ウルトラマンオーブ 天かける星の祈り歌   作:彩花乃茶

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 今回も含めて残り話数は10話ぐらいの予定です。


3つの光の力

~~音々~

 

「エックス!ナビを頼む!」

 

『分かった!・・・この先、2キロ先。左方向です』

 

 大空さんに案内を頼まれたエックスさんは何だかカーナビみたいなことを言い始めたのです。一応ウルトラマンなはずなのにそれでいいのです?威厳がまるでないのですよ。

「・・・あの館の主、宇宙魔女賊ムルナウはこの地球を宝石に変えるって言っていた」

 

 宝石に?

「宝石に変えるってのはどういう事なんだ?」

 

「ムルナウは魔法で物を宝石に変えてしまうことができる。あいつはその力を奇機械怪獣デアボリックに組み込んでるらしくてな。そいつで一気にこの地球を宝石に変えちまうのが目的らしい」

 

 私はすぐさまタブレットで確認をすると・・・デアボリックと思われる身体の半分以上が機械になっている怪獣が街を破壊しながらも周囲を宝石に変化させている映像があったのです。

「もちろん俺も協力します。一緒にデアボリックを倒しましょう」

 

大地さんもデアボリックを倒すのに協力してくれるようなのです。

「デアボリックもそうですが・・・ムルナウの方も何とかしないといけないんだ。ムルナウはウルトラマンネオスさんとウルトラマンリブットさんの2人を宝石に変えてしまっていた」

 

 ムルナウという魔女はウルトラマンまで宝石に変えてしまっているのですか。

「あの魔女。そんなに強力な奴だったのか」

 

「前に会った時はそこまででもなかったんだが・・・ジャグラーから奪っていたダークリングで自分の力を増幅していたらしい」

 

 なるほど。それで2人もウルトラマンを宝石に・・。

「けれどまずは目先の問題です。まずはデアボリックの方を解決しないと」

 

『私からも1ついいだろうか?』

 

 大地さんの意見にみんな頷くと、エックスさんが提案をしてきたのです。

『まもなく目的地付近です』

 

 エックスさんも何か提案してくるのだと思っていたら・・・ただのカーナビとしての道案内だったのです。

「・・・間近でみると随分とゴテゴテとしてるな」

 

 車を停車させた兄さんはデアボリックを見上げていると救出に参加できなかった乃理さん達3人が合流してきたのです。

「なんだかいきなりあのゴツいのが出てきたと思ったら街を宝石にしたりして辺りは大変になってるぞ!」

 

「だろうな。・・・ってあれ?あんちゃんと大地の兄ちゃんは何処行った?」

 

「あの2人ならさっきあっちの方に走っていったかな」

 

 こんな時でも相変わらず・・・ガイさんは独断での行動なのですね。

 

 

 

~~ガイ~

 

「ここならいいだろうな」

 

 あいつ等から離れて周囲に人がいないことを確認した俺はオーブリングを手に取る。

「大地!ユナイトだ!」

 

「あぁ!!」

 

 エクスデバイザーからエックスさんのスパークドールズが出現すると、大地さんはそのスパークドールズをデバイスでリードした。

『ウルトラマンXとユナイトします』

 

「エックスゥゥゥゥゥ!!」

『X UNITED』

 

 大地さんがエックスさんとユナイトすることでウルトラマンエックスへと変身をする横で俺もオーブリングにカードをリードする。

「ウルトラマンさん!」

『ウルトラマン!』

 

「ティガさん!」

『ウルトラマンティガ!』

 

「光の力!お借りします!」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!スぺシウムゼぺリオン!』

 

 そして俺もオーブ・スぺシウムゼぺリオンへと変身してデアボリックの正面に着地した。

 

 

~~杏~

 

「イィィサァ!!」

 

「俺の名はオーブ!闇を照らして、悪を討つ!」

 

 デアボリックとかいう機械怪獣の前にオーブとエックス、2人のウルトラマンが並び立つ。するとデアボリックは辺りを宝石に変えていた光線を2人のウルトラマン目掛けて放ってきた。

「ッ!!」

 

