ウルトラマンオーブ 天かける星の祈り歌   作:彩花乃茶

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 エグゼイドが終わってしまったショックと怪獣娘2期決定の喜びがレッツらまぜまぜしてます。


闇の刃

~~ジャグラー~

 

「ハァァァッ!」

 

 ガイが本当のオーブを取り戻し、その姿に敗れて半年近くが経過した。あいつに負けてから俺はずっとビルの屋上で俺は蛇心剣の修行をしていた。

「ダァッ!!」

 

 俺は刀から紫色に輝く斬撃を飛ばすと、斬撃はブーメランのように回転しながら飛んでいく。その斬撃は数百メートル先の高層ビルの一部を切り裂いた。

「まだだ。・・・これでは・・・」

 

 この程度の威力ではまだ足りない。そう思いながら俺はかつてガイがオーブの光に選ばれた時のことを思い出す。俺よりも弱かったはずのガイが選ばれたことに何度も悔やんだ。

「俺の方が上なはずだ。・・・手に入れて見せる。お前を切り裂く力を!」

 

 俺はガイを切り裂く力を欲していると、蛇心剣に闇の力が満ちていくのを感じた。

「そうか・・。もうすぐ全てが終わるのか・・」

 

 近々訪れる終わりを想いながら・・・俺は赤く輝く満月を見上げると、何者かが近づいてくる気配に気づいた。

「お前さんかい?最近やたらと嫌な殺気を飛ばしまくって辺りを斬りつけまくってんのは?」

 

「・・・誰かと思えば半分ザムシャー族の元用心棒か」

 

 振り返ると半分ザムシャー族で元惑星侵略連合で用心棒をしていたヤクトワルトが立っていた。

「お前はいいのか?地球から出て行かなくて?」

 

「俺は骨を埋めるのはこの星と決めてるじゃない。そんなことよか・・・今度はお前さん、何をしようとしてるんだ?場合によっちゃこの場で切り捨てさせてもらおうか」

 

 ヤクトワルトはいつでも刀を抜けるように柄に手をかけている。以前は居合の速さではこいつの方が上回っていたが・・・

「なっ・・」

 

「・・・・・」

 

 俺はヤクトワルトの首筋に刃を当てる。死に物狂いで修行をしている俺と半年以上フヌケている奴とでは覚悟が違う。

「随分と腕を上げてるご様子で・・・だがオーブも本当の自分を取り戻すどころか、着々と更に力を付けてるぜ。いくらお前さんも強くなってるからって旦那に勝てるとは思えねぇな」

 

「この俺を舐めるな!!」

 

 ヤクトワルトの言葉に怒りを覚えた俺は刀を振り払ってその首をはねようとすると、寸でのところで刀を抜かれてしまい皮一枚しか切るに至らなかった。

「チッ・・・。衝動的になりすぎちまった」

 

「お前さんが何を企んでようと旦那は・・・ウルトラマンオーブは必ずお前さんを止めるぜ」

 

 刀を鞘に収めたヤクトワルトは風のようにこの場から姿を眩ませてしまう。ガイが必ず俺を止めにくるだと?

「上等だ。お前への憎しみが俺をどれだけ強くしたか・・・その身体に刻み込んでやる」

 

 

 

~~ガイ~

 

 店長が新しく定食や黒将軍を始めてから1週間後、俺は久遠経由で睦美に呼び出されてトリコリの近くにある公園へと足を運んでいた。

「・・・悪い。少し遅れたか?」

 

「こっちが先に来てただけ。突然呼び出してごめん」

 

 トリコリじゃなくわざわざおこに呼び出したうえに久遠に同行しないように頼んでたってことは・・・他に聞かれたらマズイことなんだろうな。

「別にいいさ。それで・・・どうしたんだ?」

 

「最近保護区の怪獣たちが騒いでるの。地球が危ないって」

 

「そうか・・とうとう怪獣たちも騒ぎ始めたか」

 

