IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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あけまして…遅いのは分かってますハイ。
長らくお待たせしました。今回から最終章に突入でございます。長く……いや長過ぎたこの物語もようやくゴールが見えてきました。

あと少し……下手したらまた来年になるけど、付き合っていただければと。

今年もよろしくお願いします!


未来へのFINAL LAP
第73話 始動 〜終わりのSTART〜


 

9月17日(日)PM05時27分

 

IS学園食堂

 

「べ、別行動って、なんでだよ!」

 

「簡単な話、お前じゃこういうゲームには向かないだろ。単純な役割分担だ」

 

「役割分担って……敵の仕掛けたゲームに自分からノるってのかよ!」

 

「たまにはノせられるのも悪くねぇだろ」

 

「だったら俺も!」

 

「お前は!……自分の力、コントロール出来なくなってるだろ」

 

「ッ!それは……」

 

「危なっかしい今のお前にゃ背中は預けられない。もう少し力をコントロール出来るようにしとけ」

 

「…………ッ……」

 

 

今思えば俺も言いすぎたのかもな。要約すれば『今のお前はいらない』って言ってるもんだ。そりゃあ怒るよな一夏。

 

「九条君……九条桐也君」

 

「あ?ああ、はい」

 

「私の授業はつまらないかね?」

 

「え、あーまあ、やったとこなんで」

 

俺の返しに顔をしかめる教師。周りの生徒たちはクスクス笑っている。

 

11月06日(月)PM04時30分

 

羽丘高校1年A組

 

あの戦いから随分立った。結論から話すとIS学園は半壊、封鎖されている。まああれだけのバトルをしたんだ。当然っちゃ当然だけど。

 

で生徒は全員無事。日本国籍の人はそのまま他校に転校という形になった。国外の人は帰国、勿論代表候補生も例外ではない。会長さんもロシア代表のため日本にはいない。

 

仮面ライダークロニクルはあれ以来動きがない。バグスターが現れることもなく運営からの発表も何一つない。となると自然とプライヤーも減っていっているみたいだ。

 

そして肝心の一夏だけど……あの日から目を覚ましていない。医者によると意識が覚醒するのを拒否しているみたいだと。もしかしたらアイツ自身どこかで気がついていたのかもしれない。

 

「くーじょ!遊びに行こうぜ!」

 

「黒ちゃん、いいね行こうか。そこのしかめっ面も連れて」

 

「しかめ面ではない。これは生まれつきだ」

 

「白峰〜お前顔にシワ残るぞ?」

 

俺は元々入学する予定だった羽丘高校に転入することになった。そこで黒咲と白峰っていうツレも出来た。

 

 

仮面ライダーにならなかったら、もっと早く出会えていたのかもしれない。

 

 

「おーい!置いてくぞー!」

 

「わりわり、今行く」

 

◇ーーーーー◇

 

11月06日(月)PM09時16分

 

幻夢コーポレーション 社長室

 

「では宝生エムは現在行方不明と」

 

「荷物も全部持ってね。あーこんなことなら先に動いとくべきだったー!」

 

社長室に響く木綿季お嬢様の声。社員がいない今多少大声を出すのはいいが、私がいるということを忘れないで欲しい。

 

「社長から聞かされた時に動いとくべきだった。とりあえず動きを封じるべきだった。そうすればこんなことには」

 

「落ち着いてください木綿季お嬢様。あの戦いで我々も傷を負い動けなかった。仕方のないことです。過ぎたことを悔やんでも前には進めません」

 

「虚ちゃんは冷静だなぁ……あとお嬢様はやめて」

 

「ひとまず当面は篠ノ之束及び宝生エムの捜索を重点的に行いましょう」

 

「未確認が全然動きみせないのも気になるから、そっちも警戒してね。にしても現状日本で動けるのが桐也くんと虚ちゃんだけになるなんて」

 

「動けそうな他の代表候補生も全員国内待機を余儀なくされているみたいです。簪お嬢様も現在は専用機の修復で手が離せない状態です」

 

「とにかく!私も頑張るから!みんなで頑張ろ!」

 

「かしこまりました木綿季お嬢様」

 

◇ーーーーー◇

 

「どういうことだダグバ」

 

バルバが俺目掛けて疑問を投げかける。まあ当然だよな。

 

「何故、他のゲゲル参加者を殺した」

 

ここは俺たちのアジト。そこに広がるのは無数の亡骸。全員俺が殺した。ある一つの目的のために。

 

「簡単な話、早く挑戦したいからだよ。究極の闇にね」

 

「これはルール違反だ。貴様に最早ゲームに参加する権限はない」

 

「堅っ苦しいルールだよな。そんな昔のルールに縛られてるからクウガに負けるんだよ」

 

バルバにギアデュアルを見せつける。バルバは現代のリントが作った物を使っていることにあまり賛成的じゃなかった。

 

「それがゲゲルのルールだ。従えん者には」

 

バルバの腕が変化してツタが伸びてくる。俺はすかさずパーフェクトパズルを起動して変身し、ツタを弾く。

 

「制裁あるのみって?ハハッ……シラけるぜ」

 

「そこまでだダグバ」

 

俺を止めたのはガドルだった。俺は変身を解除しバルバも手を引いた。

 

「死んだものは蘇らん。こうなった以上は次のゲゲルは俺が出る。構わんだろう?」

 

「…………いいだろう」

 

バルバはガドルのバックルに手をかける。こうしてガドルのゲゲルが始まった。

 

「目標は?」

 

「強き者を……3日で1000だ」

 

◇ーーーーー◇

 

11月07日(月)AM10時10分

 

聖都大学付属病院

 

とある病室。1人の患者がいまだに目を覚まさなかった。

織斑一夏。仮面ライダークウガであり究極の闇を呼び起こしIS学園を半壊させた張本人。

 

本来なら厳重に拘束し政府の管理下にでも置くべきなのだろうが、なんとか更織家の権力でこの病院に留まることができた。

 

「一夏……」

 

そんな病室に2人の少女が入ってきた。篠ノ之箒と布仏本音だ。

 

「オリムー、まだ目を覚まさないんだね」

 

「もう1週間はすぎるのか……」

 

目を覚まさない彼を心配する2人。何もしてあげることが出来ないことに歯痒さを感じていた。

 

そしてそれは……

 

◇ーーーーー◇

 

 

 

 

何処まで歩いても闇が広がる。

 

 

何処まで歩いても炎が消えない。

 

 

熱い、熱い、熱い。

 

 

流れ落ちる汗は地面に落ちた瞬間消え失せた。

 

 

闇と炎の世界で俺はずっと歩いている。

 

 

いつから?

 

 

生まれた時?そんなわけがない

 

 

仮面ライダーになったとき?それも違う

 

 

じゃあいつ?それは……

 

 

 

誰かを守るために闇に飲まれた。

 

俺自身が望んだこと?違うとは言えない。

 

力が欲しかったのは事実だ。

 

 

 

俺はいつまで歩き続ければいい?

 

 

《…………ッ》

 

 

声が聞こえた気がする。でも姿は見えない。

 

 

 

 

 

 

闇はまだ続く。

 

 

 

◇ーーーーー◇

 

それぞれの信念が交差する。

 

もうすぐ終わり。もう終わらせる。

 

それぞれの終わりに目掛けて、若者達は走り出す。

 

このレースのゴールに待ち受けるのは、

 

希望か絶望か…………




久々に書き進めたらこの有り様。次回はもう少し書けるように頑張ります。

終わりへと近づくこの物語。次回予告もこれからはそこまで多くは語りません。少しでも楽しんでいただければ幸いです。

それではsee you next game!

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