IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

6 / 88
すまない、今回はレーザーレベル2は出ないんだ。多分もう少し後だ。



第6話 同居 〜Old playmate〜

4月3日 (月) PM04時12分

 

「うわあっ!!」

 

未確認14号に吹っ飛ばされて土手を転げ落ちる。バッタみたいな未確認生命体。予想通り強力なジャンプ力、そして急降下キック。攻撃手段は今のとここれだけだか。

 

「一撃一撃が重い。そう何回も食らっていられないか」

 

ログゴパシバ(もう終わりか)クウガ」

 

「そんなわけないだろ!」

 

ここで引き下がったらみんなに危険が及ぶ。ここで倒さないと。

土手を駆け上がり14号に攻撃する。パンチパンチキック。それの繰り返し。14号はそれを軽々回避する。よしこれなら、

 

「そこだっ!」

 

「!?」

 

足払いで14号の体勢を崩す。これには予想外で14号もすぐに体勢を整えられない。すかさず14号に膝蹴りを叩き込む。その時に右足が熱くなる。どうやら準備は整ったみたいだな。

 

「こいつで、どうだぁ!!」

 

ハイキックで14号の頭に叩き込む。いつも通りキレイに決まった。しかしそれでも未確認には効果がないように見える。

 

ゴセガゲンガギバ(それが限界か)?」

 

「嘘だろ…ぐはっ!?」

 

お返しとばかりに腹に強烈な蹴りを食らう。恐らくジャンプの応用だ。それを利用して俺と距離を取る。これかなりマズくないか?

 

「何回でも叩き込むしかないのか」

 

「そんな弱攻撃じゃ倒せないってことだろ?」

 

「!?レーザー!!」

 

「助っ人とーじょー!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「こちとら予約があるんでね。手短に終わらせてやるよ」

 

「俺も約束があるんだ。一緒に行こう!」

 

未確認14号が出現したと連絡があった。まあ偶然近くにいたからクウガと合流できたけど。しかしこれは大変だな。ぶっちゃけこれで変身するのは二回目だ。助っ人と自分で言うには実力不足だ。

 

正直に言おう。あまり戦況は変わんないんじゃない?

 

「そらっ!!」「てやあっ!!」

 

「ガアッ!?」

 

いやダブルキックでかなりダメージ受けてるから案外いけるんじゃね?いやここまで来たなら押し切ってやる!

 

「手ぇ止めんなよ!」

 

「分かってるよ!」

 

自分とクウガのラッシュに押される未確認14号。遠目で見てた時はクウガのラッシュは軽々回避していた。でもやっぱり手数が多い方が避けにくいみたいだな。

次第に未確認に焦りが見えてきた。多分逃げる準備は整ってるはずだ。ここで手を緩めたら逃げられる。だったらとっとと押し切らねぇと。

 

「キメるぜ。ノってけよクウガ!」

 

「ああ。トドメは任せろ!」

 

クウガの右足が赤く光り炎をまとう。あれが必殺技か。トドメは任せるとして、コッチはどうにかして動きを止めないとな。

 

「っと逃がすわけないだろ。お前はコッチだよ!」

 

ジャンプして逃げようとする未確認の足を掴み地面に叩きつける。おーおー顔面から叩きつけられちゃって、痛そうなこった。

 

「ほらトドメ決めろ!!」

 

「うおおおお!!!」

 

クウガ目掛けて未確認を放り投げる。そのままクウガは未確認に横蹴り。未確認を川目掛けて蹴飛ばしたのだ。

 

「ってバカ!水落ちは生存フラグだ!!」

 

「え?生存フラグ!?」

 

ここの川はそこまで深くない。深くない故に水落ちしても姿が見えるはずだが……ものの見事に逃げられちまった。

 

「逃げ足は速いな」

 

「スマン、俺のせいだ」

 

「いいや、自分もハッキリ言ってそこまで考えてなかったからな。おあいこだ」

 

あの未確認14号はまだ生きている。恐らくまだ人殺しを続けるよな。ったく落ち着いてゲームもできやしない。それに人殺しは許せねぇよなぁ………明日ぐらいから調査を開始するか。今日は野郎も動かねえだろ。

 

「じゃ、俺約束あるんだ。これで失礼するぜ」

 

「ああ、またなクウガ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

川から這い出た未確認14号『ズ・バヅー・バ』は帰っていくレーザーとクウガを睨みながらバヅーは呟く。

 

「ゲゲルンラゲビ・ラズゴラゲダヂバサザ(の前に、まずお前たちからだ)。クウガ、ライダー」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

4月3日 (月) PM06時50分

 

「遅すぎるぞ二人とも!」

 

「仕方ないだろ、未確認同士の戦いで電車が止まったんだから」

 

「む、それなら仕方ない。だが連絡ぐらい」

 

「多分一夏は電話番号知らないんじゃないか?」

 

「あ、そう……だったな」

 

現在剣道場。まず俺たちが道場に上がった瞬間に見たのは見事な大和撫子。しかし俺たちに気づいた瞬間に悪鬼に変貌する。なにもそこまで怒らなくてもいいと思うのに。

 

「んでどうするんだ?今から特訓するのか?」

 

「ここを貸してくれてるのは19時までなんだ。だからもう終わらなくてはいけないのだが」

 

「だが?」

 

「一本だけだ。一本だけ今からする」

 

「え、防具なしで?」

 

「そうだ。今から付けていては時間がなくなるだろう!安心しろ。寸前で止める」

 

「おい一夏。箒の寸前は当たると思っとけよ」

 

「うん知ってる」

 

そして予想通り箒は全力で面を打ってきて、そこから俺の記憶は曖昧だ。

 

 

「ん……あれ?ここ……俺の部屋か」

 

気がついたらベッドで寝ていた。時刻は午後19時10分。箒かキリヤんが送ってくれたのか。あとで礼を言わなくちゃな。

 

「気がついたか一夏!!」

 

「あれ箒。なんでここにいるんだ?」

 

「なんでって…ここは私の部屋だからな」

 

「あれ、じゃあ俺の部屋の同居人は箒だったのか」

 

「そういうこと……らしい」

 

なんだか箒の歯切れが悪い。バツが悪そうに目をそらす。どうしたんだ?