 最初に気づいたのは地球自身だった。地球の海の意思とも呼べるリナール達はその危機に対して俺にアグルさんの力を託してくれた。次に気づいたのは地球侵略を目論んでいた宇宙人達だった。地球を調べているうちに地球に巣食う大きな闇に気づいたようで、次々と侵略を諦めて地球を後にしたと店長から聞かされた。そして侵略を諦めた者や元より地球に住んでいた奴らも風の噂でそれを聞きつけたらしく、次々と地球を後にしてしまったらしい。

「ガイも知ってたの?」

 

「最近円盤が地球からたくさん飛び去って行ってるだろ。どうやら地球に禍々しい何かが潜んでいることに気づいて慌ててこの星から逃げているらしい。・・・悪いな、みんなに言ってなくて」

 

「いや。下手に言っちゃって混乱を招いちゃうよりはそれで良かった」

 

「だけど俺にもその禍々しいものってのが何の事なのかは分からない。だが相手がどんなヤツであれ、この地球を脅かそうってんなら全力で戦う」

 

 魔王獣のようにヤバい奴かもしれないし、あるいはそれ以上のバケモノかもしれない。だがだからといって俺は地球を見捨てる気などない。俺は光の戦士、ウルトラマンオーブだからな。

「怪獣たちも怯えちゃってるけど・・・私は信じてるから。きっとガイがみんなを守ってくれるって」

 

「・・・睦美」

 

「それじゃまたねガイ。お姉ちゃんをちゃんと守ってね!

 

 俺に久遠を守ってくれと言い残した睦美は仕事の方が忙しいようですぐにこの場を後にした。きっとこのことを話すために無理に時間を作ってくれてたんだろうな。

「ありがとな睦美・・」

 

 

 

~~久遠~

 

「久遠さん。これを見てくださいなのです」

 

 音々に言われて私はタブレットの画面へと視線を向けると、そこに映し出されていたビルには大きな亀裂が入っていた。

「最近色々な場所でこのような亀裂が入る現象が起こっているのですよ」

 

「嬢ちゃんはどう思う?」

 

「どう思うって言われても・・・そう言えば昔マンガとかで見た事あるかな。ほら、妖怪のかまいたちとかいう・・」

 

「かまいたち・・そう言えばそのような名前の怪獣が風土記に載っていたはずなのです」

 

 かまいたちで何かに気づいた音々はすぐさま風土記を検索すると、画面には両手が鎌になっているイタチの絵が映し出されたかな。

「ここの文字、何て書かれているのかな?」

 

「『鎌鼬呑といふ魔物、禍々しき風にてありとあらゆるものを切り裂きにけり』と書いてあるのですよ」

 

 カマイタドン・・。ありとあらゆるものを切り裂く。・・・確かに今の状況と合っているかな。

「それとこの写真、まだ続きがあるのですよ」

 

 そう言った音々は他の切られたビルの写真を何枚か見せてくる。

「気づいたか嬢ちゃん?」

 

「うん。この亀裂どんどん大きくなっているかな」

 

 写真に写っている亀裂は最近のものになるにつれて大きなものになっていたかな。

「まるでそのカマイタドンってのが技を極めようとしてるみたいかな」

 

「怪獣が修行か。このままじゃいずれ倒壊しちまうビルも出ちまうかもな。・・・よし、さっそく調査開始だ!サムシングサーチピープル出動!」

 

「瑠々!木村!ウールとサァラも連れてくから後よろしくね!」

 

「えっ?あ、はい。お気をつけて」

 

 徹さんの号令とともに私と音々、そして今日は瑠々と木村がいるのでウールとサァラも引っ張り出してさっそく調査へと向かった。

 

 

 

~~ジャグラー~

 

「ここなんだな?」

 

 蛇心剣に導かれるままに広い草むらへと赴いた俺は地底深くに眠る闇の波動を感じ取った。

「フンッ!」

 

 地面に蛇心剣を突き刺した俺は地底深くから湧き上がる闇の力を刀を媒介にして取り込む。

「ハァァァ・・・ッ!!」

 

