IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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クウガvsディエンド!
レーザーvsドライブ、鎧武!


第38話 出会う前の戦い

8月10日(木)AM01時30分

 

スタジアム内

 

「さあ、君のお宝をいただくよ」

 

「俺の宝だと?」

 

目の前の仮面ライダー、ディエンドは更に銃に4枚のカードを装填する。

 

『カメンライド!エターナル!ポセイドン!ソーサラー!ダークゴースト!』

 

ディエンドが打ち出した多数の影が重なり、仮面ライダーが4人召喚される。

白いボディに黒いマントの仮面ライダー。海の生き物のような仮面ライダー。金色の魔法使いのような仮面ライダー。そしてパーカーを着た仮面ライダー。これで5対1か。でもまあ、引かないけどな。

 

「宝がなんだか知らないが、勝負ってなら受けて立つ」

 

「意外と短気なんだね君」

 

「そりゃあ、楽しい時間を邪魔されたんだ。タダじゃすまないぜ!」

 

「そうかい。まあ君の事情なんざ知ったこっちゃない」

 

「そうかよ!変身!!」

 

クウガに変身する。さて、誰から相手するか…。

白い仮面ライダーは黒いナイフを構える。あれは接近戦が得意そうだな。マイティで行くか。

てかアレって、ラウラが使ってたナイフと同じじゃないか?

 

「さあ、行きたまえ、僕の兵隊たち」

 

ディエンドの言葉で一斉に動き出す仮面ライダーたち。一番早く飛び出してきたのは海の生き物のような仮面ライダーだ。多分アレがポセイドンだな。

 

「いくぞ!」

 

俺もポセイドンめがけて駆け出す。

ポセイドンは槍で攻撃してくる。相手の間合いで立ち回れたら厄介だ。でも、篠ノ之道場で槍も少しは触ったし、ドラゴンフォームは長モノを使うんだ。対処法はあるはずだ。

 

「はっ、せやぁ!!」

 

ポセイドンの槍を足で弾く。弾かれた槍はポセイドンの手から離れ、宙を舞う。今がチャンスだ。

 

「超変身!」

 

ドラゴンフォームに変身して跳び上がる。ポセイドンも跳び上がるが、俺の方が早いし、跳べる!

先にポセイドンの槍を掴み取り、ドラゴンロッドに変形させる。そしてポセイドンにドラゴンロッドを叩き込む。ポセイドンはそのまま地面に叩きつけられた。案外呆気ないな。

 

「まだまだいくぜ!」

 

地面に降り立つと同時に他の3人のライダーが攻撃を仕掛けてくるが、それらを全てドラゴンロッドで防ぎ応戦する。

 

「やれやれ、厄介だな未確認生命体は」

『アタックライド!ブラスト!!』

 

それを見てディエンドが銃で攻撃してくる。それを金色の魔法使いを盾にして防ぐ。今の悪役っぽいよな。

 

「お返しだぜ!」

 

金色の魔法使いからハルバートを奪い取り、ドラゴンロッドへ変形させる。そして二本のドラゴンロッドを金色の魔法使いへと叩き込む。今のはクリティカルだな。

 

必殺のダブルスプラッシュドラゴンを食らった金色の魔法使いはそのまま爆散した。

 

「これで一体、次!」

 

ドラゴンロッドを捨てパーカーライダーにとびかかる。パーカーライダーの武器は黒い剣だ。だったらタイタンフォームで!

雪片弐型を呼び出してタイタンソードを形成する。パーカーライダーも剣で応戦してくる。でも悪いな。俺の方が上だぜ。

 

「そこだっ!」

 

確実に胴にタイタンソードを叩き込んだ。

 

はずだった。

 

しかし俺の攻撃はまるで効果がなかった。まるで幽霊だ。俺の攻撃が全部すり抜けてしまう。これじゃ倒せない!

 

「そんなにのんびりしていていいのかい?」

 

「どういう意味だ!」

 

「なにも僕が狙ってるお宝は一つじゃない。元の場所のことも考えておきたまえ」

 

「まさか……IS学園にも仮面ライダーを送ったのか!?」

 

「まあね。さあ、こっちも早く終わらせよう」

 

そしてディエンドは2枚のカードを装填する。また仮面ライダーを召喚するつもりか!

