ウルトラマンオーブ 天かける星の祈り歌   作:彩花乃茶

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 12月からの次回作はウルトラマンジード×結城友奈は勇者であるの予定です。


闇討て光の戦士達

~~久遠~

 

「シィァ!」

 

 メビウスは光の剣をマガバッサーへと振るうと、その剣戟は空を飛ぶことで避けられたかな。

「ッ?!」

 

すぐに降下してきたマガバッサーはメビウスに足の爪を突き刺した。・・・確かあの攻撃、前にも見たことがあるかな。

「ダァッ!」

 

 マガバッサーの両足を掴んだメビウスはそのままジャイアントスイングでマガバッサーを投げ飛ばす。そうしたらマガバッサーは空から翼を強く羽ばたかせてメビウスに竜巻を飛ばしてきたかな。

「ッ・・・」

 

 その竜巻に飲み込まれたメビウスは胸に炎を灯すとそれを爆発させて、竜巻を振り払ったかな。

「シィァ!」

 

竜巻を振り払ったメビウスの姿は・赤と金のさっきまでより強そうな姿に変わっていたかな。

「ダァッ!」

 

 全身に炎を灯したメビウスは空へと飛び上がるとマガバッサーに飛びついた。そしておのまま炎を一気に解き放って赤い姿のオーブのように爆発したかな。

「シィァ!」

 

 爆炎の中から出てきたメビウスは着地するとともに銀色の身体に戻る。とりあえずこれでマガバッサーは倒したかな。

「ポワァァァッ!!」

 

 2本角の赤い戦士・・ウルトラマンタロウはマガグランドキングに飛びかかったけど、圧倒的な重量があるマガグランドキングはそれにグラつきすらしなかったかな。

「ストリウム光線!!」

 

 身体を虹色に輝かせたタロウは両腕をT字に構えて光線を放ったけど、最強の盾とも呼べる圧倒的装甲を持っているマガグランドキングは光線を物ともせずにタロウへと迫ってきたかな。

「ッ!!」

 

 タロウは連続パンチで応戦したけど、マガグランドキングの進撃は止まらない。

「タロウ!マガグランドキングの光線を跳ね返して!」

 

「っ!」

 

 私の言葉に頷いたタロウはマガグランドキングから距離を取って腕のブレスレットを巨大な手鏡に変化させる。するとマガグランドキングはタロウ目掛けて光線を放ってきたかな。

「ォォォっ!!」

 

 その光線を手鏡で受け止めたタロウは角度を調整してマガグランドキングに光線を跳ね返すと、オーブの攻撃で以前にもそうなったように強固な装甲に穴が開いたかな。

「ネオストリウム光線!!」

 

 タロウはその穴目掛けて両腕を×字に構えて光線を放つと、マガグランドキングは内側から破裂するように爆発したかな。

「シュァ!」

 

 マガジャッパが鼻先から放ってきた水流をウルトラマンジャックはブレスレットを変化させた盾で受け止める。

「タァッ!」

 

 そしてすぐさまその盾を槍へと変化させたジャックはそれでマガジャッパへと突きかかると、マガジャッパは透明になることで槍から逃れる。

「・・・?・・ダァ?!」

 

 ジャックは何処に行ったかと周囲を見回していると、背後から水流を受けてその場に倒れたかな。

「ッ・・・!!」

 

 倒れているジャックをマガジャッパが踏みつけようとすると、ジャックは両手を前に倣えた状態からそろえて冷気を放つ。するとマガジャッパの身体中についていた水滴が凍ったかな。

「これでマガジャッパは動けないかな!」

 

「シュァ!」

 

 ジャックは両腕を十字に構えてマガジャッパに光線を浴びせると、マガジャッパも爆発した。これで残る通常の魔王獣はラスト1体かな。

「デュァ!・・・っ!」

 

