IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜 作:無限の槍製
4月3日 (月) PM04時12分
「うわあっ!!」
未確認14号に吹っ飛ばされて土手を転げ落ちる。バッタみたいな未確認生命体。予想通り強力なジャンプ力、そして急降下キック。攻撃手段は今のとここれだけだか。
「一撃一撃が重い。そう何回も食らっていられないか」
「
「そんなわけないだろ!」
ここで引き下がったらみんなに危険が及ぶ。ここで倒さないと。
土手を駆け上がり14号に攻撃する。パンチパンチキック。それの繰り返し。14号はそれを軽々回避する。よしこれなら、
「そこだっ!」
「!?」
足払いで14号の体勢を崩す。これには予想外で14号もすぐに体勢を整えられない。すかさず14号に膝蹴りを叩き込む。その時に右足が熱くなる。どうやら準備は整ったみたいだな。
「こいつで、どうだぁ!!」
ハイキックで14号の頭に叩き込む。いつも通りキレイに決まった。しかしそれでも未確認には効果がないように見える。
「
「嘘だろ…ぐはっ!?」
お返しとばかりに腹に強烈な蹴りを食らう。恐らくジャンプの応用だ。それを利用して俺と距離を取る。これかなりマズくないか?
「何回でも叩き込むしかないのか」
「そんな弱攻撃じゃ倒せないってことだろ?」
「!?レーザー!!」
「助っ人とーじょー!」
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「こちとら予約があるんでね。手短に終わらせてやるよ」
「俺も約束があるんだ。一緒に行こう!」
未確認14号が出現したと連絡があった。まあ偶然近くにいたからクウガと合流できたけど。しかしこれは大変だな。ぶっちゃけこれで変身するのは二回目だ。助っ人と自分で言うには実力不足だ。
正直に言おう。あまり戦況は変わんないんじゃない?
「そらっ!!」「てやあっ!!」
「ガアッ!?」
いやダブルキックでかなりダメージ受けてるから案外いけるんじゃね?いやここまで来たなら押し切ってやる!
「手ぇ止めんなよ!」
「分かってるよ!」
自分とクウガのラッシュに押される未確認14号。遠目で見てた時はクウガのラッシュは軽々回避していた。でもやっぱり手数が多い方が避けにくいみたいだな。
次第に未確認に焦りが見えてきた。多分逃げる準備は整ってるはずだ。ここで手を緩めたら逃げられる。だったらとっとと押し切らねぇと。
「キメるぜ。ノってけよクウガ!」
「ああ。トドメは任せろ!」
クウガの右足が赤く光り炎をまとう。あれが必殺技か。トドメは任せるとして、コッチはどうにかして動きを止めないとな。
「っと逃がすわけないだろ。お前はコッチだよ!」
ジャンプして逃げようとする未確認の足を掴み地面に叩きつける。おーおー顔面から叩きつけられちゃって、痛そうなこった。
「ほらトドメ決めろ!!」
「うおおおお!!!」
クウガ目掛けて未確認を放り投げる。そのままクウガは未確認に横蹴り。未確認を川目掛けて蹴飛ばしたのだ。
「ってバカ!水落ちは生存フラグだ!!」
「え?生存フラグ!?」
ここの川はそこまで深くない。深くない故に水落ちしても姿が見えるはずだが……ものの見事に逃げられちまった。
「逃げ足は速いな」
「スマン、俺のせいだ」
「いいや、自分もハッキリ言ってそこまで考えてなかったからな。おあいこだ」
あの未確認14号はまだ生きている。恐らくまだ人殺しを続けるよな。ったく落ち着いてゲームもできやしない。それに人殺しは許せねぇよなぁ………明日ぐらいから調査を開始するか。今日は野郎も動かねえだろ。
「じゃ、俺約束あるんだ。これで失礼するぜ」
「ああ、またなクウガ」
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川から這い出た未確認14号『ズ・バヅー・バ』は帰っていくレーザーとクウガを睨みながらバヅーは呟く。
「ゲゲル
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4月3日 (月) PM06時50分
「遅すぎるぞ二人とも!」
「仕方ないだろ、未確認同士の戦いで電車が止まったんだから」
「む、それなら仕方ない。だが連絡ぐらい」
「多分一夏は電話番号知らないんじゃないか?」
「あ、そう……だったな」
現在剣道場。まず俺たちが道場に上がった瞬間に見たのは見事な大和撫子。しかし俺たちに気づいた瞬間に悪鬼に変貌する。なにもそこまで怒らなくてもいいと思うのに。
「んでどうするんだ?今から特訓するのか?」
「ここを貸してくれてるのは19時までなんだ。だからもう終わらなくてはいけないのだが」
「だが?」
「一本だけだ。一本だけ今からする」
「え、防具なしで?」
「そうだ。今から付けていては時間がなくなるだろう!安心しろ。寸前で止める」
「おい一夏。箒の寸前は当たると思っとけよ」
「うん知ってる」
そして予想通り箒は全力で面を打ってきて、そこから俺の記憶は曖昧だ。
◇
「ん……あれ?ここ……俺の部屋か」
気がついたらベッドで寝ていた。時刻は午後19時10分。箒かキリヤんが送ってくれたのか。あとで礼を言わなくちゃな。
「気がついたか一夏!!」
「あれ箒。なんでここにいるんだ?」
「なんでって…ここは私の部屋だからな」
「あれ、じゃあ俺の部屋の同居人は箒だったのか」
「そういうこと……らしい」
なんだか箒の歯切れが悪い。バツが悪そうに目をそらす。どうしたんだ?
