IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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あけましておめでとうございます!

今更だけどこのお話、もう2年過ぎてたね


第61話 Sea of bloodで染まる

9月24日(日)AM09時00分

 

IS学園

 

「ん………うん?」

 

眩しさを感じて目を覚ます。そこは見慣れた天井……ではなく、俺の部屋の天井だった。眩しさは朝日が差し込んでいたからだ。

 

「あ………そっか、今日日曜か」

 

この時間、平日の学校のある日ならば遅刻確定。でも今日は日曜日。正直そこは助かった。

 

昨日、いや今日の夜中。インフィニティーズ最初の任務であるIS学園の警備は異常なく終わった。本当に何もなくてよかった。そして布団に入ったのが午前5時前。4時間しか寝れてないのか………体がだるい。

 

「にしても………これは大惨事だな」

 

体を起こして部屋を見る。そこには着物を着る途中で寝てしまっている箒。下着姿で床で寝ているセシリア。足だけ俺のベッドに残し体が落ちてしまってる鈴。それとは逆のシャル。机に突っ伏して寝ているラウラ。

 

「みんな疲れてるんだな………俺も寝るか」

 

正直この大惨事、普通の俺なら目を覚まして二度見ぐらいする。下手すりゃ俺の大事な〔ピーーーー〕も起きるだろう。しかし今の俺はそこまで頭が働かず、そのまま二度寝に戻るのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

同時刻、都内公園

 

「起きてたのか九条。ほら朝飯だ」

 

「ありがとタイガ先生。あらー、寝起きでカツ丼キツくね?」

 

公園で目を覚ますなんて、まるでホームレスにでもなった気分だ。正直あまり良くない。ベンチは硬いし、妙に寒いし。相方の先生は朝からカツ丼食わそうとするし。

 

昨日……正確には今日の夜中、ソルティを倒した後が大変だった。複数のライドプレイヤーに絡まれ、死なない程度に動けないようにしたあと別の公園に向かい、アランブラバクスターを倒してタドルクエストのガシャットロフィーをGET。したらまたライドプレイヤーに絡まれるし。

 

結局この公園で寝たのが午前6時過ぎ。タイガ先生は寝てないんじゃない?

 

「それとだ、さっきコンビニで知り合ったんだが、」

 

「おひさね桐也くん」

 

「久しぶりだね九条くん」

 

「あれ、刑事さんにハルカさん。まだこの世界に残ってたの?」

 

「ちょ、何で私だけ刑事さん?」

 

タイガ先生が連れてきたのは、照井ハルナと水澤ハルカだった。2人とも別の世界からアマゾンを追ってこの世界に来た。まだいるってことは、アマゾンは見つけられてないのか。

 

「まあ、いいわ。これから2人には少し協力してもらうから」

 

「いきなり過ぎないちょっと?」

 

「正直あまり時間がないんだ。助けてくれると嬉しいんだけど」

 

「まあハルカさんが頼むなら」

 

「なんなのよ!なんで私のときだけ適当な応対なのよ!」

 

「喚くな照井。俺たちが協力しないと言ってないだろ」

 

「タイガ先生は知ってるわけ?」

 

「俺たちの目的とコイツらの目的が一致した……って言えば分かるか?」

 

 

「天条タカアキの居場所が分かったの?」

 

現在場所は港。合流して来た虚先輩が聞いてきたように、どうやら2人は天条タカアキの居場所が分かったらしい。

天条タカアキはアマゾン細胞の研究と仮面ライダークロニクルに携わっていたらしい。確かに刑事さん達の目的のアマゾンに繋がっているかもしれないし、俺たちの知らない仮面ライダークロニクルの情報を握っているかもしれない。

 

とにかく目指すべき一つ目のゴールとして決めていた。

 

「ここから少し離れたところにある小島に潜伏している。この目で見たから間違いないわ!」

 

「え?この目で見た!?」

 

「ハルがウッカリしてね、天条に捕まったのよ。それを助けに行く時にね」

 

「面目無い………その時にアリアマゾンの情報でも手に入れば良かったんだけどね」

 

「ハルを助けるのに一生懸命でそこまで頭が回らなかったのよ」

 

自分たちが知らないところで頑張ってたんだなぁ。でもここで疑問に思うよね。

 

「お前たち2人に居場所がバレているなら、天条は潜伏先を変えるんじゃないのか?」

 

「確かに……」

 

「ああ、それなら大丈夫。ハルを救出したの昨日の夜中だから」

 

「「「……………は?」」」

 

つまり刑事さんはついさっきまでタカアキの潜伏先にいたってことか?そしてハルカさんを救出してから俺たちに接触してきた?