 マガパンドンを相手にしているセブンはガイがアイスラッガーと呼んでいた刃を手に持って斬りかかろうとしたけど、その熱気による壁でセブンは少し後ろへと後退させられてしまったかな。だけどそれは熱気に怯んだから・・・というわけではなさそうかな。

「ッ!!」

 

 額のランプから緑色に輝く光線を放つと、熱気の壁が僅かに削がれて隙間ができたかな。

「デュァ!」

 

 その隙間を目掛けてセブンはアイスラッガーを投げつけると、それはマガパンドンの胸部を貫通したかな。

「ヌンッ!」

 

 アイスラッガーの一撃で熱気による壁が無くなると、セブンは両腕をL字に構えて光線を放たれるとアイスラッガーが貫通した場所に光線を受けたマガパンドンは爆発したかな。

「これで魔王獣は全部倒れたかな」

 

 メビウス達のおかげで召喚された魔王獣が倒されたけど・・・問題はエックス達が戦うあっちの方かな。

 

 

 

~~音々~

 

「叩き付けろ!ゴモラ!」

 

 バトルナイザーを掲げながらレイさんがそう指示をするとゴモラはジャンプして一回転をしながらその尻尾をサイバーマガタノオロチに叩きつけたのです。

「今だ大地!」

 

『あぁ!畳みかけるぞエックス!』

 

「『エクシードイリュージョン!』」

 

 エックスさんはゴモラに続くように4人に分身して連続斬りでサイバーマガタノオロチに攻撃をしたのですが・・・サイバーマガタノオロチはまるで怯んだ様子がなかったのです。

「退けお前ら!・・・ダスぺリオン光線!!」

 

 スぺリオンダークは光線をサイバーマガタノオロチ目掛けて放ったのですが、サイバー怪獣といえどもあのマガタノオロチだけはあり食欲旺盛らしくスぺリオンダークの放った光線を食べてしまったのです。

「やっべ・・・ぐあぁぁっ!?」

 

 サイバーマガタノオロチの放った雷撃がスぺリオンダークに直撃すると・・・姿を維持できなくなってしまったジャグラーが地上に落下してきたのです。

「くそっ・・・なんつう威力だ。まるで本物のマガタノオロチ並だぞ」

 

 ジャグラーは愚痴りながらも刀を杖にするように立ち上がると、竜巻からの火球を受けたゴモラも倒れてしまったのです。

「ぐっ・・・戻れゴモラ!」

 

 ゴモラとダメージがリンクしていた様子のレイさんは胸を押さえながらその場に膝をつくと、ゴモラをバトルナイザーへと戻したのです。これでサイバーマガタノオロチと戦うのはエックスだけになってしまったのです。

「『エクシード・・・エクスラッシュ!!』」

 

 エックスは剣を変形させて刃を広げてサイバーマガタノオロチへと斬りかかったのですが、その攻撃を耐えたサイバーマガタノオロチは尻尾でエックスさんを弾き飛ばしたのです。

『・・・やっぱり超大魔王獣にはエクスラッガーが効かないか』

 

「ならばやはり物理的に破壊するしかない。もう一度行くぞ大地!」

 

 地面を叩きながら立ち上がったエックスさんは剣を頭部へと戻すと、そのクリスタル部分をなぞるようにエネルギーを溜めたのです。

「『エクスラッガーショット!』」

 

 クリスタル部分から光線を放ったエックスはそれをサイバーマガタノオロチへと浴びせましたが、顎の下の装甲を破壊しただけで倒しきれはしなかったのです。

「っ!?」

 

 光線を放った直後の隙を突かれて光弾を受けてしまったエックスはユナイトが解除されて大地さんが地上に降りてきたのです。

「・・・くっ、大丈夫かエックス?」

 

『あぁ、だが大地も私もダメージがそれなりに多い。すぐにもう一度ユナイトするのは難しいぞ』

 

