やはり俺の私の青春大学ラブコメは間違っている。   作:久谷見志乃

9 / 10
今回は挿し絵なしです。


年数だけで見て言うと3年目です。


やばい。


語彙力がヤバイくらいに進んでないのでどんどん進めます。


9話:そしてやはり未だ彼女の部屋は片付かない。

間取り図でよく見るKの表示ことキッチン。

そこでありとあらゆる茶色の板こと段ボールを片付け終え

本格的に銀色の水溜ことシンク回りを整理整頓していたのだが

 

 

 

いろは「狭いので先輩はリビングの方でちっちゃいゴミとか拾っておいてもらっていいですか?」

 

 

 

と、家主の助言もとい戦力外通告を胸に

ゴミ拾いという地域活動に勤しんでいた。

 

 

とはいえ概ね人が暮らせるような空間を醸しているので

やることがないと言えばないのだが。

 

 

なのでボランティア活動を横目にキッチンの方をみて

彼女らがキッチンの道具であれこれ言っているあたり

二人とも料理はそこそこに出来るのだろう

などと

勝手に格付けしていた。

 

 

 

 

 

一色に関して言えば

昨日の肉じゃがで証明はある程度は

料理の腕は確かなのだが

 

 

長身少女な彼女、庭部…仁保?さんは未知数である。

もっとも容姿がかつて黒焦げクッキーモンスターを産み出し

教えながらでも破滅の調理をしてしまう

俺が知るなかでは圧倒的なほどにキッチンセンスがない

由比ヶ浜結依を彷彿とさせて

とてもじゃないが台所の前にたたせてはならない実力を

兼ね備えているようで恐怖を覚えていた。

 

 

 

見事な偏見なのだが。

人を見た目で判断するなど愚か者の何者でもない。

 

 

 

そんな矛盾を抱え

清掃員を演じながら

ふと部屋の隅にちょこんと置かれてある置時計に目を向けると、

 

 

八幡「…もう、6時過ぎてるな…。」

 

 

食のことを考えてたというとことと

6時という絶妙な時間を確認をしてしまったが故に

胃がいい感じに活動をし始めた。

 

 

ぐぅ~。

 

 

ゲンキンなお腹は呼応するかのように

音を奏でた。

 

 

 

いろは「…先輩。お腹すいたんですか?」

 

 

八幡「いや、ほら。体力的に結構労働したし時間もいい頃合いだし。」

 

 

仁保「…あ、ほんとだー!もう6時過ぎてる!」

 

 

左腕につけた小さい腕時計を

左手首に巻いてあるその指針を

見ながらそう彼女が呟いた。

 

 

と、言うわりには

ボリュームが1つや2つほど高いようなか気がしたが

仕草の上では、彼女のなかでは、

そう表現した方が正しいのだろう。

 

 

その証拠に、隣にいた一色いろはが

「もうそんな時間なの?」

などと返答をすると

肩がピクリと動き

「あ、う、うん!そうだよ!」

少し動揺した仕草を見せていた。

 

 

いろは「どうします?ご飯食べますか?」

 

 

八幡「んじゃ、俺は一旦部屋戻って飯食ってくるわ。」

 

 

いろは「…。先輩、折角可愛い後輩が二人いるんですから一緒に食べましょう。」

 

 

八幡「嫌だ。昨日はあれだったが今日は一人で飯を食わせてもらう。」

 

 

仁保「え?八幡先輩といろはちゃんは昨日一緒にご飯食べたんですか?」

 

 

八幡「…。」

 

 

いろは「…。」

 

 

仁保「無言は肯定の意で受け取ってもいいんですよね?」

 

 

八幡「…違うぞ、誰も昨日一色と一緒とは言ってないぞ。」

 

 

仁保「じゃー誰とですかー?」

 

 

八幡「…あー、サークルの連中だ。」

 

 

仁保「そうなの?いろはちゃん?」

 

 

いろは「え!?あ、うん!そうだよ!サークルの人達と一緒にね!あはは!」

 

 

仁保「あれ?いろはちゃんどこかのサークルもう入ってたの?」

 

 

八幡「…。あー、あれだ。昨日サークルの連中に飯を誘われたのを一色に気付かれてな。一緒にと駄々をこねるから仕方なくサークルの奴らと一色とで飯食ったんだ。」

 

 

仁保「あ!そーいうことだったんですね!てっきり二人きりかと!」

 

 

いろは「…あはは。そんなわけないでしょ、仁保ちゃん。」

 

 

 

…ったく。

こいつこんなに口裏合わせるの下手だったか?

