ウルトラマンオーブ 天かける星の祈り歌   作:彩花乃茶

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 次回作タイトルは『園崎リクはジードである』に決定しました。


ウルトラファイトオーブ 前編

~~???~

 

「我が体に眠る怪獣使いレイブラッドの血よ。ウルトラ戦士に倒された亡霊を再び現世に復活させ給う」

 

 惑星ヨミ、その裏の世界にて私は儀式を行っていた。かつてウルトラ戦士によって敗れ去った者たちを蘇らせるための儀式だ。

「ウジュイカ、レエガミヨ」

 

 魔力を注ぎながら呪文を唱えると闇のエネルギーが形を成す。

「まずはお前だ。エンペラ星人」

 

「・・・・・」

 

 最初に蘇らせたのはかの暗黒皇帝であるエンペラ星人だ。肉体こそ本物だが、その意識までは復活させていない。手駒として扱うには意思など邪魔でしかないからな。

「邪魔なウルトラ戦士どもを・・・根絶やしにするのだ」

 

 

~~ガイ~

 

「オォォォ・・・セイッ!!」

 

 サイバーレイブラッドとの戦いから3日後、俺はいきなり地底から現れた溶岩怪獣デマーガと戦闘になっていた。

「いきなり現れて暴れやがって!町の人の迷惑も考えろ!!」

 

 俺はそう言いながらもオーブカリバーを振り下ろして怯ませると後ろへと跳び下がってカリバーのリングを回転させる。

「オーブウィンド・・・ぬぁ?!」

 

 風のエレメントを解放してウィンドカリバーを放とうとすると・・・デマーガは火炎放射をのように勢いのある溶岩を放ってそれを妨害してきた。俺はその炎をオーブカリバーで受け止めて耐え凌ぐと、デマーガは次を放とうと背中に高温を纏っていた。

「やるじゃないか。だったらとっておきを見せてやるよ!」

 

 そうデマーガへと告げた俺はインナースペースでオーブリングを構えてカードを取り出す。

「ギンガさん!」

『ウルトラマンギンガ』

 

「エックスさん!」

『ウルトラマンエックス!』

 

「痺れるヤツ、頼みます!」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!ライトニングアタッカー!』

 

「電光雷轟、悪を討つ!」

 

 ライトニングアタッカーへと姿を変えた俺は左腕に電気を纏わせながら振り上げることで放たれた溶岩を弾き飛ばす。

「シュァッ!」

 

 そして体当たりをしてきたデマーガの頭を掴んで押しとどめると左手に電撃を纏わせてチョップをする。

「オォォ・・・セイッ!」

 

 そして更に電撃を纏った蹴りで追撃をかけると怯んだデマーガは少し後ろに下がった。そろそろ決めにかかるか。

「アタッカーギンガエックス!!」

 

 飛び上がってXの体勢を取った俺は身体のクリスタルを金色に輝かせながら電撃を放つ。その電撃はデマーガに直撃するとともにX字の爆発を巻き起こすと、フラフラになったデマーガが爆炎から出てきた。

「加減はしてやったから元の住み家に帰れ!・・・っ?」

 

 住み家に帰るように呼びかけた瞬間、デマーガは黒い霧のような邪気となって空へと飛んで行ってしまった。

「今のはいったい?」

 

 あの邪気・・・何だか分からないが嫌な予感がするな。

「ガイ!」

 

 声に気づいて下を見て見るとそこには睦美がいた。

「っと・・どうしたんだ睦美?」

 

 オーブの変身を解いた俺は睦美の前に着地すると、睦美を追ってきたかのように久遠と杏がやってきた。

「杏、今日は千佳は一緒じゃないのか?」

 

「うん、振り切った。自分の身体のことを分かってきた私にはそんくらい訳ないよ」

 

 振り切ったって・・・。大方テレポートか高速移動か何かをしたんだろうけど、何も置いてく必要はないだろ。

「・・・まぁいい。それでどうしてお前らはここに来たんだ?」

 

「それがね、杏が気配を感じるって言ったら睦美も言い出してね。それを追ってきたらここに来たの」

 

 杏はいいとして睦美も気配を感じ取ったってことはもしかして・・・。

「ねぇガイ。さっきの邪気になって空に飛んで行った怪獣なんだけど・・・あの邪気からレイブラッドみたいな気配を感じたの」

 

 やっぱりレイブラッドが関わってるのか。

「邪気を追えば・・・デマーガをけしかけてきた奴のところに行けるってわけだな。それじゃちょっくら行ってくるか」

 