 闇の力を取り込んだ蛇心剣を引き抜くと、そのエネルギーの余波が溢れて黒い稲妻が周囲に四散した。

 

 

 

~~ガイ~

 

 睦美との話を終えた俺はラムネを買ってトリコリへと帰ろうとしていると、黒い稲妻が飛び散っているのを目撃した。

「何だあれ?」

 

 俺は気になってその場へと向かおうとしていると少し先に久遠たちが歩いていたのが見えた。あいつ等またこんな危なそうな場所で取材してやがるのか。

「統計的にカマイタドンの潜伏先はこの辺りだと思ってきてみたのですが・・・何か別のものがいそうな感じなのです」

 

 カマイタドンってのが何なのかは知らないが、どうやら今の稲妻とは別のものを調査してた最中にあれに遭遇しちまったようだ。

「あっ、ガイ!どうしたの?」

 

「ちょっと嫌な予感がしてな。何か異常はないか?」

 

 久遠たちと合流した俺は何か異常が起きてないかを聞いてみた。すると音々はタブレットの画面を見せてきた。

「ビルに亀裂が入る現象が起こっているのです」

 

「よく見ると亀裂の両サイドが曲がって三日月状になっているんだ」

 

 徹は亀裂を指でなぞって三日月になってることを告げてくる。三日月・・・まさかジャグラーか?

「っ!!」

 

 この亀裂を引き起こしている犯人がジャグラーじゃないかと疑っていると、少し先の建物にまた亀裂が入った。斬られたんだ・・・斬撃で。

「・・・・」

 

 金属がこすれるような音が近づいてきたので音が聞こえる場所に振り向いてみると・・・きっちりとしたスーツ姿ではなく着崩した黒いワイシャツに目の下に凄くくまがあるジャグラーが近づいてきていた。

「フフ・・・」

 

「徹!」

 

「あぁ!SSP総員撤退!」

 

 ジャグラーは魔人態へと変わると刀を構える。あの殺気・・・マズイ!

「みんな伏せろ!」

 

 みんなが伏せると同時にジャグラーは刀から紫色に輝く斬撃を飛ばした。その斬撃は先ほど亀裂が入った隣の建物に直撃し、そこにも亀裂を入れた。

「俺に用があるなら他の人間を巻き込むな!」

 

「ハッ!この星が無くなる前に証明してやろう。この俺の方が優れているということをな」

 

「星が・・・なくなる?」

 

 地球の底にある闇ってのはそんなにもヤバいものなのか。

「今から死ぬお前には関係ない。闇の力・・・地中に眠る闇が俺に力を与えてくれた!ウオォォォォッ!!」

 

 刀を空へと掲げたジャグラーは赤黒く輝く闇に包まれると巨大な姿へと変貌してしまった。あいつは今まで巨大化するなんてできなかったはずだ。あれが地中に眠っているの闇の力なのか?

「ゾフィーさん!」

『ゾフィー!』

 

「べリアルさん!」

『ウルトラマンべリアル!』

 

「光と闇の力、お借りします!」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!サンダーブレスター!』

 

 サンダーブレスターへと変身した俺はジャグラーの前へと着地して拳を握る。

「闇を抱いて光となる!」

 

~~杏~

 

「闇を抱いて光となる!」

 

 赤くて黒い怖い顔の姿になったオーブはジャグラーの前に着地して口上を述べたら、ジャグラーも拳を握った。

「待っていたぞ。この時を・・・ハァァッ!」

 

「オォォォォっ!!」

 

 オーブとジャグラーが同時に駆け出すと互いの拳がぶつかり合う。そしてそれが少しズレて互いの顔にヒットすると・・・2人は後ろに後ずさった。

「ムンッ!」

 

「デュァ・・オォォォッ!」」

 

ジャグラーの回し蹴りをしゃがみ込むことで避けたオーブは、即座に蹴りをしてきた足を掴んで持ち上げる。

「ハッ!」

 