 

「その一夏………さっきはすまなかった。寸前で止めるなどと言っておきながら」

 

「ああ、そのことか。気にするなよ。避けれなかった俺の責任でもあるんだ」

 

「ち、違う!お前のことだから生活のためにバイトをしていたのだろう?それで剣を握っていないのはお前の構えから分かった。それなのに私が……本当にすまなかっ……ごめんなさい」

 

だんだんと声が裏返ってきてる。よくみると泣くのを必死に我慢している。不味いぞ、箒に泣かれたくない。それにこんな状況を他の誰かに見られたら。

 

「おーーい、一夏ーーー」

 

「おーーい、オリムーー」

 

ドアをノックする音。声からしてキリヤんと同じクラスののほほんさんだ。箒も気づいたのか目元を拭っている。

 

「お、おう。どうしたんだ?」

 

「いや一緒にゲームしよーかなーって」

 

「キリヤんゲーム上手なんだよ〜。ぜーんぜん勝てないも〜ん」

 

「いやあれは本音が勝手に自滅するからだろ……」

 

「そ、そうか。でも」

「構わん。入ってこい」

 

そう言ったのは箒だった。目元が少し赤いがよく見ないと分からないレベルだ。

 

「な、なにをジロジロ見ている。目つきが嫌らしいぞ一夏」

 

「そ、そうか?スマン」

 

「お邪魔しまーす」

「お〜オリムーの同居人はしののんだったか〜」

 

「し、しののん?しののんとは私のことか?」

 

「そうだよ〜。オリムーはオリムーで、キリヤんはキリヤんで、しののんはしののんだよ〜」

 

つまり俺がオリムーで、キリヤんがキリヤんで、箒がしののんと。まさかのほほんさん……クラスみんなにあだ名をつけてるんじゃ。

 

「まあそんなことより、ゲームしようぜ」

 

 

「今日は失礼するよ。ほら帰るぞ本音」

 

「ん〜〜むにゃ〜〜むにゃ〜もう食べれな〜い」

 

「フフッ、夢を見ているみたいだな」

 

「ったく。んじゃ今日はありがとな」

 

「おう、また明日な」

「おやすみ二人とも」

 

もうそろそろ消灯時間だ。ここは寮だからそういうのは守らなくてはいけない。にしても目が覚めてからずっとゲームだからまだシャワーを浴びてない。今日は14号とも戦ったし汗がベトベトだ。まだ夏じゃなくて助かったぜ。

 

「あ、そうだ箒。お前シャワー浴びたのか?」

 

「いやまだだが」

 

「なら先に使うか?男の後って嫌だろ?」

 

「い、いやお前から使っても構わん」

 

「そうか?……もしかして「馬鹿者!それ以上言うな!!さっさとシャワーを浴びにいけ!!」

 

どうやら図星らしい。ありがとうな箒。でも俺のことはいいから先にシャワーを使えばよかったのに。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はあ〜〜」

 

ダメだな私は。一夏に対してどうも素直になれない。何故あんな素っ気ない態度を取ってしまうんだ。私のバカバカバカ!!

 

「………寝るか」

 

今時の女が聞けばドン引きするだろうか。シャワーぐらい明日にでも浴びればいい。幸いにも私は早起きだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「き………お……う……おい……き……おい、箒」

 

「ん………一夏?」

 

「シャワー、空いたぞ」

 

目を開けると目の前に一夏の顔があった。近い、近い、近い、近い近い近い近い近い近い。

 

「う、うわああああああ!!?!?!???!」

 

「だああ、落ち着け箒!!」

 

「ハア、ハア……ば、馬鹿者!起こすのにそんなに顔を近づける必要はなかろう!!」

 

「え、だって中々起きてくれないから」

 

「それにも限度というものが………いやいい、ありがとう」

 

「お、おう」

 

早足でシャワールームに駆け込む。一夏の顔があんなに近くに……備え付けられた鏡をみると私が顔は真っ赤になっていた。危なかった。もう少し遅れていたら……色々と危なかった。

とりあえずシャワーを浴びて頭を冷やそう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

4月3日(月) PM09時05分

 

「ああ、開発は順調だ。バンバンシューティングは来月には完成する。ジェットコンバットもその時に送るよ。ただギリギリチャンバラは少し遅れるかな……なに、臨海学校までには完成させるよ。だから君は安心して学校の先生をしてくれ。それも秘書の仕事だよ。それじゃあ私は帰るよ。レイドボスに参加しないとギルドメンバーに怒らなくてしまうからね」

 

電話を切る。そこから荷物をまとめ社長室を後にする。誰もいなくなった社長室。そのデスクには白いガシャットが残されていた。




一夏の同居人は箒です。そのままですね。あとさらっと言いますけど一夏ハーレムではなく、一夏には誰か一人決めてもらいます。誰にするかまだ決めてないけど。キリヤはのほほんさんだからね!!

次回は……出来ればセシリアと戦うところまでいきたい。
ではsee you next game!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。