IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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遂にエグゼイドが輝きます


第71話 究極の闇の章 最強無敵のGAMER

10月30日(月)PM00時06分

 

第4アリーナではライドプレイヤー達とグラファイトの戦闘が行われていた。グラファイトは強敵だが、流石は何回も戦いを繰り広げてきたライドプレイヤー達。自然と連携し効率よくダメージを与えていく。

 

「そろそろいけるぞ!」

 

「よっしゃ、ぶちかませ!」

 

戦闘開始から約6分。ライドプレイヤー達は遂にグラファイトを追い詰め、

 

「ラストアタック!」

 

「おりゃあ!!!」

 

『グッ!?グオオァァァッ!!!』

 

《GAME CLEAR!》

 

グラファイトを倒す事に成功した。流石にこれだけのライドプレイヤーが集まればたとえグラファイトといえどひとたまりもなかっただろう。

 

「ラストアタックおめでとう!」

 

「やったな!」

 

「ありがとう!」

 

各々が互いを褒め称える。最初は我先にとバグスターと戦っていたプレイヤー達だが、今となっては協力しあう仲となっていた。

 

『おめでとー!!全てのバグスターを倒した貴方にはラスボスに挑む権利が与えられるよ!受け取ってー!』

 

ゲームクリアと同時に現れたポッピーからアイテムを受け取るライドプレイヤー。それはクロノスに変身するためのバグルドライバーだった。

 

『さあ!君の勇姿を見せつける時だよ!クロノスに変身して!!』

 

「よ、よーし!」

 

『仮面ライダークロニクル!』

 

「変身!」

 

バグルドライバーにクロニクルガシャットを挿し込む。そして彼の姿は仮面ライダークロノス

 

 

 

 

とは似て非なる違う姿となった。

 

◇ーーーーー◇

 

10月30日(月)PM00時13分

 

何が起きたのかすぐには分からなかった。私がゲンムに殺されそうになった時、一夏の体を黒い炎が包み込んで、そのまま第3アリーナのピットを破壊した。

 

私はなんとか無事だった。そして炎がなくなったと思ったら、そこに立っていたのは一夏じゃなくて未確認生命体2号だった。

 

「面白い…その姿のクウガがどこまで強いか、確かめてやろう」

 

『シャカリキスポーツ!』

 

「………」

 

一夏…もといクウガは何も言葉を発する事なく、手を前にかざした。

するとゲンムはそのまま壁に叩きつけられた。

 

「ぐおっ!?一体何が!?」

 

「………」

 

無言のままゲンムのもとに歩くクウガ。ゲンムは車輪を投げて攻撃するけど、車輪はクウガに当たった瞬間燃え尽きてしまった。

 

「うぐっ!?き、貴様ッ…!」

 

クウガはゲンムに近づくと首を掴み持ち上げる。そしてゲンムを地面に叩きつけた。叩きつけた衝撃で地面に穴が空きクウガとゲンムは地下へと落ちていった。

 

「一夏……」

 

どうすればいいのか分からなかった。助けに行くべきか、逃げるべきか。クウガが一夏だとしても頭のどこかでは認めたくないという思いもある。

 

「どうすればいいの……一夏…」

 

◇ーーーーー◇

 

「ふんふん……究極の闇がこれ程とは…想定外だけど…問題ないね」

 

「究極の…闇ですって…?」

 

強烈な一撃をもらった楯無と箒がなんとか立ち上がる。それを見た束は「タフだねー」と爽やかな声で言う。

 

「特別に束さんが授業を開いてあげよう!究極の闇のクウガ。まあ簡単に言えば世界を滅ぼすほどの力を秘めた生体兵器ってところかな」

 

「生体兵器……」

 

「自我は無く、加減はしない。まさに究極!世界を滅ぼすのはいつだって闇なんだよ!しかも正義のヒーローを名乗っていたクウガが世界を滅ぼすなんてさいっこうだね!」

 

狂気に満ちた笑いを発する束。こんな邪悪な存在は切除しなくてはいけない。楯無は自身の槍と蛇腹剣を構える。

 

