IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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何だかんだ遅くなって、何だかんだ内容がぐだった。いつも通りだね!


第65話 サラシキの章 史上最強のKNOCK OUT!

10月1日(日)AM11時46分

 

『ステージセレクト!』

 

自分とパラドクスだけをステージセレクトで場所移動させる。こうすれば虚先輩や他のライドプレイヤー達に被害が及ぶことはない。

 

『名探偵ダブル!』

 

2人で1人の仮面ライダー、Wの力が宿ったガシャットを起動させる。ダグバの変身したパラドクスは未知数すぎる。オールラウンドに対応しないと。

 

『ガッチャーン!レベルアップ!!』

『ハーフボイルド!数えろ!お前の罪を!名探偵ダブル!!』

 

「へえ、まだ新しい姿があるんだな」

 

「悪いけど初乗りだ。手加減しろよ」

 

パラドクス目掛けて蹴りを放つ。レーザーの蹴りよりも早く鋭い一撃。

しかしパラドクスはそれをいとも簡単に躱す。

 

「まだまだこんなもんじゃないだろ?」

 

「当たり前だろ」

 

自分の言葉を合図に緑色のボディが赤色に変わる。そして炎を纏った拳をパラドクスに叩き込む。流石に多少はダメージが入ったようだ。

この隙を逃さずラッシュを叩き込む。与えられる時に少しでもダメージを稼いでおく。ゲームの基本だ。

 

「よっ」

 

「おらあっ!!」

 

「ハハッ、そう熱くなりすぎるなよ」

 

パラドクスが反撃してくる。しかし攻撃はどれも自分にあたることはなかった。いや、当てられなかった。

 

「テメェ、ふざけてんのか?」

 

「悪いな、この姿に慣れてないんだ」

 

そういうとパラドクスの動きがガラリと変わる。パンチやキックのキレが良くなった。つまり押されてる!

 

「チッ!コイツなら!」

 

今度は黒色の方を銀色に変える。さらに専用武器、メタルシャフトを取り出しパラドクスを攻撃する。棒の使い方は名人が良く使ってたから何となくわかる。

 

「ハッ!オラッ!」

 

「おっと、いいねぇ!」

 

パラドクスはメタルシャフトを掴むと自分を引き寄せ拳を叩き込んできた。いきなりの一撃で意識が飛びかける。

 

「左側だけ硬いな」

 

「ッ!ナメんなよ!」

 

今度はパラドクスに頭突きをおみまいする。悪いけど自分の頭突き結構痛いよ?

メタルシャフトを手放し、ボディの色を緑と黒に戻す。

 

『ガシャット!キメワザ!』

 

キメワザを発動させる。自分を中心に風が吹き始める。やがて風は右足に集中し、右足は風の鎧でコーティングされた。左足も紫色の炎に包まれている。

 

「キメワザか。ならコッチもパラドクスの真価を見せる時だ」

 

パラドクスが手をかざす。するとゲームエリア内にあったブロックや宝箱、ドラム缶からエナジーアイテムが飛び出してきた。

パラドクスはそれらを自身の目の前に集め、パズルのように動かし始めた。

 

「やられる前にやる!」

 

「遅いぜ」

 

『名探偵!クリティカルストライク!!』

 

今の自分のドロップキックは今までのライダーキックの中で最速だ。風の力でブーストしてのライダーキック。

だけどパラドクスはそれを避けた。更に隙だらけになった自分に腕を伸ばして攻撃してくる。

 

「伸縮化と高速化か!?」

 

「あったり〜。パーフェクトパズルは周囲のエナジーアイテムを自由に組み合わせることができる。こんな風にな」

 

更にパラドクスはエナジーアイテムを組み合わせていく。

自分はそうはさせまいと黒色のボディを青に変え、専用武器トリガーマグナムで狙い撃つ。

 

「おいおいコンボ中に邪魔するなんてマナー違反だぜ」

 

「テメェらの口からマナーって言葉が出ていることに驚いてるよ」

 

更に緑色のボディを黄色に変える。黄色と青、この組み合わせなら全弾必中だ。自分はパラドクスの目の前に並ぶエナジーアイテムを全て撃ち落とす。

 

「はぁ…………しらけるぜ」

 

「勝手に言ってろ。次はお前の頭を狙う」

 

「いいぜ?やってみろよ。俺には効かないけどな」

 

パラドクスはギアデュアルを抜き、ダイアルを回す。

 

『KNOCKOUT FIGHTER!』

『The strongest fist!"ROUND1"Rock & Fire!』

 

「大変身」

 

『DUAI UP!Explosion Hit!KNOCK OUT FIGHTER!』

 

パラドクスの肩の装甲が外れ両腕に装着され、顔が回転し別の顔になる。ノックアウトファイター……成る程、格闘ゲームか。ギアデュアルを使ってる時点で2つのゲームの力を持っているとは思ったけど、パズルと格闘ゲーム…………対照的だな。

 

「さぁ、第2ラウンドの始まりだ」

 

「やってやるぜ」

『刀剣伝ガイム!』『ギリギリチャンバラ!』

 

自分はフルーツ鎧武者、仮面ライダー鎧武の力が宿ったガシャットを起動させる。更にギリギリチャンバラをも組み合わせた侍コンボ。

 

『ガッチャーン!レベルアップ!』

『刀剣伝デンデンデンデデデン!フルーツチャンバラ!!アガッチャ!ギリギリギリギリチャンバラ!!』

 

鎧武ゲーマーの青い部分が黒く染まり、金色の部分は銀に染まる。

これこそがチャンバラ鎧武ゲーマー、又の名をジンバーゲーマー。

 