 うっすらとだが俺でもあの量の邪気なら追うことはできる。そう判断した俺はオーブカリバーを掲げる。

「あれ?オーブになるんじゃないのかな?」

 

「まぁ変身しなくても追うぶんには問題ないからな。昔もこうやって飛んでたし」

 

 俺はオーブカリバーから発せられる光に包まれる。・・・そういえばこうやって宇宙を飛ぼうとするのは数千年ぶりか。

「それってさ。もしかして他の人も入れたりする?」

 

「あぁ、昔は俺以外の奴も入れて星々を移動してた頃もあったな」

 

 懐かしさに浸りそうになっちまったが・・・今はそんなのに浸ってる場合じゃなかったな。早くあの邪気を追いかけないと、気配を辿れる範囲から遠ざかっちまう。

「おっ邪魔しま~す!」

 

「ほら、睦美も早く!」

 

「待ってお姉ちゃん」

 

 いざ飛ぼうとした途端、3人が光の中に入ってきた。

「お前ら、何は入って来てんだよ」

 

「ほら、睦美ならレイブラッドの気配を追えるでしょ?」

 

 睦美は確かにそうかもしれないが・・・久遠と杏まで付いてくる理由にはならないな。

「危ないからとっとと出ていけ」

 

「って言われて出ていく私達じゃないのは知ってるでしょ?」

 

 そうなんだよな。こいつ等危険だから来るなって言っても聞かないもんな。

「・・・だいたいの場所は地球と同じく呼吸ができると思うが・・・念のためにな」

 

 オーブカリバーのリングを回転させて水のエレメントを解放した俺はすぐさま風のエレメントも解放する。

「2つのエレメントによる加護だ。これで呼吸ができないと温度がなんて心配はないだろうが・・・怪獣が何体も現れたら守り切れなくなっちまうことだってある。だからお前らも気を付けてくれよ」

 

「うん!いつも通りってことかな!」

 

 本当にこいつ等を連れていって大丈夫なんだろうか?・・・そう思いながらも俺は渋々邪気を追って空へと飛び立った。

 

 

 

~~ミライ~

 

「ここが邪気の発生源か・・」

 

 サイバーカードを用いて復活したレイブラッドをオーブの協力もあり何とか撃破してから数日後、レイさんをZAPの皆さんのところに送り届けた僕は調査のために惑星ヨミへとやってきていた。ここからは何故か先日レイブラッドが発していたような強い邪気が観測されたとヒカリからの報告を受けたけど・・この星にいったいなにがあるのだろうか?

「ッ!!」

 

 背後から何かが近づいてくる足音が聞こえてきたので振り返ってみると・・・そこには僕が・・・僕達が以前倒したはずのエンペラ星人が剣を片手に迫ってきている姿があった。

「何故蘇った。エンペラ星人・・」

 

「・・・・・」

 

 光の剣を展開した僕はそうエンペラ星人に問いかけるも・・・エンペラ星人は何も答えない。

「効く耳持たずってことか。・・・シィァ!」

 

 剣をエンペラ星人へと振るうと、エンペラ星人は手にしている剣でそれを受け止めて闇の波動を放ってきた。

「ッ?!」

 

 それを避けられなかった僕は後ろへと吹き飛ばされてしまう。この強さ・・・。間違いなく以前戦ったことのあるエンペラ星人そのものだけど、何故だろう?まるで生気を感じられない。まるで人形を相手にしているような感覚だ。

「僕だって昔の僕じゃない。魂がないようなお前に負けるつもりはない!」

 

 メビュームシュートを放ちながら前へと跳び上がった僕は再びメビュームブレードを展開して斬りかかる。その太刀を一歩後ろに下がることで避けたエンペラ星人が波動を放とうとする動作が見えたので、僕もそれを身体を捻らせながら後ろに跳び下がることで波動を回避する。

「魂がないぶん攻撃が読みやすい。これなら・・・」

 

 これなら僕だけでも勝てる。そう思った瞬間だった。

「っ!?」

 

 後ろに現れた邪気はEXゼットンとなって火球を放とうとしてきた。・・・くっ、避けられない。

「シュァ!」

 

 その攻撃を急降下とともに着地したウルトラマンが弾いてくれた。ガイアとビクトリーの力でフュージョンアップしているウルトラマンオーブだ。

「大丈夫ですかメビウスさん?」

 

「えぇ。助かりました」

 

「・・・お前らは下がってろ」

 

 どうやら3人の仲間も一緒に連れてきたらしく、右手を下げて3人を降ろす。すると先日レイブラッドに憑りつかれていた睦美という女の子がエンペラ星人の方を見上げた。

「やっぱり同じ気配・・」

 

 気配?

