IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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前回後書き書くの忘れてました。まあ書くことあまり無いので問題ないんですがッ!

クロノス(ゲンム)というややこしいゲームもこれで終わりじゃい!


第80話 決着 〜LAST GAMEの勝者は?〜

11月22日(火)AM09時49分

 

「立てよクロノス。まだ始まったばっかだろ」

 

「クククッ……ハハハッ!!………今のは少し効いたよクウガ」

 

立ち上がるクロノス相手に一歩も引かない一夏。引くわけにはいかない。後ろには大事な姉がいるのだから。更に後ろには大勢の一般人がいるのだから。

 

「君1人で勝つつもりなのかな?」

 

「ここに他の奴らが来なかったらそうなるな」

 

「クハッ!お笑いだね!私にたった1人で勝つつもりとは!君の姉ならまだしも、究極の闇を使いこなせないクウガなんて、相手じゃないよ!」

 

クロノスはバックルに手を伸ばしボタンを押す。そして世界は静止する、

 

 

はずだった。

 

 

「は…?」

 

「フンッ!!」

 

「ゴハッ!?」

 

世界は静止しなかった。ポーズが発動しなかったのだ。その事を一瞬理解出来なかったクロノスは顔面に一夏の一撃を貰ったのだ。

 

「ば、馬鹿なッ!何故!何故!何故ェ!!」

 

「ポーズさえ発動させなきゃコッチのもんだぜ!」

 

一夏のラッシュに冷静さを欠いたクロノスは押されていた。アメイジングマイティは究極の闇程の力は引き出せないがそれでも今までのどのクウガよりも強い力を引き出せる。

 

「ダッ!セリャァ!!」

 

「ガアッ!!おのれぇ!!」

 

トドメの右ストレートがクロノスのある場所に再び炸裂する。直撃をくらったクロノスはそのまま地面に倒れた。

 

「あと1発入れれば、お前は束さんから出ていくか?」

 

「……ハハハ…ようやく分かった……簡単なことだ…如何にも非力な人間の考えそうなことだった!」

 

蹌踉めきながら立ち上がるクロノス。流石に一夏の本気のラッシュは応えたようだ。

そしてクロノスはバグルドライバーを取り外し一夏に見せつける。

 

「ドライバーの破壊が目的だったか……そうだな、貴様が勝ち目を見出す為にはこれしか方法がなかったのだろうなぁ!」

 

「ああ、それが俺に出来る最速でお前をぶっ倒す方法だ。現にもうポーズは出来ないし、その様子だと射撃機能とチェーンソーも使えないだろ」

 

「人間離れした馬鹿力のおかげでねぇ?流石グロンギと同じ生命体、未確認生命体クウガだよ!!」

 

クロノスはバグヴァイザーをバックルに戻すと新たなガシャットを取り出した。

 

「そんな怪物を倒すのは…殺すのはいつだって勇者か神と決まっている……」

 

「勇者とは程遠くて、神とは名ばかりのくせに」

 

「黙れェ!!!醜い怪物はここで消える運命!!新世界の神たる私の手で!殺してやるぅ!!」

 

『ゲムデウスムテキ!』

 

「ブゥン!!」

 

クロノスはゲムデウスムテキガシャットをバグルドライバーに突き刺した。液晶画面部分に突き刺したのだ。

そして巻き起こる激しい暴風。闇が噴き出すという表現が正しいだろうか。

やがて風は止み、クロノスの姿が…否、新たな仮面ライダーの姿が露わになった。

 

「あの姿……ムテキゲーマー!?」

 

「フフフフッハハハハッ!!!よもやここでこのガシャットを使うことになろうとはなぁ!!私がこの世界の支配者ゲムデウスムテキだぁ!!」

 

「ゲムデウス…ムテキ……」

 

瞬間、一夏の体に衝撃が走る。ゲムデウスムテキがワープして一夏の腹部に拳を叩き込んでいたのだ。更に頭を掴み地面に叩きつけ、踏みつける。その行為は倒れていた千冬にも行われた。

 

「ガハッ!!」

 

「千冬…姉……ッ!」

 

「姉弟共々私に歯向かった愚かな人類代表として惨たらしく殺してやろう。そして!」

 

ゲムデウスムテキの目が光り全身から紫色の光球が三方向へと放たれた。

 