 オーブは鏡のようなバリアでそれを屈折させて明後日の方向に逸らしつつ、エックスと2人して距離を詰めていく。

「オォォォ・・・セイッ!」

 

「イィィィサァッ!」

 

 オーブとエックスは同時にパンチを叩き込むと、怯んだデアボリックは少し後ろに下がった。図体がデカくて重そうな感じだったけど、一応打撃は通用しているようだ。

「スぺリオン光輪!!」

 

「エクスクロスチョップ!!」

 

 至近距離で光輪を飛ばしたオーブはそれで砲身の何個かを破壊すると、エックスもX字に切り裂くチョップで反対側の砲身を破壊した。

「デュァ!」

 

「イィィサッ!」

 

 オーブとエックスは同時に後ろへと跳び下がる。するとエックスは身体を捻らせながらエネルギーを溜めて。オーブも両腕にエネルギーを溜める。

『「ザナディウム光線!!」』

 

「スぺリオン光線!!」

 

 そしてオーブとエックスが光線技をデアボリックへと放とうとした瞬間・・・

「「っ!?」」

 

 銃撃による弾幕がオーブとエックスを襲った。

「ちょっとちょっとぉ~。お2人さん、2対1は卑怯なんじゃないの?僕も混ぜてよぉ~!」

 

 その銃撃が飛んできた先に視線を向けるとそこにはサイボーグなのに暑苦しそうなのがいた。

「サデスファイト!!」

 

 暑苦しいサイボーグはナイフを手に取るとオーブへと斬りかかる。するとオーブは腕のゴツイ姿に変わってそのナイフを受け止めた。

「ゼィァ!!・・・フォトリウムシュート!!」

 

「おぉぉぉっと!!?」

 

 ナイフごと暑苦しいサイボーグを弾いたオーブは両腕をL時に構えて光線を放ったけど、暑苦しいサイボーグはそれを耐えて立っていた。

「熱い光線だね!!いいよ!僕も熱くなってきた!」

 

 光線が直撃したんだから熱いのは当然だと思う。というか何で光線を間近で受けたのにあんなにピンピンとしてるの?むしろ何でテンション上がってるの?!Mなの?ドMなの?

「ッ!!」

 

 エックスは「こっちは任せろ」というかのようにオーブに頷いて、1人デアボリックに跳び蹴りを決める。するとエックスはサイバーメカニックに黄色く発光する鎧と右腕に光線砲のようなものを装備した姿になって、その砲身をデアボリックに向けた。

「エレキング電撃波!」

 

 その砲身から電撃を放ってデアボリックを怯ませていると、オーブは黒い道着を着たような姿に変わった。

「ブレイズブラストボール!!」

 

 オーブはサ暑苦しいサイボーグに火球を投げつけると、それをナイフで受け止めた暑苦しいサイボーグはそれをオーブに打ち返した。

「よしっ!ピッチャー返し!!」

 

「ヌゥン!!」

 

 打ち返された火球の爆炎から出てきたオーブは赤い筋肉の塊っぽい姿で出てきて、サイボーグを殴り飛ばす。

「あいたっ!?・・・凄い筋肉だ。僕も負けてられないな。ムンっ!!」

 

 サイボーグは筋肉を見せつけるようなポーズを取っているけど・・・そもそもサイボーグなのにそんなの意味あるの?

「ゼットントルネード!!」

 

「えっ・・!?ゼットン!?」

 

 エックスの方からいきなりゼットンという単語が聞こえたのでつい反応してしまう。どうやらエックスはゼットンのようなアーマーを纏った状態でバリアを展開ながら回転してデアボリックに突撃した。

「ガルラシウム・・・」

 

 その一撃でデアボリックが転倒するとオーブもそっちに視線を向けながら火球を放とうとした瞬間、勢いよく起き上がったデアボリックは右腕から光線をオーブに向けて放ってきた。

「危ないッ!」

 

 エックスはその攻撃からオーブを庇うと・・・その光線を受けたエックスはその身体が宝石に変わってしまった。

「エックスさん?!」

 

「ギャラクティカ!サデスファクション!」

 

 オーブはエックスが宝石に変えられてしまったことに驚いていると、暑苦しいサイボーグはジャンプから勢いの乗ったパンチをオーブに叩き込んできた。

「デュァッ!?」

 