 掴まれてる足とは反対の足でオーブの頭を蹴ったジャグラーは空中で後ろに一回転をして着地をする。

「くっ・・・Zクローウィップ!」

 

「っと・・」

 

 着地したタイミングを狙ってオーブは爪から発生させた電撃の鞭を飛ばす。その鞭はジャグラーの足に纏わりついて、バランスを崩したジャグラーは躓きそうになった。

「悪くない手だが・・・相手が俺じゃあな」

 

 だけど躓くのは『フリ』だったようで電撃鞭に光弾を飛ばして打ち消したジャグラーは体勢を立て直したかな。

「皮肉だよなぁ。・・・お前の存在が俺を強くする」

 

 空間を歪ませた場所に左手を入れたジャグラーはそこから刀を引き抜いたかな。

「ゼットシウム・・・光線ッ!!」

 

 オーブは剣を取ったジャグラーに先手を打たせまいと光線を放つと、ジャグラーは剣を振り上げて光線を真っ二つにしてしまったかな。

「お前への憎しみから生まれた必殺剣・・見せてやる!」

 

 光線を引き裂いたジャグラーは刀を紫色に輝かせながら中腰に構えた。

「蛇心剣・・・新月斬波!!」

 

「サンダークロスガード!・・・ヌァ!?」

 

 両腕に赤く輝く電撃を纏ってジャグラーの斬撃を受け止めたオーブだったけど・・・その威力を受け止めきれずにガードが崩れてしまったかな。

「ぬぁぁぁっ!?」

 

 勢いを殺しきれなかったオーブは吹き飛ばされてビルへと叩きつけられてしまう。ぶつかったビルは当然崩れてしまう。

「オーブが!?」

 

「「ルディアン」」

 

 このままではオーブが危ないと思った時、既にウールとサァラが動いていた。

「痛ぇ?!・・・何かと思えば機械の玩具か」

 

 後ろからルディアンのガトリングガンを受けたジャグラーは後ろに立っていたルディアンへと振り返る。

『オーブはやらせない』

 

『私達がお相手します』

 

 自分達が相手をする宣言をした2人はガトリングガンを放ちながら少しづつ移動してオーブとジャグラーの間に立った。

「ガキ共は帰ってお人形遊びでもしてろ」

 

 新月斬波をルディアンへと放つと、それを避けきれなかったルディアンは一撃で状態を維持できなくなってスパークドールズへと戻りウールとサァラが落下した。

「二人とも!大丈夫かな?!」

 

「油断した・・」

 

「正直ここまでとは思っていませんでした」

 

 奇跡的に木に引っかかることで無事だった2人はジャグラーをそこまでの相手だと思ってなかったことを口にすると、ジャグラーはこちらを振り向いた。

「うっとおしい」

 

「きゃぁぁっ!?」

 

 舐められたことにイラついた様子のジャグラーはこちらへと斬撃を飛ばしてくる。幸い直撃はしなかったけど、崩れた瓦礫が私達に降り注いだ。

「「ッ!?」」

 

 ウールとサァラは咄嗟にバリアを張って瓦礫から私達を守ってくれたけど・・・自分達をバリア内には入れておらず、2人は瓦礫の下敷きになってしまった。

「ウール!サァラ!」

 

 私達は瓦礫の下敷きになってしまったウールサァラの元へと駆け寄って瓦礫を除けた。

 

 

 

~~ガイ~

「さぁ、叩ききってやる」

 

 起き上がった俺に対してジャグラーは刃を構えながら迫って来たので、俺は空中へと飛び上がる。

『覚醒せよ!オーブオリジン!』

 

「オーブカリバー!」

 

 オーブカリバーを出現させた俺は真の姿であるオーブオリジンへと姿を変える。

「銀河の光が我を呼ぶ!」

 

「そうこなくっちゃな!」

 

 この姿の俺と戦うのを待ち望んでいた様子のジャグラーは嬉しそうに刀を構える。

「ハァァァッ!」

 

「オォォォォ・・・セイッ!」

 