 

いやアンタら体力バケモノかよ。

 

「ほら、善は急げって言うでしょ?大量の資料なんかがあったから、今なら天条は潜伏先を変えていないはず。痕跡を残すわけにもいかないからね」

 

「元気だねぇアンタら………自分らはすんごい眠いってのに」

 

「でも一つ心配があってね……………ホラ来た」

 

ハルカさんが指を指す方を見る。そこには灰色の人型。目は紫色のトカゲのバケモノ。ってアレまさか………アマゾンシグマ!?

 

「あちゃー追いかけてきたか………多分私たちを追いかけてきたんだと思う」

 

「だろうね」「だろうな」「でしょうね」

 

自分たち3人は呆れながらもゲーマドライバーを装着する。ハルカさんもネオアマゾンズドライバーを。刑事さんもアクセルドライバーを装着する。

 

多分アレ会長さんが仕留め損なったやつだよね。それに刑事さんが怪しいと睨んでいた目的人物?だろうね。

時間ないだろうしさっさとやろうか。

 

「零速、変身!」

 

「第弐戦術、変身!」

 

「大変身!」

 

「変……身ッ!」

 

「アマゾンッ!!」

 

それぞれ仮面ライダーに変身する。アマゾンシグマもそれを視認すると走り出してくる。

さあ、ノリノリで行っちゃうぜ!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

9月24日(日)AM11時13分

 

「ふあぁ〜……眠い…」

 

「一夏さん、気が緩んでいますわよ」

 

「まあまあ、昨日……いや今日か。寝るの遅かったからさ」

 

今俺はセシリアとシャルと街を歩いている。理由は買い物……兼仮面ライダークロニクルに関する情報収集だ。

 

起きた俺たちを待っていたのは楯無さんだった。キリヤんの情報が正しければバグスターが現れるのは1日1回であり、1体ではなく1回なら、今日はもうバグスターは出てこないらしい。

ならば街に出て情報収集を兼ねた買い物でも行ってこいと楯無さんに言われ、現在街中を歩いている。

箒と鈴とラウラはお留守番だ。

 

やはり注目されているだけあって、あちこちで話をしている。しかし目新しい情報はなく、正直普通の買い物になってしまっている。

 

「にしても仮面ライダークロニクルもふざけてるよなぁ。仮面ライダーがレアキャラで、ガシャットを起動したらウイルスに感染して、プレイヤーのライフがゼロになったら死ぬ」

 

「製作者の頭は狂っているとしか思えませんわね」

 

「そこら辺も桐也とタイガ先生が調べてくれてるみたいだけど」

 

「………大丈夫なのかなキリヤん」

 

昨日からキリヤんの姿を見ていない。無茶してなきゃいいけど。

 

そんな心配をしていた時だ。

 

 

後方から悲鳴と爆発音が聞こえる。それと同時に血の匂いも漂ってくる。もしかしなくても未確認生命体か!

 

「俺が食い止めてくるから、シャルとセシリアは避難誘導を!」

 

「そんな一夏さん1人では!」

 

「心配すんな。無理はしないから」

 

そう言って俺はインフィニットホワイトに着装して駆け出す。2人には申し訳ないが俺がクウガ(本気)で戦うには2人はいない方がいい。特にシャルが暴走したらかなりマズイ。

 

 

現場に到着する。まず俺を襲ったのは吐き気だった。辺り一面血の海。道路が真っ赤に染まり、人間だったモノが辺り一面に散らばっている。

その中で異彩を放っていたのは、宙に浮いているクラゲのような未確認生命体………いや、違う。あれはそんなんじゃない。どちらかと言うとアマゾンだ。

 

「クラゲでアマゾン………まさか、シャルのお母さんを殺したのって!」

 

クラゲアマゾンが触手を伸ばしてきた。しかもかなり早い!?

 

「くそっ!変身!」

 

ドラゴンフォームに変身して回避する。あれで貫かれたら流石の俺も死ぬぞ!?

すぐに体制を整えてマイティフォームにチェンジする。更にインフィニットホワイトを纏う。これでクウガとホワイトの二重構造の鎧の完成だ。

 

「いくぞ……!」

 

クラゲアマゾンに殴りかかる。しかしクラゲアマゾンの触手が俺に攻撃を許さない。パンチやキックが届かない。それどころか少しずつ距離を離されている。この野郎逃げるつもりか!?

