ウルトラマンオーブ 天かける星の祈り歌   作:彩花乃茶

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残り話数はそれほどないですもう少しお付き合いください。


怪しげな館

「オォォォ・・・デャッ!」

 

 O-50から久遠たちのいる地球へと帰還して早々、俺はハワイに突如として現れたギャラクトロンが胸のクリスタルから光線を放って周囲を宝石に変えてしまっている光景を目撃したため、オーブオリジンへと変身してギャラクトロンと戦い始めた。

「全く!この地球に帰ってきて早々にとんでもないのに出くわしちまったな!何処の誰だか知らないが危険な贈り物をしてくれやがって」

 

 俺は愚痴りながらもオーブカリバーを地面に突き刺してオーブグランドカリバーを放つ。するとギャラクトロンは尻尾を地面に叩きつけた衝撃でグランドカリバーを打ち消した。

「オーブフレイム・・・ディァ!?」

 

 オーブフレイムカリバーを放とうとした瞬間、俺はギャラクトロンの尻尾にあるクローによって首を掴みあげられてしまった。

「・・・っ!」

 

 オーブカリバーを落としてしまった俺はオリジウムソーサーで尻尾を切り裂こうとするも、締め上げが強くされてしまいその手も止まってしまった。元々このポンコツロボットは無駄に硬い設計をしてくれているせいで素手じゃやりにくいってのに・・・。

「ジュ・・・ァァ・・」

 

「シュァ!!」

 

 ギャラクトロンが胸のクリスタルから光線を放とうとチャージを始めた瞬間、いきなり空から飛んできた光の巨人が金色に輝く刃でその尻尾を斬りつけた。その剣戟は丁度つなぎ目の部分に直撃したようで尻尾が切断され、俺はその拘束から脱出できた。

「貴方は・・・メビウスさん・・ッ」

 

 刃でギャラクトロンを斬りつけたのは宇宙警備隊の戦士、ウルトラマンメビウスさんだった。

「どうしてこの地球に?」

 

「話は後にしよう。今はあのロボット怪獣だ」

 

「はいッ!オーブカリバー!」

 

 メビウスさんに言われてまずはギャラクトロンを倒す事を優先することにした俺はオーブカリバーを引き寄せると、メビウスさんも左腕に装備されているメビウスブレスから光の剣を展開した。

 

「オォォォ・・ダァッ!!」

 

 俺はオーブカリバーをギャラクトロンへと振り下ろす。

「シィァ!」

 

 それと同時にメビウスさんもメビュームブレードを振り下ろした。その同時剣戟を受けたギャラクトロンは両腕が破壊されてた。

「このまま決めよう!オーブ!」

 

「はいッ!」

 

「シュァ!!」

 

 メビウスさんはバーニングブレイブへと姿を変えるとすぐさま火球を放つ技、メビュームバーストをギャラクトロンへと飛ばす。

「オォォ・・シュァ!!」

 

 俺もオリジウム光線を放つと2つの必殺技に耐えられなかったギャラクトロンは爆発した。

「・・・ありがとうございます。おかげで助かりました」

 

 メビウスさんにお礼を言いながら握手をすると・・・俺はオーブの姿を解く。するとメビウスさんも人間としての姿に変わった。

「いや、この地球に通りすがったのは偶然だったので・・。この姿の時はヒビノ・ミライと呼んでくれないかな」

 

 ヒビノ・ミライ。それがメビウスさんが地球で名乗っている名前か。

「分かりました。ところでミライさんは何故この宇宙に?」

 

「最近各地の星々が宝石になってしまうという事件が多発しているんだ。ゾフィー隊長が調査をお願いしていたネオスとリブットの2人連絡が付かなくなって僕が2人の手がかりを探していたところなんだ。本当なら別宇宙を探すというのはゼロに任せたい案件だけど、ゼロは別件で動けないからね」

 

 ネオスさんとリブットさんの連絡が途絶えた?何かあったってことなのか?それにゼロさんが別件でって・・・もしかして以前80さんが言っていたジードの件か?

