IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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今年最後の更新になりますゥゥ!!


第72話 究極の闇の章 究極VS無敵&最速

10月30日(月)PM00時26分

 

都内大型広場

 

「はあぁぁぁ!せいっ!!」

 

「はっ!らあっ!!」

 

「チッ!このっ!!」

 

トゥルーブレイブの剣を拳で受け止めるパラドクスのノックアウトファイター。その隙にスナイプが一斉砲撃でパラドクスを攻撃する。

 

エナジーアイテムはトゥルーブレイブに無効化され、ノックアウトファイターではスナイプに遠距離から蜂の巣にされる。便利な能力を持つパラドクスだが、流石に2対1では分が悪かった。

 

「おいおい…仲悪そうに話す割には息ピッタリじゃないか」

 

「はっ、この際教えといてやる」

 

「奇遇だな。俺も言っておきたいことがある」

 

「俺は鏡ヒイロが!」「花家タイガが!」

 

『『キメワザ!』』

『タドル!クリティカルストライク!!』

『バンバン!クリティカルファイア!!』

 

「「大嫌いだ!!」」

 

「ははっ……そういうのが仲良いって言うんじゃ、『KNOCK OUT !CRITICAL SMASH!!』ないのかよ!!」

 

パラドクスの渾身の拳とトゥルーブレイブの蹴りが激突する。双方ともかなりの威力を誇るが、比べてしまえばパラドクスよりレベルが大きいトゥルーブレイブが押し勝つのは分かりきったことだった。

 

「ぐあっ!?」

 

「持ってけフルコースだ!!」

 

スナイプの砲撃が全てパラドクスに着弾する。ガードする暇もなく全弾食らってしまったパラドクスは変身が解除されダグバの姿に戻ってしまう。

 

「くっ…俺がここまでやられるなんてな……次は負けないぜ?」

 

ダグバは思いっきり地面を殴り砂埃を起こした。トドメを刺そうとしたヒイロの剣はただ砂埃を払うだけだった。

 

「逃したか…」

 

「かまわねぇ。次なんてねぇからな。今はそれよりIS学園の方だ…ぐっ……」

 

「無理をするな無免許医。IS学園には俺が行く」

 

「ざけんな…俺はあそこの教師だ。センコーだけ尻尾巻いて逃げれるかよ」

 

「はぁ……やれやれ、遅れるなよ」

 

こうしてトゥルーブレイブとスナイプはIS学園を目指して走り出した。

 

無敵と究極が戦う戦場と化しているとも知らずに。

 

◇ーーーーー◇

 

同時刻 IS学園第3アリーナ

 

「ノーコンテニューで、クリアしてみせます!!」

 

次の瞬間、クウガとエグゼイドが消えた。それと同時に何かが衝突する音が辺りに響く。大方お互いの瞬間移動的な能力で移動しながら攻撃をぶつけ合ってるんだろう。

 

「向こうは大丈夫として……」

 

「問題は私かな?」

 

「お前以外にも問題はあるけどな」

 

俺はクロノスと対峙する。残念ながら俺にはポーズに対抗する手段が存在しない。となると俺が取る戦法は、

 

「ポーズさせなきゃ、お前は倒せるだろ!」

 

「まあ、そうくるよね!」

 

ポーズをさせる前に一気に叩く。単純な事だが意外と難しい。分かっちゃいたがポーズ抜きでもクロノスは強い。

 

「はっ!やあっ!!」

 

「ハハハッ!甘い甘い!」

 

俺の蹴りや殴りが全て防がれる。だったらコレならどうか。クロノスから距離を取りキースラッシャーにガシャットを装填する。

 

『チャンバラ!バイク!クリティカルフィニッシュ!!』

 

「いっけ!!」

 

キースラッシャーからタイヤ型の弾丸を発射する。一直線に進む弾丸に対し、クロノスは動く様子を見せない。

 

「余裕ってか?ああ?」

 

「ま、余裕だよね!」

 

「だったらオマケだ!!」

 

『ギリギリ!クリティカルフィニッシュ!!』

 

ガシャコンスパローを取り出しキメワザを発動させる。空中に放った無数の矢がクロノス目掛けて落ちてくる。

 

前方の弾丸。頭上の無数の矢。なら後は後方からの斬撃って相場がきまっているんだよな!!

 

「一気に決めてやる!」

 

ブーストゲージを2本ずつ使用し、キースラッシャーとスパローを強化させる。これでブーストゲージ全部使い切る形になる……倒し切れる気もしないが…それでも!