とりあえずなんとか俺が合わせれたからなんとかなったが。

 

 

 

いろは「というわけで先輩、昨日は沢山人がいて話が聞けなかったのと可愛い後輩がこうやって一緒にご飯食べたいって言ってるんでご飯一緒に食べましょう!」

 

 

仁保「私も八幡先輩と食べたいー!」

 

 

八幡「…。俺別にお前らの分まで奢ったりとかしないぞ?」

 

 

いろは「先輩にそんなこと望んだりしてませんよ。」

 

 

仁保「あ、そうなの?私奢ってもらう気満々だった!」

 

 

八幡「俺は先輩風など吹かしたりしない。」

 

 

仁保「言ってることだけは凄く謙虚で格好いいのに…。」

 

 

いろは「先輩はこういう人だよ。」

 

 

八幡「それでも良いなら行ってもいい。」

 

 

仁保「まぁ、初対面の人に奢ってもらうのもなんですしそれで良いので一緒に食べましょう!」

 

 

八幡「で、キッチンは片付いてるのか?片付いてないなら出前とかどこか食べに行くかなんだが。」

 

 

いろは「私の部屋は片付いているので3人が食事を取れるようなスペースがあるにはありますけどごちゃついてるのでここで食べるのは理想的ではないですね…。」

 

 

仁保「八幡先輩の部屋はー?」

 

 

八幡「…俺の部屋は嫌だ。」

 

 

仁保「あー!えっちなやつがあるんですね!」

 

 

八幡「…。……そんなのはないが、単純に部屋に誰かを上げたくない。」

 

 

いろは「先輩…。今の間は…。」

 

 

八幡「ない。ないからそんな目で見るな。」

 

 

 

 

変な間を持たせたことで

一色から物凄い冷たく凍える瞳で

睨み付けられ背筋が凍っていた。

 

 

 

 

仁保「…私、どんな部屋でも気になんてしませんよ?」

 

 

八幡「俺が気にするんだ。俺の気持ちの問題だ。」

 

 

仁保「…そっかぁ。なら、どこかに食べに行くしかないですね。」

 

 

八幡「駅前に行けば何か食うところあるだろう。」

 

 

仁保「八幡先輩のおすすめのお店とかは!?」

 

 

八幡「ない。強いて言うなら実家。」

 

 

仁保「え!?八幡先輩のお家ってお店なんですか!?」

 

 

八幡「いや普通の家庭だ。個人営業みたいなことはしていない。」

 

 

仁保「…え?どういうことですか?」

 

 

いろは「先輩は家が大好きなんだよ。多分この場合は先輩のお母さんが作る料理ってことだと思うよ。」

 

 

八幡「そういうことだ。」

 

 

仁保「八幡先輩めっちゃホームシックじゃん!」

 

 

八幡「そうだぞ。俺はいつも家を恋しく思っている。」

 

 

仁保「…なんか、八幡先輩可愛い…!」

 

 

八幡「…どこがだよ…。」

 

 

いろは「それより、先輩。駅前に行くなら着替えて来てくださいね?」

 

 

八幡「え?なんで?」

 

 

いろは「先輩。昨日言いましたよね?私の横で歩くなら最低限の身だしなみを、って。」

 

 

八幡「この格好でお前の横で歩くドレスコードに引っ掛かるのか…。」

 

 

 

特段不恰好ではなく

上はパーカー、下は動きやすいように少し緩めのズボンで

道行く人に見られても

不自然なところはないはずなのだが。

 

 

 

いろは「はい。なので着替えて来てください。」

 

 

八幡「いや、昨日もこんな感じの服装だったんだが…。」

 