「僕は他の星も探しに行くから、何か分かったらウルトラサインで知らせてくれないかな?」

 

「分かりました」

 

「それじゃ僕はこれで。メビウゥゥゥゥス!!」

 

 左腕にメビウスブレスを出現させたミライさんはそれを空に突き上げるとともにウルトラマンメビウスへと変身して空へと飛んで行った。

 

 

 

~~久遠~

「・・・ガイはいつ帰ってくるのかな・・」

 

 ガイが故郷に帰ってしまってから1カ月近くが経ったかな。

「ふんっ。あの人の事なんて知らないのです!」

 

 音々は書置きと日本語で書かれていたプリンとシュークリームの作り方だけを残して去っていったガイに怒ってるというより拗ねちゃってる感じかな。

「まぁまぁ・・少しの間里帰りしてるってだけだろ」

 

 徹さんはガイの里帰りに理解を示していて、一カ月近く拗ねている音々を今日もなだめていたかな。

「お~来たぞぉ!」

 

「シノちゃん、今日は1人でなんだ」

 

 私達が今日もガイが帰ってくるのをトリコリで待っていると、シノが1人で店にやってきたかな。

「1人じゃないぞ。えっくすも一緒だ」

 

「エックス?」

 

「こいつのことだぞ」

 

 エックスっていったい誰のことかなと思っていると、シノは徹の前に大きなスマホのようなデバイスを置いた。

「エックスっていうのはこの機械のことか」

 

「違うぞ。この中にいる人のことだ。ここの近くに落ちてたえっくすがここに連れて来てくれって言ってたからな」

 

 中にいる人?

『SSPの皆さん。初めまして、私はウルトラマンX』

 

 デバイスから音声が鳴り響いたかな。というか今、ウルトラマンエックスって名乗っていたかな。

「ウルトラマンが通話をしてきてるということでしょうか?」

 

『いや、通話しているのではない』

 

 瑠々はウルトラマンがこのデバイスで電話してきてることに驚いていると通話を否定された。

『私は自分の身体をデータ化してこのエクスデバイザーの中にいるんだ』

 

「データ化して・・・この中に・・そんなことが可能なのですね」

 

「それも気になるが・・・どうしてウルトラマンエックスがこのSSPに来たんだ?」

 

 音々はデータ化してデバイスの中に入っていることに驚いていると、徹さんはエックスがここにやってきた理由を尋ねた。

『私とユナイトして戦う青年、大空大地が行方不明になってしまった。探すことに協力して欲しい』

 

「・・・詳しく」

 

『私達は別の地球でXio隊員達と共にデザストロという怪獣を迎え討とうとしていた最中、謎の時空の歪みに吸い込まれそうになってしまったんだ。大地は咄嗟の判断でユナイトを解除して私を庇うように時空の歪みに吸い込まれてしまい、結局私もその歪みに吸い込まれてこの近くへと落下したんだ』

 

 だからシノに連れて来てもらったんだね。

「ですが何故SSPを頼って来たのです。頼るのならBRGという選択肢もあったはずなのです」

 

『理由は2つ。君達SSPが最もウルトラマンオーブと接触している人間達である事。そしてもう1つは・・・』

 

「「「「もう1つは?」」」」

 

『ここが一番近かったからだ』

 

 思ってたより雑な理由だったかな。

「まぁSSPへの依頼とあっちゃ断る理由はないよな。その大空大地って人の写真は出せるか?」

 

『今、そのノートパソコンに写真を転送する』

 

 エックスは大空大地って人の写真を徹さんのノートパソコンに転送してくれたようで、すぐに徹さんはその画像を確認してコピーをしてきたかな。

「さてと・・・どうやって探すかな。とりあえず張り紙でも作って色んな場所に貼ってみるか?」

 

「張り紙を張るのには許可が必要なのですよ。サイトに目撃情報募集の記事とチラシ配り、TwitterやSNSでの情報収集などでやれることはたくさんあるのです」

 

「分かった。俺はサイトを更新しておくから乃理と愛はチラシ配りを頼む。扇はTwitterとSNSで目撃情報の方を任せた」

 

 徹さんは珍しくリーダーシップを発揮してそれぞれに指示を入れてみんな動き出したかな。ってあれ?私は何も頼まれていなくない?私も一応SSPのメンバーなのに。

「私は何かすることはあるかな?」

 

「嬢ちゃんはBRGの人にも一応この件を伝えといてくれないか?もしかしたら張り紙の許可をあっちの方で申請してもらえるかもしれないからな」

 

 確かにBRGに報告を入れておいた方が動きやすいかもしれないかな。

「分かった。伝えておくね」

 

 

 

~~杏~

 

「あ~つ~~いぃ~」

 

「はしたないですよお嬢様」

 

