ウルトラマンオーブ ─Another world─   作:シロウ【特撮愛好者】

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続きです。
この回のアリブンタの仕草が可愛かったなと個人的に思った作者です。

では、どうぞ。


第6話 入らずの森 ー後編ー

 先程の特攻で再びアリブンタを押し倒したオーブは、その隙にまた姿を変えた!

 

「ジャックさん!」

【ウルトラマンジャック!】

「ゼロさん!」

【ウルトラマンゼロ!】

「キレの良いヤツ、頼みます!」

【フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ!

 ハリケーンスラッシュ!】

 

『光を越えて、闇を斬る!』

 

 身軽で素早い青き巨人に変身したオーブは、この姿での名乗りを上げる。アリブンタも起き上がり、オーブと対峙する。

 オーブは頭部のスラッガーに手を添えて、2枚の刃型のエネルギーを生成する。それを正面で回転させ、この姿専用の武器を召喚する。

 この時、アリブンタもその仕草を真似ていて、これから何が起こるのかと首を傾げた。

 

『オーブスラッガーランスッ!』

 

 三又の槍「オーブスラッガーランス」を掴んだオーブは両手でそれを回して、構える!

 

『シャアッ!』

 

 ハリケーンスラッシュ特有の素早い動きで得物を振るい、オーブは打撃を決めていく!

 するとこの戦いは不利だと察したのか、アリブンタは土を掘り起こして逃走しようとする。

 そうはさせないと、オーブは高速移動でアリブンタの元へ急ぎ、オーブスラッガーランスでアリブンタの背中を突き刺す。

 

『おい!この下には、大事な古墳が埋まってるんだ!ッ……!壊すんじゃねぇ!』

 

 オーブスラッガーランスでアリブンタを突き刺したまま持ち上げたオーブは、アリブンタを空高く投げ飛ばす!

 そしてオーブスラッガーランスのレバーを3回引き、レバー付近の赤いボタンを押してアリブンタに向かって飛び、斬りかかる!

 

『トライデントスラッシュ!!』

 

 ランスの穂先にエネルギーを集中させ、光の刃を生成。その刃でアリブンタを何度も斬り付ける。トドメに右下段から左上段に向けて、斜めにアリブンタの胴体を斬り上げる!

 上空で身動きの取れなかったアリブンタは、トライデントスラッシュの斬撃をまともに喰らい、爆発!

 オーブの勝利にSSPの面々は盛大に湧き立ち、ジェッタはナオミに感想を述べさせる。戸惑いながらも、ナオミはぎこちない笑顔でカメラに向かって感想を言った。

 すると聞き慣れた声がして、ナオミ達はその方を向いた。

 

「おーい、おーい!」

「皆さ~ん!」

「あっ、渋川さん達だ!」

 

 アリブンタとの戦いを終えたガイさんと合流した僕は、ナオミさん達を見つけて走り出す。途中で渋川さんも合流して、僕らは全員無事に集合した。

 

「ご心配おかけしました」

「いや~ガイさんもすごかったけど、シンヤ君ってスッゴい強いんだね!俺、びっくりしちゃったよ!」

「確かに!やはり、人は見た目によらないということですね!」

「何かスポーツとか、格闘技とかしてたの!?やっぱり、ボクシングとか!?」

 

 ジェッタさんとシンさんの質問攻めを、苦笑いで誤魔化そうとするけど、やっぱり2人は止まらなかった。

 視線を横にずらすと、ナオミさんが僕達に言う。

 

「みんな、心配したのよ?今までどこ行ってたの?」

「そっちこそ、ケガはないのか?」

 

 ナオミさんが僕らを心配するけど、ガイさんの問いかけに口ごもって、小さな声で今日のことへの感謝の言葉を発する。

 するとジェッタさんが叫び出す。どうやら録画がされていなかったようで、シンさんはそれを録画ボタンを逆に押してしまったのではと指摘する。

 せっかくしっかり撮れたと思っていたジェッタさんは落胆するけど、ナオミさんが慰める。

 