 どうやら大地さん達がもう一度サイバーマガタノオロチへと挑むというのは難しいようなのです。

「だけど装甲の一部は壊せた。あのむき出しになった部分を狙えさえすれば・・・勝てるはずだ。頼むぞゴモラ。・・・ゴモラ?」

 

 大地さんはサイバーゴモラで挑もうとすると、大地さんのゴモラが何か様子がおかしいことに気づいたようなのです。

「・・・お前もか」

 

 レイさんのゴモラも何かを訴えかけるようにバトルナイザーの中から吠えると・・・デバイザーとバトルナイザーから光が出てきたのです。

「ゴモラ同士の力を合わせろってことなのか?」

 

「なるほど。・・なら適任なのがいるな」

 

 大地さんとレイさんは互いに顔を見合わせて頷くと、ジャグラーの方を向いたのです。

「ジャグラー!俺達のゴモラの力を使え!」

 

「面白い・・・使ってやろうじゃんか」

 

~~ジャグラー~

 

「面白い・・・使ってやろうじゃんか」

 

大空大地の持つデバイザーとレイの持つバトルナイザーから飛んできた光がダークリングを通過すると・・・サイバーゴモラのカードとEXゴモラのカードへと変わる。2匹のゴモラが何のつもりなのかは分からないがくれるってんなら・・・使ってやるか。

「ゴモラさん!」

『EXゴモラ!』

 

「サイバーゴモラさん!」

『サイバーゴモラ!』

 

「ゴモラの可能性、お願いします!」

 

 EXゴモラとサイバーゴモラの力を借りた俺はサイバーゴモラアーマーを纏った紫色のEXゴモラのような姿へと変貌を遂げる。名付けるならそうだな・・クロスゴモラと言ったところか。

「超合体!クロスゴモラ!!」

 

 

 

~~杏~

 

「超合体!クロスゴモラ!!」

 

 ゴモラのような姿へと変身したジャグラーはその姿の自分をクロスゴモラと名乗った。

「なんでクロスなんだ?」

 

「おそらくはサイバーゴモラの胴体に描かれてる『X』とEXゴモラの『X』だからだと思うのです」

 

 ゼットンとパンドンでゼッパンドンなんて名付けるジャグラーだから『サイバーEXゴモラ』なんて名付けると思ってたけど・・・思ってたよりはマシかもしれない。

「ゴモラの力、見せてやるよ。・・かかってきな」

 

 クロスゴモラは挑発するように右手を動かすとサイバーマガタノオロチはケーブルのような触手を伸ばしてきた。

「オラぁっ!」

 

 その触手を鋭い尻尾で全て切断すると、そのまま地面に尻尾を叩きつけることで衝撃波を発生させてサイバーマガタノオロチの触手を完全に破壊した。

「ハッハッハッ!今の俺にそんな攻撃なんざ効かないぜ!!・・・のぁっ?!」

 

 触手を全部壊して調子に乗っていたクロスゴモラは、続けて飛んできていた光弾に気づかず、それを頭で受け止めてしまっていた。

「痛っぇな!!蛇心剣・・・新月斬尾!」

 

クロスゴモラは尻尾を振り切ることで斬撃を飛ばすと、その斬撃はサイバーマガタノオロチの放とうとしていた竜巻を引き裂いてダメージまで与えていた。

「こいつでトドメだ。・・・超絶蛇振動波!!」

 

クロスゴモラは角を紫色に輝かせるとその角をサイバーマガタノオロチの装甲が剥がれている部分へと突き刺した。すると大地さんやレイさんのゴモラ達が放っていた超振動波と同等・・・いえ、それ以上の威力の振動波を発してあのサイバーマガタノオロチを粉砕した。

「おいガイ!こっちは終わったぞ!お前もとっととそいつを片付けろ!!」

 

 元の姿に戻ったジャグラーはサイバードレイネクスに苦戦していたオーブを見上げてそう叫ぶ。言い方は悪いけど一応応援のつもりなのかもしれない。

「あの馬鹿・・・。レイブラッドに身体を乗っ取られてるガキを気にして攻撃を躊躇ってやがるな」

 

