ウルトラマンオーブ 天かける星の祈り歌   作:彩花乃茶

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今回も引き続きオリジナルサイバー怪獣だらけです。


新たな器

~~杏~

 

「シュァッ!」

 

「ハァァァ・・・ザァッ!」

 

 オーブとジャグラーの変身してる偽オーブ・・スぺリオンダークが同時に駆け出す。

「ダァッ!」

 

「ヌンッ!」

 

 光輝く右拳を叩き込んだオーブに続いてスぺリオンダークが闇を纏った左脚で蹴り込む。

「スぺリオン光輪ッ!」

 

「ダスぺリオン光輪!」

 

 至近距離から同時に光輪を投げつけた2人は後ろに跳んで距離を取ると・・・サイバーマガオロチは2人に向けて雷撃を放ってきた。

「スぺリオン光線!!」

 

「ダスぺリオン光線!」

 

 オーブとスぺリオンダークはその雷撃を光線で相殺すると、サイバーマガオロチは尻尾の棘をミサイルのように飛ばしてきた。

「「っ!?」」

 

 2人はそれを避けきれずに土煙が舞う。すると土煙の中からは赤と黒の禍々しい目つきのオーブとゼッパンドンが出てきた。

「ヴォォォッ!!」

 

 サイバーマガオロチの頭を掴んだオーブはそのまま地面に叩きつけると赤黒く輝く光輪で尻尾を切断した。サイバーマガオロチは仕返しと言わんばかりに熱線をゼッパンドンの方へと放った。

「俺の方かよ。・・・ゼッパンドンシールド!」

 

 ゼッパンドンは光線を吸収するバリアでその熱線を受け止めると・・・オーブは聖剣を持つ本当の姿に変わって、ゼッパンドンも魔人姿のジャグラーに変わった。

「俺1人なら苦戦したかもしれないが・・・生憎今は2人なんでな」

 

「2対1が卑怯って思うなら、もう1体ださなかった主人を恨むんだな」

 

 オーブとジャグラーは同時に剣を構えてその刃に力を込める。

「決めるぞ!蛇心剣・・・新月斬波!!」

 

「オーブスプリーム・・・カリバァァァァァ!!」

 

 ジャグラーの斬撃とオーブの聖剣から放たれた光線がサイバーマガオロチに直撃すると、サイバーマガオロチは爆発してデータが散らばった。

「レイブラッドは・・・っ」

 

 オーブは辺りを見回して睦美を探したけど・・・既にこの辺りに睦美の姿はなくなっていた。

「くそっ・・また逃げられた」

 

 変身を解いたガイとジャグラーがこっちへとやってくる。

「ねぇガイ・・・何があったの?」

 

 

 

 

~~音々~

 

 久遠さんを右手に乗せたオーブが睦美さんの身体を乗っ取ったレイブラッド星人の亡霊を追って飛び去っていってから数分後、レイブラッドが出現させた3体のサイバー怪獣とレイさん達の戦いは架橋を迎えていたのです。

「・・・なるほど。サイバーサイゴーグにサイバーキングオブモンス。それとサイバーサイクイーンですか」

 

 大空さんのエクスデバイザーから私のタブレットに送られてきたデータでそれぞれが戦っているサイバー怪獣が判明したのです。

「イィィィサァッ!」

 

 エックスが戦っているのがサイバーサイゴーグ。そのモデルとなっているのは閻魔獣サイゴーグと呼ばれる怪獣であり、背びれから自身の分身とも呼べる怪獣たちを作り出して怪獣地獄を築き上げようとした解呪らしいのです。

「あの青いのもサイバー怪獣ってやつだよな」

 

「サイバーゴモラ。大空さんが呼び出したサイバー怪獣なのですよ」

 

 大空さんが呼び出したサイバーゴモラと戦っているのはサイバーキングオブモンス。最強合体獣キングオブモンスがモデルとなっているサイバー怪獣で、モデルであるキングオブモンスは少年が何でも願いを叶える赤い球に願ってしまったことで現れた怪獣だと記載されているのです。

「ゴモラ!リトラ!」

 