「クソッタレが。デカイの一発は決めてやる!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

同時刻、IS学園

 

「…………」

 

「…………」

 

かれこれ30分以上、木綿季と楯無はこの沈黙の中気難しい顔で過ごしていた。一夏と桐也に謝ってくると言った手前何もせずに帰るわけにもいかず、非常に気まずい空気が流れていた。

 

「…………ね、ねぇ楯無さん?……いや刀奈」

 

「な、何かしら更式先生……じゃなくて、お姉ちゃん…」

 

お互いに男子に言われたことが効いてるのか、少しだけ素直になれている。

 

「先に、どうぞ刀奈」

 

「じゃあ、聞かせてもらうね……どうして、あの時何も言わずに出て行ったの」

 

「それは………言えなかったの。貴女になんて言われるか分からなかったから……怖かったの……」

 

「お姉ちゃん…………そんなの怒るに決まってるじゃない」

 

「え?」

 

木綿季から腑抜けた声が漏れた。

 

「夢があるから楯無継がずに家を出る!?私だって夢があったのよ!?世界一のラーメン屋さんをこの手で作り上げるって夢が!」

 

「え、ええ?そうだったの!?刀奈ラーメン好きだっけ?」

 

「嘘よ嘘。でも夢はあるの。世界で一番のドクターになる。それが私の夢。幼い頃からずっと胸にしまっていた………夢」

 

「刀奈………」

 

「…………実はね、私もずっと考えてた。私がお姉ちゃんの立場ならどうするかなって。いい案なんて思いつかなった。結局お姉ちゃんみたいにするしかなかったのかなって」

 

これはどちらかが夢を諦める必要があったのかもしれない。

木綿季がそのまま楯無を継げば、刀奈はドクターになる夢を追いかけられた。

そして今の状況がその逆だ。

 

「考えることは一緒なのね……」

 

「そうだね……ごめんなさいお姉ちゃん」

 

「ううん、謝るのは私だよ。ごめんね刀奈」

 

「だから謝るのは私だって」

 

「いやいや私だから」

 

「いやいやいやいや」

 

「「…………ふふっ」」

 

こうなっては決着がつかないのは姉妹である2人がよく知っている。

 

「こればっかりは、桐也くんに感謝しないとね」

 

「私も、一夏くんにお礼言わないと」

 

いつのまにか、2人の表情は優しい笑顔に変わっていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うわあっ!!」

 

「おいおい、この程度か?シラけるぜ」

 

そう言いながらもパラドクスの拳が俺の体力を削っていく。このままだと負ける!

 

「ッ!うらぁ!!」

 

「甘いっての!!」

 

パラドクスは俺のソニックアローとスパローの攻撃を左の拳で受け止め、カウンターのボディブローを叩き込んできた。

 

避ける隙もなくモロに食らってしまう。息が出来なくなる。コイツの拳一発一発がキメワザ級の威力だ。しかもこれが通常攻撃?冗談じゃない。

 

「くあぁぁ!!」

 

「シッ!」

 

パラドクスの拳を躱し、スパローを叩きつける。少しの遅れ、少しの油断が命取りだ。少しでも早く、一撃でも多く叩き込め!

 

「ッ!やるじゃ、ないか!!」

 

「ここで負けれるかぁ!!」

 

『キメワザ!刀剣伝!クリティカルストライク!!』

 

ハイキックをパラドクスに叩き込む。しかし左腕でガードされてしまう。

 

「いいラッシュだった、ぜ!!」

 

「ごはっ!!」

 

更にパラドクスの全力の拳が俺に直撃する。吹っ飛ばされて、そのまま壁に激突する。

 

もう、立ち上がることができなかった。

 

「ん?もう終わりか?………まあ、準備運動にはちょうど良かったかな」

 

「……ッ!」

 

「本命は一夏だしな。お前はちょうどいい前菜だったよ」

 

「……ッ、ァァァ!!」

 

「やめとけって………」

 

『キメ・ワザ!デュアル・ガシャット!』

『KNOCK OUT !CRITICAL SMASH!!』

 

パラドクスが拳を軽く突き出す。それだけで凄まじい突風が吹いた。

 

「次は…………死ぬぜ?」

 

パラドクスの姿がダグバに戻る。そのまま奴は歩いて離れていった。

 

 

 

 

 

 

俺の背後にあったビル数件は、跡形も無く消し飛んでいた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

10月1日(日)PM05時32分

 

「一夏くん」

 

「あ、楯無さん。仲直り出来たんですか?」

 

「ええ。いざ話してみたらあっという間にね」

 

食堂にて。勉強を終えた俺のところに楯無さんがやってきた。その表情はとてもニコニコしている。

 

「何事も話してみるものね。今の今まであんな態度とってた自分がバカみたいよ」

 

「そうですよ。何事も話してみないと」

 

何事も話してみないと。

自分の言葉を頭の中で何度も繰り返す。

 

そうだよ。何事も話してみないとな……

 

「それはそうと………私からお願いがあるんだけどぉ?」

 

「ん、なんですか?」

 

「お願い!……私の妹をよろしくお願いします!!」

 

「は?」

 

これは新しい波乱の予感がするなぁ……




サラシキ姉妹は仲直り出来ました。しかしキリヤんはダグバに負けました。

そして次回からはキリヤんの過去編になります。キリヤんの謎が明らかに!?

それと今月はバイク名人更新出来ないと思います。理由は他の作品を書き始めるからです!ごめんね!

ではsee you next game!

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