「私と戦う気?無理無理勝てない勝てない。私と君たちの時点で差はついてる。それにクロノスとただのIS。どっちが強いかなんて言わなくても分かるでしょ?」

 

「だとしてもよ!!」

 

 

楯無が駆け出そうとしたその時だった。

激しい揺れが楯無と箒を襲う。そして束は仮面の下でニヤリと笑っていた。

 

 

「さあ!始まりの合図だ!世界は私のものになる!」

 

「何をした!」

 

「今この瞬間、クロニクルの1プレイヤーが全てのガシャットロフィーを集めきった。そしてクロノスに変身したんだよ………ラスボスの力を秘めたクロノス、ゲムデウスクロノスにね!!」

 

「ゲムデウス…クロノス!?」

 

「ゲムデウスクロノスはいわばパンデミックの発生元!ゲムデウスクロノスを中心に、仮面ライダークロニクルのガシャットを持っているものはゾンビゲーマーへと姿を変える!そしてゾンビゲーマーは一般の人間共をゾンビに変える!」

 

「それが…貴様の目的なのか!」

 

「私の目的は私の世界を作る事。その為には言う事を聞いてくれる、有無も言わずに働いてくれる手駒が欲しかった。それが今手に入った!」

 

クロノスが指を鳴らすとピットの防壁が開いていく。そして楯無と箒が見たのは第4アリーナから伸びる禍々しい光の柱。

 

「止めないと……ぐっ…!」

 

「無駄だよ無駄。今行けばゾンビになるのが早まるだけ。対抗手段なんて何にも『あるぜ』………は?」

 

楯無と箒、恐らくIS学園にいる人全員に聞こえただろう。ある男の声が。

 

『はーい第4アリーナ放送室から失礼しまーす。わたくし九条桐也、今からパンデミック止めまーす』

 

『ドクターマイティ!クリティカルフィニッシュ!!』

 

キメワザの音声が流れると青白い弾丸が空高く打ち上がり、そして炸裂し光は空へ広がり続ける。

 

『今のでパンデミック止まりましたー!はい拍手ーパチパチパチパチー』

 

「はぁ!?ふざけるなよ人間!!」

 

『ふざけてんのはどっちだよ。テメェのママゴトに付き合う程人類は暇じゃねぇんだよ!!』

 

次の瞬間クロノスが殴り飛ばされアリーナへと落ちていった。

 

「今のはただの挨拶代わりだ」

 

「桐也くん!」「キリヤん!!」

 

「おまたせ、助っ人とーじょー!」

 

仮面ライダーレーザーターボ、九条桐也がそこに立っていた。

 

 

殴り飛ばしたクロノスを追って俺もアリーナに降り立つ。予想外のダメージでクロノスは少しふらついていた。

 

「よおクロノス。お前のくだらない野望を笑いに来てやったぜ」

 

「貴様ッ……どうやってパンデミックを止めた…」

 

「はぁ……ま、親切な俺は答えてやるよ。まずゾンビゲーマーにならないのはコイツのおかげ」

 

ガシャコンキースラッシャーから白い大きめのガシャットを引き抜く。『ドクターマイティXX』と書かれたソレをクロノスに見せつける。

 

「このドクターマイティにはあらゆるウイルスを打ち消す効果がある。ソレを使って俺はゾンビゲーマーにならずに済んだし、パンデミックを止めることができた」

 

「そのガシャット……檀黎斗か」

 

「いいや?お前も把握してるかどうかわ分からないゲストからのプレゼントさ」

 

ドクターマイティを仕舞いノインシュヴァンツを取り出す。

 

「………フッ…フフッ………ハハハハッ!!」

 

「何がおかしい」

 

「いいや…パンデミックを止めたぐらいで勝った気でいるのが面白くてね。パンデミックなんていつでも起こせれる。今日この時に引き起こしたのは引き起こす口実が出来たから……記念日だもんねぇ」

 

「ホント…クロニクル1ヶ月記念とか……そんなの迎える前に潰したかったけど」

 

「無理だよ。君1人じゃね!!」

 

クロノスはバグルドライバーに手を伸ばす。

 

1人じゃ無理。確かにそうだ。でも、

 

誰が1人で戦うって言ったよ?