「・・・シュァっ!」

 

 ジャグラーの言う通りオーブは丸鋸でレイネクスの鎧部分を斬りつけるだけで、光線系の技をまるで使っていなかった。

「光線を放つどころか鎧の部分以外を斬ろうともしないなんて・・・」

 

 それじゃレイネクスを倒すどころか睦美を助けるのも難しいよ。

「きっと久遠さんの時の事を気にして攻撃しにくいんだと思うのです」

 

「私の時・・・。あぁ、ギャラクトロンの時のことかな」

 

 ギャラクトロンの時、久遠はあのロボットに吸い込まれてしまい闇の力を制御できなかったオーブは結果的に久遠に大怪我を負わせてしまった。たぶんその事を思い出して攻撃を躊躇っているんだ。

「せめて睦美がいる場所さえ分かればいいんだけど・・・」

 

「場所が特定できればいいんですね。だったら・・・ッ!」

 

 久遠が睦美の居場所さえ分かればオーブも攻撃しやすくなるのにと呟くと、大地さんはすぐさまデバイザーを操作し出した。

「大空さん、いった何を・・?」

 

「サイバーレイブラッドのカードであのカプセルが作られていたなら・・・あの姿は俺がエックスとユナイトしている状態に近いものと考えていいと思う、だったらそのデータが集まっているポイントがあるはず。・・・ここか」

 

 データが集まるポイントをすぐに特定した大地さんはそこを更に解析をする。

「クリスタル部分に人間のデータがある。この部分に睦美ちゃんがいるんだろうけど・・・」

 

 大地さんは何やら少し困ったような表情を見せる。ただ倒すだけじゃ駄目なの?

「オーブ!クリスタルの部分です!」

 

 

 

~~ガイ~

 

「オーブ!クリスタルの部分です!」

 

 戦いを終えた大地さんが睦美のいる場所を特定したらしく俺に向かってその場所を叫んでくる。

「睦美ちゃんは首筋にあるクリスタル部分に囚われています!救い出すにはそのクリスタル部分と繋がっている部分だけを破壊しないと、睦美ちゃんの命が危険です!」

 

 大地さんは睦美が何処にいるかと共に、下手に助けようとすると睦美の命が危険だということを教えてくれた。

「そんな・・それじゃ睦美は・・」

 

 久遠は睦美が助からないかもしれないと不安げな表情になる。

「安心しろ久遠。睦美は必ず助けるって言ったろ?」

 

俺はそんな久遠に必ず助けることを約束してたことを思い出させると、インナースペースでオーブリングを構えた。確実に狙い撃てる力は・・・これだ!

「ギンガさん!」

『ウルトラマンギンガ』

 

「エックスさん!」

『ウルトラマンエックス!』

 

「痺れるヤツ、頼みます!」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!ライトニングアタッカー!』

 

 ギンガさんとエックスさんの未来への可能性をお借りした俺はギンガさんのクリスタルとエックスさんのサイバーメカニックさを併せ持った姿、オーブ・ライトニングアタッカーへと姿を変えた。

「電光雷轟、闇を討つ!」

 

 

 

~~杏~

 

「電光雷轟、闇を討つ!」

 

 エックスみたいなメカニカルな姿に青いクリスタルがついたような姿になったオーブは口上を述べる。

「ムンッ!」

 

 レイネクスはオーブに剣を振り下ろすと、オーブはまるで鎧を纏ってるように強固なものになっている左腕のクリスタルでそれを受け止めた。

「オオォォォ・・セイッ!」

 

 右拳に電気を纏わせたオーブはカウンターでレイネクスを殴りつけるとそのまま腕を掴んで背負い投げをする。

「くっ・・・姿を変えたからといって我に敵うなど・・」

 

 起き上がったレイネクスは体勢を立て直そうとすると既に戦いを終えているメビウス達に手足を掴まれた。

「今だオーブ!囚われている娘を助けるのだ!」

 