 俺のオーブカリバーとジャグラーの刀、互いの刃がぶつかり合う。

「「っ!?」」

 

 力と力のぶつかり合いの末に衝撃で俺とジャグラーは互いに剣が吹き飛び、お互いの後ろに突き刺さった。

「デァ・・」

 

「しまった・・」

 

「「・・・・ッ!!」」

 

 互いに顔を見合わせた俺とジャグラーはほぼ同時に後ろへと駆け出す。理由は同じ。地面に突き刺さった剣を引き抜くためだ。

「ダァッ!」

 

 先に剣を引き抜いたのは俺だった。

「っ・・あ、抜けねぇ・・」

 

 ジャグラーの方は俺よりも深く突き刺さってしまっているようで中々引き抜けずにいた。

「オーブフレイムカリバー!!」

 

 そんな隙を見逃すつもりがない俺は火の力を解放してオーブフレイムカリバーをジャグラーへと飛ばすと、ジャグラーは火の結界に包まれる。

「ハァァァ・・・ドラぁっ!」

 

 刀を引き抜いたジャグラーは火の結界を引き裂いて炎の中から出てきた。

「そんなものか?聖剣に選ばれし者の力は?・・・闇の力思い知るがいい」

 

「ウール!サァラ!しっかりして!」

 

 ジャグラーは再び斬撃を飛ばす構えを取ると、俺は後ろに久遠たちがいたことに気づいた。どうやらウールとサァラが意識を失っていて、必死に呼びかけているようだ。

「よそ見は厳禁だぞ。・・・新月斬波!!」

 

「ウワァァァァ!?」

 

 避けたら久遠たちが危ないと判断した俺は斬撃をオーブカリバーで受け止めるも、一撃目でオーブカリバーが吹き飛び、続けて放たれた二撃目が直撃してしまう。直撃した俺は闇の力によって身体が蝕まれ、電撃を受け続けているような痛みが身体を襲った。

「ひゃははハハ!」

 

 避けるわけにはいかない俺に対して、ジャグラーは面白そうに次々と連続して斬撃を飛ばしてくる。

「グ・・ァァ・・」

 

 片膝をついた俺のカラータイマーが赤く点滅する。

「フッフッ・・終わりだな」

 

「グッ・・・ォォ・・」

 

 ボロボロになりながらも立ち上がったオーブは私達を守るように両腕を広がた。

「さぁ、この一発で地獄へ行け!!」

 

 ジャグラーはトドメと言わんばかりに今までで一番力を込めた斬撃をオーブへと飛ばした。

「ァァ・・・」

 

 オーブが前へと倒れるとジャグラーは倒れているオーブを蹴って顔を表にする。

「あっけねぇな。人間なんか庇うからだ」

 

「オーブ!立って!!」

 

 私は大声でオーブに呼びかける。きっとオーブならもう1度立ちあがってくれることを信じて。

「おいおい、勝ったのは俺だ。アハハはっ!ハハハハハっ!」

 

「「「・・・・・」」」

 

 ジャグラーが勝利に酔いしれて高笑いをしてる中、私達はジャグラーの後ろに視線を向けていた。

「あぁん?」

 

 私達が自身の後ろへと視線を向けていたことに気づいたジャグラーが振り返ると・・・ジャグラーの真後ろにはオーブが立っていた。

「何っ!?ハァァッ!」

 

 オーブはもう立ち上がれないと思っていた様子のジャグラーは刀をオーブへと振るうと、オーブはその刃を素手で受け止めたかな。

「貴様は限界のはずだ!なのに何故・・・」

 

「誰かを守りたいと思う心。それは俺に限界を超えた力を与えてくれる」

 

「いったい何だこの力は?何処からそんな力が残っていた・・・?!」

 

 力負けしたジャグラーはオーブに刀を投げ飛ばされて、後ろへと下がる。

「お前が捨てた・・・力だぁぁぁッ!!」

 

 オーブはジャグラーを蹴り飛ばすと、ジャグラーも反撃と言わんばかりに蹴り込んでくる。するとオーブはその足を両手で掴んで肘で何度もその足を攻撃する。

「くっ・・・このっ!!」

 

