ウルトラマンオーブ 天かける星の祈り歌   作:彩花乃茶

46 / 56
大地救出作戦

~~ガイ~

 

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!ストリウムギャラクシー!』

 

 ストリウムギャラクシーへと姿を変えた俺は全身に炎を灯してサデスへと飛び込む。

「ストキシウム・・・ダイナマイトォォォォ!!」

 

 そしてその炎を一気に解き放つと・・・サデスは全身が炎に包まれる。

「熱っ!?すっごく熱い!でもいいよぉ!バトルもヒートアップしてきたねぇ!」

 

 ヒートアップどころかお前、燃えてるけどな。

「それじゃ今度はこっちからだ!」

 

 サデスは炎を振り払うと右腕の突撃銃で俺を撃ってきたので、俺はそれを熱気で弾丸を溶かすことで防いだ。

「シュァ!!」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!エメリウムスラッガー!』

 

 銃撃を防ぎ切った俺はエメリウムスラッガーへと変わった俺はスラッガーを手に取ってサデスへと斬りこむと、サデスも短剣を取り出してスラッガーを受け止めた。

「今度は刃物で勝負かい?いいよ!存分に斬り合おう!」

 

 お前と斬り合う気なんかないっての。

「オーブスラッガーショット!!」

 

 間近からオーブスラッガーショットを飛ばしつつ、すぐさま後ろに跳び下がる。そして手にしているスラッガーもサデスへと投げつけた。

「超ウルトラノック戦法だ!!」

 

「ウルトラノックってセブンの・・・ぬぉぉぉっ!?」

 

 飛び交う3つの刃がサデスへと斬りこむと、3つの刃が俺へと戻ってくる。すると今のも耐えているサデスは斬撃をこちらに飛ばしてきた。

「ッぁ!?」

 

 スラッガーが戻って来た直後だったのでそれを避けきれなかった俺は、それが直撃するとカラータイマーが赤く点滅してセブンさんとゼロさんの力が抜け出てしまいそうになってしまう。

「しっかりしろ!まだいけるだろ!」

 

「・・・ぁあぁ・・」

 

 セブンさんとゼロさんの力を叩き戻したサデスは俺の肩を掴んでしっかりするように呼びかけてくる。・・・されてる俺が言うのもなんだが・・・何だこの状況?

 

 

 

~~???~

 

「まったく、何をやっているの。あの馬鹿は」

 

 サデスにはガイを・・・ウルトラマンオーブを弱らせてから私のもとへと連れてくるように命令したはずなのに思ったより遅かったのでその戦いぶりを水晶で眺めてみると、何故かあの馬鹿は弱っているオーブを元気づけていた。

「まったく・・・しょうがないわね」

 

 馬鹿に呆れた私は仕方なくダークリングを取り出してテーブルに置いていたカードに手を伸ばす。

「こいつ等にでもしておきましょうか」

『ガッツ星人!』

『バルタン星人!』

『ザム星人!』

 

 適当に選んだ3人の宇宙人のカードをダークリングでリードすると、私の目の前に3人の宇宙人が召喚された。

「もうあの馬鹿に任せきれないからとっととオーブをここに連れてきなさい」

 

「「「了解しました」」」

 

 3人はさっそくプルトンの次元移動を利用して巨大化した状態でオーブと馬鹿の2人を取り囲むと一斉に光弾を放ってオーブを気絶させた。

『痛っ!?ちょっとちょっとぉ~、何で君達邪魔するのさ~!こっからが熱い展開だっていうのに!!』

 

『貴方、初対面なのに慣れ慣れしい・・・というか暑苦しいですね』

 

『館の主が仕事が遅いお前を急かしたんだっての』

 

『はい撤収』

 

 召喚した3人はそれなりに真面目なようで、あの馬鹿とは波長が合わないようだ。まぁあの馬鹿と波長が合う方がおかしいのだけども。

「ただいま戻りました」

 

 私の目の前へと戻って来た3人はオーブの変身が解かれたガイを連れてくると水晶には1人残された馬鹿が映っていた。

『まったく、これじゃ不完全燃焼だよ!』

 

「その馬鹿も連れてきた方が良かったですかね?」

 

「いや、部屋の温度が上げられたら迷惑だからしばらくあのまま放置しましょう。みんな、お茶会の準備をして頂戴」

 

 あの場所とのプルトンのリンクを解いた私は使用人たちにガイとのお茶会をするための準備をお願いした。

 

 

 

~~久遠~

 

