IS 〜バイクと名人とSchoolLife〜 作:無限の槍製
5月10日(水)AM11時30分
「ミッション開始」
ハンドガンで未確認ISを攻撃するスナイプ。手慣れた手つきでハンドガンを操る。
「何やってんの!さっさと加勢するわよ!」
「え?お、おう!」
鈴は青龍刀を構え、俺は雪片弐型で未確認ISを攻撃する。俺たちが近接戦闘を繰り広げる中でもスナイプは的確にISに攻撃を当て続ける。
でも時々俺の頬ギリギリを狙ってきてるのは何故だ?
「つあっ!!」
「どりゃあ!!」
その中でもISは両腕からレーザーを放とうとするが、それを俺と鈴で両腕の砲口を潰し破壊する。これで主力武器を潰すことに成功した。あとは、こいつを機能停止に追い込むだけだが、
(なんか、変だな……人間味がない)
普通主力武器を破壊されれば誰しも少しは焦るものだ。しかしこいつはただ淡々と俺たちに攻撃を仕掛けてくるだけ。まるで機械のように作業を繰り返すだけだ。
「なあ鈴。ISって人が乗ってなくても動くのか?」
「はあ?そんなのありえないわ。現段階でISは人が乗ってなくちゃ動かない。これからの研究次第じゃ無人機なんて可能だろうけど、今の技術じゃ不可能よ。それこそ生みの親でもない限りね」
ISの生みの親。その瞬間に1人の女性の顔を思い浮かべるが……いやあの人がこんなことするはずない。
「でもそうね。一夏の言いたいことも分かるわ。確かにこいつ人間味が薄いかも」
「いっそのこと、無人機として攻撃するか?」
「それで無人機じゃなかったらどうすんのよ!」
「おい。そろそろお喋りはそこまでにしとけ」
ふと声をかけられる。どうやら下からスナイプが俺たちに話しかけたようだ。ハンドガンをライフルに変形させながら言葉を続ける。
「無人機かどうか分からないなら、俺が分からせてやる」
スナイプはBボタンを押してエネルギーをチャージする。狙っているのはISの右肩。そして攻撃が放たれる。
ライフルから放たれた弾丸はISの右肩を吹き飛ばした。そう文字通り吹き飛ばしたのだ。肩という繋ぎが無くなった機械の右腕がボトリと地面に落ちる。
普通のISでそんなことになれば腕と肩から血が止まらないほど出ていただろう。でも目の前のISは普通ではなかった。
壊れた右肩から火花が飛び散る。よく見ると奴の体は機械だらけ。人が入れるスペースなんてない。いや元から人を必要としない機械の塊だ。
つまりこいつは正真正銘の無人機だ。
「嘘、ほんとに無人機だったわけ…」
「こいつで分かったか?ならとっとと仕掛けるぞ!」
『ガシャット!キメワザ!』
スナイプは無人機だと分かるとライフルにガシャットを差し込む。こうなったら俺たちも本気で行くしかない。
「無人機って分かったなら、本気でやらないとな!」
「ったく、あんたの観察眼は中々なものね一夏。後でなんか奢らせなさい」
「なら、後で酢豚作ってくれ。お前の料理、久々に食いたいからさ」
「なっ………あんたってほんと…」
俺は白式の切り札『零落白夜』を発動させる。鈴は青龍刀に衝撃砲のエネルギーを全て託す。そのせいか衝撃砲が地面に真っ逆さまに落ちていった。
「行くぞ鈴!!」「行くわよ一夏!!」
同時に声をかけ、同時に加速する。青白く光る雪片とオレンジに輝く鈴の二本の青龍刀。俺たちがやるのはトドメに繋ぐための足止めだ。トドメはスナイプに任せればいい。
「「うおおおおっ、らあっ!!」」
無人機のボディを切り裂く3つの剣。エックスの文字に切られた無人機目掛けてトドメの一撃が届く。
『バンバン!クリティカルフィニッシュ!!』
「決めるぜ!」
ライフルから放たれた超高密度のエネルギー弾。さっきの比じゃないほどの一撃は無人機の中心を立ち抜いた。バチバチと火花を散らす無人機。こうなったら後はお約束だ。
「はいポーズ」
「「よっしゃああ!!!」」
大爆発を起こす無人機をバックに決めポーズをする俺と鈴とスナイプ。結構いい画でしょ?
◇
5月10日(水)AM11時40分
「あんた結局何者なのよ!」
いきなりスナイプに食ってかかる鈴。確かに俺も正体気になるけどそんなにグイグイ行かなくても。
「あんまり怒鳴ると可愛い顔にシワが刻まれるぜリンリン」
『ガッシューン』
「って、ええ!?」
「そんな、キリヤん!?」
スナイプは変身を解除した。そして現れたのは九条桐也、つまりキリヤんだった。スナイプの正体はキリヤんだったのだ!