 季節は8月の終盤、マガタノオロチのせいで季節が冬みたいになっていたのがまるで嘘のように正しく『夏』に戻っていた。

「あっ!久遠!」

 

 私は熱さを我慢しながらもトリコリに足を進めていると久遠と音々センパイ、そしてキャップの3人が何処かに向かおうと歩いているのが見えたので声をかけた。

「何かあったの?どこ行くの?私も行くよ!」

 

「向かおうとしてるんじゃなくて帰り道かな」

 

「帰り道?」

 

「ウルトラマンエックスってこの機械の中にデータ化されて入っているウルトラマンに大地って人を探して欲しいって依頼されたの」

 

『やぁ、私はウルトラマンX。先ほど彼らと共にBRGの組織に協力要請をお願いしてきたんだ』

 

 久遠はスマホっぽい機械を私に見せてくるとそから音声が聞こえてくる。ウルトラマンってデータになっちゃうこともできるんだ。

「『協力を頼むのだから私が直接話さねば』って言ってたのでSSPの代表の兄さんと仲介に必要な久遠さん、2人だけじゃ心配だったので私も付いていってたのです」

 

 なるほどね。良く分からないけどとりあえず大地って人を探さないといけないってことは分かったよ。

「見つけた・・」

 

「えっ?」

 

 声に反応して振り返るとそこには黒いタキシードやメイド服を着た4人の男女が立っていた。

「お嬢様、お下がりください」

 

「音々も下がってろ」

 

「タァ!」

 

 怪しい雰囲気を悟った千佳とキャップは私と音々センパイを下がらせると・・・久遠は問答無用でそのうちの1人にボディーブローを叩き込んだ。

「貴方達、何者かな?」

 

 先に先手を決めてから久遠は怪しげな4人に何者かを尋ねた。そうしたら4人の顔はよく分からない昆虫顔やセミ顔などの地球人とは思えないものへと変貌した。

「やっぱり宇宙人だったかな。いったい目的は何?」

 

「主のためだ。そのデバイスを渡してもらおう」

 

 主のためと言った彼らは即座に四方から私達を取り囲んでエックスを狙ってきた。

「囲まれちゃったかな」

 

 囲まれてしまって身動きが取れなくなってしまった時、何処からともなくあの人の奏でるのと同じメロディが聞こえてきた。まさかと思って私達はそのメロディが鳴り響いてくる上の方へと視線を向けると・・・そこにはアロハシャツにグラサンという恰好をしたガイがハーモニカの代わりにウクレレで演奏していた。

「ガイ!・・・何その恰好?」

 

 故郷の星に少し帰っていたはずなのに何でハワイ帰りみたいな恰好をしてるんだろう?

「っと・・!」

 

 宇宙人の1人に跳び蹴りを叩き込んだガイはすぐにその隣に立っていた宇宙人を殴り倒した。そうしたら背後に回り込んでいたた昆虫顔の宇宙人がガイに光線銃を向けてきた。

「ガイ!後ろかな!」

 

 騒ぎに気づいて駆けつけてきた久遠はガイにそれを伝えながらセミっぽい宇宙人に背負い投げを決めると、ガイはすぐさま昆虫顔の宇宙人に掌底を打ち込んだ。

「くっ・・・」

 

「いったん引くぞ」

 

 4人の宇宙人たちはガイの登場は想定外だったっぽくて、この場は逃げる判断をして一斉に駆け出した。

「逃がすかよ!」

 

 ガイはその4人を追いかけたけど・・・曲がり角を曲がってすぐにまるでワープでもしたかのように見失ってしまった。

「・・・お前ら、怪我はないか?」

 

「うん。私達は大丈夫かな」

 

「ガイさん!!」

 

 久遠は誰も怪我をしてないことを伝えると音々がガイに突っかかっていった。

「どうして勝手に出ていっちゃったりしたのですか?!」

 

「え?書置き残してただろ?」

 

「こういうのはちゃんと直接会って伝えるべきなのですよ!」

 

 流石のガイもキレ気味に詰め寄ってくる音々にちょっと引き下がってる。

「同じSSPの仲間なんですから」

 

「あぁ・・。悪い、次は気を付ける」

 

 仲間と言われて少し笑ったガイは音々に謝ると、音々は納得したように笑った。

「分かれば良いのです。話は変わるのですがガイさん、会わせたいお客さんがいるのですよ」

 

「会わせたい客?」

 

『初めまして。私はウルトラマンX』

 