 レイさんの呼び出した古代怪獣ゴモラと同じく古代生物である翼竜のリトラが戦うのはサイバーサイクイーン。モデルとなる宇宙悪魔サイクイーンはかつてガイさんが戦ったらしいのですが、大空さんの解析データにはあまり詳しくは載っていないのです。

「どれも魔王獣に匹敵する強力な怪獣たちがモデルのサイバー怪獣のようですが・・・大空さん達は絶対負けないのです!」

 

 数字的な要素ではなく、ただの感情論ですが・・・負ける気はしなかったのです。

「決めるぞゴモラ!」

 

「ひゃぅ!?」

 

 レイさんのゴモラから熱波が飛んできたかと思うと・・・レイさんのゴモラが赤く変化したのです。

「超振動波だ!!」

 

 ゴモラはサイバーサイクイーンに角を突き刺すと、その超振動波を受けたサイバーサイクイーンは爆発してそのデータも消滅したのです。

「よしっ!」

 

「やったのです!」

 

 私と兄さんはレイさんのゴモラが3体のうちの1体を撃破したことに喜びの声を挙げると、大空さんが呼び出したサイバーゴモラも両腕の爪をサイバーキングオブモンスへと突き刺しました。

『ゴモラ!サイバー超振動波だ!』

 

 エックスから聞こえてくる大空さんの指示でサイバーゴモラも超振動波を発動すると、サイバーキングオブモンスも爆発してデータが消滅したのです。

『よくやったゴモラ!・・・こっちも決めるぞエックス!!』

 

「あぁ!」

 

 エックスはまたも銀色のデコっている姿へと変化すると、金色のアーマーを身に纏いました。

「『ベータスパークアーマー!』」

 

 どことなく紫のオーブに似た雰囲気のあるアーマーを身に纏ったエックスは手にしている剣を振り下ろしてサイバーサイゴーグが伸ばしてきた触手を切断したのです。

「『ベータスパークソード!』」

 

 さらに剣を振り上げたエックスは光り輝く刃でサイバーサイゴーグを切り裂きつつも後ろに跳び下がって剣を変形させ弓矢にしたのです。

「『ベータスパークアロー!』」

 

 エックスがベータスパークアローと呼んでいる弓矢を放つよりも前にサイバーサイゴーグは口から光線を放ってきたのです。当然まだそれに溜めている途中だったエックスはそれが直撃してしまったのですが、爆炎の中から出てきたエックスはその攻撃にまるで動じずにベータスパークアローを構えながら立っていたのです。

「『ッ!!』」

 

 ベータスパークアローから光線を放たれると・・その光線はサイバーサイゴーグを討ち抜いたのです。撃ち抜かれて風穴が空いたサイバーサイゴーグは爆発とともに他の2体と同様にデータが消滅すると、ユナイトを解除してサイバーゴモラのリアライズを解除した大空さんが戻ってきたのです。

「本物じゃないけどやっぱりサイゴーグだけあってベータスパークアーマーを使わないときつかったね」

 

『あぁ、今のレイブラッド星人が本物を呼び出して操る力を持っていないで良かったな』

 

 レイブラッド星人がレイオニクスであるレイさんと同じ力を持つとすると・・・本来は怪獣を操る力を持っているということなのです。ですが今のレイブラッドはまだ身体が復活していない状態でそこまでの力を持っていないのでサイバー怪獣で代用しているようなので、完全に復活してしまった時が怖いのです。

「俺達もオーブと合流するぞ」

 

「そうですね。急ぎましょう。エックス!またナビを頼むぞ!」

 

『あぁ!・・・この先、しばらく道なりです』

 

 私達は兄さんの車に乗るとエックスのナビで睦美さんのもとへと向かい出したのです。

 

~~久遠~

 

「・・・そういう訳で睦美はレイブラッドに身体を乗っ取られちまったってわけだ」

 

 ガイは私達に睦美がレイブラッドに身体を乗っ取られてしまった経緯を説明してくれた。

「ねぇ・・・もしかしてそのカプセルってさゼットが使っていたものと同じだったりする?」

 

 杏はガイにそう尋ねるとガイはそれを肯定するように頷く。確かゼットってやたらゼットンを仕掛けてきた魔人だったかな。

「だったらさ、そのカプセルの力を解放する道具ってBRGに回収されたんじゃないの?」

 