 その1撃をモロに受けたオーブはその場に倒れてしまうと変身が解かれてしまったようで光となって消えてしまう。

「オーブが!?・・・くっ・・」

 

「待ってくださいなのです!」

 

 乃理は真っ先にオーブが消えてしまった場所へと走っていってしまう。音々センパイもそれに付いていってしまう。

「ちょ、ストップ・・」

 

「止まってほしいかな」

 

 私と久遠はそれを止めようとしたけれど・・・結局止め切れなくて結局全員でその場へと向かってしまうと・・・

「くっ・・・そっ・・。サデスの奴・・」

 

 光が消えて元の姿に戻る瞬間のガイがみんなに見られてしまった。

 

 

 

~~久遠~

 

「えっ・・・今の光・・。ガイさんがオーブだったのです?」

 

オーブの正体がガイだと知っちゃった音々が驚きの声を漏らす。

「・・・・・」

 

「大丈夫ですか姉上?」

 

乃理は驚きのあまり軽く放心状態になっているようで扇の呼びかけにもまるで反応しない。

「まぁ・・・僕は何となくそうなんじゃないかぐらいには思っていましたけど、流石にこんな形で正解が明かされると驚きを隠しきれませんね」

 

 扇も薄々は気づいていたけど、確信はなかったので驚いたと言ってるけど・・・とても驚いてるようには見えないかな。

「あれ?久遠はん達はあまり驚いてないようやけど、知っておったん?」

 

 愛は私達がまるで驚いてないことに気づいて、知っていたのかを尋ねてきたかな。

「お嬢様と・・・おそらく会長は知っていたようですが・・・私は知らなかったようですね」

 

 やっぱり杏のお父さんも知っていたかな。・・・だとすると私のお父様もガイがオーブだってことを知っていたのかもしれない。それっぽい素振りをしてたのを見た事があるし。

「お前ら・・・そんなこと話してる余裕はなさそうだぞ」

 

 徹さんに注意されてハッとした私達はデアボリックへと振り向くと・・・デアボリックはガイにトドメを刺すつもりなのか、ゆっくりと迫ってきたかな。

「ガイ!」

 

 私達はガイを守ろうと前へと出る。何ができるのか分からないし、何もできないかもしれないけど・・・何もせずにはいられなかったからだ。

「お前ら!!早く逃げろ!!!」

 

 ガイは私達に逃げるよう叫んできたけど、私達は誰も逃げようとしなかった。

「水臭いぜあんちゃん!」

 

「私達はSSPでガイさんもその仲間なのです!」

 

 徹さんと音々は仲間だから助けあうのは当然だと語る。

「これまで貴方に助けられまくりましたからね。たまには手助けさせてください」

 

「たまにはヒーローを守る正義の味方をさせてくれ」

 

 乃理と扇もこれまで守って貰ったから、それを返したいと思っているようだ。

「これまでお嬢様を守ってくれたこと、感謝しているぞ。ガイ殿」

 

 千佳さんはまるでお別れじみたことを言い出しているかな。

「千佳、何お別れみたいなことを言ってるの?・・・ねぇガイ。みんなガイを信じてるからね」

 

「そうだよガイ。たくさんの運命の出逢いがあって私達はここにいるの。だから立って!」

 

「相変わらず・・・馬鹿な奴らだ」

 

 私は杏と共にガイに手を伸ばすと、ガイは私達の手を取って立ち上がった。

 

 

 

 

~~ガイ~

 

「相変わらず・・・馬鹿な奴らだ」

 

 久遠と杏の手を取って立ち上がり・・・みんなからの絆を感じ取った瞬間、宝石となっているエックスさんのカラータイマーが輝いてそこから光の力が俺の方へと飛んできた。

「っ!!」

 

 俺はその光をオーブリングで受け止めると・・・それはエックスさんの力が宿ったカードとなった。

「絆の・・・光か」

 

 前に久遠の親父さんが言っていたな。光は絆だって・・。なら俺はその絆の力であいつ等を打ち破る!