「まぁ良いんじゃない?この森は、そっとしておきましょうよ……」

「あぁ。古墳が発見されてしまった以上、再開発計画は見直されるだろうな」

「それにしても、あの女性は誰だったんでしょうか?」

 

 僕らを助けてくれたあの女性のことを思い出して、僕が疑問に思ってそう言うと、シンさんが自分なりの考察を述べた。

 

「石碑には、玉響姫(たまゆらひめ)とありました。神話にある幻の姫君です。あれは、彼女の残留思念かも知れません」

「そっか。じゃあ帰って調べよう!行こ!」

 

 そして僕らは帰りの支度を始めたけど、ガイさんが立ち止まって森の方を見つめていた。

 

「ガイさん……?」

 

 僕も森を見ると、そこには僕らに微笑む玉響姫の姿があった。ガイさんが彼女に微笑み返すと、玉響姫はまた姿を消した。

 

「さ、俺らも行こうぜ?」

「は、はい。……あの、ガイさん!お願いしたいことがあります!」

「何だ、改まって」

「僕に……僕に、戦い方を教えて下さい!」

「は……?」

 

 突然そう言われたガイさんは、呆けたような顔になっていた。それはそうだろう。そんなことを言われるなんて、きっと予想していなかっただろうから。

 それでも折れずに、更に押す。

 

「今回のことで、僕も力不足を実感しました……。だから、ガイさんに戦い方を教わりたいんです!」

「お前な……」

「ガイさん、お願いします!」

 

 僕が深くお辞儀をして、しばらく沈黙が続いた。

 やっぱりダメかと思った時。ガイさんの手が、僕の肩に乗った。

 

「俺の指導は厳しいぞ?」

「……は、はい!よろしくお願いします!何なら、滝の流れを切ったり、ジープでも頑張りますよ!」

「さすがにそこまではしねぇよ……。それに何だよジープって……」

「あ、アハハ……」

 

 こうして、僕はガイさんに鍛えてもらえることになった。

 

 

 

「我が身内のために、貴重な超獣カードを使ってくれて、悪かったな……」

 

 惑星侵略連合の円盤内の広間。

 これまで空っぽだった玉座に腰かける宇宙人がいた。

 その名は「メフィラス星人ノストラ」。惑星侵略連合のリーダーで、配下から「ドン・ノストラ」と呼ばれている。

 悪質宇宙人 メフィラス星人。

 知性的な宇宙人でありながら、ウルトラ戦士と同等の戦闘力を持つ。

 初代メフィラス星人は地球を手に入れるために、ある1人の少年に地球代表として、地球を差し出すように交渉を迫ったが、何度も拒否され交渉は決裂。ウルトラマンと互角の戦闘を繰り広げたが、宇宙人同士の戦いは無意味とし、ウルトラマンに停戦を申し入れリベンジを誓って地球を去って行った。

 これまで多くの同族達が、ウルトラ戦士達と熾烈な戦いを繰り広げて来た。

 ノストラはこれまでのメフィラス星人とは違って、白いマントのようなものを羽織っていた。

 

「ウルトラマンオーブ……。聞きしに勝る力です」

 

 ナックル星人ナグスがノストラに言うが、ノストラに跪くジャグラーが口を開く。

 

「だが奴は決して無敵ではありません。

 本来の力を失ったオーブは、ウルトラマンの能力を宿したカードを2枚使って変身しています。……奴より強力な手札を持てば良いのです……。

 では皆様。今宵はこれにて、失礼……」

 

 そう言い残してジャグラーとヨミは立ち上がり、円盤から去って行った。それを見届けたメトロン星人タルデが、ノストラに進言する。

 

「偉大なるドン・ノストラ……!あのような者達を仲間に加えてよろしいのですか!?奴は元々、光の勢力に身を置いていたと聞きます。我々の寝首をかくつもりなのかも知れません……!