「あっ!」

 

 確かにゼットがゼットンバルタン星人とかいう姿になってオーブに倒された時、爆発跡からそれらしい道具を回収したって朧伯父さんが言っていたかな。

「・・・だとするとレイブラッドが向かった先はBRG日本支部ってことになるのかな」

 

「ガイ殿、2人を連れて先に行ってくれ。私もすぐ追いつく」

 

「分かった。2人とも急ぐぞ!」

 

 私と杏を抱えたガイはもの凄い速さでBRG日本支部へと駆け出すと、数分もかからないうちにBRG日本支部に到着したかな。

「・・・これは・・」

 

 BRG日本支部の入り口付近には数人の隊員たちが倒れていたかな。

「みんな!大丈夫?!」

 

「く・・久遠ちゃん。・・・何だか様子のおかしい睦美ちゃんが来たと思ったら・・・いきなり・・」

 

 私は近くに倒れていた隊員の1人・・・西田さんに話を聞く。やっぱりもうここに睦美が来ていたかな。

「中に行くかな!」

 

 倒れている人を辿っていくように奥へと進んでいくと・・・レイブラッドが求めている道具が保管されている部屋で朧伯父さんが睦美へと銃を向けていたかな。

「睦美ではないな。・・・貴様、何者だ?」

 

「もうその質問は聞き飽きた」

 

 睦美は右手に邪気を溜めて、それを朧伯父さんへと向けて飛ばすと・・・朧伯父さんの前に出たガイは短剣でそれを切り裂いた。

「大丈夫ですか?」

 

「・・・すまん。助かった。ところで・・・あれは睦美なのか?」

 

「身体は本物の睦美かな・・。今はレイブラッド星人ってのに乗っ取られちゃってるけど」

 

「なるほど・・。そしてここに来たということは目的はこの装置というわけだな」

 

 流石朧伯父さん。話が早くて助かるかな。

「ならこの装置を破壊して・・・」

 

 朧伯父さんはものがしまわれているケースに取り付けられている小型の爆弾を起爆しようとスイッチを押そうとすると、睦美は自分で自分の首を絞めたかな。

「おっと・・妙な真似をすると、この身体の者がどうなってもしらんぞ」

 

 レイブラッドはあろうことか睦美の身体を人質に取ってきたかな。

「っ・・・」

 

 迂闊に動けなくなった私達をよそに睦美はケースを開いてゼットが使っていたという赤い道具を取り出したかな。

「これがライザーか・・」

 

 睦美がライザーと呼んだ道具を手に取った瞬間・・・ライザーは黒い光を放ったかな。

 

 

~~睦美~

 

「ここは・・・何処?」

 

 自分の手すらもまともに見えないほどに真っ暗な世界に私は1人いた。いや、暗いだけじゃなく自分の声すらも響かないせいで自分が本当にここにいるのかさえも不安になってきた。

「目覚めよ・・我が力を継ぐものよ」

 

 暗闇から響いてきた声に気づくと、私は自分の手足が見えるようになった。

「この声・・・何処から・・」

 

 自分の声も響いてることに気づく。だけどこの暗闇から抜け出したわけではないっぽい。

「貴方がレイブラッド星人?」

 

「如何にも。我こそがレイブラッド」

 

 やっぱり声の主はレイブラッド星人だった。

「お前の身体を新たな器として再び現世に顕現しよう」

 

 そう言ったレイブラッド星人は私に何かを飛ばしてくると・・・私は自分の意思とは関係なくそれを右手で掴んでしまう。

「何これ?・・・っ?!」

 

 私の手に握られた白いデバイスはいきなり光を放ちながら形状が変化して青いデバイスに変貌した。

「我が取り付いてるとはいえ・・・お前自身の潜在能力も大したものだな。レイオニクスバトルもなしにバトルナイザーを進化させるとは」

 

「私の・・・潜在能力?」

 

 レイオニクスの血を継いでいるだけなのに・・・並みのレイオニクス以上の力を持っているっていうの?