 

「一気に来たねー。でもさ、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『PAUSE・・・』

 

 

無駄だよね?」

 

「いいえ?そうとも限りませんよ?」

 

「ッ!?」

 

「流石の究極の闇もこの止まった時の中では動けないようですね。ですがこのハイパームテキならば」

 

『キメワザ!ハイパー!!クリティカルスパーキング!!!』

 

「問題なく動けますッ!!」

 

「ぐっ!?うわあっ!!」

 

 

『RE START』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いきなりクロノスが吹っ飛ばされて壁に叩きつけられた。更に俺の放った弾丸と矢も全弾クロノスに命中した。俺の斬撃は外れたけど。

 

「今の、先輩?」

 

「ええ、キメワザを腹部に叩き込んでやったわ」

 

「うっわエッグいことするわこの人……んで一夏は」

 

聞こうとした瞬間振り向いて蹴りを叩き込む先輩。

 

後方からクウガが突っ込んできたのだ。てか今のに対応できんのかよこの人。マジやべぇ。

 

「桐也!専用機持ちと合流して一般生徒の避難を優先させて。下手をすればIS学園が吹き飛ぶかもしれないわ!」

 

「え、マジ!?」

 

「最初の爆発で学園の地下プラントが誘爆を起こしている可能性も考えられるわ。早くしないと全員吹き飛ぶわよ!」

 

「ったく、なんでこんな事に!!」

 

確かにさっきからあちこちで爆発が起きてるとは思っていたけど、まさかそのレベルまで行ってんのかよ。

 

「ふっ!」

 

「………」

 

「相変わらず喋りませんか…随分と変わりましたね」

 

クウガの背後にショートワープするがクウガは腕の棘を伸ばして攻撃する。それを全部見切って避けるって、あんた何者だよ先輩。

 

「とりあえず、他の奴らと合流しないと」

 

俺は一気に駆け、第3アリーナから脱出する。無事でいろよみんな。

 

◇ーーーーー◇

 

避難誘導を桐也に任せたはいいものの、私のこの状況もあまり良くはありませんね。

 

ハイパームテキは文字通り無敵になる力を秘めています。あらゆる敵を殲滅できるハイパームテキ。しかしこの究極の闇に目覚めたらクウガにはあまり通用していない気がする。

 

当然無敵なのだからクウガの攻撃は通用しない。しかしコチラの攻撃も軽減されている気がする。言ってしまえば手応えがない。

 

「ハッ!てやぁ!!」

 

ショートワープを繰り返しながら全方位から攻撃を繰り出す。しかしクウガはそれら全てに対応してくる。

 

私のかかと落としを両腕をクロスさせ防ぐクウガ。すぐさまショートワープを駆使してガラ空きになった腹部、ベルト部分目掛けて肘打ちを叩き込む。

 

「…………ッ」

 

「!?…反応ありッ!!」

 

一瞬の怯みは見逃さない。体勢が少し崩れたクウガにサマーソルトを繰り出し空中へと打ち上げる。さっきまで感じていた手応えのなさも無くなった。恐らくさっきのベルトへの攻撃が有効だったのでしょう。

 

空中で数回打撃を叩き込みハイパーライドヘアーでクウガを縛り上げそのまま地面に叩きつける。バウンドしたところを更に蹴り飛ばしアリーナの壁へと叩きつける。

 

「まだ、終わりません!」

 

『キメワザ!ハイパー!!クリティカルスパーキング!!!』

 

壁に叩きつけられたクウガ目掛けてキメワザを叩き込む。ショートワープを利用して何度も何度も叩き込む。やがてアリーナ外へと抜ける。空中に蹴り上げてすぐに地面に叩きつける。

 

ふらつくクウガ。しかし時間差でクウガの全身から無数の当たり判定、「HIT!」「GREAT!」「PERFECT!」が炸裂し一斉に敵にダメージが入る。

 

「トドメよ……目を覚ましなさい」

 

『キメワザ!!』

 

ハイパームテキのスイッチを3回連続で押す。コレがムテキゲーマー究極の技、

 

『ハイパーマキシマム!!!クリティカルスパーキングブレイク!!!!』

 

通常のクリティカルスパーキングが連続ヒットならクリティカルスパーキングブレイクは究極の一撃。

 

満身創痍のクウガのボディに究極の一撃が炸裂する。その瞬間、空間が歪んだ。

 

◇ーーーーー◇

 

「しっかしガドル相手に全員無事とは、やるねぇまったく」

 

「私たちも必死に抵抗した。だが奴は途中で戦場を離脱した。何かを察したかのようにな」

 

今現在IS学園…というよりはこの人工島にいる人々を救命艇へと誘導している。今のところは漏れもなく全員救命艇へ乗り込めている。

 