「えと。ここは何処かな?」

 

 空間が歪んでしまい目の前からガイがいなくなってしまったかと思うと、私達は誰もいない大通りに立っていた。

「たぶんさっきの空間の歪みでガイさんとは別の場所に飛ばされてしまったようなのです」

 

 もうだいぶ不思議なことになれてきた音々はあまり動揺しないまま冷静に状況を分析しているかな。

「成長したって言えばいいのか・・思考停止したって言えばいいのか・・」

 

「どうかしたのです?」

 

「い、いや。何でもないかな。ところで音々、ここって東京かな?」

 

 パッと見だと渋谷っぽく見えるけど私達以外に人が1人もいないなんて流石におかしいかな。

「圏外になっているので東京どころか日本ですらないのです。最悪私達のいた地球じゃないかもしれないのですよ」

 

 つまり別宇宙の地球ってこと?

「マジか・・。いったいどう戻ればいいんだ?」

 

 徹さんはみんなを巻き込んでしまった責任を感じてか帰る手段を考え始めたかな。

「徹さんらしくないかな。ここは平行世界に来たって驚いたりするところだと思うかな」

 

「とは言ってもな。流石に状況が状況だしな」

 

「へっへっへ。心配することはない」

 

「えっ?誰?」

 

 聞きなれない男性の声が私達に声をかけてきたので振り返ってみると・・・そこには前にヤクトワルトが前に倒した白い鳥顔の宇宙人が立っていたかな。確か名前は・・・

「ナッツ星人!」

 

「ガッツ星人です!まったく何なんですか貴女は。いきなり人の名前を間違えて・・」

 

 あぁ、そう言えばそんな名前だったかな。

「それでそのガッツ星人がなんの用かな?」

 

「貴女方下等な地球人のもとに自分のようなものがやってくるとすれば生け捕りか抹殺かのどちらかですけど。どちらだと思います?」

 

 余裕そうな口調から察するに・・・抹殺の方かな。

「とりあえず・・・」

 

「「「逃げろぉぉぉぉっ!」」」

 

 私達は一斉に駆け出してガッツ星人から逃げ出す。

「イジゲンセカイから逃げられはしませんよ。ブンシンッ!」

 

 するとガッツ星人は2人に分身して追いかけてきたかな。

「「さらにブンシン!」」

 

「「「「もう一回ブンシンッ!」」」」

 

 2人から4人に、4人から8人になったガッツ星人が段々と私達との距離を詰めてくる。すると千佳さんが急に振り返った。

「私が足止めをします。その間にお嬢様たちは避難を!」

 

「ち、千佳さん!?」

 

 千佳さんは1人残ってあれの足止めをすると言い出した。

「前みたいならロボット兵だったらともかく、宇宙人なのですよ!無茶なのです!」

 

「ッ!」

 

 音々はさすがにそれは無茶だと言うと、近づいてきたガッツ星人の1人を回し蹴りで蹴り倒した。

「打撃は通用する。それにこの肉質なら・・・」

 

「このっ!よくも私を!」

 

「これも効くのでは?」

 

 分身の1人が蹴り倒されたことに怒ったガッツ星人の2人は千佳さんへと飛びかかっていくと、千佳さんはBRGの光線銃BRガン・Lを取り出して1人にヘッドショットを決めたかな。

「千佳。それどったの?」

 

「念のためにと黒沢殿に譲り受けていたものです」

 

 なるほど。私達を守るために朧伯父さんい譲ってもらっていたんだね。

「わ、私?!しっかりしなさい私!」

 

「私よ。私はもう駄目なようです」

 

「私ぃぃぃぃぃっ!」

 

「ほら、千佳。時間稼ぎなんかいいから逃げるよ!」

 

 ガッツ星人が自分同士でコントをやってるうちに再び全員で逃げ出すと、渋谷駅っぽい場所が見えてきたかな。

「あそこに隠れるぞ!」

 

「あっ、また空間が・・・?!」

 

 私達は徹さんの判断でそこに逃げ込むことにすると、また空間が歪んだかな。

「って・・あれ?ここは・・」

 

さっきまで宇宙人に追われていたはずなのに・・・今度は屋敷の中に移動させられたかな。というかこの屋敷って私達が向かっていた屋敷の中だよね?

