IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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丁度一年前。この小説がスタートしました。
つまり1周年なわけだ!

こんな小説ですが、これからもよろしくお願いします!

今回は一夏と箒の肝試しデート?です!


第37話 一夏と箒のドキドキ肝試し

「なるほど……これがこの世界のお宝、インフィニット・ストラトスか……前の世界のお宝も興味深いけど。これはこれで、楽しめそうだ」

 

訓練用の量産型ISを見て呟く男。その手には水色の変わった形の銃が握られていた。

 

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8月10日(木)AM01時00分

 

「第一回、チキチキ、IS学園、肝試し大会!!」

 

「しーっ!声がデカイですわ!」

 

鈴のそんな掛け声で始まった肝試し大会。時刻は夜中の1時。夏休み前から計画しており、俺としてはすごく楽しみだ。これに参加出来ないキリヤんとラウラは残念だな。

 

「ほんとあの2人、『明日は用事があるから寝る』なんて言っちゃってさ。今夜参加しなかったこと後悔させてやるんだから」

 

「まあまあ。あの2人もホントは参加したかったと思うよ」

 

「あのキリヤんさんが私たちの誘いを断るとは思いもしませんでしたが、それほどにまで大切な用事なのでしょうね」

 

今回参加したのは俺、箒、セシリア、鈴、シャル、のほほんさんの6人だ。開催場所はIS学園の1年生の学舎だ。今回特例で先生たちから許可がおりた。まあ夏休みなんだから1日ぐらいならいいんじゃない?的な感覚で許可が出たのだ。それで大丈夫かIS学園。

 

「んじゃ早速ペアに別れましょ。まあここは一夏と箒、あたしとセシリア、シャルロットと本音でいいかしら?」

 

「ん?俺はいいぜ」

「わ、私も大丈夫だ」

 

「さ〜んせ〜い」

「僕もそれでいいよ」

 

「では、決まりですわね」

「んじゃ、さっさと行って来なさい一夏。ビビって箒を置いてくるんじゃないわよ」

 

「バカ、死んでもするかよ」

 

というわけで始まった肝試し大会。その時俺は思いもしなかった。この肝試しが、まさかあんな戦いになるなんて。

 

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「行きましたわ」

 

「よし、それじゃあ『一夏と箒をもっと引っ付けよう作戦』開始よ!」

 

ネーミングセンスを疑う作戦名。しかしこれ以外に名案が浮かばなかったから仕方ない。

実はこの肝試し大会。元々はみんなで楽しむ用の企画だったが、臨海学校後から付き合い始めた一夏と箒の距離感を見て鈴が、

 

『何よアノ『私たち初めての恋なんです』感は!見ててイライラする!さっさとイチャイチャしなさいよ!!』

 

などと訳の分からない事を言い始めて、それから企画が変更になった。まあ私としては楽しめるから充分だ。

 

そしてこの作戦、タイガ先生、織斑先生、更式先生の3人も全面協力してくれている。先生が生徒の恋路を支えるなんてドラマみたい。それほどまでに学校中から注目されていると捉えてもいい。

 

「千冬さん、一夏たちが第一ゾーンに入ります」

 

『了解、花家先生に連絡する』

 

無線機で会話する鈴と織斑先生。準備が整い過ぎのような気がする。

 

そして、第一ゾーン……そこには花家先生と更式先生が驚かせる役でスタンバイしている。

 

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第一ゾーン・理科室前

 

「怖かったら言ってこいよ?」

 

「ば、馬鹿者!怖いはずなどないだろ!」

 

そう言いながらも箒の顔は怖がってる。無理もない。このIS学園にも七不思議が存在する。その一つがこの理科室前にあるのだ。

 

なんでも『夜な夜な人体模型が自分の下の聖剣を探している』とか。そりゃ人体模型が動いてたら怖いし、ここは女子校だ。男の人体模型が夜な夜な自分の聖剣探してたら怖いだろ。一般男性なら即警察のお世話になる。

 

「い、一夏!歩くが早い!」

 

「え?って……動けてないじゃないか」

 

考え事をしていると、箒が理科室の手前から一歩も動けていなかった。

 

「ほら、大丈夫か?」

 

「て、手など繋がなくても大丈夫だ!」

 

「そうか、じゃ先行くぞ」

 

「ああ〜!手を繋いでくれ〜!」

 

うちの彼女が可愛すぎて命燃えそう。いやいやシャレにならないぞ。以前ならもっと粘ってから言ってきそうだが、今になってはこの有様だ。控え目に言って超可愛い。

 

「うわああっ!!?」

 

「「!!??」」

 

そんな時突如響いた叫び声。その声の主は真正面から走ってくる。スカジャンを着た……タイガ先生か?