「そうか。・・・つまりあっちも邪気の塊でできた存在ってことだな」

 

「なるほど。やはり完全な本物という訳ではないんですね」

 

 僕はオーブと背中合わせになりつつエンペラ星人へと構える。

「手を貸してもらえますか?ウルトラマンオーブ」

 

「・・・勿論です」

 

 オーブはセブン兄さんとエース兄さんの力でフュージョンアップした姿に変わるとその刃を構える。

「闇を斬り裂く!光とともに!」

 

「シィァ!」

 

 

~~久遠~

 

 目つきが鋭く大きな刃を持った姿になったオーブはEXゼットンへと駆け出すと、メビウスも光の剣を展開して皇帝のような宇宙人へと斬りかかったかな。

「スラッガーエースエッジ!!」

 

 オーブは光を纏った斬撃を飛ばしたら、EXゼットンはそれをテレポートで回避してオーブの背後に回り込んできた。

「オーブ!後ろ!」

 

「影を払いし、光の刃!」

 

 杏の呼びかけですぐさま後ろへと振り返ったオーブは青い双剣の姿に変わって両腕から伸びる光の剣でEXゼットンをX字に斬りつけたかな。

「ストライクナイトリキデイター!!」

 

 オーブは青い光弾を放って追撃をかけたけど、その光弾はEXゼットンの貼ったバリアに吸収されてしまったかな。

「宇宙拳法!ビッグバン!!」

 

 黒い道着を着たような姿に変わったオーブは正拳突きでバリアを壊すと、その右脚に炎を灯した。

「レオゼロスピンキック!!」

 

 回転しながら燃えたぎる炎のキックをEXゼットンに叩き込むと・・・EXゼットンは背中から倒れる。

「シィァ!!」

 

 メビウスも剣戟で対応しているけど、あっちは少し苦戦気味のようだ。

「クッ・・・いくら攻撃しても手ごたえが感じられない」

 

「一気にカタを付けましょう!メビウスさん!」

 

「そうだね。・・・バーニングブレイブ!!」

 

「オーブトリニティ!!」

 

 全身が炎に包まれたメビウスは赤と金の姿へと変わると、オーブも丸鋸を持った姿・・オーブトリニティに変身したかな。

 

 

 

~~ゾフィー~

 

「惑星ヨミを中心に邪気が広がり続けているな。しかもこのエネルギーは・・・」

 

 邪気を観測していたヒカリがそう報告を入れてくる。このエネルギーの波動・・・覚えがある。

「またしても・・・べリアルと同じレイブラッドの血を引くレイオニクスか」

 

 復活していたべリアルがクライシスインパクトを巻き起こして早7年。あれからべリアルはその姿を見せていないが・・・未だレイブラッド絡みの事件は続いているとは。

「惑星ヨミにはメビウスが調査に行っていますが・・・レイオニクス絡みとなるとメビウスだけでは荷が重いかもしれません」

 

 タロウは現在メビウスが調査をしていることを伝えてくれたが、もしその邪気の原因がレイオニクス絡みならメビウスだけでは危険とも伝えてきた。

「ならば我々も向かうとしよう」

 

「あぁ!」

 

「はい!」

 

 私とヒカリ、そしてタロウは急ぎメビウスがいる惑星ヨミへと飛んだ。メビウス、無事でいてくれ。

 

 

 

~~杏~

 

「3つの光と絆を結び、今立ち上がる!」

 

「最後まで諦めず不可能を可能にする。それがウルトラマンだ!」

 

 姿を変えたオーブとメビウスはそれぞれ丸鋸と光の剣を振るう。

「シィァ!」

 

 炎も纏わせた光の剣を振るうメビウスに黒いマントの宇宙人が押され始めると、メビウスは全身に炎を纏った状態で飛びついた。

「ハァァァ・・・ダァァっ!!」

 

 そしてメビウスが大爆発を巻き起こすと、黒いマントの宇宙人はその場に膝をついた。

「シュァ!・・・トリニティウムシュート!」

 

 EXゼットンのバリアを切り裂いたオーブは至近距離から光線を放つと、その攻撃に怯んだEXゼットンは膝をついている黒いマントの宇宙人がいる場所まで下がった。

「決めましょうメビウスさん!」

 

「あぁ!」

 

「トリニティウム・・・ブレェェェェイク!!」

 

 メビウスが火球を飛ばすと、オーブも丸鋸から光の斬撃を飛ばす。そしてそれが直撃するとともにオーブは2体に詰め寄って丸鋸を振り下ろした。

「「っ・・・」」

 

 その攻撃を受けた2体は爆発して邪気へと変わるとそのまま霧が晴れるように消滅していた。

 