「お前のレイオニクスとしての潜在能力はべリアル並といったところか。しかし本人に宇宙を支配しようという欲がないのではやはり持つべき力に意味はない」

 

 そのべリアルってのが誰のことなのかは分からないけど・・・。確かに私には宇宙を支配しようだなんて考えはこれっぽっちもない。

「その身体を完全に支配する前に1つ良いことを教えておいてやろう。・・・お前のいた島で怪獣たちが突如として暴れただろう」

 

「・・・どうせ貴方のせいでしょ?」

 

「それは違うな。本当は薄々気づいているのではないか?あの怪獣たちを暴れさせてしまっていたのはお前自身だったことにな」

 

 私自身が・・・リドリアスとバードンを暴れさせちゃった?

「そんなはずない!」

 

「お前はバトルナイザーを持たずしても怪獣を多少従わせ、言葉を伝えることができていたはずだ。その力が我がこの地へとやってくるとともに更に拡大され、お前が抑えきれておらぬレイオニクスの力が怪獣たちを暴れさせたのだ」

 

 私の中のレイオニクスとしての力が・・・抑えきれなくなってる?

「今の自分の姿を見ろ」

 

 闇の中に光が出現したかと思うと、私の目の前に鏡が現れる。私は言われるがまま鏡で自分を見て見ると・・・そこには青い宇宙人が立っていた。

「これ・・・私なの?」

 

「お前の中にあるレイオニクスの力だ」

 

「・・・っ!」

 

 動揺してないと言えば嘘になるけど・・・今は耐える。ここで心を乱せば間違いなくレイブラッド星人に身体が奪われてしまう。

「やはりまだ耐えるか・・・」

 

「・・・・・」

 

 よくよく考えて見たら、少し引っかかる部分があった。なんでこのレイブラッドは完全に私の身体を乗っ取り切れてないの?もう現実の世界では私の身体を操ってるはずなのに・・・。

「身体を支配するだけじゃ私の中にあるレイオニクスの力までは乗っ取れない。・・・だから私の心を壊す必要がある。・・・そうでしょ?」

 

「ほう、理解が早いな」

 

 レイブラッドは私の推理を肯定した。真っ暗な世界で一人ぼっちにしたりレイオニクスとしての姿を見せたりして私の心を壊そうとしていたんだ。

「目的さえ分かればもう・・・大丈夫。私の心は折れたりしない」

 

 だってきっとガイやお姉ちゃんが・・・私を助けてくれるから。それまで私は・・・レイブラッドの力に抗うから。

 

 

 

~~久遠~

 

「ふむ、バトルナイザーが即座に進化するほどにまでレイオニクスとしての力はべリアル並だというのに・・・まったくといっていいほどに支配欲がないのだな」

 

 黒い光から出てきた睦美の手にはライザーの他にもレイさんと同じ青いデバイスが握られていたかな。

「支配欲って・・・そんなのないのは当然かな」

 

「平和な星で育った地球人というのは野心が足りなくていかんな」

 

 睦美の身体に取り付いているレイブラッドはそう言いながらため息をつくと、徹さん達がこの部屋へとやってきたかな。

「レイブラッド!!」

 

「もう1人の怪獣使いの気配・・・レイモンか」

 

「その娘の身体から出ていけ!!」

 

 レイさんは睦美の中にいるレイブラッドに出ていくように告げたけど、まるでそれを期にするそぶりもない睦美は回収された他のカプセルにも目を向けた。

「こういったものを使ってみるもの悪くないか」

 

 レイブラッドがそれらのカプセルを掴み取ろうとすると、ガイとレイさんがほぼ同時に駆け出した。

「誰がそれを使わせるかよ!」

 

「レイブラッド!!」

 

「・・・うっとおしい」

 

 ガイとレイさんに対してレイブラッドは邪気のようなものを飛ばして来て、2人は身動きが取れなくなってしまう。

「ぐっ・・・フンッ!」

 

 レイさんはその邪気を体から光を放つことで振り払うと・・・その姿は青くウルトラマンとは違うけれど、似てなくもない姿になっていたかな。

「あれがレイさんがレイオニクスの力を解放した姿ってことかな」

 