「ギンガさん!」

『ウルトラマンギンガ』

 

「ビクトリーさん!」

『ウルトラマンビクトリー!』

 

「エックスさん!」

『ウルトラマンX!』

 

 俺はエックスさんのカードに呼応するように輝いていたギンガさんとビクトリーさんのカードをエックスさんのカードと共にリードして力を解放する。

『トリニティフュージョン!』

 

 するとオーブリングから解放された力は1つに集束して丸鋸状の武器が出現する。

「オーブスラッシャー!」

 

 俺はその丸鋸状の武器・・オーブスラッシャーを手に取るとその側面を指でなぞってその力を解き放つ。

「3つの光の力、お借りします!オーブトリニティ!!」

 

 オーブスラッシャーを空へと突き上げると・・・ギンガさんとビクトリーさん、そしてエックスさんの力が俺へと重なって新たな姿へと変身する。

「俺はオーブトリニティ。3つの光と絆を結び、今立ち上がる!」

 

 

 

~~久遠~

 

「俺はオーブトリニティ。3つの光と絆を結び、今立ち上がる!」

 

 新しい姿・・・オーブトリニティに変身したガイは右肩から丸鋸のような武器を出現させながら口上を述べる。

「「いっけぇぇぇ!ガイぃぃぃ!!」」

 

「いっけぇぇえ!あんちゃぁぁぁぁん!!」

 

「ガイさん!ファイトなのです!」

 

 私と杏が声援を送ると、みんなもオーブに声援を送る。するとオーブはこちらを向いて頷くとデアボリックへと飛びかかった。

「おぉっと!せっかくパワーアップしたのなら僕とやり合おうじゃないか!!」

 

「オォォォォ・・・セイッ!!」

 

 ガイがサデスと呼んでいたサイボーグが割って入ってくるも、オーブは構わずサデスに丸鋸を振り下ろした。

「あいたぁぁぁ?!切れてる?!僕の左腕キレちゃってるよぉ!?・・・まだくっつくかな?」

 

 その一撃でサデスの左腕が斬られると・・・サデスは斬り落とされた自分の左腕を拾い上げようとする。

「トリニティウム・・・ブレイク!!!」

 

 そんなサデスに斬撃を飛ばしたオーブは即座に飛びこんで、直接サデスを両断すると・・・その攻撃でサデスは爆発して周囲にその残骸が飛び散ったかな。

 

 

 

~~ムルナウ~

 

「あの馬鹿、やられてんじゃないわよ」

 

 あいつは暑苦しい馬鹿だけど腕はたつ奴だったから我慢してここで雇ってやっていたのに・・。

「お前達、行きなさい」

 

「「承知致しました」」

 

 私はその場にいたバルタン星人とザム星人を戦場へと向かわせることにした。・・・そういえばガッツ星人は何処で何をしているのかしら?

 

 

~~杏~

 

「オォォォッ!!」

 

「FOFOFO」

 

「させません!」

 

 あの暑苦しいサイボーグのサデスを撃破したオーブはその勢いにのってデアボリックも倒しにかかろうとすると、セミっぽい顔の宇宙人と網目顔の宇宙人が背後から奇襲を仕掛けてきてオーブはその場に転倒してしまった。

「バルタン星人・・・ディアス!」

 

「ザム星人デーボス!」

 

 ご丁寧に名乗ったバルタン星人とザム星人はデアボリックとともに倒れているオーブを袋叩きにし始める。

「ガイの奴、不甲斐ないなぁ」

 

 声に反応して振り返ってみるとそこにはダークリングを持ったジャグラーがニヤニヤと袋叩きにされているオーブを見上げていた。

「えっ?誰だお前?」

 

 あぁ、そういや乃理たちはジャグラーにあうのは初めてだったね。まぁ今はそんなことを気にしてる場合じゃないか。

「いったい何をする気なのかな?」

 

 久遠はジャグラーに何をする気なのか尋ねると、ジャグラーはこっちを振り向いた。

「そんなの・・・決まってるだろ」

 

 

~~ジャグラー~

 

「そんなの・・・決まってるだろ」

 

 何をする気なのかと尋ねられた俺はそう言い返しながらカードを取り出す。

「ゼットンさん!」

『ゼットン!』

 