「ッ!」

 

 タロウの言葉に頷いたオーブは頭部の左右にあるスリットに右手を当てた。

 

 

 

 

~~ガイ~

 

「ッ!」

 

 頭部の左右にあるスリッドから解析波を放った俺はクリスタルに接続されている部分を特定して標準を定める。

「ギンガエックスライトニング!!」

 

 そこだけに狙いを定めて俺は電撃光線を放つ。その雷撃光線はサイバードレイネクスの睦美がいるクリスタル部分と繋がっている部分のみを粉砕した。

「シィァ!」

 

 メビウスさんは取れたクリスタル部分をキャッチすると・・・クリスタルは砕けて睦美が出てきた。

「大丈夫。気を失っているだけです」

 

 睦美の無事を安心したのもつかの間、コアであるクリスタルが失われてもなおサイバードレイネクスは俺へと剣を振り下ろしてくる。既にレイブラッドの魂は睦美ではなくあのボディの方にあるようだ。

「オーブ!!もう睦美は無事なんだから全力で決めちゃって!」

 

「シュァ!」

 

 久遠の言葉に頷いた俺はインナースペースでオーブリングを構える。

「ガイアさん!」

『ウルトラマンガイア・スプリームヴァージョン!』

 

「80さん!」

『ウルトラマン80!』

 

「揺るがない力、頼みます!」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!サクリウムスプリーム!』

 

 ガイアさんが全ての力を解放した形態であるスプリームヴァージョンと80さんの力をお借りした俺はややマッシブな赤いボディに青と黒のラインが入った姿のサクシウムスプリームへと変わった。

「大地に響くは猛き心」

 

~~久遠~

 

「大地に響くは猛き心」

 

 ややマッシブな姿になったオーブはサイバードレイネクスの振るってきた剣を右手で掴むと膝でそれをへし折ったかな。

「何っ?!」

 

「デュァ!!」

 

 その膝に蹴りを入れたオーブは右肩と左腕を掴んで地面に叩きつけると、すぐに持ち上げてもう一度地面に叩きつけたかな。

「くっ・・・」

 

 サイバードレイネクスはサイバー怪獣としての部分から火花を散らしながらも立ち上がると邪気の塊をオーブへと飛ばしてきた。

「ッ!」

 

 その邪気をアッパーカットで空に弾き飛ばしたオーブは重量上げのようにサイバーレイネクスを高々と頭上に持ち上げると回転の勢いも乗せて投げ飛ばしたかな。

「がはっ?!」

 

 何度も『投げ』の攻撃を受けたサイバーレイネクスは鎧にヒビが入る。そろそろあの鎧も限界かと思った途端、そのヒビが即座に直ったかな。

「シュァ・・」

 

 オーブも鎧がすぐに直されたことに驚いたような反応をすると、杏が私達の前へと出た。

「すぐに直っちゃう鎧なら直り切る前に粉々にしちゃいなよオーブ!」

 

 杏は直球だけど案外イケるかもしれないことを言うと、オーブはその言葉に頷いた。

「オォォォ・・・セェァ!!」

 

 バック宙で後ろへと下がったオーブは少し助走をつけてドロップキックを決め込むと、即座にサイバーレイネクスの腰を掴んでジャーマンスープレックスを決めたかな。

「シュァ!」

 

 そこから更に赤い光を纏ったキックを叩き込むとまたも鎧にヒビが出来たかな。

「今だよオーブ!」

 

「バックストリーム光線!」

 

 腹部のバックルを輝かせたオーブは合掌した状態から右手を下にずらして隙間とバックルから2つの光線を放った。

「ぐぁっぁ・・・」

 

 その光線でサイバーレイネクスの鎧が粉々に砕けた。これでサイバーレイブラッドがむき出しになったけれど、かなりのダメージを負っているはずなのにまだ立ち上がった。

「諦めろレイブラッド!お前の野望は既に潰えた!」

 