 

「ま、待ってくれ!誤解だ!俺はやってねえ!!」

 

「何が誤解よ!!」

 

その後ろから来たのは……返り血で赤く染まってる衣装の木綿季先生。何してるんだこの2人は……。

 

「毎月毎月…アプリの課金額が馬鹿みたいに請求されるのよ。一ヶ月に十連ガチャ分だけって約束したよね〜?」

 

「し、した。それはした。でも今月は課金してねぇ!運営から詫び石300個くれたから課金してねぇ!」

 

「でもこれは貴方が課金したことになってるわよ?……それに、次限度額超えたら…………殺すって、言ったよね」

 

「ひ、ひいぃぃ!!」

 

「怖いの?でも私はね………毎月毎月この請求書を見るのが怖いのよぉ!!」

 

なんだこの茶番は……たしかになんか怖いけど…これはまた違ったジャンルの怖さだ。オバケとかそんなんじゃない。現実的な怖さだ。ほら、箒の顔も真顔になってる。

 

「貴方の指を切れば……課金出来ないわよねぇ!」

 

「嘘だ!俺は課金なんかしてねぇ!だれか俺の冤罪を証明してくれぇぇ!!」

 

「「あ、横失礼しまーす」」

 

俺と箒が通り過ぎた後も、その茶番は続けられたという……

 

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『第一ゾーン突破!繰り返す!第一ゾーン突破!』

 

「なっ!?あの2人が負けたというの!?…くそっ、次はセシリアと本音か……大丈夫でしょうね」

 

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「ねえ〜セッシー、ホントに見たの〜?」

 

「間違いありませんわ!アレはこの学園の七不思議の一つ『理事長の銅像に落書きする怪盗D』に違いありません!」

 

「ホントかな〜?」

 

セシリアと本音が歩いていたのは、第二ゾーンの1年教職員室から離れた場所。そこでセシリアが七不思議の一つを見たという。

それを追いかけて追いかけて……今現在1年の寮の玄関前である。

 

「ねえ〜オリムーたち来ちゃうよ?」

 

「ムムム……仕方ありませんわ…もう一度見る機会もあるかもしれませんし、ここは戻りましょう」

 

「それじゃあ、急いで戻らないとね〜」

 

諦めて第二ゾーンに戻ろうとした2人。しかしその2人の前に2つの影が立ち塞がる。

 

1つは鎧武者。陣羽織にはレモンの柄が描かれている。

もう1つはフォーミュラカーの擬人化のような姿をしている。

 

そして2つに共通していたのは、ベルトをしていたことだった。

つまり、この2人は仮面ライダーなのだ。

 

「ど、どうして仮面ライダーがここに…」

 

「なんだか怖いよ…」

 

無言で迫る仮面ライダー。セシリアがISを展開しようとしたその瞬間、

 

「人が寝てんのに、邪魔してんじゃないよ」

 

間に割って入ったのは仮面ライダーレーザーLv3、桐也だった。

 

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『おい、いつの間にか第二ゾーン突破されてるぞ!私の第三ゾーンまでもうすぐだ!』

 

「ウッソ!?……何やってんのよあの2人…千冬さんはそのままお願いします。あたしたちも移動するわよシャルロット!」

 

「りょーかい。ワクワクするね!」

 

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ふと思った。俺たちって……まだデートしてないなと。更に思うと、俺、箒に誕生日プレゼント渡してなかった……。

 

「なあ箒。今度デートでも行くか?」

 

「な、ななな!何を言って、いいいいいるでしょうか?」

 

「動揺しすぎだろ……まあ予定があるなら無理強いはしないけど。時間があるならどっか出かけようぜ」

 