「パンドンさん!」

『パンドン!』

 

「闇の力、お借りします!」

 

 ゼットンとパンドン。2体の怪獣の力を解き放った俺はダークリングを空へと突き上げる。

「超合体!ゼッパンドン!!」

 

 そして俺は合体魔王獣ゼッパンドンへと変身すると袋叩きにされているオーブの背後に立つ。

「おいおい。お前せっかく新しい力を使ってんのにまるでダメダメじゃないか」

 

 俺はオーブをそう小馬鹿にしつつ火球を放った。

 

 

~~久遠~

 

「「ぐあぁぁぁぁっ!?」」

 

 ジャグラーが変身したゼッパンドンが放った火球は・・・オーブではなくオーブを攻撃していたバルタン星人とザム星人に直撃した。

「貴様!何をしている!」

 

「狙うならこっちのウルトラマンの方だろうが!!」

 

 攻撃が直撃した2人はゼッパンドンに怒りの声をあげると、ゼッパンドンは首をかしげたかな。

「お前ら何を言ってる?俺はとっくにお前らの主のところから退職して、仲間なんかじゃないんだぜ」

 

「かといってウルトラマンの味方でもないだろ!」

 

 そうバルタン星人の言う通りジャグラーはガイの味方ってわけでもなかったはずかな。まぁ・・・マガタノオロチのときは確かに協力して戦っていたけど。

「あぁ、確かにオーブの味方じゃないぜ。だがな・・・オーブを倒すのはこの俺だ!他の誰にもやらせねぇ!!」

 

 まさかあのジャグラーからそんなツンデレライバルのテンプレ台詞が出てくるとは思わなかったかな。

「頑張れジャグラー!!」

 

「いっけぇぇぇっ!ジャグジャグ!!」

 

 乃理達はジャグラーのことも応援を始める。・・・まぁ今回ばかりは応援してあげてもいいかな。

「このッ!!」

 

「ふざけやがって!!」

 

 2人の宇宙人はゼッパンドンへと光弾を放つと・・・ゼッパンドンはそれを吸収してしまうバリアを展開して防ぐ。

「トリニティウムシュート!」

 

 ゼッパンドンが2人の宇宙人を相手にしてくれているうちにオーブはデアボリックへと向けて丸鋸から光線を放つと、デアボリックも対抗して口から光線を放ってくる。互いの光線がぶつかり合い、相殺されるとオーブは土煙を潜り抜けてデアボリックへと蹴り込んだ。

「ハッハッハッ!どうしたどうした?」

 

 オーブが少しづつデアボリックを押し始めると、ゼッパンドンも瞬間移動を連続して発動して2人の宇宙人を翻弄していたかな。

「喰らえ!ゼッパンドン撃炎弾!!」

 

 ゼッパンドンの放った火球をバルタン星人は自身の分身を盾にすることで防ぐもザム星人は避けきれないと判断してバリアを張る。

「そらそらそらっ!!」

 

 さらに火球を連射してバリアを砕き、追撃を与えると・・・ザム星人はその場に転倒する。

「トドメだ!!」

 

「させませんよ!!」

 

 ゼッパンドンがザム星人にトドメを刺そうとした途端、屋敷で私達を追いかけていたガッツ星人が巨大な状態で現れたかな。

『さぁ。あなた達はボサッとしてないで早く退職金に奪われたダークリングを取り戻しなさい』

 

 空を飛んでいるムルナウの屋敷から声が響いてくる。どうやら宇宙人たちにゼッパンドンの相手をさせてダークリングを奪い取ろうとしてるっぽいかな。

「ジャグラー・・・」

 

「何こっちを気にしてんだ。お前はとっととそっちのデアボリックをぶっ壊せ」

 

 オーブに自分のことを気にするなといったゼッパンドンは3人の宇宙人に単身で向かって行くも・・・バルタン星人とガッツ星人はそれぞれ4人に分身して翻弄しつつ、隙をついたザム星人が飛び蹴りをしてゼッパンドンはその場に転倒してしまう。

「ぐぉ!?・・・やりやがって・・」

 

「さっきの仕返しだ!!」

 