「フン。流石はレイオニクスバトルを戦い抜き、あまつさえ私の支配に耐えただけはあるな。だがそれも何処まで耐えられるかな?」

 

 レイブラッドは邪気をさらにレイさんへと放つと・・・レイさんは身体が青から赤に変色したり、戻ったりを繰り返しながらも少しづつ前へと進んでいく。

「俺もかつてはレイブラッドの力に呑みこまれてしまいそうになった。だがボス達・・・仲間達のおかげでそれを乗り越えることができた。お前もきっと乗り越えられるはずだ」

 

 邪気を振り払ったレイさんはそう言いながら睦美の肩を掴むと・・・そのまま頭突きを睦美に叩き込んだかな。

「まさか頭突きをするなんて・・・」

 

「ボスには拳で止められたが・・・流石に子供を殴るのはどうかと思ってな」

 

 流石に頭突きをするなんて思っていなかったけど・・・まぁ殴らなくてちょっと安心したかな。

「くっ・・・まだ抗うか・・。いい加減に・・消えろぉ・・」

 

 レイさんの頭突きを受けたレイブラッドはそれとは関係なしに苦しんでいる反応をし出した。きっと睦美がレイブラッドから身体を取り戻そうとしているんだ。

「頑張って睦美・・っ」

 

「くっ・・・だが今更抗おうと・・もう遅い!」

『フュージョンライズ!』

『サイバーレイブラッド!』

『アーマードダークネス!』

『サイバードレイネクス!』

 

 黒い道具にサイバーレイブラッドのカプセルをセットしたレイブラッドはそれを赤い道具でスキャンすると・・・その姿がサイバーレイブラッドが黒い鎧を纏ったような姿に変わったかな。

「ッ・・・あの鎧は・・・」

 

 短剣で邪気を切り裂いて動けるようになったガイは黒い鎧を纏ったレイブラッドを見上げて何かに気づいた反応をした。

「あの鎧のことを知っているのかあんちゃん?」

 

「あの鎧はアーマードダークネスって言って暗黒皇帝エンペラー星人の鎧だ。まさかあのカプセルをゼットが持っていたなんてな」

 

 そう言ったガイはすぐさま外へと出ていくと、その後を追って大地さんとレイさんもそれを追うように外へと出ていく。きっと3人とも戦う気かな。

「・・・久遠、あの者達はいったい?」

 

 私達もそれを追いかけようとすると朧伯父さんはガイ達の事を尋ねてきた。

「みんなのヒーローで・・・私達の大切な仲間かな」

 

 

 

~~ガイ~

 

「おいおい、いったい何やってるんだガイ。結局レイブラッドのやつが身体を得ちまってるじゃないか」

 

 俺達が外へと出ると・・・ジャグラーが刀でレイネクスを示しながらそう告げてきた。これに関しては言い返すことはできないな。

「とっととあれをぶっ潰すぞ」

 

 刀をしまったジャグラーはダークリングを取り出すと大地さんとレイさんもそれぞれエクスデバイザーとネオバトルナイザーを構えた。

 

「エックスゥゥゥゥ!!」

 

 大地さんはエックスさんとユナイトしてウルトラマンXへと変身すると即座に銀色の姿、エクシードエックスへと姿を変えた。

「行くぞ、ゴモラ!」

 

 レイさんもゴモラを召喚すると、ゴモラは強い衝撃とともにその姿を変える。レイさんの力で極限まで強化されたゴモラ・・・EXゴモラだ。

「行くぞジャグラー」

 

「・・・フン・・!」

『フュージョンアップ!』

『スぺシウムゼぺリオン!』 

 

 ジャグラーがスぺリオンダークへと変身してエックスさんの隣に並ぶと、俺もカードを取り出す。

「ギンガさん!」

『ウルトラマンギンガ』

 

「ビクトリーさん!」

『ウルトラマンビクトリー!』

 

「エックスさん!」

『ウルトラマンエックス!』

『トリニティフュージョン!』

 

 ギンガさん達のカードをリードした俺は3つの力が合わさったアイテム・・・オーブスラッシャーを手に取る。

「3つの光の力、お借りします!オーブトリニティ!!」

 