 音々が取り出したスマホみたいな機械からウルトラマンエックスとかいうオーブとは違うウルトラマンがあいさつをした。

 

 

 

~~ガイ~

 

「なるほど。事情は理解しました。俺も協力させていただきます」

 

『ありがとう。ウルト・・ぉっ!?』

 

 エックスさんが俺の事をウルトラマンオーブと呼ぼうとしていたので俺は慌ててデバイスを揺さぶってそれを止める。

「エックスさん。俺はガイです。白金ガイ!」

 

『あ、あぁ。済まないガイ』

 

 危ない危ない。エックスさんのうっかりで俺がオーブだとバラされてしまうところだったな。

「・・・その件なんですが、俺に1つ心当たりがあるんです」

 

 ギャラクトロンとの戦いの時、あのポンコツロボットは胸のクリスタルから周囲の物体を宝石に変えてしまう光線を放っていた。以前戦ったことのあるポンコツロボットはそんな技なんてできなかったはずだ。だけど機械の技術があって、対象を宝石に変えてしまうような奴を俺は1人知っている。

「もしかしたらそいつはこの地球に来ているかもしれません。音々、調べて欲しいことがあるんだがいいか?」

 

「はい。いったい何を調べればいいのです?」

 

「宇宙人が出没するとか、目撃されたって屋敷を探してほしいんだ。なるべく最近のやつをな」

 

「そういうのってデマが多いのですよ。まぁ一応探してみるのです」

 

音々はすぐにタブレットで宇宙人が目撃されたと報告がある屋敷があるかどうかを調べる。すると久遠と杏が近づいてきた。

「ガイ、預かってたものを返すかな」

 

「はいこれも」

 

 久遠は預けていたカードホルダーを杏はハーモニカを俺に返してくれた。

「預かっててくれてありがとな」

 

「こっちも・・・帰ってきてくれてありがとねガイ」

 

「あっ、あったのですよ。それも一昨日のことなのです」

 

「やっぱりか」

 

 2人にお礼を告げると・・・音々は思いの他早く情報を掴んだようだ。

「場所は何処だ?」

 

「横浜の林の奥、いつの間にか建てられていたという洋館に調査にいったユーチューバーが偶然撮影してた動画があるのです」

 

 俺はその動画を確認すると・・・そこにはさっき俺に銃を向けていたクカラッチ星人が映っていた。

「横浜だな。そんじゃ向かうとしますかエックスさん」

 

「おいおい、まさか1人で行く気じゃないだろうな?」

 

 俺はエックスさんの入っているデバイスを持ってさっそく横浜にあるという洋館に向かおうとすると、徹が1人では行かせないと声をかけてきた。

「危ないから来るなって言っても来るんだろ。集団行動で頼むぜ。逸れんなよ」

 

「この場に全員揃ってるけど屋敷に入るんだからあまり多い人数は駄目だろ。じぇんけんでメンバーを決めるぞ!」

 

 こいつ等に言っても無駄だと分かっていた俺はせめて逸れないように注意をすると、徹はジャンケンでメンバーを決めると言い出した。

「じゃんけん・・・ポンッ!」

 

 

 

 

~~杏~

 

「まぁ、結局このメンバーなんだね」

 

 ジャンケンによって決まったメンバーは私と千佳。そして久遠と音々にキャップとガイというメンバーだった。

「ぶっちゃけいつも遠征している3人が参加してないいつものメンバーかな」

 

 代わり映えのしないメンバーというか、何というか。

「まぁいいじゃんか。行くぞ」

 

 既に洋館が目の前に見えているので、そこに向かって歩みを進めようとした瞬間・・・空間が歪んだ。

「これはまさか・・ブルトンか!!」

 

 俺はこの現象がブルトンの影響だと判断してすぐにこの歪みから離れるように久遠たちに伝えようとするも・・・既に久遠たちは俺の後ろから消えてしまっていた。

「この館の主がやったのさ。プルトンの力を使ってな。まぁそんなに心配しなくてもただの迷路に迷い込ませただけだから気にすることはない」

 

「っ!・・・ジャグラー・・・何故お前がここに?」

 

 扉が少し開かれて俺に声をかけてきたのは・・・あろうことかまたも生き延びていたジャグラーだった。

「就職したんだ。褒めてくれよ」

 

 見るとジャグラーはいつもはモジャモジャしている髪をストレートにしていて、タキシードまで着こんでいる。こいつ本当にここで働いているのか。

「当館の主がお待ちです。どうぞこちらへ」

 