 

『カメンライド!ビルド!クローズ!』

 

「これが前の世界のお宝さ」

 

現れたのは赤と青の仮面ライダーと竜の仮面ライダー。2人とも同じベルトをしている。1人倒して2人補充か……。

 

「勝利の法則は、決まった!」

「今の俺は、負ける気がしねぇ!!」

 

「上等だ……その法則を覆す!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

IS学園・中庭

 

『高速化!』『フォフォフォーミュラ!!』

 

『ロックオン!レモンエナジー!!』『ギリギリ!クリティカルフィニッシュ!!』

 

高速で仮面ドライバーと刃を交え、武者ライダーと撃ち合う。正直色々と大変だ。セシリアには本音を連れて離れてもらってる。故に1人でこの2人を攻略しなくてはいけない。

 

「チッ、オラッ!!」

 

広範囲に矢を放って2人から距離をとる。中々しんどいぜ。せめて名人かタイガ先生の助けが欲しいとこだ。

 

「手こずってるな」

 

「……ったく、そう思うなら早く手伝って欲しいんだけど」

 

まったく、助けが欲しい時にちゃんと来てくれるんだから、ホントタイガ先生ってば男前。でもなんでスカジャンなんだ…?

 

「第弐戦術、変身!」

 

『レベルアップ!バンバンシューティング!!』

 

さてこれで2対2だ。タイガ先生は武者ライダーに銃口を向ける。それに対して武者ライダーも刀についた銃口をタイガ先生に向ける。

 

となるとコッチは仮面ドライバーが相手か。それにしてもあの速さは厄介すぎる。あんなにボディが邪魔そうなのに、見た目以上に動き回りやがる。さすがフォーミュラカーみたいな見た目してるだけある。

 

「ミッション、開始」

「ノリにノってくぜ!」

 

『高速化!爆走!クリティカルストライク!!』

『フルスロットル!フォーミュラ!!』

 

最大速度で仮面ドライバーと激突する。でも相手の方がまだスピードは上だな。こちとら高速化5回目の上乗せだぞ!?しかもキメワザの上乗せだというのに。

 

タイガ先生にいたっては、本領発揮は遠距離の筈なのに、もう接近戦始めちゃってる。相手は刀と刃のついた弓だぞ!?タイガ先生には見えていないのか!?

 

「ホント、嫌になっちゃうな」

 

スピードが落ちてくる。そろそろ1枚目の効果切れか。次も高速化が出てくれればいいが。そんな期待を込めながらトロフィーを破壊する。出てきたのは、

 

『逆転!』

 

「ここで来ちゃうか!」

 

逆転のエナジーアイテム。相手との状況を入れ替える切り札的エナジーアイテム(by社長)。つまり今は向こうが速く、コッチが遅い。てことは!

 

「反撃開始!」

『爆走!ギリギリ!クリティカルインパクト!!』

 

すれ違いざまにガシャコンスパローで切り裂く。まったく、これだからエナジーアイテムはチートなんだよ。一枚で状況が一変するんだからな。

 

ガシャコンスパローで仮面ドライバーの背中のブースターを破壊する。一気にスピードダウンした仮面ドライバーにエネルギーの刃がついた回し蹴りを叩き込む。刃に切り裂かれた仮面ドライバーはそのまま爆散した。

 

「ほらタイガ先生!」

 

「悪い、借りるぞ」

 

爆走バイクを受け取ったタイガ先生はスロットに装填する。

 

『爆走!クリティカルストライク!!』

 

加速して膝蹴りを叩き込む。怯んだ武者ライダーの背後に回り込み、ガシャコンマグナムを突きつける。

 

「こいつでゲームセットだ」

 

『バンバン!クリティカルストライク!!』

 

必殺の弾丸が武者ライダーを貫いた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はあっ……はあっ…………っ、どうだ!」

 

「これは驚いたな……まさか全て倒すとは」

 

白い仮面ライダー、ポセイドン、パーカーライダー、赤と青のライダー、龍のライダーを全て倒した。今にも倒れそうだ。意識を保つのがやっとなレベル。しかも時刻は深夜。すごく眠い。

 

「でも残念。僕にはまだカードがある」

 

「呼ぶなら……呼んでみろよ!」

 

「ふむ……そうしてもいいけど、君が死んだら、士が面倒くさがりそうだ」

 

「士?」

 

「どうやら、次の厄介ごとはこの世界みたいだね。士もご苦労なことだ」

 

「どういう意味だ?」

 

ディエンドは静かに上を指差す。俺が上を向くと、スタジアムの天井が消滅していく。まるでこの世界にはなかったみたいに。跡形もなく。どうなってるだ!?