「お前達、運がいいな。迷路を自力で脱出したぞ」

 

 聞き覚えのある声が聞こえてきた場所に視線を向けると・・・そこには執事服を着たジャグラーが立っていたかな。

「てっきりオーブのあの光線で死んだんだと思っていたよ」

 

「光線を我慢したからな」

 

 我慢でどうこうできる問題だったのかな?まぁそんなことよりも・・。

「迷路っていうのはどういうことかな?」

 

「言葉通りの意味だ。それぞれの空間にはこの屋敷に繋がっている抜け道があるんだ。お前達は偶然にもその抜け道を潜ってここに出てきたというわけさ」

 

 へぇ、ちゃんと抜け道が設定されていたんだ。

「さてと、大空大地とかいう人間を探してここに来たんだろ?案内してやるから着いてこい」

 

「どういう風の吹き回しかな?」

 

 散々色々したジャグラーが私達に手を貸してくれるなんて、凄く裏がありそうかな。

「・・・行くぞみんな」

 

 徹さんも警戒はしてるようだけど大空大地って人の手がかりを知ってるのはジャグラーしかいないから、着いていく判断をしたようかな。

「・・・っ!」

 

 私達は徹さんの判断を信じてジャグラーについていくことにした。

「おっと。その前にっと・・」

 

『おっ、おい何をする?!』

 

 ジャグラーはいきなり振り返ると音々からエクスデバイザーを奪い取ったかな。

「当館ではマナーモードもしくは電源を切るかでお願いします」

 

 そう言いながらジャグラーはデバイスにデコピンをすると、デバイスの画面が暗くなっちゃったかな。

「マナーモードにしておいた。それじゃついてこい」

 

「「「「・・・・・」」」」

 

 デバイスをマナーモードにしたらしいジャグラーはしれっとそれを自分の懐にしまっていたのを私達は見逃さなかった。

 

 

~~ガイ~

 

「ここは・・・?」

 

 意識を取り戻した俺は手足が椅子に縛られてしまっている事に気づく。

「お目覚めかしら?」

 

 俺と向かい合うようにこの屋敷の主が座っていた。

「やっぱりお前だったか。ムルナウ」

 

 その主は俺の予想していた通り宝石惑星コボルで遭遇した宇宙魔女賊のムルナウだった。こいつは魔法によって手にしたものを宝石に変えてしまうことができる。その魔法をギャラクトロンにセットしたのがこの間のアレなんだろうな。

「へぇ、私だと気づいていたのね」

 

「あのポンコツロボットを・・・ギャラクトロンに宝石化させる光線を組み込みそうなのはお前ぐらいだからな。だけど1つ腑に落ちない。お前はあんな強力な魔法を使えたか?」

 

 俺はこの地球に来て数千年経っているがこいつ的にはせいぜい俺と遭遇して数年ほどといったところだ。たかが数年で一回に宝石にできる量が林檎1つぶん程度だったやつが森1つを宝石にできちまうほど強くなれるもんか?

「ガイ、貴方は宇宙に伝わる伝説を知っているかしら?」

 

「伝説?何のだ?」

 

「ダークリングにまつわる伝説よ。宇宙で最も邪な心を持つものの手にやってくるというダークリングは持つ者の力を増幅させる」

 

 そういったムルナウはかつてジャグラーが持っていたはずのダークリングを俺へと見せつけてきた。なるほど。今の所有者はこいつになっていて、増幅された力で森1つレベルまで範囲が拡大されたってわけか。

「そしてこれが私のコレクション」

 

 ムルナウが指を鳴らすと後ろのカーテンが開かれて奥にある巨大な宝石が見えた。

「あれは・・・ッ」

 

 俺はその宝石2つを見て驚きの声を挙げてしまう。その宝石はウルトラマン・・それも連絡が取れなくなってしまってると聞かされていたネオスさんとリブットさんだったからだ。

「驚いたかしら?もうすぐ貴方もこのコレクションに加わるのよ。今の姿も悪くはないけど芸術的にはやっぱりウルトラマンとしての姿の方がいいのよね。手っ取り早くもう1度変身してくれないかしら?」

 

「ふざけるな!」

 

 手足に力を入れて俺を縛り付ける茨を解こうとするもそれにも魔法によるコーティングがされているようで抜け出すことはできなかった。

「地球は・・・いえ、宇宙は美しいわ。だけどそれはいずれも朽ちていくもの。私はそれが美しいまま永遠に残しておきたいの」

 

「お前まさか・・この地球を・・・」

 

 この地球を宝石に変えるつもりかと尋ねようとするとムルナウはダークリングに1枚のカードをリードした。

『デアボリック!』

 

