだろうから、すり替えても誰にも疑われることはない。しめしめ。

 人目のないところで鞘からロングソードを抜き取り、チートで“倉”内のより良質のものと入れ替えた。魔法の武器が放つオーラは従来のものよりやや強くなってしまったが、勇者のお付きに餞別として渡されるにはありえなくもないレベルの装備だろう。

 

 

・出発の日

 翌日、闇の聖域行きの馬車に乗りながら神殿の皆に見送られる。勇者話を告げられたのは昨晩の急な話だったが、短い間に大勢の人に伝わったようだ。神殿仕えの同僚や、神官戦士たち、神殿長に手を振って別れを告げる。妹は涙を見せることもなく、きっと無事に戻ってくると使命感を抱いた様子で毅然として彼らの視線を背中に浴びた。

 今まで育った街から離れ、聖域までの道中にある丘の麓まで来たところで、俺は妹に勇者になった感想を尋ねる。冷やかすつもりではないが、間近で共に育って気心を知っているだけに勇者になる勇気があるとは思えなかった。そこのところ、本心を聞いてみたが、帰ってきたのは勇者に認められたからには女神に祝福された者として魔王を倒す、という義務感からなる答えだった。思っていた答えとは違ったが、その心は勇者になっても妹は変わらず妹のまま、そもそも勇者だって人の子だと納得して神に選ばれし者という敷居の高い印象は捨て去ることにした。

 その夜は丘を越えたところの宿場村に泊まった。旅する二人の子どもを不思議に思って問われたところ、妹が勇者とその護衛だと返すと村をごった返す大騒ぎになった。慌てて妹ともども騒ぎを沈めたが、この経験から以降は不要な場では勇者の名を出さずに自粛すると決めた。

 

 

・次の日

 神殿を発った日よりも村総出のより大勢に見送られながら聖域への道を進む。

 お昼頃に崩れかけた石造りのアーチにたどり着き、ここが闇の聖域の門だと伝えられる。門から少し脇道に逸れたところには闇の神殿を擁する小さな村があって、そこの神殿長に聖域と闇の神器についてお話を伺う。

 勇者の名を伝えるとこちらの神殿長は納得する素振りを見せて、神器と聖域の伝承を語る。

「闇の神器は決して人を害さぬタリスマン。呪いを解き、防ぎ、抑えるのみで戦う術を与えることはない。闇の女神は争いを好まないのだ。闇の聖域にてそれを守るは月の竜。彼なくしては神器は得られぬだろう」

などと供述しており、補足として闇の聖域ゆえに夜に挑まなければいけないことを付け加えた。それも伝承で語れと突っ込みたい気持ちを抑え、承諾した二人は早速今夜聖域に挑むことにした。

 

 夜、入り口のアーチを抜けて聖域に踏み込む。月明かりが薄暗く照らす中、葉のない木の合間に作られた獣道を松明片手に二人で進む。ここは聖域といえど、聖別された地ではなく獣やアンデッドも出現すると神殿から聞いている。現に臭いか明かりに誘われて、野犬の群れが飛び出してきた。数は5、俺一人で抑えきれる数でなく2体が抜けてしまうが妹も非力ながら戦闘経験は積んでいる。慌てた様子はあるが挟撃を受けずに時間を稼いでいるうちに、俺が魔法のロングソードの真の能力……燃え盛る炎の長剣、フレイムタンとしての力を解放し、野犬を

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 飽きた。
 いまいちキャラが好かなかったので設定だけ流用して女体化予定

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