捻くれ少年のラブコメディ   作:リヨ

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最初は小咲サイド


7話

「で、デートに誘う!?」

現在私はまたるりちゃんと作戦会議をしています。

「えぇ。比企谷くん、自分からは絶対誘わないと思うし」

「い、いやでも私まだ一条くんか比企谷くんどっちが好きかわかんないし....」

「小咲はそうかもしれないけど、最近のあんた、比企谷くんのことばっか見てるわよ?」

「えぇっ!?....ま、まさかバレたりしてないかな」

「気づいてないんじゃない?比企谷くん、昔のことは覚えてないみたいだし昔の絆は今じゃないんだから積極的にいかないと」

「で、でも思い出してくれるかも....」

「どうやって?」

「.....わかんない」

「ま、過去の事言っててもしょうがないし、とにかくデートに誘いなさい。最初は断りそうだけど来てくれるわよ」

「う、うん....」

さ、誘えるかな....

sideout

 

 

 

 

 

教室

「ひ、比企谷くん!」

「ん?なんだ小野寺」

「そ、その....あ、明日デートしない?」

ガタガタン!

......は?

「....は?」

心の声とかぶっちゃったよ。今なんて言ったこの子?

「で、デートだよ!.....だ、ダメかな?」

「....頭でもうったか?」

「なんで!?」

「ほら比企谷くん、小咲が誘ってるじゃない」

え、そんなこと言われても....周りの殺気凄いし。断れオーラがすごい。一条なんて顔面蒼白だし。

「すまんな。俺明日は用事が...」

「あるわけないわよね?さっき聞いた時暇って言ってたんだから」

「......」

そう言えばさっき宮本に暇って言ったんだ。いきなり明日の予定聞いてくるからおかしいと思ったんだよ!....というかもう小野寺が顔真っ赤にして涙目になってるから断るにも断れんしな....

「......はぁ。わかったよ。行けばいいいんだろ」

「ほ、ほんと!?じゃ、じゃあ時間とかはメールするね?.....そういえば連絡先知らないや。ついでに交換しよ?」

「お、おう」

なんかその後も一条やら色々交換して連絡先が増えました。

 

 

 

 

そしてデート当日

「お待たせ!比企谷くん!」

「おう。今来たばかりだから気にすんな」

このセリフ1回言ってみたかった!

「そう?ならよかった」

「....それと....ふ、服にあってるぞ」

「あ、ありがとう.....」

『......』

ほらー!やっぱり黙っちゃった!あれはイケメンだけの特権なんだよ!

「じゃあ行くか」

「うん」

今日はショッピングするらしい。女子と来ればいいのに。

 

「これどうかな?」

「いいと思うぞ」

「じゃあこっちは?」

「あーうん、いいぞ」

「それともこっち?」

「おーそれもいいな」

「.....比企谷くん聞いてないし見てないのになんで良いってわかるのかな?」

「す、すみません.....で、でも俺のセンスで判断してもろくなことにならんぞ?俺センスないし」

「大丈夫、私は比企谷くんに選んでほしいから」ニコッ

......そういうセリフや笑顔が勘違い男子を生むんですよ。

「.....じゃあ、右、かな」

「わかった!じゃあこれにするね!」

「ほんとにいいのか?」

「いいの!」

 

「比企谷くん何食べる?」

「じゃあこのカルボナーラでいいや」

「あーそれも美味しそうだよね!私はこのナポリタンにしようかな」

 

「おっ、なかなかいける」

「でしょ?ここのお店美味しいんだ〜!このナポリタンも美味しいよ?食べる?」

「い、いや別に....」

「はい、あーん」

な、何をしてるんですかこの子!?

「お、おい小野寺?」

「ん?.....!わ、わわ私何を!?」

「じ、自分で食えるから大丈夫だぞ」

「あ、う、うん....」

なんか惜しいことをした気がする。

 

「比企谷くん、今日は楽しかった?」

「....まぁつまらなくはなかったぞ」

「ふふっ、それなら良かった....ちょっと寄りたいところあるんだけどいい?」

「あぁ」

 

「ここの道を抜けるとね.....」

「.....へぇ、こんな場所が.....」

小野寺についていくと凄く景色のいい場所についた。丁度夕陽が落ちる時間帯なので眺めも絶景だ。....この景色どっかで見たことあるような....

「ここ、私しか知らないんだ」

「そんな場所教えてよかったのか?」

「うん!二人だけの秘密だよ?ハチくん」

ドクン

....!!!お、思い出した.....

「な、なぁ小野寺.....俺達って1回あったことあるか?小学生の時とか」

「うん....あるよ」

「.....全部思い出した。.....寺ちゃん、だよな?」

「!!うん!やっと思い出してくれた!ハチくん!」

「どわっ!お、小野寺いきなり抱きつくな!」

「ご、ごめん.....」

「....でもまさかあの寺ちゃんだったとは....」

「私ハチくんが転校してきた時すぐに気づいたのにハチくん気づいてないんだもん」

「す、すまん」

「.....それと昔私の前からいなくなったのつていじめをなくすためなんだよね?」

「....あ、あぁ。勘違いじゃなければそれなりに仲いいと思ってたからな。転校のこと伝えたらきっと止めると思って」

「.....そっか。寂しかったんだよ?」

「すまん....」

「....でもこうしてまた再会できたしいいかな!」

「....あのさ、もしかしてこれからハチくんって呼ぶのか?」

「え?うん」

「今のまま苗字で呼んでくれないか?」

「....どうして?」

「いや、ちょっと色々とめんどくなりそうだからさ」

一条とか一条とか一条とか。

「.....よくわかんないけど、わかった。それにいきなり呼び方変えるのもなんか恥ずかしいしね。あらためてよろしくね!比企谷くん!」

「....おう。よろしくな小野寺」

こうして俺たちは本当の再会を果たした。

 

続く


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