 オーブスラッシャーに宿る3つの光の力を解放した俺はオーブトリニティへと変身してEXゴモラの左側に並び立つ。

「俺はオーブトリニティ・・。3つの光と絆を結び、今立ち上がる!」

 

 

 

~~杏~

 

「俺はオーブトリニティ・・。3つの光と絆を結び、今立ち上がる!」

 

 丸鋸を手に取りながらそう名乗ったオーブがエックスとスぺリオンダーク、それと何だかゴツくなったゴモラと並び立つと、サイバードレイネクスは両腕を前へと突き出す。

「新たな身体を手に入れた我に敵うとでも思っているのか?」

『マガバッサー!』

『マガグランドキング!』

『マガジャッパ!』

『マガパンドン!』

『サイバーマガタノオロチ・リードします』

『リアライズ』

 

 サイバーレイネクスはオーブが前に倒した4体の魔王獣を呼び出すと、更にサイバー怪獣版のマガタノオロチまで出してきたかな。

「魔王獣達よ。我に従え!ウルトラマン達を倒すのだ!」

 

 魔王獣達が一斉にオーブ達に駆け出して、オーブ達も構えた瞬間・・・空から急降下してきた光がマガバッサーをなぎ倒した。

「・・シィァ!!」

 

 そこにはまた見たことがないウルトラマンが金色の剣を右腕から出している姿があった。

「メビウス!」

 

「遅れてすみませんレイさん。調査をしていたら合流に遅れてしまいました」

 

 レイはあのウルトラマンのことをメビウスと呼んだ。ってことはあの戦士が前にレイさんが一緒に戦ったっていうヒビノミライ・・・ウルトラマンメビウスなんだね。

「メビウスさん・・」

 

「オーブ、魔王獣達は僕達に任せてくれ」

 

「僕達?・・・っ!」

 

 メビウスは起き上がって再び襲ってきたマガバッサーに剣を振り下ろすと、マガグランドキングの前に二本角の赤い戦士が着地した。預かってたカードを見て覚えてるよ。・・・確かあのウルトラマンは・・・

「ウルトラマンタロウだ!」

 

「イィィィサァッ!・・・っ?!」

 

 デコっているエックスも虹色の剣でマガジャッパに斬りかかろうとしたけど、その悪臭で剣を止めて後ろに下がってしまう。すると空からまるで流星のようなキックをしてきた戦士がいた。左腕にブレスレットがあるから・・・あれがウルトラマンジャックだね。

「ダスぺリオン光輪!」

 

 スぺリオンダークは光輪をマガジャッパへと投げつけようとしたけど、光輪はマガパンドンの放った火炎放射で燃やし尽くされてしまった。するとスぺリオンダークの後ろから銀色に輝く刃が飛んできた。

「デュア!」

 

 ウルトラセブンのアイスラッガーだ。

「こちらの魔王獣は私達が引き受ける。君達はマガタノオロチを任せる」

 

「簡単に言ってくれるじゃないか。・・・だがまぁ・・そうするとするか」

 

 魔王獣達をメビウス達に任せて、マガタノオロチをエックス達に任せたオーブはレイネクスへと丸鋸を構え直すと、レイネクスも腰の剣を引き抜いた。

「勝負だ!レイブラッド!お前を倒して睦美を救ってみせる!」

 

「いいだろう。かかってくるがいい。光の戦士!!」

 




ウルトラヒーロー大研究


サイバーレイネクス
属性 闇属性

 サイバーレイオニクスの力が宿った怪獣カプセルとアーマードダークネスの怪獣カプセルの力でレイオニクスが新たに得た身体。それがサイバードレイネクスという体だ。サイバー怪獣としてのレイオニクスのボディにアーマードダークネスの鎧が纏われたこいつはいったいどれほどのものなんだろうか?

サイバーマガタノオロチ
属性 全属性

 マガタノオロチがサイバー怪獣として再現された怪獣、それがサイバーマガタノオロチだ。その戦闘力は俺とジャグラーが倒したサイバーマガオロチを上回る戦闘力で本物のマガタノオロチと同様の技を使える危険な存在だ。

次回「闇討て光の戦士達」

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