 

 

~~睦美~

 

「なるほど。あの邪気は地球にも・・・」

 

 戦いを終えて変身を解いたガイは人間の姿に変わったメビウス・・・ミライと互いの情報を交換しあった。

「あの邪気からは私と・・・レイオニクスと同じ感じがした」

 

「そう・・・ですか。となると先日レイブラッドの復活に手を貸した相手の可能性が高いですね」

 

 ミライは先日のレイブラッド復活を手引きした相手が今回の騒動の犯人だと考えているようだ。

「この星を探索して何か・・・」

 

「魔の手があやつる世紀の巨獣ショーへようこそ。ウルトラマン」

 

 杏がこの星を探索してみようと提案した矢先、青く亡霊のような雰囲気の魔人が暗闇から現れた。

「お前は・・・?!」

 

「私は亡霊魔導士レイバトス。レイブラッドの血を引くものにして、神に等しい才能・・・いや、神の力を持つものだ!!私はかつてのレイブラッドがそうしたようにこの力を用いて全宇宙を支配する!!見せてやろう!お前達ウルトラ戦士に敗れた怪獣達を蘇らせる神の力を!!」

 

 自分が神の力を持つものだと語りながら高笑いをした魔人・・・レイバトスは両手で印を結び始める。

「ウルトラ戦士に敗れ彷徨える怪獣達の魂よ!怨念とともに蘇れぇ!!ウジュレカ、レエガミヨ・・」

 

 レイバトスが呪文を唱えた瞬間、レイバトスから発せられた邪気が怪獣の形になった。

「ガイ、あの怪獣達は?」

 

 バードンは知ってるけどそれ以外の怪獣は覚えがなかった私はガイに怪獣達のことを尋ねてみる。

「バードンは知ってるだろうから説明は省くが・・・バードンの隣にいるのが高次元捕食体と言われるボガールだ。尽きることのない食欲で怪獣すらも食べてしまう危険なやつだ。その隣が自立戦闘兵器のインペライザー。自己修復機能が厄介なロボットだ。・・・そしてさらに隣のがスペースリセッターのグローカービショップ。多彩な武装を搭載しているロボット兵器だ。そして一番左にいるウルトラマンっぽい見た目なのがダークロプスゼロ。ウルトラマンゼロさんをモデルに作られたロボット兵器だ」

 

「・・・ロボット兵器ばっかりだね」

 

 怨念を抱いて蘇ったらしいけど・・・ロボットにも怨念ってあるんだ。

 

 

~~ガイ~

 

「レイバトスの目的はウルトラ戦士だ。行きましょうオーブ!」

 

「はい、ミライさん!」

『覚醒せよ、オーブオリジン!』

 

 ミライさんは左腕にメビウスブレスを出現させると、俺もオーブカリバーを出現させて手に取る。

「メビゥゥゥゥス!!」

 

「オォォォォォブ!!」

 

 そして同時にそれを空へと突き上げ・・・俺達は光の戦士へと変身を遂げた。

「お前の野望は・・・僕達が止める!!」

 

「悪を挫き、平和を守るのがウルトラマンだ!」

 

 俺とメビウスさんはレイバトスに斬りかかろうとすると、俺達の刃をスラッガーを持ったダークロプスゼロが受け止めた。

「さて・・・私には他にやることがある。この場は君達に任せよう」

 

 そう言い残したレイバトスは空へと飛び上がって何処かへと飛んでいこうとする。

「待て!・・うぁっ!?」

 

 俺はレイバトスを追いかけようとするもインペライザーの攻撃を受けて転倒してしまう。

「まずはこっちを何とかしないといけないね」

 

「だったら・・・」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!メビュームエスぺシャリー!』

 

 メビュームエスぺシャリーへと姿を変えた俺は無数の光の剣を周囲に展開する。

「眩い光で、未来を示せ!」

 

「シュァ!!」

 

 メビウスさんはメビュームシュートをグローカービショップへと放つ。1体づつ確実に倒していく作戦か。

「メビュースピンエスぺシャリー!!」

 

 剣を2本掴み取った俺は高速で回転してグローカービショップへと突っ込むと胴体を貫かれたグローカービショップは爆発して邪気となり消滅した。

「ッ!!」

 

 グローカービショップが消滅した途端、ダークロプスゼロはスラッガーを2つ投げ飛ばしてくる。」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!サンダーミラクル!』

 

「闇の力を奇跡の光に!」

 

 サンダーミラクルへと姿を変えた俺はスラッガーを超能力でストップさせる。

「サンダーミラクルマジック!」

 

「シュァ!!」

 