 

いろは「今日はそれじゃダメです。」

 

 

八幡「お前の基準が分からん…。」

 

 

いろは「いいから着替えて来てください。」

 

 

八幡「納得はしないが分かった。」

 

 

 

そう言い

来る前とは見違えるほどにきれいになった

一色の部屋を後にし

今日何度目かの着替えをしに行った。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

先輩が着替えを終えて

最寄りの駅前に向かっていた。

その道中。

私は少し上機嫌で歩くペースも早かったかもしれない。

 

 

 

仁保「なんか機嫌良い?いろはちゃん。」

 

 

いろは「んー?そんなことないよぉ?」

 

 

仁保「そっか、気のせいか。」

 

 

 

勿論気のせいではない。

会って初日の友人にそう思われるほどに

私は浮かれていた。

 

 

理由は一つ。

 

 

 

 

 

先輩が人を上げたくないという

先輩の部屋に私は入れてもらえたという事実。

 

 

 

 

 

 

それは特になんともないことかもしれない。

けれど、私はそのなんてないことが

とても嬉しかった。

 

 

ちょっとした特別感、

自分だけに許してくれたことの優越感、

それが堪らなく心が喜んでいる。

 

 

好きな人だからだろうか。

そんな小さなことが

胸を踊らせていたのだ。

 

 

更に付け加えるなら

先輩が、というのもあるかもしれない。

 

 

あの先輩が、

あの基本的に人と関わるのを面倒くさがり

安易に心を開かない先輩が

少しだけでも私を側にいることを

許容してくれた。

 

 

これが嬉しくないわけがない。

 

 

 

八幡「おい、一色。聞いてるか?」

 

 

いろは「はい!?す、すみません、聞いてなかったです…。」

 

 

 

幸せな気持ちに浸っていると

横からその当人から

そして唐突にというのも含め

声をかけられたので

少しばかりすっとんきょうな声を出してしまった。

 

 

 

八幡「何を食べるんだ?」

 

 

いろは「…私任せですか…。」

 

 

八幡「基本的に俺は指示をする側ではなく指示に従う側だからな。」

 

 

いろは「そうでしたね…。」

 

 

 

少しばかり現実に引き戻らされつつも

やはり今この瞬間の幸せな気持ちに勝る気持ちなど

存在するはずもなく

すぐに機嫌を直した。

 

 

 

いろは「仁保ちゃんは何か食べたいものあったりする?」

 

 

仁保「そうだね―。出来れば栄養バランスの良いものがいいかな!一人暮らし初めてちょっと食事のバランスが崩れがちで…。」

 

 

 

えへへ、と苦笑いをする姿は

可愛げもあったが、

それよりも結依先輩の

無理した笑顔にとても似ていて

ドキッとしてしまった。

 

 

 

いろは「…んー。それじゃ和食とかがいいかな?定食屋さんみたいな!」

 

 

仁保「おー!栄養バランス取れてそう!!」

 

 

八幡「和食=栄養バランス良いってのがなんか既に何も考えてない奴っぽい。」

 

 

いろは「…先輩。なら先輩に任せてもいいんですけど?」

 

 

八幡「ついていかせてもらいます。」

 

 

いろは「あ、あそこにチェーン店の定食屋があるのであそこはどうでしょう?」

 

 

 

指を指した方には

全国チェーン店の定食屋があり

そのお店はメニューも豊富で

季節の料理もあるため

数多のニーズに応えることのできるお店だった。

 

 

 

いろは「これなら一人一人好きなものを食べれますし良いんじゃないですか?」

 

 

八幡「あー良いんじゃないか。」

 

 

仁保「栄養バランスがありそうなの食べるぞー!」

 

 

 

 

 

 

温度差がとても激しい

二つの同意の返答をもらったので

私が示したお店に入ることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ストーリー的には多分、
30話とかで終わりそうな内容を描いているのですが、
果たしてそれは自分が生きている間に終わるのかという疑問が浮かんできます。


誤字脱字、支離滅裂な箇所等がありましたら
ご指摘よろしくお願い致します。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。