IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜 作:無限の槍製
サイト「新代表候補生続々」
俺「へえー新しい代表候補生でるんだー」
サイト「布仏本音」
俺「ふあっ!?」
のほほんさんが代表候補生という衝撃の事実が!しかも新キャラ扱い!?これはアレか。実は新キャラののほほんさんはのほほんさんの別人格でそれがなんらかの力で実体化した、いわゆるノホホンサン!
つまり永夢とエムみたいな?
とまあ興奮してる作者です。事前登録が一定数いくと好きなキャラのカードがもらえるんだって。勿論本音をもらいますが。
まあ関係ない話はここまで、臨海学校編スタートです。
7月5日(水)AM09時50分
「海っ!海見えたよ!」
トンネルを抜けたバスの中で女子が声を上げる。
臨海学校初日。天候にも恵まれ絶好の海日和。泳ぐには気持ち良さそうだ。
「やっぱり海を見るとテンション上がるな」
「うむそうだな。ところで一夏、ゴ◯ラはこの海にもいるだろうか?」
「多分◯ジラ出てきたらISでも勝てないから考えない方がいいぞ」
バスで隣の席になったのはラウラだった。俺としてはクジで決めたことだし、別に誰が隣でもいいのだが、
「しかしクジョーは後から来るとは。この景色を共に見ることができずに残念だ」
というのもキリヤんはなんでも木綿季先生と一緒に少し遅れて来るらしい。キリヤんはイベントには敏感だから寝坊じゃないと思うけど、どうしたのだろうか。
「シャルはキリヤんについて何か聞いてるか?」
「うふふっ……っ、ああごめん!なんだっけ?」
後ろの席のシャルはシャルで楽しそうだ。なんでもタイガ先生からブレスレットをプレゼントされたらしい。それからずっとあの調子だ。逆に怖いぞ。
「シャルロットさんったら、まだご機嫌ですわね」
通路の向こう側、セシリアが呆れ顔で言ってくる。その隣ののほほんさんは既に寝ている。てかバス乗った瞬間には寝ていた。
「うん。そうだね〜ごめんね〜。えへへ……」
「やれやれ、当分はこの調子だな」
シャルの隣の箒も疲れ顔で言ってくる。隣の人間がずっとニヤニヤしていたら疲れてくるだろう。それに昨日は夜遅くまで練習していたみたいだし。
「大丈夫か箒?顔色悪いけど。酔い止め飲むか?」
「いや大丈夫だ。心配かけてすまない」
心配ないなんて言っているが、無理をしないかちゃんと見ておかなくては。
「そろそろ目的地に着くぞ。全員席に座っておけ」
千冬姉の言葉で全員がさっと座る。流石担任だ。海に目をキラキラさせている山田先生とは違う。
言葉通りほどなくしてバスは目的地である旅館前に到着。4台のバスからIS学園1年生がわらわらと出てくる。てかバス4台で収まるんだな。
「それでは、ここが今日から3日間お世話になる花月荘だ。全員、従業員の皆さんの仕事を増やさないように。挨拶!」
『よろしくお願いします!』
千冬姉の言葉の後、全員で挨拶する。高ーい声の中に俺のとあるキャラの声マネも入れてみる。効果はないようだ。てか誰も気づいてない?結構自信あるんだけど今の声マネ。神になったゲームクリエイターのマネなんだけど。ブゥン!!