「無駄な足掻きを続ける仮面ライダー共に絶望を与えてやろう!」

 

「何しやがったテメェ!!」

 

「他の仮面ライダーが足止めしているバグスターウイルスの感染者のウイルスを活性化させたのさ!私の計算ではそろそろワクチンが完成するころだ。ようやくワクチンが完成して希望が見えた時に私のゲムデウスムテキウイルスを送り込むことでその希望を……打ち砕くッ!」

 

 

現に戦闘を繰り広げる3人のライダーの元へワクチンのデータが無事届けられた。しかし、

 

「ちょっと、ワクチンが効かないのだけれど!!」

 

「どうなってやがるッ!!」

 

「そんなバカな……まさかウイルスが進化している!?」

 

楯無、タイガ、虚はそれぞれワクチンが効かない現実を突きつけられていた。

そしてそれぞれ仮面ライダーを援護する専用機持ちも限界が近づいていた。

 

「このままですと、私達も!!」

 

「諦めないわよ!こんなとこで!諦めてたまるかってぇのぉ!!!」

 

 

「もう保たないよラウラッ!!」

 

「踏ん張れシャルロット!!我々が前線を退くわけにはいかないんだ!!」

 

 

「万事休す……このままでは終われないと、分かっているというのに……ッ!!」

 

 

「ハハハハッ終わりだ!この世界は一度死ぬ!!そして私が神として君臨する新しい世界が創造されるッ!!」

 

「誰がそんな世界ッ!!」

 

全力のアメイジングマイティキックがゲムデウスムテキに直撃する。しかし相手は無敵。渾身の必殺技も全て無駄に終わる。

形勢逆転。この場において最も口にしたくない、耳にしたくない言葉だった。

 

「クソッたれッ!!」

 

「全て無駄だァ!」

 

「無駄なんかじゃないッ!!」

 

突如響く少女の声。そしてゲムデウスムテキに降り注ぐ無数のミサイル。ダメージは与えれずとも一夏がゲムデウスムテキから距離を取る時間稼ぎとしては充分だった。

 

「この攻撃……簪か!!」

 

そして降り立つ銀色の戦士。その名も、

 

「天が呼ぶ!地が呼ぶ!人が呼ぶ!悪を倒せと私を呼ぶ!聞け悪人ども!!私は正義のヒーロー!インフィニットシルバー!!!」

 

インフィニットシルバー、更織簪。ここに現着。

 

「………お、おう!よく来てくれたな簪!」

 

「一夏、作戦だと箒のところに行く予定だったでしょ……」

 

「あ、ああ…そうなんだけど、偶々ここが見えてさ。虚先輩もいるしなんとかなるかなぁって……」

 

「まったく……でも…文句を言っても状況は変わらない…」

 

簪が薙刀を構える。煙の中からゲムデウスムテキが姿を現す。当然だが無傷。ダメージなど入っていない。

 

「これからどうすりゃ……」

 

「作戦は…ある……」

 

「あるのか!?」

 

「スゥ………全仮面ライダー!全専用機持ちに通達!!現在布仏本音がワクチンを改良中!本人曰く3分で完成させるとのこと!総員全力で3分耐えよ!!以上!!」

 

今までの簪とは違う迫力のある声。言い終わった瞬間簪は薙刀を構えゲムデウスムテキへ立ち向かう。

 

「3分でワクチンを改良してゲムデウスムテキウイルスに対抗する?お笑いがすぎるぞ人間!お前達にそのようなことできるはずがない!!」

 

「出来る!私の友達を!バカにするなぁ!!!」

 

ゲムデウスムテキが指を鳴らす。するとゲムデウスムテキの影から6体のゲンムが飛び出してきた。

 

「コイツ、ゲンムを作り出せるのかッ!?」

 

「当然、私は新世界の創造神!兵隊など幾らでも作り出せる!」

 

それぞれ3人ずつ相手をする一夏と簪。しかしゲンムの強さはアメイジングマイティを持ってしても苦戦を強いられるものだった。

それでも諦めない2人。絶対に耐え切ってみせる。その強い意志が2人を奮い立たせていた。

 

「あうっ!」

 

「簪!!このテメェら、退きやがれッ!!」

 

「退け、一夏ッ!!」

 

炎と氷の斬撃がしゃがんだ一夏の頭スレスレを飛んでいく。斬撃は簪を襲う3人のゲンムに直撃し簪から遠ざけることに成功した。

 