 起き上がろうとするゼッパンドンをそれぞれ1人に戻ったバルタン星人とガッツ星人が両肩を掴む。そしてザム星人が身動きが取れないゼッパンドンを何度も殴りつけた。

「さぁ!!これでも喰らえ!」

 

「やべ・・・もう・・限界・・」

 

 3人の宇宙人が一斉に放った光弾を受けたゼッパンドンはその場に倒れると光となって消えてしまう。

「それじゃ私はダークリングの回収に行ってきます」

 

 そう言ったガッツ星人はその場から消えた。ジャグラーからダークリングを回収するために人間サイズに戻ったんだ。

「不味いな。奴らにダークリングが奪われちまう」

 

「ダークリングと言うのが何なのかは分からないが・・・とりあえずそれを奴らに奪わせなければいいんだな?」

 

 ダークリングのことを知らない乃理達だったが、それをムルナウ達に渡してはいけないことは伝わったようだ。

「ならそっちは私達に任せろ!行くぞ扇!」

 

「はい姉上!」

 

「あっ、うちも行くぇ」

 

 乃理達はダークリングを奪わせないためにゼッパンドンが消えてしまった場所へと走っていった。

 

 

 

~~乃理~

 

「あれがダークリングだな」

 

 先ほど怪獣に変身していたジャグラーという男の近くにはその変身に使っていたリングが落ちていた。

「しっかりしてくださいジャグラーさん」

 

「・・・くそ・・。正義の味方って・・めんどくせぇ・・」

 

 そうやら喋るぐらいの元気はあるようだが動ける状態ではなさそうだ。

「見つけましたよ。ダークリング!」

 

 鳥顔の宇宙人はジャグラーの近くに落ちていたダークリングに気づいてしまう。こうなったら・・・。

「すまん!奴を振り切ったら必ず返す!」

 

 私はダークリングを持って鳥顔の宇宙人から逃げ出した。

「待ちなさい!」

 

 当然鳥顔の宇宙人は私を追いかけてくる。

「のっちん。パス!」

 

「あぁ!愛!」

 

 

 鳥顔の宇宙人が私に追いつきそうになったので私は愛にダークリングをパスする。

「それを寄こしなさい!」

 

「ほな。あげるわ!」

 

 愛はソフトボールのモーションでダークリングを投げると・・・それは扇がキャッチした。

「ナイスパスです愛さん」

 

「この、貴方達と遊んでいる暇などないというのに・・」

 

「姉上・・っ!」

 

 扇から再び私に戻ってくると・・・しびれを切らした鳥顔の宇宙人は4人に分身して私達を取り囲んだ。

「へっへっへっ。これで逃げられませんよ」

 

「左手は添えるだけ・・」

 

「っ!!受け取れ!!」

 

 私はバスケのシュートのポーズでダークリングを投げる。その相手とは・・・。

「ナイスシュートだ」

 

 起き上がって来たジャグラーだ。

「・・・さてと、これの力で未だにムルナウの力が増幅されたままなのは正直鬱陶しい。なので・・・」

 

 ジャグラーは刀を真上に振るうと、振るわれた真上の空間が斬れる。

「・・・愛してるぜダークリング」

 

 そしてダークリングを斬られた空間に投げつけると・・・空間が元に戻ってしまった。

「ダークリングは異次元に送った。これでお前らの主は力が元通りだろうよ。・・・ガイ、こんなことをしてやったんだから必ず勝てよ」

 

 そう言い残したジャグラーは何処かへと去って行ってしまった。

 




ウルトラヒーロー大研究

ウルトラマンX
属性 鎧(ヨロイ)属性

サイバーウルトラマンことウルトラマンエックスさん。その最大の特徴はサイバーカードというものを用いたサイバーアーマーだ。怪獣たちの力を再現できるサイバーカードで数々のサイバーアーマーを身に纏って戦うぞ。

デアボリック
属性 闇属性

 奇機械怪獣デアボリック。ダークリングでムルナウが呼び出した怪獣で全身が機械化されているんだ。右腕のジェムアームからあらゆるものをクリスタル化してしまう光線を放つぞ。

次回「永遠の輝き」

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