「はい、こちらこそ。今年の1年生も元気があっていいですね」
歳はタイガ先生と同じぐらいだろうか。しっかりとした大人の雰囲気を漂わせている。どこぞのゲーム好きの先生とは違う。
「ちょっと織斑くん!今私に対して変なこと考えたでしょ!」
「あれ、木綿季先生。キリヤんも。もう来たのか」
「結構飛ばしてきたからな。もう肩バッキバキ。もう少し痩せた方がいいんじゃない?」
「そう?これでもスタイルには自信あるんだけど」
など言っている木綿季先生とキリヤん。これでも生徒と先生の関係のはずなんだけど……おかしいな、俺には普通の先輩後輩に見える。
「あら、こちらが噂の…?」
「ええ。今年は男子が3人いるせいで浴槽分けが難しくなってしまい申し訳ありません」
「いえいえそんな。それにいい男の子じゃありませんか。さっきの男の先生も中々のイケメンですし。このお二人もしっかりしてそな感じを受けますよ」
「感じがするだけですよ。2人とも挨拶しろ」
「あ、織斑一夏です。よろしくお願いします」
「九条桐也です。よろしくお願いします」
「「九条(くん)がまともに挨拶した!?」」
「あんたら先生は自分をなんだと思ってんの……」
「うふふ、ご丁寧にどうも。一条桜子です」
そういって女将さんは丁寧なお辞儀をする。その動きは気品のあるもので、ここにいるとうてい先生とは思えない先生よりも大人っぽく、耐性のない俺としては少し緊張する。
「それでは皆さん、お部屋の方へどうぞ。海に行かれる方は別館の方で着替えられますので」
女子一同、はーいと返事をするとすぐに旅館の中へと歩いていく。とりあえず俺も荷物を置いてこよう。
「そういえば俺たちの部屋ってどこだ?」
「さあな。名人は廊下で寝るんじゃねえの?」
「あー、床冷た〜い、ってバカ!俺の扱い雑じゃね!?」
とまあノリツッコミをしたわけだが、普通に考えれば男子が3人なのだ。俺にキリヤんにタイガ先生。これが普通だろう。しかしそれなら普通に知らせるはずだろうから多分違うんだろう。
「織斑、九条、お前らの部屋はこっちだ」
「えーっと、織斑先生。俺らの部屋ってどこなんですか?」
「もう少し待て…………ここだ」
「はあ?」
「いやここって……」
ドアに貼られた紙には『教員室』と書かれている。つまり先生の部屋。
「最初は花家先生と3人部屋といえ話だったのだが、それだと就寝時間を無視した女子が押しかけてくると思ってな。このような形になった」
「確かに……想像はつくけど。じゃあタイガ先生は?」
「花家先生は1人部屋だ。あの人なら間違いを犯すことはないだろう」
タイガ先生なら安心……なのか?どっかのフランス女子が押しかけそうな予感が……大丈夫か。
「さて、今日1日は自由時間だ。荷物も置いたし、好きにしろ。羽目を外しすぎんようにな」
千冬姉の注意に返事をして俺たちは部屋を出る。荷物から取り出した軽めのリュックサックには、水着、タオル、替えのパンツ、双眼鏡を入れてある。双眼鏡は目の保養のためだ。勿論キリヤんも持っている。
さあ、いざ海へ!
◇
直行できると思っていた時期が俺にもありましたハイ。
「「「…………」」」
更衣室のある別館へ向かう途中に箒とばったり出くわした。それはまあいいんだが……問題は目の前の謎の光景。
想像できるだろうか?地面からウサミミが生えている光景を。しかも『引っ張ってください』の張り紙付き。
「なあ、これって「知らん。私は関係ない」……」
言い切る前に即否定。間違いくあの人だ。
箒の実の姉。篠ノ之束。その人に違いない。
「えーと……引っ張るぞ?」
「やめとけ名人。第一そういうのは引っ張らなくても『もー、なんで引っ張らないのよー』とか言いながら出てくるタイプだ。つまり相手したくない」
「……だよな」
俺は掴んだウサミミを離し、別館へと着替えに走る。その後に何かが地面に落ちる音がしたが無視だ。俺には関係ない。
◇
更衣室から浜辺に出てすぐ、ちょうど隣の女子更衣室から出てきた女子数人と出会う。みんな可愛い水着を身につけていて、その露出度に照れてしまう。いいよな、水着って。
「あ、織斑君に九条君!」
「え、嘘っ!私の水着変じゃないよね!?大丈夫だよね!?」
「わ〜織斑君鍛えてるね〜。九条君は……いつもと変わらないね」
というのもキリヤんはいつものアロハシャツだ。放課後とか休みの日とかいっつもこれだから正直代わり映えしないんだろう。
「まあ、そんなに泳ぐつもりはないしな。自分は優雅に日向ぼっこでもしてるさ」
「真っ黒になっても知らないぞ?」
シートを引いてパラソルを立てすぐに寝転がるキリヤん。サングラスで寝てるのか起きてるのかわからない。
「まあ荷物ぐらいなら見といてやるよ」
「そうか、まあよろしくな」
とりあえず準備運動から始めるか。中学は海に来てないし、足がつって溺れたらカッコ悪いしシャレにならない。みんなも準備運動しているのだろうか。はい腕伸ばしてー脚伸ばしてー背筋伸ばしてー、
「い、ち、か〜〜〜!」
「ん?って、のわっ!!」
「あんた基本は忘れないのね〜えらいえらい」
いきなり俺に飛び乗って来たのは鈴だった。そういえば小学の時、海に来た時に同じように飛び乗って来た。お前は猫か。
そこからしゅるりと駆け上がり肩車の体勢になる。お前は猿か。いや猿は言い過ぎか。
「おー高いわねー。遠くまで見えていいわ。ちょっとした監視塔ね」
「監視塔って……嬉しくねー」
「いいじゃん。人の役に立つわよ」
「誰が乗るんだよ」
「んー……あたし?」
何を言っているんだまったく。このまま海に飛び込んでやろうか。いやそれは危ないな。
「お、おい!何をしている!」
と、やって来たのは箒。イルカの浮き輪を持っている。そうそう、箒ってアレが好きなんだよな。そんでアレを空気入れを使わずに自分の口で空気を入れるんだから……普通に凄くね?
