「よし、じゃあ今日は小野寺と比企谷が日直だな。よろしくー」
黒板消すのって意外と辛いよな。チョークの粉とかがさ。
「ん〜っ」
小野寺が黒板の上の方を消すのに苦労している。
「小野寺、上の方は俺がやるから無理するな」
「え?あ、う、うん。ごめんね」
「比企谷、小野寺!後でプリント運んでくれ!」
それ日直関係ないだろ。パシリか?サボろっかな。
「サボったら宿題の量倍な」
.....無理でした。
「意外と重いね」
「まぁな。半分持つぞ?」
「べ、別にそういう意味でいったわけじゃないから大丈夫だよ!」
「いいから」
「う、うん。ごめんね」
「.....なぁ、その謝るのやめたら?」
「え?」
「小野寺別に悪いことしてないのになんで謝るんだよ?」
「迷惑かけちゃったから...」
「それならお礼とか言った方がいいぞ。その方が一条とかも喜ぶぞ」
「!?な、なんで一条くん!?」
「いや、お前の普段の行動とか見てたら一条のことすきなのまるわかりだぞ」
「.....一条くんに気づかれてないよね?」
「あいつ鈍感だから気づいてないだろ。俺も別に誰かに言うつもりないから気にすんな」
「.....じゃあ比企谷くんは好きな人いるの?」
「は?なんでそんなこと聞くんだよ」
「わ、私だけ知られてるなんてなんかずるいもん!」
「....別にいない」
「そうなの?私たちのクラスとか可愛い子多いからいるのかと思った」
「そんなくだらんこと聞いてないで前向け。転ぶぞ」
「え?う、うん。きゃっ!?」
言ったそばから小野寺が階段から落ちそうになった。
「小野寺!」
俺はとっさに小野寺の手を掴んで抱き寄せた。このままだと俺まで落ちる!小野寺だけでも怪我をしないように俺が地面側にならないと!
ドタトタドタン!!
....,小町、俺死んだかも。
.....うぅっ。どうやら生きていたようだ。背中すごい痛いけど。
「あら、起きた?」
「保健室か」
「えぇ。あなた達が階段の下で倒れてるのを一条くんが運んでくれたのよ。男の子ね。小野寺さんをかばったんでしょ?」
「誰でも階段から落ちそうになってたらそうするでしょう」
「そうかしら?なかなかできないわ。一条くんには明日お礼をいうことね。小野寺さん、まだ目覚めてないみたいだから。起きたら戸締りして鍵を閉めておいてくれない?私ちょっと用事があるから。比企谷くんも何日かすれば痛みも引くと思うから」
「はい。すみません。わかりました」
.....はぁ。小町から連絡来てるな。まぁ普段すぐ帰るから遅くなってたら心配するわな。メール送っておこう。
「んんっ....」
小野寺起きたか?
「....ハチくん.....」
ドクン
まただ。胸がざわつくような感じ。それにハチくんって.....気のせいに決まってるか。小野寺と会ったの転校してきたのが初めてのはずだし。そろそろ起こした方がいいな。
「小野寺、小野寺起きろ」
「.....あれ?ここは....」
「保健室だ」
「そうだ!階段から落ちて....ハチくん大丈夫だった!?」
ドクン
「え?あ、あぁ。数日すれば治るって.....なに?ハチくんって」
「え?......!な、なんでもないよ!ちょ、ちょっと言い間違えちゃったの!あはは!気にしないで!ね!」
「お、おう。とりあえず帰るか」
「そ、そうだね!」
「そういえば一条のやつが保健室まで運んでくれたらしい。明日お礼言っとけ」
「そうだったんだ。でもお礼言うのは比企谷くんもでしょ?」
「小野寺から言っといてくれ」
「ダメ!ちゃんと自分で言わないと!」
「わ、わかったよ。ていうか離れろ近い」
「!ご、ごめんね!あ、家に着いた。また明日ね!比企谷くん!」
「おう」
.....さっきの胸のざわつきはなんだったんだろう。
続く