 レイさんはサイバーレイブラッドに対してそう告げると、メビウスさん達はサイバーレイブラッドを取り囲む。

「レイモン。それに光の戦士達。・・・またしても貴様らに・・」

 

「オーブスプリーム・・・カリバァァァァァ!!」

 

「ストリウム光線!」

 

「「「シュァっ!!」」」

 

 5人のウルトラマンは一斉に光線を放ち、それをサイバーレイブラッドへと浴びせる。

「ここで我を倒したところで・・・宇宙から闇は消えきらんぞ」

 

「だろうな。だがな・・・だからこそ俺達ウルトラマンがいるんだ。たとえ何度お前が復活しようと、俺達ウルトラマンはお前の野望を何度でもぶち破る」

 

 そう言ったオーブは両腕を十字に構えてさらに追加の光線を放つと・・・サイバーレイブラッドは爆発してデータも完全に消滅した。

 

 

 

~~睦美~

 

 

「あれ?ここは・・・?」

 

「良かった。目が覚めたかな」

 

 目が覚めると私の目にはお姉ちゃん達トリコリメンバーが映った。お姉ちゃん達がいるってことは・・・ここは日本ってことだよね。

「確か私・・・レイブラッドに身体を乗っ取られて・・・」

 

 意識がレイブラッドの闇に呑まれてたのは覚えてるけど、ここまで来たのは覚えていない。たぶん意識が乗っ取られてる間にここまで来たんだろうな。

「ガイ、ありがとう」

 

 私は助けてくれたガイにお礼を告げる。するとガイは上の方を見上げた。

「俺1人の力じゃどうにもならなかった。あの人たちにもお礼を言ってくれ」

 

「・・・っ!」

 

 上を見上げてみるとそこにはオーブとは違う5人のウルトラマンが立っていた。

「ありがとう。ウルトラマン」

 

「「「「「っ!」」」」」

 

 私の言葉に頷いた5人のウルトラマンのうち4人は空へと飛び去っていったけど、右手に青いツナギのような隊員服を着た男の人を乗せているウルトラマンだけがこの場に残っていた。

「メビウスさん?どうかなさったんですか?」

 

「・・・高エネルギーを宿していたとはいえ魂だけのレイブラッドに手引きをした存在がいます。その相手はおそらくべリアルやレイさん、そしてそこの彼女と同じくレイオニクスである可能性が高いです。まだ確信がなく僕はこのまま調査を続けますが・・・オーブも気を付けてください」

 

 ガイがメビウスと呼んだウルトラマンはそうガイに告げて空へと飛び去っていった。あの手に乗っていたレイって人も私と同じレイオニクスだったんだ。

「闘い、終わらず・・か」

 

 たぶんガイはこの事件を最後まで追うつもりなんだと思う。相手もレイオニクスなら私も何か力になってあげたらと思ったけど・・・私に何ができるのかは分からなかった。

 




ウルトラヒーロー大研究

ウルトラマンオーブ・サクリウムスプリーム
属性 闘属性

 高い戦闘能力を持つガイアさんの強化形態スプリームヴァージョンと同じく高い戦闘力を持つ80さんの力をお借りした猛き姿、それがサクリウムスプリームだ。格闘技・・・特に投げの戦い方に優れているこの形態はアーマードダークネスの鎧も打ち砕けるほどの力だぞ。

クロスゴモラ
属性 土属性

 レイさんのEXゴモラと大地さんのサイバーゴモラ、その2体の力を借りたジャグラーが変身した新たなゴモラ。それがクロスゴモラだ。サイバーゴモラアーマーを纏ったEXゴモラのような姿の通り戦闘力はかなり高く、尻尾から新月斬波と同様の『新月斬尾』を放ったり、闇の波動を合わせた超振動波である『超絶蛇振動波』を必殺技に戦うぞ。


次回「ウルトラファイトオーブ 前編」

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