IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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ノリと勢いの悩み相談。鈴はツッコミきれるのか!?


第33話 S・O・O

「私もあだ名で呼んでほしいです!」

 

「「………ふ、ふーん……」」

 

「うまうま」

 

なんとも言えない空気が食堂に立ち込める。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

8月5日(土)AM09時13分

 

「いきなりどうしたんだセシリア」

 

「そう、それです!!」

 

「どれよ!」

 

あたし、クジョキリ、本音が朝食を食べている最中に突然セシリアが言ってきたのだ。いきなりすぎて朝ごはんを吹き出しそうになった。

 

「ですから私も『セシリア』ではなく、あだ名で呼んでほしいのです!」

 

「つまり…セッシーとか?」

 

「雑ですね、却下です」

 

「「めんどくさっ!!」」

 

この面倒さ、そういえばセシリアはこういう奴だと再確認させる。イギリスから帰ってきたのが昨日。それまで少しばかりセシリアとは会うことがなかった。イギリスで何かあったの?

 

「どうして、いきなりそんなことを?」

 

「私、イギリスに帰った時にチェルシー……私のメイドですが、彼女にこの学校生活のことを伝えたのです。それに対してチェルシーはこう言ったのです、

 

『お嬢様……影とキャラが薄いですね』

 

と!!」

 

鬼気迫る表情のセシリアはかなりキャラが濃いと思う。

 

「確かに、男性IS操縦者の一夏さん。仮面ライダーのキリヤんさん。サムライガール箒さん。ツッコミキャラの鈴さん「おいこら!」ボクっ娘シャルロットさん。銀髪眼帯愛され妹キャララウラさん。どう考えても『ですわ系お嬢様キャラ』では太刀打ちできないのですわ!」

 

「お、おう……」

 

「大変ねセシリアも……」

 

ていうかあたしは好きでツッコミキャラをやっているわけではない。周りのボケが多すぎるからこうしてツッコミに徹しているだけであって、決してツッコミが好きなのではない。出来るならボケもやりたいのに!

 

「ですから!是非お二人には私のあだ名をつけてほしいのです!」

 

「そんなこと言われてもなあ」

 

クジョキリも困っている。当然あたしも困っている。本音はまだ朝食を食べている。結構自信のあるセッシーが却下された以上相当考えなければいけない。

 

「名人とかには聞いたの?」

 

「いえ……その、一夏さんのネーミングセンスはちょっと…」

 

「さりげなく拒否したわね」

 

「一応他の方からも意見はもらいましたの。しかし『ブルー』や『BT兵器の人』。挙げ句の果てには『チョロイン』などという訳の分からないあだ名まで!せめて理由を言って欲しかったですわ織斑先生!」

 

千冬さんにも聞いたんだ。となると残りはあたしたちか。ん?でもここにはあたし、クジョキリ、本音がいる。なのにあたしとクジョキリにしか聞かない。てか本音はセシリアのことセッシーって呼んでるじゃん!

 

「本音さんはいつもセッシーですからノーカンですわ。ですのでいつもどおりでお願いしますね」

 

「オッケ〜セッシー」

 

「「セシリア……」」

 

「では!お二人も早く!」

 

いそいそとフリップとペンを渡してくる。これに書けってか?めんどくさいわね……普通にセシリアでいいじゃない。

 

「でーきた」

 

「早っ!?」

 

「お早いですわねキリヤんさん。ではどうぞ!」

 

「えーっと……『オルコットン』!」

 

フリップにはオルコットンと書かれて……ってその前にグチャグチャにされてるけど『メシマ』って文字が見える。こいつ『メシマズ』って書こうとしたわね。

 

「微妙ですわね。30点」

 

「30点!?点数までつけるのか!?」

 

「次は鈴さんですわね」

 

「そうなると難しいわね………できた!」

 

「マトモなのを期待していますわよ」

 

「ふっふっふ………『オルトリア』よ!」

 

「オルトリア……セシリアのリアとオルコットのオル・トを引っ付けたのか」

 

中々いいんじゃない?結構自信あるんだけど!

 

「わ、悪くありませんわね……し、しかし!私のあだ名はそう簡単に決められていいものではないのです!」

 

「めえぇんどぉくせえぇなあぁぁ!!!」

 

あ、クジョキリ壊れた。クジョキリの叫びにセシリアは驚き、涙目になってオロオロしている。

 

「セシリアはセシリアでいいじゃんか!箒だって箒のままだよ!?だからって箒はあだ名をつけてほしいなんて言わないよ?なのにセシリアってばあだ名あだ名って………あだ名が全てじゃねええんだよおお!!」

 

「す、すみません!」

 

「そう思ってるなら………明日からツインテ&ポニテ&縦ロールですごすように」

 

「は、はい……「って何この茶番!!」

 

「おいおいリンリン、こっからだろ?」

 

「なによツインテポニテタテロールって!新しいカフェのメニューか!」

 

「鈴さん……それは面白くありませんわよ?」

 

「ウケ狙いで言ったんじゃないわよ!」

 

いよいよ疲れてきた。ボケが2人だけでこんなに疲れるなんて。やっぱりクジョキリのレベルが高いのか……本音がドーナツに夢中で助かった。

 

「決められないなら、全部くっつければいいんだよ〜」

 

「はい来たー。もうあたしツッコミいれないわよー」

 

「つまり『セッシー・オルトリア・オルコットン』ってことか?」

「頭だけとって『セオオ』だね」

「『(S)ッシー・(O)ルトリア・(O)ルコットン』つまり『SOO』!動物園みたいですわね」

 

ツッコミをいれるのもめんどくさい。それ程までにこの3人の世界は色濃く広がっていた。

 

ラーメン……食べるか。

 

 

「鈴さん!鈴さん!」

 

その夜、食堂に向かう途中でセシリアに出会う。結局あの後あだ名は決まらず、クジョキリが出かけるという理由でお開きになった。

 

「遂に決まりました!私のあだ名!」

 

「そ、そう。聞かせてもらおうかしら」

 

「はい!『セブン・シリアル・リア・オルタナティヴ・コットン』!略して『セシリア・オルコット』ですわ!」

 

「…………変わってないじゃない」

 

結局セシリアはセシリアで通すことになった。




あだ名をつけてもらうより、親がつけてくれた名前を誇ろう。そんないい感じで終わってみる。
前回のシャルとラウラ編と比べると圧倒的に短い。いかに適当かが伺えるだろう。もっと文章力があれば……

次回はみんなでゲーム!part1!

ではsee you next game!

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