捻くれ少年のラブコメディ   作:リヨ

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遅くなって申し訳ない…忙しいんです、許して



18話

事件から数日経ち、俺の怪我もすっかり治った。

「おにいちゃんおにいちゃん」

「なんだね小町さんや」

「夏休みだね」

「そうだな」

「なのにどうして小町達は家でゴロゴロしてるんでしょうか」

「別にすることないからだろ」

「そうです。なので!今から小咲お姉ちゃんの家に行きます!」

「ちょっと待て、どうしてそうなる」

「おにいちゃん、小咲お姉ちゃんに誕生日プレゼントあげた?」

「あいつもう過ぎたのか?」

「このごみいちゃんは…小咲お姉ちゃんの誕生日は6月15日!」

「へぇ〜」

「全く…ということで、おにいちゃんは小咲お姉ちゃんをお祝いしてあげなきゃいけないのです!」

「いや、いまさら祝っても」

「NO!早いも遅いもないのです!お姉ちゃんぜったい喜んでくれるから!プレゼントを用意する!」

「それに小野寺忙しいかもしれんぞ?」

「大丈夫!もう約束してあるから!」

この子はなんでこういうことに関しては準備が早いんだろう。

勉強にもそれくらいやる気を出して欲しい。

 

 

 

 

「小咲お姉ちゃん!お邪魔します!」

「いらっしゃい。小町ちゃん、八幡くん」

「すまんな、小町がわがまま言ったみたいで」

「うんうん、私もまたお話したかったから気にしないで。さ、上がって!」

「おにいちゃん」

「ん?」

「今日はゲストもいるよ♪」

「ゲスト?」

そして俺達はリビングに案内された。そこにいたのは…

「…お、お久しぶりです、お兄さん、小町ちゃん」

「…春、だよな?」

「は、はい」

「春ちゃーん!久しぶり!!会いたかったよぉ!」

「こ、小町ちゃん!暑いよぉ!」

「ゲストって春のことだったのか…」

まぁたしかに驚いたわ。夏休みだし帰ってきていてもおかしくないか。

「元気だったか?」

「は、はい。お兄さんは相変わらず…」

「目はデフォだ。治らん」

「べ、べつにそういう意味で言ったわけじゃありません!」

「あとさ、お前なんでさっきから敬語なの?」

「え?えっと…」

「わかってないなー。春ちゃんは久しぶりにおにいちゃんと会ってどう接すればいいのか分からないんだよ」

「べつに昔みたいでいいぞ?」

「…う、うん。わかった」

「それにしても春ちゃんさらに可愛くなっちゃったなー!もう抱きしめたい!」

「お前もう抱きしめてるだろ」

「こ、小町ちゃんこそすごい美人だよ」

「ありがとー!…おにいちゃんはどう?」

「ええっ!?…す、すごくかっこよくなったと…思う」

「わざわざお世辞言わなくてもいいぞ…」

昔はめっちゃ怖がられてたからな。まぁ今は昔ほど怖がられてはいないけど。

「ううん、本当にかっこよくなったよ、お兄さん」

「…」

やばい、春の顔を見れば本心で言ってるのがわかってしまってすごい恥ずかしい。

「…春ちゃんも成長したね!」ボソッ

「?どういうこと?」

「今のセリフ恥ずかしくてそう言えないよ!」

「…〜っ!!お、お兄さん!今の忘れて!」

「えぇ〜今結構キュンと来たのに」

「おにいちゃんがそんな事言ってもきもいだけだよ」

「小町にキモイって言われた…」

「うぅ〜…」

まぁでもなんかこういう時間は楽しいな。この4人でいるのはなんかしっくり来る。

「そういや、おばさんはどうしたんだ?」

「お母さん?今はちょっと出かけてるんだ。なにか用があったの?」

「いや、大したことじゃない」

昔のこととか聞いてみたかったんだけど、まぁ今度でもいいか。

「それじゃあ今からどうしよっか?」

「…」

「…」

「…お前ら約束しといて何するか決めてないのかよ」

「あはは…いやー春ちゃん帰ってくるって聞いて会いたかったので頭いっぱいだったから」

「まぁじゃあ…ほら小野寺」

「え?…これって?」

「あー…遅くなっちまったけど、誕生日プレゼントだ。桐崎は祝ったのに小野寺だけ祝いがないのも変だしな」

「…八幡くん…ありがとう!すごい嬉しいよ!」

「お、おう、そうか」

「開けてみてもいい?」

「あぁ」

「…わぁ!綺麗な髪留め!」

「おぉ、おにいちゃんにしてはセンスがいい!」

「お前失礼だな」

「…えへへ、どうかな?」

「っ…い、いい感じだと思うぞ」

「おにいちゃん、今見惚れたでしょ」

「ば、ばっか!ちげぇよ!」

そう、別に見惚れてたわけじゃない。うん。後ろの窓にいたてんとう虫に見惚れてたの。うん。

「うわー、すごい必死」

「ほんとにありがとう!すごい嬉しい!」

「まぁ喜んでくれたならなによりだ」

「いや〜良かったねおにいちゃん!これ!小町からもプレゼントです!」

「小町ちゃんも?ありがとう!」

「わぁ!ブレスレット!」

「お姉ちゃんイメージして選んだんだ!」

「とっても可愛いよ!2人とも、ほんとにありがとう!」

小野寺も喜んでくれたみたいで良かった良かった。

 

続く


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