 

「仕方ない。この世界のお宝は諦めよう。下手をしたらアレもこっちの世界にくる。アレと関わるのは嫌だからね」

 

「アレ?どれだよ!」

 

「アマゾンだよ」

 

それだけ言い残し、ディエンドは不思議なオーロラの壁の中に消えていった。そして変身を解除した俺も、そのオーロラに飲み込まれ、目を開くと、夜の教室だった。

 

 

「キリヤんとタイガ先生が倒したのか。肝心な時にいなくて悪いな」

 

「気にすんな。自分もそっちの援護には行けなかったんだから」

 

俺の部屋でキリヤんと状況を報告しあった。学園に現れたのは2体だけ。それもキリヤんとタイガ先生が倒したと。みんなに被害が及ばなくてよかった。

まあ、こんなことになったから肝試し大会は終了だ。千冬姉も黒いライダースーツのまま報告書を作りに向かっていった。

 

「学園って無駄に防音設備整ってるからな。ちょっとやそっとじゃ誰も起きないでしょ。それより、そのディエンドが言ってたアマゾンってのは」

 

「多分、山田先生が命名した、タッグマッチの時の未確認生命体だ。正しくはその未確認の細胞の名前だけど」

 

「…………もしかしたら、あの未確認は別の世界から来たんじゃないか?」

 

その可能性はゼロじゃない。現にディエンドは別の世界から来たみたいな様子だ。それに『こっちの世界にくる』とも言っていた。つまり『あっちの世界』も存在するということだ。

 

「ま、それが本当だとしてもぶっ潰すだけだけどね。簡単なことだろ?」

 

「そうだけど……ああ〜!……よくわかんね。寝よ」

 

「こちとら飲み物買いに行こうとしたらアレと出くわしたんだ。そんでドンパチやって……もう目が覚めたぞ」

 

「それは災難だな。じゃ、おやすみ!」

 

「他人事みたいに流しやがって……………あ!箒のエッチな写真だ〜。これはエロいな〜凄いな〜〜。名人起きてくれたら、コレあげよっかな〜」

 

「よっしゃ!夜はこれからだぜ!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

???・路地裏

 

「こら〜!!待ちなさい!!」

 

「ちょ、ハル!走るの、は、速い……」

 

「ちょっとハル!さっさとしないと振り切るよ!」

 

「ホント、なんでそんなに速いのさ……」

 

「私に質問するな!」

 

犯人を追いかける2人の刑事。1人は赤いジャケットを着た女性。もう1人はキチンとスーツを着こなした男性。

 

そして犯人はヒトではなかった。アリの姿をした怪物。2人はそれを追いかけていた。

 

「士さんは!?」

 

「連絡とってるけど、繋がらないよ。てか、走りながら連絡とってたら余計に疲れるんだけど!?」

 

「しっかりしなさい!あんた男でしょ!ジンさんみたいになれないよ!」

 

「僕が目指してるのは、マッキーさんと組んでる方のジンさんだよ!」

 

「マッキーって呼んでるのハルと光太郎さんだけよ…」

 

「ホント!?」

 

そんな会話をしている中、アリの怪物は突如現れたオーロラの中へと姿を消す。それに気づかずに、2人もオーロラの中へと足を踏み入れる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

この出会いは、きっと最初で最後の出会い。

 

仮面ライダーたちは、世界を救う為に手を取りあえるのか?

 

次回『仮面ライダー 平成ジェネレーション編』

第1話『Aで振り切れ/別世界の仮面ライダー』




今回の敵ライダーはディエンドが召喚した奴だから!本物はもっと強いから!まあ一夏たちも一学期戦いばっかりですから、多少はレベルアップしてますが。

そして展開が駆け足ですまない。これなら前回と組み合わせてもよかったかも?

次回から遂に『平成ジェネレーション編』です。オリジナルフォームも出てくるよ!もう少し後にね!

ではsee you next game!

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