「どどど、どうなってるんだ!?」
「まあまあ名人落ち着けよ。向こうで話そうぜ」
◇
「どういうことなんだよキリヤん。どうしてキリヤんが仮面ライダーやってるんだよ」
「それについては私が説明してやる」
アリーナから戻った俺たちを待っていたのは千冬姉、山田先生、セシリア、箒の4人だった。
「元々九条はISが操縦できない。ならば何故この学園にいるか。それはこの学園に対未確認用の対策チームがあるからだ」
「未確認用の対策チーム…」
「実はこの学園には2人の仮面ライダーが既にいる。そいつらは任務で海外にいるが「千冬姉!!」……なんだ織斑」
「どうして、キリヤんが仮面ライダーなんだ。どうしてイチ高校生にそんな命がけの仕事を任せるんだよ!」
「落ち着けよ名人。こいつは自分から飛び込んだんだ。だから自分は後悔してないし、それに仮面ライダーになったおかげでこの学園に来られた。そんでこんなにも可愛い女の子たちに囲まれている。それにお前にも出会えた」
「キリヤん……女の子のくだりがなければカッコいいのに」
「箒さん!ツッコミは後で!」
「まあ、ハッキリ言って自分にとって万々歳だから。あんまギャーギャー騒ぐな一夏」
「……悪い」
我ながらギャーギャー騒いでしまった。後で千冬姉にも謝っておこう。
「話を続ける。確かに未確認用の対策チームは危険がつきものだ。だからこそ我々学園の教師も全力でサポートしている。それにとある企業もサポートしてくれているからな。これで少しは安心できたか一夏?」
IS学園の先生はほとんどが各国のトップクラスの実力を持つIS操縦者ばかりだ。まあそれなら安心できる……わけがない。いくらISでも相手は未確認生命体だ。どんな手で来るかわからないんだぞ。
「……不安は残ってるけど、分かったよ千冬姉」
「織斑先生だ。さて九条の件だが、この事は他の生徒には話さないように。そこから外部に漏れてはまた面倒になる」
ああ、だからキリヤんの事がニュースにならなかったのか。確かにISに乗れないのにIS学園にいるってなったらそれこそ色々言ってくるやつが現れるか。
「それでは以上だ。九条は少し残れ。あとは教室で待機していろ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さて九条。お前、あの仮面ライダーだったか?」
「スナイプは今日初めて。社長から送られてきたのさ。やっぱり人型っていいね。レーザーよりスナイプの方が戦いやすいよ」
「黎斗か……木綿季にも聞いておくか」
「思ったんだけど、あの無人機。操っていたの」
「十中八九、束だろうな」
「やっぱりね。こいつは第三勢力の登場か?」
「だろうな……ところで九条、一つ言っておくが」
「なんです?」
「お前、嘘をつきすぎだぞ」
「……まあ、それが自分だから」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
5月10日(水)PM00時10分
「うーん……」
「何唸ってるんだよ鈴」
「いやクジョキリなんだけどさ」
「クジョキリって……お前はそんな呼び方してんのか」
「だってあいつリンリンって呼んでくるのよ!だったらこっちもそれなりに呼んでやる、って違うわよ!」
「相変わらず騒がしいな鈴。で結局何なんだよ」
「別に、些細なことよ。クジョキリの一人称なんだけど、あいつ自分のこと『自分』って呼んでるじゃない。でもたまに『俺』って言ってるのよ」
「ん?そうなのか?」
「まあ、あんまり気にすることじゃないと思うけどね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フランスに疾風あり、
「準備できた?先生」
「言っとくが、俺はお前の主治医になったつもりはない」
「ハイハイ、分かってるよ先生」
ドイツに切り札あり、
「申し訳ありません隊長。どうやら逃げられたようです」
「まったく、しつこいものだな財団Xも。だが成果がないわけではない」
『ジョーカー!』
日本に黒い影あり、
「さあ、そろそろ動き始めよう。ゲームスタートだ」
そして、IS学園にて戦いあり、
「中」
「間」
「テ」
「ス」
「ト」
「!?」
「九条、織斑、篠ノ之、オルコット、布仏、凰。それが打ち合わせなしで出来ていたら私も褒めているところだ。あと凰は2組に戻れ」
「あ、はーい。お邪魔しましたー」
そう、中間テスト。学生なら誰しも通る、戦いである。
というわけで色々謎を残してクラス対抗戦終了なり!
スナイプの変身者はキリヤんでした。つまりレーザーとスナイプの1人2ライダーです。キリヤんとしてはスナイプの方が戦いやすいとのこと。これが後々の戦いで面倒なことに。
そしてフランスとドイツの2人がそろそろ姿を現わす頃合いです。でもまずは中間テストだ!
あと関係ないんですけど活動報告をあげると思うので暇な方はどうぞ。
ではSee you Next game!