桐崎の誕生会が終わり、数日後、なんとまた転校生がやってきた。
転校生のバーゲンセールだな(白目)。
名前は橘万里花。楽の幼なじみで十年前に約束した女の子のうちの1人らしい。つまり俺とも面識があるわけで、橘は俺のことも覚えていた。まぁ俺は覚えていないんだけど。名前でいきなり呼ぶのはやめていただきたい。心臓に悪いから。ちなみに橘は楽にぞっこんだ。
いつもベタベタしてる。爆ぜろ。さらには許嫁らしい。
もうまじで爆ぜろ。
「おーい、楽、八幡!修学旅行の写真集出来上がったらしいから見に行こうぜ!」
「おう!」
修学旅行ねぇ....なにもなかった。うん。なにも。
「意外と量あるな」
「困るな〜なるべくたくさん欲しいよね」
「まぁな」
「あ、小咲〜これなんてどう?」
そこにあったのは俺と小野寺が手を繋いでる写真だった。しかも結構アップで撮られてる。いつとられたんだよ。
「な、なかなかいい写真ないね!」
「.いや、これは?....せっかくだし買うか」
「え!?....じゃ、じゃあ私も買おうかな」
よく考えたらこれ結構恥ずかしい。
「そこの旦那〜」
「んだよ集」
「うちの商品見てってくださいよ〜。ここでしか手に入らない写真だよ!俺が求めるのは女の子のちょっぴり恥ずかしいショットのみ!ほら楽と八幡も」
「一体なんの....」
「.....」
これは。小野寺の寝顔写真。というか俺と一緒に寝てた時のだし。あ、語弊をうむね今の言い方。.....買おうかな。
「ちなみに1枚500円だよ」
「買おう」
「俺も」
「毎度あり〜」
集のやつ一体どこであんな写真とってたのやら.....ん?これって....
「ぶっ!?」
ちょっと待て。この桐崎が写ってる後ろにいるの小野寺じゃねぇか!?しかも着替え中だし!だめでしょこれ!
「....先生のとこ持ってくか」
「あれ?比企谷くん?まだ決まってなかったの?」
「げっ、小野寺」
「?何隠したの?」
「い、いや何も隠してないぞ?」
これはバレたらまずい。男子に下着姿見られるなんて嫌だろうからな。
「え?でも今....」
「ほ、ほんとになんでもないぞ?うん。俺ちょっと職員室いくから!」
「あ.......今の写真.....千棘ちゃん?」
数日後
「一条くん」
「ん?どうしたんだ小野寺?」
「実はうちの店のアルバイトの人が休んじゃって、今人手不足なの。一条くん前料理上手っていってたよね?それでもしよかったら明日だけ手伝ってほしいんだけど....」
「おう!いいぜ!....って、あーすまん。俺明日用事あるんだ」
「そっか.....困ったな」
「そういや八幡前家で家事してるとかいってたよな?」
「え?いやでも俺一条ほどじゃないぞ?そんな何10人分も飯作らんし」
「比企谷くん、お菓子とか作ったことある?」
「まぁ時々な。妹が食べたいって言った時は」
「.....うん。比企谷くん、お願いします!」
「え〜....」
「少し手伝ってくれるだけでもいいの!」
「.....わかったよ」
「ほんとっ!?ありがとう!」
.....素人に和菓子屋のアルバイトなんて務まるのだろうか。
続く