 

「ッ!!おりゃあ!!」

 

右足に封印エネルギーを込めて触手一本一本に叩き込んでいく。その度に触手が爆発していくが、新しい触手がすぐに姿をあらわす。

 

「これじゃ、キリがない!」

 

しかも一瞬の隙を突かれて右足と左腕を触手で掴まれてしまう。このままじゃヤバイ!

そして俺の予感は的中してしまう。更に伸ばした触手が俺の体を貫いた。

 

全身を痛みが走る。今の今までこんなに痛いのは初めてだ。ホワイトのスーツがだんだん赤く染まっていく。しかも口から血を吐き出してしまう。クソ……メットの中が血生臭い。

 

そしてそのまま店の方へと投げつけられる。クウガの力で傷はすぐに治るとはいえ痛いものは痛い。俺の体が動くことを拒否している。

 

「くっ………ああっ!!」

 

心臓を貫かれなかっただけマシと思うべきか、それでもクラゲアマゾンが迫ってきているこの状況は絶体絶命と言わざるを得ない。

 

「だからって………ここで負けられるかっ!」

 

右足に力を込める。触手を掻い潜ってアイツに一撃叩き込んでやれば逆転のチャンスになるはず!

体に電気が流れ始める。もう少し、もう少しで………ッ!

 

「一夏さん!伏せてください!」

 

クラゲアマゾンの背中に青いレーザーが直撃する。クラゲアマゾンが振り返るとインフィニットブルーに着装したセシリアがライフルを構えていた。

 

クラゲアマゾンがセシリアに近づこうとした瞬間、オレンジ色の人影がクラゲアマゾンに飛びついた。

 

「お前は………ここで、絶対に殺すッ!!」

 

インフィニットオレンジに着装したシャルがパイルバンカーをクラゲアマゾンに叩き込んだのだ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

桐也side

 

 

「ヘイヘイ、コッチコッチ!」

 

シグマの攻撃をかわしながらスパローで攻撃を与える。後方からはタイガ先生の銃撃。虚先輩とハルカさんがラッシュを仕掛け、刑事さんの重い一撃が炸裂する。中々いい布陣だ。

 

「しっかし、聞いた話だと三手で終わらせる、とか言ってくるらしいけど?」

 

「確かにお嬢様が言っていたわね。余裕がない………ではないでしょうね」

 

「ふん、ぶっ潰せば関係ない話だ」

 

「それじゃあ、さっさと終わらせる?」

 

「それがいいかも。僕も疲れてきた」

 

刑事さんとハルカさんがシグマを蹴り飛ばす。その隙にそれぞれの武器にガシャットを差し込む。

 

『『『ガシャット!!キメワザ!!』』』

 

『マイティ!クリティカルフィニッシュ!!』

『バンバン!クリティカルフィニッシュ!!』

『ギリギリ!クリティカルフィニッシュ!!』

 

虚先輩のブレイカーブレードモードがシグマの胴を切り裂き、そこへ自分とタイガ先生の攻撃が連続で叩き込まれる。そんでダメ押しいくぜ!

 

『爆走!クリティカルストライク!!』

 

「はっ!うおらぁぁぁあッ!!」

 

弱ったシグマにライダーキックが命中し、そのまま地面に叩きつける。それと同時にシグマは黒い液体となって絶命した。

 

「って汚ねっ!!」

 

変身してても汚いのは嫌だな。血の海で戦うとか最悪だわ。仕方ないって割り切らないといけないけど。

 

「さて、これでようやく出発出来るわね」

 

「そういえば会長さんは?」

 

「お嬢様なら仮面ライダークロニクルについて作戦を練ってるはず…………と早速ね……はい布仏です」

 

どうやら会長さんからみたいだ。まあ電話が終わるまで先に船に乗って一眠りっと…………「はあ!?どういうことですか!!」………なになに?

 

「どうした布仏?」

 

「…………花家先生。落ち着いて聞いてください」

 

「勿体ぶるな。さっさと言え」

 

「デュノアさんが拐われました」

 

「………………誰に」

 

「………街に現れたアマゾンらしいです」

 

「……天条、覚悟しやがれ……」

 

もしかして、なんかヤバイ展開になってきた!?




桐也「遂に天条タカアキの居場所がわかるけど、シャルちゃんが誘拐されちゃった!タイガ先生ムカ着火ファイアー!名人は名人でボッコボコにされちゃって。次回はどうなることやら?」

次回は遂にアマゾン軍団との対決!遂に俺がお前のあのフォームが!そして夏休み編にはライダーはもう1人いた!つまり通りすがりのアイツが!

ではSee you Next game!

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