サツキは頼那を連れて学校に登校していた。
?「おーい!サツキ君〜!」
サツキ「淳希、おはよう。」
淳希「おはよう。サツキ君!あれ?その子は?」
頼那「は、はじめまして……」
サツキ「ああ、この子は……、まあ部室に着いてから説明するよ。」
ーーー
バディ部室
サツキは朝からバディ部の2人を部室に集めた。
奏「サツキ君、私達を呼び出してどうしたの?」
サツキ「ああはい、自己紹介して」
頼那「あ、私は黒谷 頼那です。」
奏「私は深山 奏、このバディ部の部長だよ。」
淳希「私は高宮 淳希、今朝会ったよね!」
頼那「はい!」
奏「それで?サツキ君……、彼女を紹介する為だけに私達を呼び出したの?」
サツキ「いえ、ちょっと事情がありまして……」
サツキと頼那は2人にある程度の事情を説明した。
奏「なるほど、頼那ちゃんは特別なカードを持っていて……」
淳希「頼那ちゃんとそのカードを狙って悪い人達が襲いかかって来るって訳だね?」
サツキ「ああ、だから学校に居れば、人目も多いし、セキュリティーもそれなりに整っているから1人でいるより安全かな〜ってさ。」
奏「なるほど、さすがサツキ君だね。」
淳希「確かに、学校なら安全かもね!」
サツキ「え、信じてくれるんですか⁉︎」
奏「何を今更……、私が君を疑った事があったかい?私は信じるよ、サツキ君の事をね。」
淳希「私も!」
奏「それに……、私達なら信じてくれると思ったから、私達に話してくれたんだろう?それだけで私は嬉しいよ。私の方こそ信頼されていると実感できたよ。」
サツキ「奏先輩……ありがとうございます。」
頼那「ありがとうございます!」
淳希「よろしくね!頼那ちゃん!」
頼那「うん!」
ーーー
サツキ達は授業を受ける為に教室に行く。因みに頼那は、いくら学校でも部室に1人はアレだと言う事から、1日体験入学と言う形で授業を受ける事になった。バディ部の顧問でサツキのクラスの担任である倉橋先生はとても寛大な心の持ち主だ。頼那の1日体験入学を心良く了承してくれた。
授業が終わって……
クラスメイトA「黒谷さん凄〜い!」
クラスメイトB「あんな問題よく解けたね〜」
クラスメイトC「ねえねえ!歴史部に来ない⁉︎」
頼那「え、え〜と……」
頼那はクラスメイトからの質問責めにあっていた。サツキのクラスの女子や男子は結構気さくな奴が多くて気軽に話しかけてくる子が多いのだ。サツキも編入した時は同じ状況になっていたものだ。
頼那「あの……えと……」オロオロ
淳希「ほらみんな〜、頼那ちゃんが困ってるでしょ〜」
サツキ「珍しいのは分かるけど、少し遠慮してあげよう」
クラスメイトA「サツキ君がそう言うなら……///」
クラスメイトB「うん、ごめんね、黒谷さん……///」
クラスメイトC「高宮たんが言うなら仕方ないな〜///」
クラスメイトD「淳希たん、かわいい……」
頼那「ありがとう。サツキ君、頼那ちゃん。」
サツキ「ま、僕も同じ事あったからな」
淳希「あの時も私が助けたよね〜」
サツキ「ああ、そうだったな〜」
頼那「ふふふ……」
ーーー
放課後
サツキと淳希は頼那に学校の中を案内していた。
淳希「ここが理科室、向かいが家庭科調理室だよ!」
サツキ「ここが多目的室、2クラス挟んで会議室だ。」
頼那「広い学校だね〜!」
淳希「そうかな?普通じゃない?」
サツキ「いや、僕が前に居た学校よりは広いよ……」
頼那「私の村の学校は小屋みたいなものだったな〜」
淳希「へ〜!」
サツキ「ここが中庭とグラウンドだよ。」
頼那「お〜!」
淳希「放課後だからみんな部活を始めてるね!」
サツキ「僕達も部室に行こうか。」
淳希「うん!」
頼那「……!」
サツキ達が部室に戻ろうとした時、頼那が何かの力を感じた……
サツキ(頼那ちゃん、どうしたの?)
頼那(その、嫌な力を感じて……)
サツキ(嫌な力?それって⁉︎)
?「やあ、君達……」
後ろから声を掛けてきたのは、サツキ達の先輩3年の
サツキ「永里先輩……」
永里「彼女が、1日体験入学の女の子かい?」
サツキ「……!」
淳希「はい!黒谷頼那ちゃんです!」
永里「黒谷さんか、よろしく。僕は
頼那「あ、はい…」
サツキの目には、永里先輩から紫のオーラが出ているのが見える。さらに、独特の悪寒が神経に走る感覚に陥る……
サツキ(なんだ?この感じ……、これが、頼那ちゃんが感じていた嫌な力ってやつなのか……?)
淳希「永里先輩は何をしてるんですか?」
永里「ああ、僕は風紀委員長だからね、学内の見回りさ。」
淳希「そうなんですか〜、私達は頼那ちゃんに校内を案内してたんです!」
永里「そうか。」
サツキ「淳希、僕は永里先輩と少し話しがあるから、頼那ちゃんと先に部室に戻っててくれ。」
淳希「え?でも……」
サツキ「大丈夫、用が済んだらすぐに部室に戻るから。だから先に言行ってくれ。」
淳希「うん、分かった。行こう頼那ちゃん!」
頼那「うん……」
淳希は頼那の手を引いて小走りで部室に戻る。
永里「………話しってなんだい?サツキ君……」
サツキ「永里先輩、あんた持ってるんじゃないか?『終焉騎』のカード……」
永里「………」
サツキ「……」
永里「ふっ、分かってたか。何故?」
サツキ「あんたからは、嫌な力を感じる……、それに、怯えてたんだ。頼那ちゃんが……」
永里「………」
サツキ「頼那ちゃんには分かるんだ。あんたが『終焉騎』のカードを持ってる事がな……!」
永里「そうか……、だから"僕に用がある"と言って彼女達を……特に、頼那ちゃんを逃した訳か……。」
サツキ「ああ」
永里「それで?どうするんだい?」
サツキ「僕とファイトだ。永里先輩!僕が勝ったら頼那ちゃんの〈黒き雷神〉を諦めろ!」
永里「いいだろう。バディファイトだ!」
学校にまで及ぶ、終焉騎の魔の手……