 どうやらこの屋敷の主は俺に会いたがっているらしくジャグラーは扉を開いて招き入れる。露骨過ぎる罠だが今は入るしかないよな。

「・・・・・」

 

 俺は屋敷の中へと足を踏み入れると、またも空間が歪んで中庭のような場所へと移動させられた。

「外で優雅なお茶会ってわけじゃなさそうだな」

 

「1!2!3!4!5!っと・・・あっ!」

 

「あっ・・・」

 

 周囲を確認しながらも花に囲まれた道を進んでいくと・・・ラジオ体操をしている機械の身体をした宇宙人と目が合ってしまった。

「やぁ!ガイ君じゃないか!ひっさしぶりぃ~!」

 

 見た目はサイボーグっぽくなって様変わりしているが間違いない。あの暑苦しいカンジなのはガピア星人のサデスだ。

「・・・だ、誰だか知りませんが人違いです」

 

「あっれ~?サイボーグになったから分からなくなっちゃったかなぁ~。ほら僕だよ!死んだはずのサ~デスだよ!」

 

 相変わらず暑苦しいな。

「・・・お前が何でこんなところにいる」

 

「いやぁ~。ほら僕って用心棒を生業にしてるじゃん。そんで今はここの館の人に雇われちゃっているんだ~!」

 

 こんな暑ぐるしいのを雇うなんて・・・物好きだな。

「だけどさぁ、君がこの星にいるって聞いてもう1つ目的ができちゃったんだよね」

 

「目的?俺への恨みで俺を倒すってか?」

 

「恨みなんてとんでもない。熱く戦って熱く負けたんだからね。だけどさぁ・・・またこうして会えたらこう、滾るんだよ。強い相手と熱く戦いたいってね!僕と熱く戦おうじゃないかぁ!!」

 

「暑苦しいんだよ!!」

 

 サデスは右手の水平2連突撃銃で銃撃をしながら俺へと迫ってくる。俺はその銃撃を避けつつもカウンターの拳をサデスの頬に叩き込んだ。

「いいねいいね!凄く熱い拳だよ!だけどこんなんじゃまだ足りないねぇ!!」

 

「このっ!!」

 

 俺はサデスの腹部に連続パンチを叩き込むと、サデスは俺に蹴りを入れて突き放す。

「ウォォォォ!!燃えてきたぁぁぁぁぁッ!!さぁ!もっともっと熱くなろう!!さぁ!君も変身だ!!」

 

 そう言ったサデスは巨大化して俺にもオーブになるように告げてくる。

「お望みどおりにしてやるよ!ウルトラマンさん!」

『ウルトラマン!』

 

「ネクサスさん!」

『ウルトラマンネクサス・ジュネッス!』

 

「光の絆、繋げます!」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!スぺシウムシュトローム!』

 

「受け継がれていく魂の光」

 

 スぺシウムシュトロームへと変身した俺はサデスと向かい合いながら口上を述べる。

「おぉ~!話に聞いていたフュージョンアップってやつだね!いいよいいよぉ~!!」

 

 昔戦った頃はまだフュージョンアップは会得していなかったので、フュージョンアップを見たサデスはさらに熱くなってしまう。

「シュァ!!」

 

 俺は空に飛び上がって急降下からのキックを叩き込もうとするも、サデスはそれを両腕でガードする。

「うん!いいキックだ!魂がこもってるね!」

 

 昔も思ったが・・・なんだこいつ?

「スぺロームアタック!!」

 

 俺は光を纏って体当たりをすると、サデスはそれを受けてもなお立っていた。

「熱い体当たりだ!今の君をもっと見せてくれ!」

 




ウルトラヒーロー大研究

ウルトラマンネオス
属性 光属性

 宇宙警備隊のエリート集団である勇士司令部所属の戦士ネオスさん。スピードに優れた戦士で光エネルギーを物質化させるウルトラ・メタモルフォースを得意とするんだが現在は連絡が途絶えてしまっているらしい。無事ならいいんだが。

ブルトン
属性 光属性

 四次元空間を発生させてしまう隕石のような見た目の四次元怪獣ブルトン。異なる世界に次元を繋ぐことも可能なこの怪獣はかつてM78ワールドを数多の世界と繋げてしまい異なる世界の怪獣と数多のウルトラマンが集結して激しい戦いを繰り広げるギャラクシークライシスを発生させたこともあるんだ。

次回「大地救出作戦」

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