 

『マキシマムマイティ!クリティカルブレイク!!』

 

バグルドライバーのボタンが押される前に特大のキメワザが文字通り飛んできた。

回避したクロノスがソレを睨みつけている。

 

「遅いんじゃない?」

 

「これでも急いだ方よ。ガドルは他の専用機持ちに任せたわ」

 

「大丈夫なの?」

 

「今の彼女達なら負ける事はないわ。信じなさい」

 

「りょーかい。んじゃま、コッチも始めますか!」

 

今飛んできたのは虚先輩。最大級のパワフルボディを持つレベル99のエグゼイド。

 

『マキシマムパワーX!!』

 

「ノーコンテニューでクリアです!」

 

仮面ライダーエグゼイド マキシマムゲーマーレベル99。それが今の虚先輩の姿だ。

 

◇ーーーーー◇

 

同時刻 都内大型広場

 

『バンバン!クリティカルファイア!!』

 

『PERFECT!CRITICAL COMBO!!』

 

「ウラァァ!!」

 

「デヤァァ!!」

 

スナイプの一斉砲撃とパラドクスの飛び蹴りが激突する。

一瞬スナイプの砲撃がパラドクスを上回ったが、最後はパラドクスが押し勝ってしまった。

 

「勝負アリ、ッてね!!」

 

「ぐあっ!?」

 

そのまま吹っ飛ばされるスナイプ。まだ変身は解除されていないが、ライフゲージは大幅に減少していた。ゼロになれば強制変身解除。そうなればパラドクス、ダグバの攻撃を防ぐ術は無くなってしまう。

 

「俺の火力だけじゃ足りないか……ッ!」

 

「そういうこった。俺よりレベルが上なら勝てたかもな?」

 

 

 

「ほう……ならば俺の相手をしてもらおう」

 

倒れたスナイプに詰め寄るパラドクスに声をかける男。スナイプ、タイガはその男に見覚えがあった。

 

男の名は、鏡ヒイロ。

 

「テメェ……お坊ちゃん!」

 

「情けないぞ無免許医。それでも俺の先輩か?」

 

「うるせぇ。来たならお前も手伝え」

 

「無論、そのつもりだ」

 

『タドルレガシー!』

 

ヒイロは白銀のガシャット、タドルレガシーを起動させる。タドルファンタジーと似たゲーマが現れヒイロの周りを飛び回る。

 

「へえ?じゃあ次はアンタが相手してくれるんだ?」

 

「バグスターも未確認生命体も、この俺が切除する!術式75!変身!!」

 

『ガシャット!ガッチャーン!レベルアップ!!』

『辿る歴史!目覚める騎士!タドルレガシー!!』

 

ヒイロの姿はブレイブと似て非なる姿のトゥルーブレイブ レガシーゲーマーへと変わった。そのレベルはパラドクスも上回る75。

 

「75か…面白いじゃん!心が躍るぜ!」

 

「行くぞ。援護を頼む」

 

「射線上に入っても容赦なく撃つからな」

 

「問題ない。お前が俺に当てることはないからな」

 

「ふん」

 

白銀の騎士と戦艦纏し狙撃手が最強のライダーに挑む。開戦の合図はスナイプの砲撃だった。

 

◇ーーーーー◇

 

IS学園第3アリーナ

 

「はあぁぁぁ!!!」

 

「はっ!オラァ!!」

 

「チッ!」

 

戦況は劣勢でもないが優勢でもなかった。マキシマムゲーマーとシュヴァンツバイクゲーマーのコンビネーションでクロノスを攻撃するが

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『PAUSE・・・RE START』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アイツの能力か知らないが今みたいに避けられてしまう。瞬間移動かなんかの類だろうが厄介極まりない。

 

「………」

 

「トリックが分かったなら早めに教えてよ。じゃないとやられる」

 

「あと少しなんです…あと少しで何かが…」

 

「仕組みがわかったところで私は攻略出来ないよ!」

 

バグヴァイザーからビームで攻撃してくるクロノス。中々の威力のこの攻撃、下手に当たればライフゲージ半分以上持っていかれるな。

 

「コッチもスピード上げてくか!」

 