「いでよ!奇機械怪獣デアボリックゥゥゥゥゥ!!」

 

 俺はムルナウの水晶をのぞき込むと東京のど真ん中にいきなり身体の半分以上が機械となっている怪獣が現れた。

「始めなさいデアボリック!」

 

 デアボリックは両肩の多砲塔から無差別砲撃を放つと周囲の建物が崩れる。人々は一斉に逃げ出すも、中には瓦礫の下敷きになってしまう人も映った。

「やめろっぉぉぉぉ!!」

 

 俺は身体に力を入れて茨を振りほどこうとするも、やはりほどけない。するとデアボリックは右腕のジェムアームから光線を放つと、光線が当たった場所から半径100メートルほどが一気に宝石に変えられてしまった。

 

 

 

~~杏~

 

「この部屋だ」

 

 ジャグラーについていき部屋の中をのぞき込むと写真でみた大空大地って人が椅子に縛られているのが見えた。

「本当にいた・・」

 

 いまいちジャグラーを信用しきれてなかったけれど案内は確かだったっぽい。だけど警備をしている宇宙人も2人いて迂闊には近づけなさそうだった。

「・・・なぁ知ってるか?かき氷のシロップってさぁ全部同じ味なんだぜ」

 

「えっ?!マジで!?」

 

「色とニオイで違う味で錯覚させてるんだと」

 

 マジか。・・・って私まで驚いててどうする。

「暇なのかな?」

 

「暇だから油断しきってるんだろ」

 

 ジャグラーは1人前に出ていく。

「お疲れ様です。交代しますよ」

 

「あぁ、ありがとう。・・・ぬぉ!?」

 

「ぐぁっ!?」

 

 交代と言われて気が抜けている2人の宇宙人にジャグラーは唐突に刀を振り下ろして、その2人を斬り倒した。

「よしっ!今かな!」

 

 私達も中に入るとすぐさま大地を縛っている茨を解いた。

「っ!貴女たちは?」

 

「エックスさんに頼まれて助けに来たのです」

 

「エックスが・・・ありがとうございます。・・っと」

 

 意識が戻った大地は私達にお礼を言うとジャグラーはデバイスを大地に投げ渡した。

「さてと大空大地、お前は付いてこい。ガイが捕まっているらしいから手を貸せ」

 

「えっ?ガイが捕まってるの!?」

 

「私達も行くかな!」

 

 ガイが捕まってしまっていることを聞かされた私達は自分達も助けにいくと告げるとジャグラーはため息をついた。

「正直邪魔なんだがな・・・。まぁそこまで言うのなら囮ぐらいの活躍はしてもらうぞ」

 

 

~~音々~

 

 ジャグラーさんに案内されるがままに部屋を移動すると客室と思われる場所でこの館の主らしい女性の前でガイさんが椅子に縛られている姿があったのです。

「さてと・・・大空大地。お前は銃でまぁ適当に奴らを撃って時間を稼げ。他の奴らは・・・適当に騒いで奴らの注意を惹きつけていろ。俺はその間にムルナウから奴の力を増幅しているダークリングを奪う」

 

 適当な指示ですが・・・まぁそうすることがベストなのです。

「よしっ!・・・動くな!」

 

大空さんは真っ先に突入するとすぐさま執事服やメイド服を着ている宇宙人たちの足元に光線銃を放ちました。威嚇射撃というやつなのです。

「そぉらよ!」

 

「タぁっ!」

 

 兄さんと千佳さんは真っ先に使用人の宇宙人達へと向かって行くと正拳突きを決めたり、蹴り倒したりして次々と使用人たちを戦闘不能にしていくのです。

「えっ?一般人・・・ですよね?」

 

 思ってた以上に兄さん達が強かったことに大空さんが驚いていると、その横に昆虫顔の宇宙人が迫ってきていたのです。

「セイヤぁっ!」

 

「お・・お見事」

 

 その宇宙人を久遠さんが背負い投げを決めると、それをみた大空さんは唖然としていたのです。

『大地。サポートしてもらうどころか、君がサポートにすらなっていないぞ』

 

「・・・俺ももう少し格闘技を鍛えないとな」

 

 大空さんはあまり自分が戦力になりきれてないことを気にしているようですが、エックスさんから聞く話だと大空さんも技術系の方らしいので兄さんたちのような武闘派という偏ったメンバーと比べるのは酷なのです。

「今の隙に・・・」

 

