捻くれ少年のラブコメディ   作:リヨ

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24話

楽が突然現れ桐崎を高級ホテルのスイートルームに連れ去った事件から数日が経ち、新年を迎えた。つまり今日は元旦。ちなみに楽のあの発言はどうやら桐崎親子の話だったらしい。よく分からんけど。

そして今日は楽達と初詣に行くことになった。

「おっ、八幡こっちだ」

「うす。女子はまだ来てないのか」

「着替えとか時間かかるんじゃないか?」

「桐崎さんとか小野寺の振袖綺麗だろうな〜。な、楽」

「なんで俺に聞くんだよ。まぁ確かに…」

「お待たせ〜」

「ごめんね、少し時間かかっちゃって」

「なんで舞子くんまでいるのよ」

「今日一緒に行こうって発案したの俺だよ?」

「とりあえず行こうぜ」

 

 

「俺中吉だ」

「私は大吉よ!」

「小吉。微妙ね」

「俺も小吉だ。るりちゃんと縁があるね!」

「氏ね」

「ひどいなぁ〜」

「私も大吉だ。八幡くんは?」

「…凶」

「「「…」」」

「まぁそう落ち込むな八幡!凶ってほら、もう下がることはないってことだし!」

「そ、そうよ!元気だしなさい!」

「わ、私の運分けてあげるね!」

「お前ら慰めるな」

余計悲しくなるだろ。

 

カランカラン

「「「……」」」

「…ふぅ」

「八幡くん何お願いしたの?」

「別に大したことじゃないぞ?健康第一って願っただけだ。あと小町の受験」

「あー小町ちゃんも受験だもんね」

「小野寺は?」

「え?わ、私もそんな感じかな」

「ふーん」

(まさか八幡くんとずっと一緒にいられますようになんて言えないよね)

「次どうしよっか?」

「別にすることないし帰ればいいんじゃね?」

「屋台出てるし回らないか?うちのモンも店出してるらしいし」

「おっ、いいね」

「俺はかえ」

「さっ、八幡くんも行こっ」

「お、小野寺引っ張るな」

 

「わぁ!これもこれもただよ!」

「千棘はしゃぎすぎだ」

「みんな!今日は食べ放題よ!」

「千棘ちゃん楽しそうだね」

「あいつ前の祭りの時も俺をフリーパス代わりに使いやがったんだぜ」

「よし楽、あのプリキュアのお面欲しい」

「自分で買え!っていうかプリキュア!?」

なんだよ。プリキュアいいだろ。全年齢向けアニメじゃん。

「八幡くん、りんご飴貰ってきたけど食べる?」

「じゃあもらうわ」

「おいしいね」

「まぁ…そうだな」

「また来年もみんなで来たいね」

「そうだな。来年は俺達も受験だけど」

「また勉強しなきゃね。来年は小町ちゃんとか春もいるかもね」

「そうかもな。もしそうでも集に小町は近づけさせんけど」

「あはは…あれ?みんなは?」

「…そういえばいないな」

「ちょっと電話してみるね…あ、るりちゃん?今どこにいる?…うん…じゃあそっちに…え!?う、うん…そ、そうだよね。わかった」

「なんだって?」

「結構場所離れちゃったからもう別々で行動しようって」

「まぁ人も多いしな。どこかでまた会うだろ」

「そうだね。…もうちょっと見て回る?」

「…少しだけなら」

「!うん!」

 

「八幡くん射的あるよ。一緒にやらない?」

「こういうの基本取れないからな」

「そうかもしれないけど。わからないよ?」

 

「やった!」

小野寺のやつp〇4撃ち抜きやがった…

「まじか…」

「八幡くんにあげる」

「いや、小野寺が当てたんだから」

「私あまりゲームとかしないから八幡くんにあげるよ」

「そうか?…じゃあありがたく貰っとく」

「うん」

 

「次どうしよっか?」

「そろそろ帰ろうぜ。疲れた」

「そうだね」

 

「じゃあまた学校でな」

「うん。また学校で」

「あれ?小咲?」

「あ、お母さん」

「八幡くんまで。デートでもしてたの?」ニヤニヤ

「ち、違うよ!他にもいたから!」

「八幡くんありがとね。小咲見送ってくれて。ちょっと上がってかない?」

「いえ。結構です」

「そんな遠慮せずに!ほら!」

「あ、ちょっ!」

 

「ご、ごめんねお母さんがいきなり」

「気にするな。別に家帰っても本読むだけだしな」

「…」

「…」

「えっと…す、少し着替えたいから…」

「あ、あぁ悪い外出るわ」

「ごめんね」

小野寺の部屋に入るのも二回目か。というか今考えるともう俺ボッチじゃなくね?俺のアイデンティティが…

「あれ?…こう…きゃあ!」

「!どうした小野寺…」

「…あ…」

小野寺の叫び声がしたので開けてみると…小野寺は振袖が絡まって下着がちょこちょこ露出した状態になっていた。

「…す、すまん!」

「ま、ま待って!振袖脱げなくなっちゃったから…て、手伝って!」

「い、いやでもな…」

「は、八幡くんなら大丈夫だから!」

「待て。俺が大丈夫じゃない」

「お、お願い!」

「…わ、わかった」

「で、でも目開けないでね」

「どうやって手伝うんだよそれ」

「じゃ、じゃああまり見ないでね…」

「…善処する」

 

…と言ったもののやっぱり無理。小野寺の胸とか色々見えてやばい。

「こ、こうか?」

「もう少し引っ張って…ひゃぁ!?」

「す、すまん!」

なんか変なところ触ったか!?お、落ち着け。いつものクールな八幡に戻るんだ。

「小咲ー、ジュースとお菓子持ってきたわよ」

「うぉぉぉ!?」

「えっ、きゃ、きゃあ!?」

突然の小野寺母に驚いた俺は小野寺の方に倒れ込んでしまう。

「…ごめんね小咲、お楽しみ中だった?」ニヤニヤ

「あ、あわわわ!」

「す、すまん小野寺!」

「八幡くんも意外と大胆ね〜」

「ち、違います!これは事故で…」

「そ、そうだよ!お母さん!」

「そんな誤魔化さなくてもいいのに」ニヤニヤ

「!そ、そうだ!小野寺の振袖脱ぐの手伝ってあげてください!絡まったみたいなんで」

「あら、そうなの?あんたドジねぇ」

「お、俺外でてるんで!」

なんとか回避したぞ…そもそも最初からおばさんに頼むべきだったんだ。

「八幡くんできたわよ。振袖脱げなかったなら最初からそう言えばいいのに〜」

あんたが勝手に勘違いしたんでしょ。

「でも嬉しかったでしょ?」

「…ノーコメントで」

「ふふっ、じゃあごゆっくり〜」

「…お、小野寺さっきはすまなかった」

「う、ううん。手伝わせた私が悪かったし…」

「「…」」

「…八幡くんは、さ」

「?」

「……好きな人とかいる?」

「…は?なんだよいきなり」

「……私ね……八幡くんのことが好き」

 

 

続く


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