ゲーマドライバーのレバーを閉じ開く。ギアデュアルならコレでキメワザだけど、ノインシュヴァンツは違う。

 

「2倍速!」

 

『ガッチャーン!スピードアップ!ノイン!ノイン!ノイン!九尾と絆!ダッシュゴーイング!走れノインシュヴァンツ!!』

 

スピードアップ。コレがノインシュヴァンツの能力の一つ。スピードアップすることで赤いオーラを纏い、尻尾も増える。つまりブーストゲージが更に3本使え、合計6本一点集中も可能になる。

 

コレがシュヴァンツバイクゲーマーレベルXXだ。

 

「かなり速いよ?」

 

「速くても意味ないってこと、教えてあげ、ッ!?」

 

「だから、速いよって言ったじゃん」

 

クロノスの言葉を遮るように膝蹴りを叩き込む。XXになったことでスピードは勿論パワーも上がっている。さっきまでとは違うってこと!

 

「まだまだいくぜッ!!」

 

ブーストゲージを左拳と右足に使用する。怯んでいるクロノスに左拳のアッパーで打ち上げる。間髪入れずにかかと落としで地面に叩きつけ、バウンドしたところを右ミドルキックで吹っ飛ばす。

 

「流石に痛いだろ?でもまだまだ終わらねぇぞ!!」

 

「調子に……乗るな!!」

 

クロノスがベルトに手を伸ばす。しかしそれを虚先輩が止めた。

 

「貴様ッ!」

 

「トリック、分かりましたよ。瞬間移動にしては不可解な動き、そしてクロノスという時の神の名前……貴方の能力は時止め…ポーズと言ったところでしょうか」

 

「なっ!?」

 

「そしてコレに対する対処法は、ッ!?」

 

 

突然地面が揺れ始めた。

 

 

そして俺たちが戦っていた第3アリーナが突如爆ぜた。なんとか回避した俺と虚先輩。巻き込まれればよかったもののクロノスも回避してやがった。

 

「これは……まさか」

 

炎に包まれる第3アリーナ。俺と虚先輩、クロノスの前に現れたのは黒い仮面ライダー。

 

「……随分と黒くなったな名人」

 

「コレが…クウガ……織斑君……」

 

仮面ライダークウガ。黒いボディに金色のライン、印象的だった赤目も黒く染まっていた。

 

「それが究極の闇。言うなればアルティメットフォーム」

 

「究極の闇……」

 

「………」

 

クウガが手を翳すとクロノスの立っていた場所が爆発した。更に炎の勢いを増す第3アリーナ。流石にアレは俺でも止められないって。

 

「……仕方ありません。クロノスのポーズに対応する為に使おうと思いましたが、状況が状況です」

 

「先輩、一夏は」

 

「分かっているわ。まずは『止める』。状況次第で『殺す』わ」

 

「……まずは止めてくれるだけありがたいよ」

 

虚先輩は金色のガシャットを取り出す。一度だけ見たことのあるそのガシャットは従来のモノやギアデュアル、マキシマムとも異なる姿をしていた。

 

そのガシャットの名は、

 

『ハイパームテキ!!』

『ドッキーング!!』

 

「ハイパー……大変身!!」

 

『パッカーン!!』

 

マキシマムガシャットと合体したハイパームテキのスイッチを押すとカバーが開いた。

次の瞬間金色に光るマキシマムゲーマー。そして射出されるエグゼイドと黄金の星。

 

『輝け!流星の如く!黄金の最強ゲーマー!!』

 

エグゼイドが黄金の星を纏うとその姿は最強無敵の姿へと変化した。

 

『ハイパー!ムテキ!エグゼーイド!!』

 

コレこそがエグゼイドの、虚先輩の切り札、仮面ライダーエグゼイド ムテキゲーマー。

 

「ノーコンテニューで、クリアしてみせます!!」

 

 

今、究極と無敵の戦いが始まる。




情報量が多い?いつも通りです気にしてはいけない。この作品のムテキは少し特殊な仕様になってますのでポンポン使えるものではありません。

今回が今年最後になるかどうか……出来ればもう1話投稿したい。だから頑張る。間に合わなかったらごめんなさい!

それではsee you next game!

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