「その一夏………さっきはすまなかった。寸前で止めるなどと言っておきながら」
「ああ、そのことか。気にするなよ。避けれなかった俺の責任でもあるんだ」
「ち、違う!お前のことだから生活のためにバイトをしていたのだろう?それで剣を握っていないのはお前の構えから分かった。それなのに私が……本当にすまなかっ……ごめんなさい」
だんだんと声が裏返ってきてる。よくみると泣くのを必死に我慢している。不味いぞ、箒に泣かれたくない。それにこんな状況を他の誰かに見られたら。
「おーーい、一夏ーーー」
「おーーい、オリムーー」
ドアをノックする音。声からしてキリヤんと同じクラスののほほんさんだ。箒も気づいたのか目元を拭っている。
「お、おう。どうしたんだ?」
「いや一緒にゲームしよーかなーって」
「キリヤんゲーム上手なんだよ〜。ぜーんぜん勝てないも〜ん」
「いやあれは本音が勝手に自滅するからだろ……」
「そ、そうか。でも」
「構わん。入ってこい」
そう言ったのは箒だった。目元が少し赤いがよく見ないと分からないレベルだ。
「な、なにをジロジロ見ている。目つきが嫌らしいぞ一夏」
「そ、そうか?スマン」
「お邪魔しまーす」
「お〜オリムーの同居人はしののんだったか〜」
「し、しののん?しののんとは私のことか?」
「そうだよ〜。オリムーはオリムーで、キリヤんはキリヤんで、しののんはしののんだよ〜」
つまり俺がオリムーで、キリヤんがキリヤんで、箒がしののんと。まさかのほほんさん……クラスみんなにあだ名をつけてるんじゃ。
「まあそんなことより、ゲームしようぜ」
◇
「今日は失礼するよ。ほら帰るぞ本音」
「ん〜〜むにゃ〜〜むにゃ〜もう食べれな〜い」
「フフッ、夢を見ているみたいだな」
「ったく。んじゃ今日はありがとな」
「おう、また明日な」
「おやすみ二人とも」
もうそろそろ消灯時間だ。ここは寮だからそういうのは守らなくてはいけない。にしても目が覚めてからずっとゲームだからまだシャワーを浴びてない。今日は14号とも戦ったし汗がベトベトだ。まだ夏じゃなくて助かったぜ。
「あ、そうだ箒。お前シャワー浴びたのか?」
「いやまだだが」
「なら先に使うか?男の後って嫌だろ?」
「い、いやお前から使っても構わん」
「そうか?……もしかして「馬鹿者!それ以上言うな!!さっさとシャワーを浴びにいけ!!」
どうやら図星らしい。ありがとうな箒。でも俺のことはいいから先にシャワーを使えばよかったのに。
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「はあ〜〜」
ダメだな私は。一夏に対してどうも素直になれない。何故あんな素っ気ない態度を取ってしまうんだ。私のバカバカバカ!!
「………寝るか」
今時の女が聞けばドン引きするだろうか。シャワーぐらい明日にでも浴びればいい。幸いにも私は早起きだからな。
「き………お……う……おい……き……おい、箒」
「ん………一夏?」
「シャワー、空いたぞ」
目を開けると目の前に一夏の顔があった。近い、近い、近い、近い近い近い近い近い近い。
「う、うわああああああ!!?!?!???!」
「だああ、落ち着け箒!!」
「ハア、ハア……ば、馬鹿者!起こすのにそんなに顔を近づける必要はなかろう!!」
「え、だって中々起きてくれないから」
「それにも限度というものが………いやいい、ありがとう」
「お、おう」
早足でシャワールームに駆け込む。一夏の顔があんなに近くに……備え付けられた鏡をみると私が顔は真っ赤になっていた。危なかった。もう少し遅れていたら……色々と危なかった。
とりあえずシャワーを浴びて頭を冷やそう。
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4月3日(月) PM09時05分
「ああ、開発は順調だ。バンバンシューティングは来月には完成する。ジェットコンバットもその時に送るよ。ただギリギリチャンバラは少し遅れるかな……なに、臨海学校までには完成させるよ。だから君は安心して学校の先生をしてくれ。それも秘書の仕事だよ。それじゃあ私は帰るよ。レイドボスに参加しないとギルドメンバーに怒らなくてしまうからね」
電話を切る。そこから荷物をまとめ社長室を後にする。誰もいなくなった社長室。そのデスクには白いガシャットが残されていた。
一夏の同居人は箒です。そのままですね。あとさらっと言いますけど一夏ハーレムではなく、一夏には誰か一人決めてもらいます。誰にするかまだ決めてないけど。キリヤはのほほんさんだからね!!
次回は……出来ればセシリアと戦うところまでいきたい。
ではsee you next game!