 それに……、奴の従者を名乗るあの男は危険です!早急に、手を打たねば……!」

 

 それを受けたノストラは、のっそりと重い腰を上げる。

 だがその口から発せられたのは、タルデの予想を大きく裏切る一言だった。

 

「最後に笑うのは、切り札を持つものだ……」

 

 ノストラはマントを翻し、隠し持っていたカードを取り出す。

 そのカードは、M78星雲・光の国出身で唯一の暗黒ウルトラ戦士のカードだった。

 そのカードを見つめながら、ノストラは語り出した。

 

「この宇宙には、光と闇のカードが眠っている……。ジャグラーは、強力な魔王獣カードを6枚持っている。奴からそれを頂戴するのだ……!」

 

 

 

 惑星侵略連合の円盤から降りて、しばらく夜風を浴びつつ立ち尽くしていたジャグラーは、待ち人が来るのを待っていた。

 そして、ようやくやって来た相手に尋ねた。

 

「ヨミ、どうだった?」

「やはりノストラが『黒き王』のカードを所有しておりました。連中も我々を利用する腹積もりのようです。いかが致しますか、ジャグラー様?……今の内に全員、潰しましょうか?」

 

 ヨミはあの広間を退室した後、ジャグラーの密命を受けて円盤の中に潜み、彼らの会話の一部始終を全て盗み聞いていた。

 その詳細をジャグラーに伝えたヨミの瞳は、殺意に満ちていた。

 

「まぁ待て。きっとその時は来る。……それまではまだ、奴らに乗っかってやろうじゃないか」

 

 そんなヨミを抑えたジャグラーは邪悪な笑みを浮かべながら、夜空の暗闇に飛んで行く円盤を眺めて、ふと呟いた。

 

「さぁて、最後に笑うのは誰かな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ガイとシンヤの、ウルトラヒーロー大研究!」」

 

シンヤ「皆さーん!ウルトラヒーロー大研究のコーナーですよ~!」

ガイ「今回はちゃんと忘れてなかったみたいだな」

シンヤ「ガイさん……。前回までのことは水に流して下さい……」

ガイ「さぁて、どうしようかな」

シンヤ「(今回のガイさん意地悪だなぁ……)さ、今回紹介するのはこの方ですよ!」

 

【ウルトラマンオーブ!ハリケーンスラッシュ!】

 

シンヤ「今回は、この姿のオーブの使用する技についての紹介です!」

ガイ「まずは『オーブスラッガーショット』。頭のスラッガーから刃型の光線を撃つんだ。この技はゼロさんの『ゼロスラッガー』のように軌道を操作できるんだ!」

シンヤ「名前の由来はゼロさんのゼロ『スラッガー』とジャックさんのウルトラ『ショット』らしいですね」

ガイ「次は『オーブランサーシュート』。専用武器の『オーブスラッガーランス』のレバーを1回引くことで発動!槍の穂先から光線を撃つんだ!」

シンヤ「オーブスラッガーランスを使って発動する技は、複数あります。その1つが『ビッグバンスラスト』。ランスのレバーを2回引いて発動!相手に直接突き刺して、高エネルギーを体内に放つという中々エグい技です…!先程の技と合わせて、ハイパーゼットンに対して使いました!」

ガイ「最後に紹介するのは、『トライデントスラッシュ』。レバーを3回引いて発動。斬撃系に当てはまる技で、穂先にエネルギーの刃を生成して、相手を何度も斬り付ける技なんだ!」

シンヤ「今回現れた、惑星侵略連合の宇宙人達……。どれもウルトラ戦士の皆さんを苦しめた連中ばかりです!ガイさん!これからも、頑張りましょう!」

ガイ「あぁ!どんな奴が相手でも、俺は絶対に負けない!」

シンヤ「その意気です!それでは、今回はここまで!」

 

 ガイ&シンヤ「「次回も見てくれよな!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 予知夢を見る謎の少女、ハルカ。

 怪獣の出現を言い当てる彼女が出した次の予言。それは、オーブの敗北。

 冗談じゃない!未来は変えられるってこと、俺が証明してやるぜッ!

次回!

『ウルトラマンオーブ ─Another world─』

『霧の中の明日』。

 紅に燃えるぜぇ!




…いかがだったでしょうか。
次回はちょっと手を加えたいかなと考えています。

隠れサブタイトルは、『ウルトラセブン』第6話『ダーク・ゾーン』でした。

ではノシ

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