 私と杏さんは兄さん達が注意を惹きつけてくれているうちにガイさんの元へと駆け寄ると・・・ガイさんも大空さんと同じく茨のようなもので椅子に手足を縛られていたのです。

「お前ら、無事で安心したぜ」

 

「安心してる場合じゃないのですよ。今これを解くのです」

 

「この茨、魔法かなんかでコーティングされていて引きちぎれないんだぞ。どうやって・・・」

 

「えっ・・・でもこれリボン結び・・」

 

 久遠さんはリボン結びとなっている茨を引っ張ると・・・あっさりとそれはほどけたのです。

「・・・・・」

 

「い、いやほら。両手縛られた状態で結ばれてたんだからほどけないのも仕方ないかな」

 

「そ、そうなのです。それに状況が状況なのでリボン結びって気づかなくても仕方ないのですよ」

 

「いや普通気づくだろ」

 

 何とも言えない表情をしているガイさんに私と久遠さんがフォローを入れていると魔人の姿に変わったジャグラーさんが横切っていく際に言葉でバッサリと斬りつけていったのです。

「それにしても思ってたよりもやるじゃないか。お前達」

 

 ジャグラーさんは館の主らしき女性の背後に回り込むと手にしていたリングを奪い取ったのです。

「この時を待っていたんだ。ようやく取り戻したぜ。ダークリングぅ!」

 

 どうやらジャグラーさんはこの館の主の手に渡っていたダークリングと呼ばれるアイテムを取り戻すために私達・・・いえ、正確には私達が乗り込んできたという状況を利用したようなのです。

「ジャグラー!貴方裏切る気なの?」

 

「申し訳ございませんがこれにて私は退職させて頂きます。あぁ、退職金はこのダークリングで結構ですので」

 

「ま、待ちなさい!お前達もボサッとしてないでダークリングを取り戻しなさい!!」

 

 宇宙人たちは一斉に逃げ去ろうとするジャグラーさんを追っていき、警備がザルになったのです。

「逃げるなら今がチャンスだな」

 

『大変だ大地!おそらくこの館の主ムルナウが召喚したと思われる機械怪獣が東京の真ん中で暴れているぞ!』

 

「「「えっ?」」」

 

「ならここを出た後は・・・決まってるよな」

 

 エックスさんの発言を聞き逃さなかった私達は脱出から目的が変更されたのです。

「・・・そんじゃここを脱出したらさっそくそこに向かうか!!」

 

 やっぱりこうなると思ってたのです。

 

 

~~ガイ~

 

「・・・そんじゃここを脱出したらさっそくそこに向かうか!!」

 

 こいつ等のことだ。そんな事を言うだろうと思っていたぜ。

「えっ?そんな、危ないですよ!」

 

 エックスさんとユナイトするという大地さんは当然そんなのは危ないと止めにかかっているが・・・こいつ等はそんなんで止まる奴らじゃないよな。

「こいつ等は俺達を助けるためにここまでくるような馬鹿共ですよ。止めても無駄ですよ。とりあえず今は脱出を急ぎましょう!」

 

 俺達は脱出を急いでいると・・・ジャグラーを追いかけていたうちの何人かが俺達が逃げ出そうとしていることに気づいてこちらを追ってきた。

「ヌゥン!」

 

 レキューム人に回し蹴りを決めると、大地さんに近づくサーペント星人に気づく。

『大地!10時方向!角度50!』

 

「分かった!」

 

 大地さんはエックスさんの的確な指示で光線銃を放つと・・・それはサーペント星人に直撃した。

「凄いな。それがユナイトってやつか」

 

「・・・はいッ!」

 

 心と心が合わさっているからこその動き・・それがユナイト。まさに絆の成せる技だな。

「2人とも早く車に乗って!」

 

 俺達が少し足止めをしている間に徹が車をこちらへと持ってきたようで、俺と大地さんもすぐにそれに乗り込んだ。

 

 




ウルトラヒーロー大研究

ウルトラマンリブット
属性 嵐(アラシ)属性

 別宇宙にある地球のマレーシアで活躍している光の戦士、ウルトラマンリブットさん。ギンガさんのようなクリスタルの輝きを両腕に宿す戦士で東南アジアの伝統的武術『シラット』に似た体術を得意としてるぞ。

ギャラクトロン(改)
属性 風属性

 ムルナウの手により改造され奇機械怪竜となったギャラクトロン。赤い球体からは破壊光線ギャラクトロンスパークの代わりに物体を宝石に変えてしまうギャラクトロンジェムスパークを放つようになっている。

次回「3つの光の力」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。