「仮面ライダーは……ここにもいるんだぞ…」

 

「千冬姉!」「織斑先生!」

 

「3分耐えろって言ったな?……ならあと10分は耐えろ!アイツらがすぐに感染者を抑えたとしてもこちらに来るまで時間がかかる!合流するまで10分は見積れ!そして全力で持ち堪えろ!!」

 

ガシャコンソードを構える千冬。ゲムデウスムテキはそれを確認すると更にゲンムを召喚した。

 

「おおおおっ!!!」

 

「はあぁぁっ!!!」

 

「足掻くねぇ。カウントしてあげようか?」

 

「うるせぇぇぇぇ!!!」

 

そして3分が経過した。本音から連絡は無い。そして他の仮面ライダーからも。しかし立ち止まるわけにはいかなかった。

 

「時間が来たわけだけど……どうやら間に合わなかったみたいだねぇ」

 

「本音……」

 

「いや、まだだ!まだ終わってない!」

 

「クドイよ。いい加減終わりを迎え入r「終わってねぇもんは終わってねぇんだよ!!」

 

「一夏……そうだよ…まだ終わってない…」

 

「3分で出来なかったら5分、それでもダメなら10分、それでもなら出来るまで!俺たちは仲間を…友達を信じる!」

 

一夏の雷を纏った回し蹴りがゲンムを吹き飛ばし消滅させる。

 

「まだ力が残っているのか……ならば数で押し通すだけ」

 

「数で止められると思わないことね!」

 

再び呼び出されたゲンムを一瞬で凍らせ崩壊させる。更に無数の砲撃がゲムデウスムテキを襲う。

 

「悪いな。時間がかかっちまった」

 

「ですが、全て救いましたよ」

 

「遅くなって悪いな、一夏!」

 

ゲムデウスムテキの元に投げつけられる3体の白いアーマーのゲンム。それらは徐々に消滅していき、4人の仮面ライダーと5人の無限戦隊が集まった時には、残る敵はゲムデウスムテキだけとなった。

 

「みんな……無事だったんだな!」

 

「本音が5分で仕上げてくれたんだ。ドクターマイティを軸にワクチンを再構成、ウイルスを常に上書きし続けるものにしてくれたんだ」

 

「これで感染者のウイルス進行は一時的に止まり、パンデミックも一時的に止まりました」

 

「後は奴を倒して新たなワクチンを開発してウイルスを死滅させれば」

 

「完全に俺たちの勝ちってわけだ」

 

桐也の変身するオメガゲーマー、虚の変身するムテキゲーマー、楯無の変身するトゥルーブレイブ、タイガの変身するシミュレーションゲーマーが順を追って説明してくれる。

 

「その為にも」

 

「ここでゲンムを倒して」

 

「アタシら人間様の意地ってやつを」

 

「見せつけてあげないとね」

 

「その為に我々はここにいる」

 

簪を守るように並び立つ箒、セシリア、鈴音、シャルロット、ラウラ。限界などとうに超えている。それでも立ち上がる。選ばれた者としての責務を果たす為に。

 

「役者は揃ったぜ。あとはテメェをぶっ飛ばして」

 

「束さんを助ける!」

 

「ハッ、有象無象が揃ったところでムテキに勝てるとでも?」

 

「勝ちますよ」

 

虚がゲムデウスムテキ目掛けて飛び蹴りを食らわせる。大きく後ろへ下がるゲムデウスムテキ。その怯んだ隙を虚は見逃さなかった。

 

「同じムテキ同士なら!」

 

「私の方が上だよ!」

 

虚の拳を受け止めるゲムデウスムテキ。しかし虚を飛び越えて楯無がガシャコンソードを振るう。

 

「ダメージは入らなくても!」

 

「テメェの足止めくらいは出来んだよ!」

 

タイガの砲撃が更にゲムデウスムテキに命中していく。しかし相手はムテキ。ダメージを与えられないことは2人も理解している。

 

「コイツら…何が目的で」

 

「考えている暇が!」

「あると思ってんじゃないわよ!」

 

箒と鈴による左右からの同時攻撃。それに合わせてセシリア、シャルロット、ラウラ、簪の遠距離攻撃が合わさる。

 