「セシリア!そっちは!」

 

「いっぱいですわ鈴さん!シャルロットさんの方へまわしてください!」

 

「うん!まだこっちはいけるよ!!」

 

「コチラも大丈夫だ!」

 

上手い具合に進んでいる。流石の連携というべきか。

 

「キリヤん!」

 

「無事だったか本音!」

 

「うん……でもかんちゃんが何処にもいないの!」

 

「かんちゃん?……簪ちゃんか!」

 

確か事前に先輩に見せてもらったタッグマッチのリストには簪ちゃんのペアは一夏だった。となると……

 

考えを巡らせていると一際大きい爆発が起きる。それに釣られて更に爆発が各地で起きる。あの方向には第3アリーナ……

 

「結局、逆戻りか……」

 

「キリヤん?」

 

「悪い箒。ここ任せた………10分して帰ってこなかったら船だせ。いいな、絶対だぞ!!」

 

「な!?待てキリヤん!!」

 

箒の制止を無視して駆け出す。あーもうホント走ってばっか!!

 

◇ーーーーー◇

 

「うっ……えっ………」

 

燃え盛る炎。私の周りは炎で包まれていた。

 

「ここは……けほっ!けほっ!」

 

思い出した。あの時私は意を決してクウガとゲンムを追いかけたんだ。それで戦いに巻き込まれて……瓦礫に埋もれて……

 

「自業自得……うっ…」

 

追いかけなければこうはならなかった。お姉ちゃんを呼べばきっとこうならなかった。全て自分のせい。私がもっと強かったら……臆病じゃなかったら一夏はああならなかったかもしれない……

 

一度後悔すると後悔の念が止まらない。

 

「とにかく……ここから出ないと…」

 

でも炎の勢いは増すばかり。下手に打鉄二式で壁でも破壊すればあっという間に下敷きになる。ISを纏っていれば大丈夫なのかもしれないけれど、『かも』の時点で不安がある。

 

「どうすれば……」

 

とにかく動かなければ何も始まらない。少しでも炎がないところに……

 

その時私が無理に動いたせいで、瓦礫がバランスを崩した。マズいと思った時にはもう瓦礫が目の前に…

 

「簪ちゃん!!」

 

一閃。瓦礫が砕かれ私は連れて行かれた。それが誰かわかった時、私は涙が溢れ出した。

 

「お姉ちゃん!」

 

「よかったわ無事で。すぐにここから出るわよ!」

 

お姉ちゃんに連れられて外に脱出する。すでに第3アリーナは炎に包まれていて、他の場所も爆発を繰り返していた。

 

「会長さん!簪ちゃん!」

 

「ナイスタイミングよ桐也くん!簪ちゃんをお願い!」

 

「会長さんは!?」

 

「もう少し人がいないか探してくるわ。あと虚ちゃんも回収しないとね!大丈夫、ISなら飛んで離脱出来るから!」

 

「……帰ってきなよ会長さん…」

 

私は桐也くんにお姫様抱っこされその場を離れた。

 

「また後でね簪ちゃん!」

 

「お姉ちゃん!!」

 

「時間がないか……一気に飛ばすから!」

 

桐也くんが一気に駆ける。お姉ちゃんの姿はあっという間に見えなくなった。

 

「あの場所にいたってことは一夏がクウガだってのも知ったんだろ?」

 

「え…うん……だから…助けたい…って」

 

「凄いよ簪ちゃんは。あいつがクウガ、未確認だったってのに助けに行こうとした」

 

「だ、だって!と…友達……だから」

 

「友達だからか……そうだな。ダチなら助けないとな…」

 

あっという間に救命艇が見えてきた。本音の姿も見え、私は安心感に包まれた、

 

「キリヤん!かんちゃん!」

 

「本音!」

 

「本音、簪ちゃん頼んだぞ」

 

「また行くの?…」

 

「俺だって行きたくねぇよ熱いし。でもま、ツレが寝ぼけてんだ。起こしてやらないとな」

 

そう言って桐也くんは来た道を戻って行った。助けに行ったんだ…一夏を……

 

◇ーーーーー◇

 

「はぁ……はぁ……」

 

「………」

 

「余裕があるのか…それとも喋れないほど余裕がないのか……」

 

「先輩!」

 

第3アリーナ……とはもう呼べない場所に到着した。最早学園の施設があったことさえ分かりにくい状態と化している。

 

ムテキゲーマーの先輩が息を切らしている。これは相当長い間殴り合ってたか?