 3人に分身した俺はバードンとボガール、そしてインペライザーを殴り飛ばしつつ3方向からレボシウムウェーブを放ちダークロプスゼロへと攻撃を与えると、メビウスさんは再びバーニングブレイブへと姿を変えて高速で回転しながらダークロプスゼロに跳び蹴りを叩き込んだ。

「・・・よしっ!これであと3体・・」

 

「ァッ?!」

 

 久遠が怪獣達が残り3体となったことを喜んだのもつかの間、ボガールはメビウスさんを丸飲みにでもするかのように噛みついてきた。

「メビウスさん!」

 

「僕のことはいい!君はレイバトスの気配を追える睦美ちゃんと一緒に、あいつを追ってくれ!!」

 

 ボガールに噛みつかれているメビウスさんは自分に構わずレイバトスを追うように告げてくる。

「・・・分かりました。行くぞ睦美!」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!スカイダッシュマックス!』

 

 全フュージョンアップ中最も速いスカイダッシュマックスへと姿を変えた俺は睦美を手に乗せつつ、バリアで保護をする。これで酸素のない宇宙空間でも大丈夫だしこの姿のスピードにも耐えられる。

「うん。お姉ちゃん達も気を付けてね!」

 

「睦美も気を付けてね!」

 

「シュァ!!」

 

 飛び上がった俺は睦美の案内でレイバトスを追っていった。

 

 

 

~~久遠~

 

「ダァッ!!・・・ハァ・・ハァ・・ぐぁ?!」

 

 身体の炎を爆発させることでボガールの拘束から逃れたメビウスはインペライザーによる連続光線を受けてその場に膝をついてしまう。

「メビウス!後ろ!!」

 

「っ?!」

 

 メビウスの後ろの空から奇襲をしようとしていたバードンに気づいた杏はメビウスに後ろだと呼びかけたけど、反応が遅れてしまったメビウスはバードンの火炎放射からの体当たりが直撃して背中から倒れてしまったかな。

「メビウス!」

 

「・・・僕は大丈夫。危ないから下がってて・・」

 

 ボロボロになっているメビウスに私達は駆け寄ろうとすると・・・メビウスは胸のランプを点滅させながら上半身を起こしてそう私達に告げてくる。

「でもメビウスだって・・・」

 

「最後まで諦めない。僕達ウルトラマンは諦めちゃいけないんだ。・・・僕達はあの戦いでクライシスインパクトで大切な星を守れなかった。・・もう守れないのは嫌なんだ」

 

 まるで自分の故郷か大切な人達が住んでいた星が滅ぼされたようなことを言ったメビウスは身体を無理に立ち上がらせる。次の瞬間、空から3つの光がメビウスの前へと飛んできたかな。

「よく頑張ったメビウス。後は私達に任せろ」

 

 2本角のウルトラマン・・・ウルトラマンタロウはフラリと倒れてしまいそうになったメビウスを支えながらそう言ったかな。

「タロウ教官・・。それにゾフィー隊長とヒカリまで・・」

 

 どうやら胸に粒粒がついている赤い方がゾフィーで青い方がヒカリってウルトラマンらしいかな。

「惑星ヨミの調査をメビウスに任せてからしばらくした頃、ヒカリがこの地からべリアルと同じレイオニクスの波長を観測したので急ぎ駆けつけたのだ」

 

「どうやら間に合ったようだな」

 

 一安心したといった3人のウルトラマン達はそれぞれ怪獣達と向かい合う。

「バードンにボガール、そしてインペライザーか。いずれもかつて私達が苦戦を強いられた相手だな」

 

「だが負けるわけにはいかない」

 

「私達は光の戦士!ウルトラマンなのだから!!」

 




ウルトラヒーロー大研究

ウルトラマンオーブ・ライトニングアタッカー
属性 武(ブ)属性

 ギンガさんとエックスさん、2人の痺れる力をお借りした姿がライトニングアタッカーだ。サイバーメカニカルなボディに輝くクリスタルは電撃を纏う時には黄金に発光するぞ。必殺技は広範囲に雷撃を放つアタッカーギンガエックスと相手を解析して一点を狙い撃つことができるギンガエックスライトニングだ。

デマーガ
属性 土属性

溶鉄怪獣デマーガ。体の79%が溶けた鉄で構成されている怪獣で川の水が沸騰してしまうほどの熱量を持っているぞ。口からは熱線を放ち、背中からは溶岩のような火炎弾を放つことができる。だが俺の元に現れたのは本物のデマーガではなくレイバトスの作り出した中身のない復活怪獣だった。

次回「ウルトラファイトオーブ 後編」

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