「オォォォ・・・シュァ!ダァッ!」

 

 その拘束から逃れたジャグラーはオーブに背負い投げを決めようとすると、その腕を足で絡めとったオーブは4の字固めを決め込んだのちにマウントを取って何度もジャグラーの顔を殴りつけた。

「この・・・離れやがれ!!」

 

「オォォォォォ・・・リャァぁっ!!」

 

 オーブを蹴る事でマウントから逃れたジャグラーはすぐさま立ち上がって殴り掛かると、オーブはその腰を掴んで持ち上げ、そのまま投げ飛ばしたかな。

「オーブカリバー!!」

 

 吹き飛んでいた剣を引き寄せたオーブは、それを手に取るとリングを回転させて引き金を引いた。

「オーブスプリィィム・・・」

 

 オーブは剣で空に円を描くと、描かれた円のエネルギーが剣へと集束されて虹色に輝いたかな。

「カリバァァァァァ!!」

 

虹色に輝く剣から放たれた光線がジャグラーに直撃する。その光線を受けたジャグラーから爆煙が舞うと・・・その衝撃がこちらにも伝わってくるのを感じたと同時にウールとサァラの意識が戻った。

「大丈夫2人とも?」

 

「ちょっと気を失ってた」

 

「ただ頭をぶつけた衝撃で脳震盪を起こしてしまい意識を失っていただけです。命に別状はありません」

 

 ウールとサァラは金色に輝くオーラを互いに浴びせて互いを治癒すると、ボロボロになっているガイがやってきたかな。

「お前ら、無事なようだけど随分とボロボロだな」

 

「ガイも人の事言えないかな」

 

「そうか?」

 

 ガイは自分の服を見て砂埃を手で払っていたかな。

「・・・心配かけちまったな。久遠」

 

「心配なんかしてないかな。だってガイだもん」

 

 

 

~~朧~

 

「ウルトラマンオーブが無事街を守ってくれたか。ならこちらも仕事を果たさねばな」

 

 ウルトラマンオーブの戦いを見届けた俺は爆煙の中から出てきた人物を追ってビルの屋上へと足を運ぶ。

「・・・・」

 

 久遠が写真を添付してくれたおかげで判明したあの魔人となっていた宇宙人の男だ。

「ターゲット!身柄確保!」

 

 そのターゲットへと銃口を向けた俺はゆっくりとその男との距離を詰めた。

 

 

~~ジャグラー~

「守りたいと思う心・・・か」

 

 そういえばいたなぁ。数千年ぐらい昔・・・俺がまだ光なんかをまだ少し抱いていた頃に・・。

「ターゲット!身柄確保!」

 

 声に反応して俺は上半身を起こすとそこには地球の防衛隊らしき男が俺に銃を向けていた。

「ハッ・・」

 

俺は指で銃を向けるような動作をした途端、ビルの下から数機の戦闘機が浮かび上がってきて俺を取り囲んだ。

「終わりだな。宇宙人」

 

「・・・バーン」

 

 指で防衛隊の男を撃つ動作をした俺は・・・その後この星の防衛隊であるBRGという組織によって拘束されることとなった。

 




ウルトラヒーロー大研究

ウルトラマンダイナ・ミラクルタイプ
属性 速属性

 ダイナさんが青く変化した姿。ミラクルタイプ。スピードとサイキック能力に優れている形態で空間を右手の中に圧縮して超衝撃波を作り出して放ち、相手の背後にブラックホールを作り出すレボリウムウェーブは特に強力だぞ。


レッドキング
属性 土属性

 髑髏怪獣レッドキング。光線技らしい技はなく自慢の拳のみで戦う漢らしい戦法画を救る怪獣でかなり怪力の怪力だぞ。確かに強い怪獣ではなるが強いかわりに馬鹿だと言われてしまうほど知性がない怪獣だ。

次回「復活の超大魔王獣」

 

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