「そそそそうだな!うん、そうしよう!」

 

そうとなればキリヤんに少しでも話を聞いておくか。確か前にのほほんさんとデートに行った時は、サイクリングをしたとか行ってたな。のほほんさんの趣味がサイクリングとは意外だった。確かに自転車置いてたな、と今更思う。

 

「さて、この教室にある本を持って帰ればクリアだな。鈴たちも待ってるだろうし、さっさと帰ろうぜ」

 

「う、うむ…そうだな……」

 

アレ?箒の元気が一気に下がったな。なんか寂しそうな感じだ。まあ俺としてももう少し箒とブラブラしたかったけど、後がつっかえている以上、早く戻らないとな。今はイチャイチャする時間じゃない。みんなで遊んでいる時間なんだから。

 

「失礼しま〜す……お、コレか?」

 

誰もいない教室に入り、教卓の上の本を一冊とる。薄い本だな。えーと本のタイトルは…………って、

 

「これ俺の部屋に隠してたエロ本じゃねえか!!なんでここにあるんだよ!!……ハッ!?」

 

「………ほう、エロ本、とな?」

 

勢い余って叫んでしまったが、箒にはエロ本の事は伝えていない。言ったら多分燃やされる。それはなんとしても防がなくてはならない。このエロ本は俺が一番最初に買った思い出のオカズだ。あの中学生の時、友達とエロ本を買うドキドキ感をまだ覚えている。

 

今は別の意味でドキドキしてるけど。

 

「ま、まあ落ち着け箒。ほら、一般的な男子高生ならみんな持ってるから。大丈夫、きっとキリヤんも持ってるよ。だから、落ち着こ?」

 

「破廉恥な!成敗してくれる!」

 

「まて!篠ノ之箒!!」

 

絶体絶命!そんな時に入り口から声がする。そこに立っていたのは、黒いライダースーツに黄色いヘルメットを被った女。そして手には何故かエロ本が……ってそれ弾に貸してたやつ!なんであの女が。

 

「これを見てみろ。コレは一夏のエロ本だ」

 

「なっ!もう一冊あったのか!しかも女同士で抱き合って……破廉恥極まりない!」

 

「その割には食いついて読んでいるな篠ノ之箒」

 

「そ、そんなわけあるか!」

 

いやいや!なんで肝試し大会で俺のエロ本を読んだんだよ2人は!こんな公開処刑初めて見たぞ!俺もう泣きそうだよ!

 

「篠ノ之箒。彼氏のこんな変態じみた性癖も受け入れてやれ。でなければその身が持たなくなるぞ」

 

「くっ……やはり理解してやるべきなのか…エロ本を!!」

 

「なんなんだコレ……」

 

穴があったら今すぐ入りたい。俺を置いてきぼりに2人でトークしてるし。俺もう帰っていい?

 

 

そんな時だった。

 

気がつくと俺はスタジアムの真ん中に立っていた。何が何やら訳がわからない。何故俺はここにいる?もしかして夢か?

 

「ここは夢じゃないよ。僕が君をここへ連れてきた」

 

後ろから声をかけられる。そこには1人の男性が立っていた。右手には変わった形の銃。左手にはカードが握られていた。

 

「初めまして、この世界の仮面ライダークウガ」

 

「誰だアンタ。もしかして、この前のMって奴か?」

 

「なんのことか知らないけど、1つだけ教えてあげよう」

 

男性は銃にカードを装填する。そして上に向けて発砲する。やがて男性の姿が変わっていく。その姿はまるで仮面ライダーだった。

 

『カメンライド!ディエンド!!』

 

「僕は仮面ライダーディエンド。通りすがりの怪盗さ」

 

「仮面ライダー……ディエンド」

 

いや仮面ライダーでした。




分かる人には分かるキリヤんの対戦相手。そう鎧武とドライブです。え、分かりづらい?それはごめんなさい。
そしてディエンド登場。一応本人って設定です。

次回は後半戦
レーザーLv3vs鎧武ジンバーレモン&ドライブフォーミュラ
クウガvsディエンド
です!その次から平成ジェネレーション編です。

ではsee you next game!

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