そして時間もすぎ、肝試しの時間となった。
ちなみにこの肝試しは男女ペアで、決め方はくじ引きである。
まぁつまり、運が良ければカップル誕生、なんてこともあるのかもしれない。リア充爆ぜろ。
「楽、もし小野寺のと同じ番号当たったら欲しいか?」
「.....五百円で買おう」
「おっけー!」
俺は誰とペアになるのだろうか。なるべく知ってる人が....ってそれ4人しかいないわ。.....でもちょっと小野寺と一緒は今は恥ずかしくて無理。会話もまともにできないから。
「よし!いってくる!」
「頑張れー」
まぁここだけは一条が小野寺とペアになることを祈ってやろう。
俺って超優しい。
「.....」
「どうだった?楽」
「.....桐崎とだった」
「おっ、すごいねー。やっぱり相性いいんじゃない?」
「だ、誰があんなやつと!」
「ま、もし俺が当たってもそのペアをかえちゃうと誠士郎ちゃんあたりに怪しまれるかもしれないしかえるのは無理だね」
「くっ....」
「ま、桐崎さんならいいじゃない!あわよくばイチャコラできるし」
「するわけないだろ!」
「あはは!ん?次八幡だぞ?」
「え?おう。いってくる」
「おー、八幡運いいな。小野寺となんて」
....マジデ?
「.....!」プイッ
....今小野寺の方見たら顔そらされたし.....はぁ。
結局ペアは一条と桐崎、舞子と宮本、鶫はなんか女子と同じになったらしい。どゆこと?そして俺は小野寺と。
『.....』
うん。非常に気まずい。本当は肝試し中は手を繋ぐんだが、みんな見えなくなったら恥ずかしくてすぐ手放したし。あんなことあったあとにまともに話せるわけないだろ!....これ絶対怒ってるよな。遅いかもしれないけどやっぱり謝ろう。
「....な、なぁ小野寺」
「な、なに!?」
「.....すまなかった!」
「.....え?」
「その....昨日の温泉で.....事故とはいえ、小野寺と....き、キスを...」
「.....」カァァァ
ほらー!また顔赤くなって怒ってるよ。許してもらえるのだろうか?
「....本当にすまなかった。許してほしい」
「.....じゃあ一つだけ質問に答えて?」
「あぁ。なんでも答える」
「その.....比企谷くんは私として....そのい、嫌だった?」
え?何その質問。これの答えで許されるかどうか決まるよな。
どっちを答えればいいんだ?.....うーん、わからん。自分の正直な気持ちをいうしかない。
「.....ま、まぁ嫌ではなかったぞ」
「ほ、ほんとに?」
「ん?あ、あぁ」
「....そっか。...比企谷くん、私も嫌じゃなかったよ?」
....は?
「そ、それってどういう....」
「さ、早く先進もう!」ギュッ
「あ、おい!」
「....♪」
.....まぁなんか小野寺の機嫌良くなったっぽいしさっきの答えで良かったのか?
「おっ、八幡たちもかえってきた!」
「?小咲、あんた何かいいことでもあったの?」
「ん?ううん、別に?」
「くっ、比企谷羨ましいぞ!」
「お前の運がなかっただけだろ」
「くそ....千棘のやつ、怖がりらしくてよ。進むの大変だったぜ」
「なっ!し、仕方ないでしょ!怖いもんは怖いんだから!楽だって時々びびってたじゃない!」
「お前ら名前呼びになったのか?」
「え?あ、おう。前よ付き合ってるのに名前呼びじゃないのかって言われてさ。だからいい機会だしかえるかってなって。そうだ。比企谷とも名前呼びにしようぜ!集だって名前で呼んでるんだし!いいだろ?八幡」
「俺もそろそろ名前で呼んでくれると嬉しいかな〜」
「.....はぁ。わかったよ。楽、集」
『おう!』
俺なんかがこんなリア充みたいな生活を送っていていいのだろうか?
なんか後から嫌なこと起きそうな予感がする。
「比企谷くん、早くバスに乗ろう?」
「あぁ」
.....まぁでも今回くらいはいい、かな。
続く