「何って……肩車。あるいは移動監視塔ごっこ」
「ごっこ!?と、とにかく!そこから降りろ!」
「ヤダ」
「「子供か……」」
そうこうしているうちに騒ぎを聞きつけた女子がこちらにやってこようとしている。その数ざっと10人。あれだけの女子を肩車するのはちょっと……。
「り、鈴。降りろ、誤解が広まる」
「まーったく、しょうがないわね」
俺から飛び降りる鈴。手のひらで着地して、そのまま前方宙返りで起立。みんなは危ないからしちゃダメだぞ。
「あ、そーだ箒。あんた泳ぎ得意って言ってたでしょ。なんなら向こうのブイまで競争しない?」
「む、いいだろう。売られた勝負は買うのが私だ。受けて立とう!」
そして俺を置いて泳ぎに行く2人。なんだよ、やっぱ仲良いじゃん。
「あ、一夏。ここにいたんだ」
ふと声に呼ばれて振り向くと、そこにはシャルと……バスタオルのお化け?なんなんだこいつは……?
「ほら、出てきなよ。大丈夫だから」
「そ、そうか?本当に大丈夫なんだろうな!」
この声は……ラウラか。いつもの自信に満ちたラウラにしては弱々しい声だな。
「大丈夫だよ。それにラウラの部隊の人たちが『学校指定の水着もいいですが、せっかくの海ですので』って送ってくれたんでしょ?ならちゃんとみんなに見せてあげないと部隊の人たち泣いちゃうよ?」
「わ、我が部隊はその程度で泣くことはない……と思うが……ええい、脱げばいいんだろう!脱げば!」
バババッとバスタオルをアーマーパージみたいに弾き飛ばしたラウラ。そこには水着姿のラウラが立っていた。
「おかしなところなんてないよね一夏?みんなもそう思うでしょ?」
「そうだな。似合ってるぞ」←俺
「そういう水着も……イイね!」←キリヤん
「きみ、かわいいね〜〜」←のほほんさん
「可愛らしい。人形さんみたいですわ!」←セシリア
「「似合ってるよ!!」」←泳いでいる箒と鈴
『ちょーイイね!ベストマッチ!サイコー!』←他多数
「………」
今のラウラの表情は嬉しそうな、恥ずかしそうな、顔がにやけながらも涙目。なんとも曖昧な表情だ。
「あ、織斑くーん!」
「ビーチバレーしよー!」
「わ〜、オリムーと対戦〜。いえ〜い」
次に声をかけてきたのはのほほんさんたちビーチバレー組だ。そういえばバスに乗る前に約束してたな。危うく忘れるとこだった。
「それっ、織斑君にパース」
「へへっ、俺と勝負するってんなら、それなりの覚悟をしてもらおうか!行くぞシャル、ラウラ!」
「任せて一夏!」
「よし、やるからには勝つぞ一夏」
既にコートは完成している。サーブは向こうから。サーブを打とうとする櫛灘さんの目が光る。
「ふふっ!7月のサマーデビルと呼ばれた私の実力……受けてみよ!」
いきなりのジャンピングサーブ!しかもスピードといい角度といいビーチボールの域を超えている!
「任せて!」
シャルがすかさずレシーブ。そしてラウラがトスを上げる。つまり決めてはこの俺!
「いくぜ!スーパーウルトラデンジャ「はいブロックーー」もがっ!?」
俺のアタックを止めただと!?しかもブロックされたボールが顔に当たって痛い。ほら空気を入れるところ。あそこって凄く痛い。
「悪いな名人。トロトロした動きが気になってよ」
「キリヤん……イイぜ、ノッてやるよ!!」
これは宣戦布告と受け取っていいだろう。
そして始まるキリヤんとたまたま近くにいたセシリアを巻き込んだ大乱戦………という名のビーチバレー。
全力のアタックとブロックを繰り返し、やがてそこは戦場と化した。
決着がつかないその戦いを止めたのは、まさかの千冬姉、山田先生、タイガ先生、木綿季先生の大人気ない本気のビーチバレーだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ぷはあっ……あたしの勝ちね!」
「くっ、あと少しだったのに」
「残念でしたー。それはそうと随分遠かったわね」
「そうだな。少ししたら戻るか」
「そうね……でも箒。その前にちょっといいかしら?」
「どうした鈴?」
「単刀直入に言う。この臨海学校であたし、一夏に告白する」
「………は?」
第一の波乱。まさかの鈴が一夏に告白すると箒に宣言!
次回は第二の波乱。あの天災兎と原作とは違うガドルが現れる!
ではSee you Next game!