「お前たちの攻撃は私には通用しない!届きはしない!無敵である私には!」

 

「いいや!お前にも弱点はあるぜ!」

 

桐也がゲムデウスムテキに飛びかかる。アマゾンを思わせるラッシュを繰り出すがゲムデウスムテキに『避けられる』。

 

「お前自身分かってんだろ?その姿になったことで弱点を晒しちまってることによ!!」

 

「当てられなければ弱点とはなり得ない!」

 

「ハッ!今のでソレが確実に弱点だって晒しちまったな!」

 

桐也を飛び越えて一夏がゲムデウスムテキにアメイジングマイティキックを叩き込む。封印エネルギーがバグヴァイザーに流れ込むが寸前のところでゲムデウスムテキは払い除ける。

 

「ンなのアリかよ…」

 

「心配すんな、突破口は見えたんだ。あとは時間との勝負だ」

 

「作戦は?」

 

「あの人が1発決める。それで全部終わりだ」

 

桐也が後ろを指さす。その先にはさっきまでとは違う姿のポッピー=千冬が立っていた。3本の尻尾に狐の耳のようなパーツを身につけた千冬はガシャットをホルダーへ装填した。

 

『キメワザ!ときめき!クリティカルストライク!!』

 

「この身果てようと、お前を止めるのが私の役目だ」

 

瞬間、千冬の姿が消える。流石のゲムデウスムテキも満身創痍の千冬がここまで早く動けることに驚きを隠せなかった。

 

「勝機を逃すな!必ず掴め!」

 

『マイティアクションX!』

『タドルクエスト!』

『バンバンシューティング!』

『爆走バイク!』

 

『アイム ア カメンライダー!!』

 

千冬の合図と共に4人のライダーはワクチンのデータが転送されたガシャットを使いレベル1へと姿を変える。

 

「九条がお前用に残した力だ!受けてみろ!」

 

「自信ありげにモノを言う!ムテキの前にそんな急造の姿、意味など無いと知れ!!」

 

千冬渾身のキメワザ、左脚による一撃がゲムデウスムテキに叩き込まれる。

それはただのキメワザではなかった。ノインシュヴァンツによるブースト、それが9本の一点集中。グロンギの体を簡単に破壊するその一撃、その最終系、その最強系。

 

「なっ!?」

 

「貫いてやるさ…ムテキなんてな!」

 

たった一撃、されど一撃。

だがその一撃はあのゲムデウスムテキに確実にダメージを与えたのだ。

 

「いまだぁぁぁ!!!!」

 

『マイティ!』『タドル!』『バンバン!』『爆走!』

 

『『『『クリティカルストライク!!!!』』』』

 

千冬がゲムデウスムテキにキメワザを叩き込んだと同時に飛び上がり、ゲムデウスムテキが千冬を吹き飛ばした時には専用機持ちの攻撃がゲムデウスムテキの周囲を狙い撃ちしていた。

 

ゲムデウスムテキ…否ゲンムの頭を過ぎる敗北の2文字。今のゲンムはムテキである。故に普通にあの4人のライダーのキックは避けられる。専用機持ちの攻撃など通用しない。普通に避けられる。

しかし現にゲンムは千冬の攻撃でダメージを負っている。ムテキの姿で。

 

絶対的な確信が崩れた時、もしもの可能性がゲンムの思考を支配していく。

もしも4人のライダーの攻撃がさっきの千冬と同じくムテキを突破出来るものだとしたら、専用機持ちの攻撃がムテキを超えるものだったら。

 

そしてこの思考が、そして己の慎重さとムテキを過信しすぎたゲンムの未来を決定するのだった。

 

「いっけオラァァァァ!!!」

 

エグゼイド、ブレイブ、スナイプ、レーザーの4人のキックがゲムデウスムテキに炸裂する。その瞬間ガシャット内に蓄積されたワクチンの効果でゲムデウスムテキから1人の女性=篠ノ之束が弾き出される。すかさず箒が受け止めその場から離脱する。

そしてゲムデウスムテキの姿は通常のゲンムを通り越して怪人化したような見た目のゲンムへと変わった。宿主を無くした本当の姿のゲンムだった。

 

「いくわよ桐也!」「いくぜ先輩!」

 

『マイティブラザーズ!XX!!』

 

「全部終わらせるわ!」

 

『タドルファンタジー!』

 