 

「随分とお疲れだね。もう休んでいいんだよ?」

 

「悪魔みたいな囁きね。でも状況が分からないわけじゃないでしょう?」

 

「まあね。でも残りはそこのバカと先輩とどっか飛んでる会長さんぐらいだよ。学園の生徒、教師、関係者にライドプレイヤーは全員救命艇に乗せた」

 

「ライドプレイヤーも全員救助しているとは……流石仕事が早いわね」

 

「なになに?今になって多少は褒めてくれるって?やめてよ柄じゃないんだから」

 

何はともあれ残りはここにいる奴ら。目の前のバカをどうやって目を覚まさせるか。

 

「ベルトよ。アレを攻撃した瞬間は動きが鈍ったわ」

 

「なるほどねー。だから少しヒビが入ってるわけ?」

 

クウガのベルトにはヒビが入っている。アレを攻撃って……ムテキが強いのか、それとも先輩が馬鹿力なのか……多分両方だな。

 

ベルトのレバーを閉じる。ノインシュヴァンツの2回目の強化。これが真の最速。

 

「3倍速!」

 

『ガッチャーン!スピードアップ!』

『繋がれ!永遠の絆!最速のキツネゲーマー!ノインシュヴァンツレーザー!!』

 

尻尾が3本に増えバランスがとりづらくなり前傾姿勢になる。さながら獲物に飛びかかろうとする獣。これがシュヴァンツバイクゲーマー レベルXXX。

 

「さっさと帰るぞ名人」

 

「………」

 

「だんまりか……そういやあの時からお前と喋ったことないかもな。元気でやってたか?」

 

「………」

 

「まさか怒ってんのか?ったくズルズル引きずりやがって。まあ言い過ぎたかもしれないけどさ」

 

「………」

 

「なんとなくこうなることは分かってたからああ言ったんだぞ。分かってんのか?」

 

「………」

 

「……説教じみたことはやるもんじゃねぇな。お前にはグーパンが一番効くだろ」

 

『ガシャット!キメワザ!!爆走!クリティカルストライク!!』

 

ゲージを3本消費して全身を強化する。今の疲れてる状態じゃ何処までもつか分からない。それでもやらなきゃいけない。

 

お前(ダチ)を連れ戻すのは、(ダチ)の役目だろ一夏ァ!!!」

 

黄色い稲妻と共に駆ける。一撃で終わらせてやる!

 

「うらあぁぁっ!!!」

 

本気の殴りがクウガのベルトに叩き込まれる。それはつまりコイツは防ぎも避けもしなかったのだ。

 

ヒビが広がるベルト。やがてベルトがクウガの中へと沈んでいく。それと同時にクウガの姿が一夏へと戻っていった。

 

「やった…の?」

 

「まあ……ね……ぐっ…」

 

「フラフラじゃない!無茶をしすぎよ!」

 

変身が解除される。エネルギー切れか。

 

「ま、まあ、名人は元に戻ったし……結果よければ何でもいいって言うじゃん?」

 

「終わりよければすべてよし?この状況は正直よくはないけれど」

 

先輩が俺と一夏を抱えて走り出す。わーはやーい。

 

「お嬢様!2人を回収!これで全員です!」

 

『オッケー!私も戻るわ!』

 

燃え盛る炎のなか俺と一夏に負荷がかからないように、それでも素早く駆け抜ける先輩。いやー、ホント頭上がんないわ………

 

俺の記憶はここで途切れた。

 

◇ーーーーー◇

 

「ハハハッ……ハイパームテキとかは予想外だったけど……目的は果たした…………」

 

束はIS学園から離れた場所に位置する島からIS学園を見つめていた。

 

手には仮面ライダークロニクルガシャット。しかしこれは自身のものではない。ゲムデウスクロノスへ変身したライドプレイヤーのものだ。

 

桐也がパンデミックを止めた際、ゲムデウスクロノスの変身も解除され、その場にガシャットが落ちていたのだ。

 

「まあ、どの道殺してでも手に入れる予定だったし。手を洗う必要がなくなっただけヨシとしようか……それにぃ…」

 

彼女の見つめるIS学園は遠くから見ても分かるほどに炎が舞い上がり、黒煙が空へと上っていった。そして、

 

◇ーーーーー◇

 

これは後の歴史の教科書にも載ったレベルの事件、事故となった。

 

 

10月30日(月)PM01時00分

 

 

IS学園及び人工島、爆発

 

この日、地図から一つの島が無くなった。




IS学園、爆発!今年最後の更新で爆発オチです!爆発オチなんてサイテー!!

そして次回からは遂にクロノス、ゲンムとの決着をつけるために桐也たちが動きます。

それでは良いお年を〜。see you next game!

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