捻くれ少年のラブコメディ   作:リヨ

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25話

「……私ね…八幡君のことが好き」

………俺今なんて言われた?好き?誰が?小野寺が。誰を?俺を。

…幻聴じゃないよな。小野寺の顔からしてそれはない。ドッキリ?

ここは小野寺の部屋だし可能性は低い。というか小野寺はそんなことする奴じゃない。

(わ、私今なんて言った!?こ、告白しちゃったよね!?ど、どうしよう!八幡くんと2人きりで嬉しくてなんかついポロッと…ぜ、絶対引かれた!嫌われたかな……で、でも言っちゃったものは仕方ない!もうヤケクソだよ!)

「…は、八幡くんは私のことどう思ってる…?」

「……お、俺は…」

俺は小野寺のことをどう思ってるんだ?嫌い?いやそんな訳は無い。

じゃあ好き?そもそも何で文化祭の時も、小学校の時も、小野寺を助けようとした?俺が嫌だったから。小野寺の悲しい顔なんて見たくなかったから。笑っていて欲しいから。それは何故だ?

「……俺も…小野寺のことが好きだから…」

「…え?」

……あれ、今口に出した?出したよね?

「……ほ、ほんとに?」

「………あぁ。多分、俺は小学校の時からお前のことが好きだったのかもしれない…」

「う、嘘じゃない?」

「こんな時に嘘つくほど俺は最低男じゃない」

「…じゃ、じゃあ…両思い?」

「…ま、まぁそうなるな」

「……八幡くんっ!」

「おわっ!?」

小野寺は勢いよく俺に抱きついてきた。

「わ、私言ってからもし八幡くんに嫌われたらどうしようって、関係が壊れたらどうしようってすごく後悔して…」

「…まぁ言われた時はびっくりしたけどよ。言われて気づいたんだ。ずっと小野寺のことが好きだったんだって」

「嬉しい…すごく嬉しい…」

「…俺もだ」

「……両思いってことは付き合うってことだよね…?」

「まぁそうなるな。小野寺が嫌なら無理にとは言わないけど」

ここで無理とか言われたらすぐ窓から飛び降りる自信あるぞ。

「そ、そんな事言わないよ!…恋人同士になるってことだよね?」

「あんま言わないでくれ。恥ずかしい」

「…えへへ…なんだかすごく幸せ…」

「お前ニヤケすぎだろ」

「だ、だって嬉しいんだもん!……恋人同士ならさ、八幡くんも名前で呼んでくれない?」

「無理」

「即答!?…お願い…」

「うっ……こ、小咲」

「!もう1回!」

「もう言わん。というか前も言ったことあるだろ名前で」

「そ、そうだけど、全然呼んでくれなくなったから…」

「…これからは呼ぶから許せ」

「…もう仕方ないなぁ。…八幡くん、改めてよろしくね?」

「おう」

「……」

「?どうした?」

「え、えっと…お願いがあるんだけど…」

「なんだよ?」

「…き、キスして欲しい」

「…まじで?」

「…う、うん」

「……わ、わかった。目閉じろ」

「うん…」

「……」スッ…

「……えへへ、ファーストキスなんだよ?」

「…そんなの俺もだ」

「……るりちゃん達にも報告しなきゃね」

「まじで?絶対集とかからかってくるだろ。…あ」

「どうしたの?」

「い、いやなんでもない」

楽どうしよう…あいつも小野寺のことが好きなはず…1発殴られることは覚悟しておこう。

「…ふふっ」

「お、おい、腕に抱きつくな」

「恋人同士なんだからいいの!」

「うっ…」

リア充はこんなこと平気でやってるのか。いや、嬉しいよ?でもなんかすごい精神使う。

「今度2人で旅行とか行きたいね」

「まぁそのうちな」

「浮気とかしちゃダメだよ?」

「する度胸もないしそんなモテてる訳でもないんだから安心しろ」

「八幡くんのために料理も勉強しなきゃね」

「無理しなくてもいいぞ。なんなら俺が作るし」

「ううん、私も少しは成長しないと!」

「とりあえず俺はそろそろ帰るわ。夜も遅いし」

「そうだね。また学校でね?」

「あぁ。…またな小咲」

「うんっ。またね八幡くん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………俺、恋人出来たんだよな。……〜〜!!!????!!

「…お兄ちゃん、帰ってきてそうそうどしたの?キモいよ?」

「…今の俺は何を言われても動じんぞ」

「???」

「小町、重大発表がある」

「お姉ちゃんと付き合うことになったとか?」

「……え、なんで知ってるの?」

「ほんとに!?お兄ちゃん!!」

「カマかけたのかよ…ほんとだよ」

「うぉぉぉ!お兄ちゃんがついにやったー!!」

「女の子がうぉぉぉ!とか言わないの」

「で、どっちから告白したの!?」

「…小咲」

「お姉ちゃんか〜まぁお兄ちゃんそんな度胸ないしな〜どうせ言われて好きなの気づいたとかじゃないの?」

「…おっしゃる通りでございます」

「全く…お兄ちゃん、ちゃんと大切にするんだよ?お兄ちゃんに彼女なんてもう出来ないんだから」

「あぁ。わかってる」

「そうと決まれば今日は赤飯だー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして冬休みも明け、三学期。

「楽、集、話がある」

「なんだよ?」

「えっとな…俺、小咲と付き合うことになった」

「「…え?」」

「…ま、まじで?」

「まじで」

「……そっか。おめでとう八幡!八幡なら安心だ!」

「…怒らないのか?」

「なんでだよ?それに、小野寺が八幡のこと好きってことなんとなく気づいてたしな」

「まじかよ。全然分からんかった」

「まぁ八幡も鈍感だからな〜で、小野寺とはもうキスしたのか?」

「ぶっ!?…集、お前そういうことしか言わねぇな」

「だって気になるじゃん〜した?」

「…ノーコメントで」

「したな」

「したね」

「うるせぇ。それより楽はどうなんだ?」

「なにが?」

「桐崎と」

「は!?いや、あいつとはフリだって!…まぁ悪いやつではないのは知ってるけど」

「ま、仲良くやれよ」

「俺の話はいいから八幡の話しようぜ!」

「ちっ」

「今舌打ちした!?」

 

 

 

 

「あ、楽。あんた達も聞いたの?」

「ってことは千棘たちもか」

「改めておめでとうございます。お二人共」

「ありがとう、鶫ちゃん」

「やっとって感じね」

「あはは…るりちゃんには大変お世話になりました」

「比企谷、あんた小咲ちゃん泣かせるんじゃないわよ?」

「わかってる」

「じゃあ今日はパーティでも開こうぜ!」

「そうね。舞子くんなしで」

「るりちゃん相変わらずだな〜」

「…八幡くんっ」

「お、おい教室で抱きつくなよ」

「…大好きだよ」

「…あぁ。俺もだ」

 

 

続く


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