桐也と虚はダブルアクションゲーマーXXL、XXRに、楯無はタドルファンタジーへと姿を変える。そしてすぐにキメワザを発動させる。

桐也と虚のクリティカルストライクがゲンムに炸裂する。

 

『タドル!クリティカルストライク!!』

『タドル!クリティカルフィニッシュ!!』

『タドル!クリティカルスラッシュ!!』

 

『タドル!タドル!タドル!クリティカルインパクト!!』

 

「どぉりゃあぁぁぁ!!!」

 

タドルクエストをキメワザホルダーに、タドルファンタジーはドライバーのレバーの開閉、タドルレガシーはガシャコンソードに装填することで発動させるブレイブ最後の切り札。楯無は桐也と虚がゲンムから離れたのを確認し、一気に振り下ろす。

光と闇と炎と氷が混ざり合った最強の一撃。ムテキでもないゲンムにはひとたまりもない一撃だった。

 

『バンバンタンク!』

 

「決めろ…織斑ァ!」

 

「はい!!」

 

タイガがガシャコンマグナムにバンバンタンクを装填して一夏に投げ渡す。それを受け取った一夏は一気に跳躍、ゲンムの真上まで跳んだ。

ガシャコンマグナムにクウガの力が流れ込みアメイジングマグナムとなったソレをゲンムへ向ける。最早ゲンムに逃げる程の力は残されていなかった。

 

「お前の負けだ、ゲンム」

 

「私は……不滅だぁぁぁぁ!!!!!」

 

雷撃一閃。ゲンムは雄叫びを上げながら光の粒子となって空へと消えていった。

 

「………次は、みんなが心から楽しめるゲームをしような…」

 

これで、ゲンムの仕掛けたゲームは終わりを迎えたのだった。

 

◇ーーーーー◇

 

「前にもまして、派手にやったなぁ」

 

「最近こんなのばっかじゃないか?せっかく旅行終わりで気持ちよく帰って来れると思ったのによ…」

 

ボヤく俺に桐也は確かにと呟いた。でもこれでゲンムの仕掛けるゲームは終わった。ようやく終わったんだ。

 

「にしても、ノインシュヴァンツにムテキゲーマーの装甲貫く効果なんてあったのか?」

 

「いいや?無いね」

 

「はあ!?じゃあなんで」

 

「最初からアレはムテキじゃなかったんだよ。ただの防御力の高いゲムデウスムテキって名前の敵。ムテキゲーマーはあの金ピカボディあってこそのムテキだ。そこまでは再現する時間が無かったんだろうな」

 

「じゃあ、ただ単に千冬姉のスゲェ強い一撃がゲムデウスムテキの防御力を上回っただけってか?」

 

「そういうこと。まあいいじゃねぇか終わったことなんだし。それに……ノインシュヴァンツにムテキ貫通能力付けるのいいかもな」

 

「それでも私は負けないわよ」

 

ボロボロの虚さんがやってきた。今回の戦いはガドルとの戦い以上に怪我が酷いのが何人もいる。千冬姉と束さんにいたっては命に別状は無いというもののかなりの重傷だ。

 

箒達専用機持ちも怪我はしたもののインフィニティーズのスーツのおかげでそこまで酷いものにはならなかった。まあスーツはオジャンだけど。

 

「これであとは…ダグバを倒せば終わりね」

 

「最後はあいつか」

 

「ダグバ……」

 

グロンギ最後の生き残り。奴を倒せば全て終わる。グロンギのゲームも終わって平和が戻ってくる。

 

「ダグバは……俺が倒します」

 

「……勝てんのか?」

 

「勝つ」

 

「……ま、頑張れよ」

 

「え、手伝ってくんねぇの?」

 

「いやいや、今のはお前1人で倒しに行く流れでしょ」

 

こんな時まで薄情な奴だまったく!

でも、もう少しでこんな生活が続く世の中になるんだ。してみせる。絶対に!

 

 

 

「へえ、俺とタイマンしてくれるのか?」

 

不意に、男の声がした。

 

「じゃあ、邪魔なのは退けないとな」

 

鮮血が飛び散る。

 

「先輩ッ!!」

 

突如現れたダグバの腕が、虚さんの胸を貫いた。

 







「お前と過ごした毎日、楽しかったよ。ありがとな一夏」



see you next game!

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