IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜   作:無限の槍製

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初変身!といっても最後の方!


第2話 変身 〜Level1〜

3月20日 PM02時00分

 

「それでは行ってきます社長」

 

「うん、頼んだよ木綿季くん」

 

幻夢コーポレーション社長室。社長室とは到底思えないその部屋から出た私=更式(さらしき)木綿季(ゆうき)はそのままとある場所を目指す。

IS学園。その名のとおりIS〈インフィニット・ストラトス〉について学ぶ学校。私の知り合いの二人もあそこで教師をしており、また学生である。

 

「千冬……元気かなぁ」

 

織斑千冬。ISの世界大会で一度優勝している、まさに世界最強(ブリュンヒルデ)を名乗るのに相応しい。しかし二度目の大会で優勝することはなかった。

千冬の弟である織斑一夏が誘拐されたのだ。一夏くんはその後遠く離れた工場跡地にて発見された。発見時重傷だったがその2日後には完治していた。

 

『さすがブリュンヒルデの弟!』『てか医療機関がヤバすぎる件について』『最近出回ってるクモのバケモノの映像wwww』などなど

 

ネットの反応はこんなものだった。しかし一夏くんは更に世界中の目を集めることになる。

 

世界で初めてISを動かした男性になってしまったのだ。

 

流石にこれには世界中が驚いた。どこぞの社長は社長室で笑い転げたらしい。うちの社長だけど。

一夏くんは身柄保護、ならびにISの勉強の為に無理矢理IS学園に放り込まれたのだ。

社長はそんな一夏くんにプレゼントをあげるらしい。その為プレゼントを渡す為に私はIS学園に向かっているのだ。

 

(一夏くんまだ入学してないのにいいのかな……)

 

そんな不安をよそに私はタクシーに乗り込んだ。

 

 

そしてあの出会いはその5分後に起きる。

 

「車進みませんね〜」

 

『タドルクエスト』を遊んでいた私に運転手が話しかける。ゲームに夢中で気づかなかったけどタクシーはさほど進んでいなかった。というよりは渋滞したままだ。クラクションがうるさいほど聞こえる。

 

「このままだとあと30分はかかるかなぁ」

 

「30分ぐらい構いませんよ。特に急いでいないので」

 

嘘だ。社長には『寄り道せずに千冬君に渡してくれ』と念を押されている。少しは秘書を信じてほしいものだ。

 

『ここで緊急ニュースです。先ほど未確認生命体と思われる怪人が目撃されたと情報が入りました。危険ですので屋外には出ないようにしてください。繰り返します…』

 

「未確認出たみたいだね。どうするお客さん、そこらの店に入るかい?」

 

「未確認が屋内へと入らない保証はありません。いざという時は全速力で逃げてください」

 

本当に危ない時は私が……

 

「ん?進み始めたね」

 

タクシーは前に進み始める。私はゲームに集中するためにイヤホンをつける。

が、次の瞬間全身に衝撃が走る。

 

「っ!?ちょ、ちょっと運転手さん?」

 

「………」

 

反応がない。ただの屍のようだ。そんな風に思いながら運転席を覗き込む。そこには口から血を流しながら絶命している運転手がいた。

 

「!!って律儀にアクセル全開ですか!?」

 

タクシーはスピードを上げ続ける。このままだとビルに激突してしまう。というよりもう目の前だった。

すぐさまタクシーから飛び出す。タクシーはそのままビルに激突するが、どうやら怪我人はいないそうだ。

 

「どうしていきなり……まさか未確認?」

 

「ソウ、ソノ未確認ダ」

 

不気味な声のした方を見る。そこにはコウモリの姿をしたバケモノ、いや未確認生命体3号がいた。現時点で未確認生命体は13号まで現れている。その中でも2号と3号が未だ活動している。それ以外は2号が撃破したらしい。

 

「リント ノ 言葉 ムズカシイ。ギサギサグス(イライラする)!」

 

「ここは日本です。日本語で話して」

 

未確認を挑発する。悪いがこちらには切り札がある。負けるつもりはない。

 

ギベリント(死ね人間)!」

 

「おっとなにやってんの?おたく」

 

未確認を蹴り飛ばす一人の男。アロハシャツに革ジャン、ダメージジーンズにサングラス。完全に不審者だが……

 

「女の子に詰め寄るなんて案外ゲスいんだな未確認様も」

 

「なにやってるの!早く逃げなさい!」

 

「そうもいかないんだよねぇ。新しいゲームの予感がしたからさ。例えばその鞄!なんか入ってんじゃないの?」

 

「っ!それは企業秘密よ、ってなに開けてるのよ!」

 

「ふーん……これはゲームガシャット?それに…ベルトのバックルか」

 

これでベルトのバックルって分かるの?天才?私は初めて見た時新しいゲーム機かと思った。いや新しいゲーム機であっている。それを見抜けるこの人は…天才だ!

 

「すみません社長、このゲーマドライバー、この人に託します」

 

「ん?なに言ってんの?」

 

「これを腰に巻いてライダーガシャットをドライバーに差し込んで!」

 

「は?なに、ライダーガシャット?」

 

「ほら早く!」

 

割と勢いだが問題ないよね。男の腰にゲーマドライバーを装着させてライダーガシャットをベルトに差し込む。しかし……

 

「あれ?なんで?なんで変身しないの?」

 

「いや落ち着けって、未確認もういないんだからさ!」

 

「え?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

未確認3号が逃げた先は廃工場だった。思わぬ乱入者、突然の攻撃、そしてそれが思った以上にダメージがあったこと、どれもこれも想定外だった。

奴に黙ってゲームをしていることがバレては自分の存在が危うくなる。これ以上目立つ前に立ち去らなくては。

しかしそんな行く手を阻む者が二人いた。木綿季と桐也だ。

 

「ほらいた。やっぱり2ちゃんは役に立つね!」

 

「デマが多いんだからあんまノせられんなよ?」

 

桐也の腰にはゲーマドライバー。手にはライダーガシャットを持っている。既に木綿季から手解きは受けている。

 

「んじゃノッてくか」

 

『爆走バイク!』

 

桐也が『爆走バイクガシャット』の電源を入れる。そしてそれをゲーマドライバーに差し込む。この時桐也は新たなステージに立つことになる。

 

『ガシャット!』

『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?』

『アイム ア カメンライダー!!』

 

「これが……社長の作ったライダーシステム…」

 

そして桐也の姿は………

 

「おいおい、これが仮面ライダーなのか?」

 

仮面ライダーレーザー《バイクゲーマーレベル1(二頭身のゆるキャラ)》に変身した。




更式 木綿季
更式は誤字にあらず。
2ちゃんとかゲームとかアニメ視聴とか趣味。幻夢コーポレーション社長秘書。かなり思い切った行動に出ることも。


とまあオリ主と原作主人公よりも先に紹介されるオリキャラでした。

次回は初バトル。あと桐也が木綿季と出会うまでの出来事。そしてクウガとレーザーが出会う!といった感じです。

ではSee you Next game!

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