ウルトラマンオーブ 天かける星の祈り歌   作:彩花乃茶

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 ジードはやっぱりぺガがヒロインにしか思えないほど、ヒロイン力が高いと思います。



Zのゲーム

~~ゼット~

 

「さて、今回はどう攻略してみるか」

 

 この間は攻略してきた星々で拾っていたスパークドールズでプレイヤーを選抜したが、結局はイマイチな連中ばかりだった。

「・・・今度はプロを雇ってみるか」

 

 そうと決めた俺は『ウルトラマンを倒したい奴・急募』と地球近くに待機している複数の円盤にメッセージを送ってみるとすぐに3人の宇宙人とコンタクトが取れた。

『お前がメッセージの送り主か』

 

「あぁ。俺はゼットだ」

 

『ゼット・・・あのZか。何故貴様が傭兵や殺し屋を集める?』

 

 画面に映るゼットン星人は俺の評判を耳にしているようで、自分達を雇おうとする理由を聞いてきた。

「そう警戒するなって。侵略なんかただのゲームだ。ウルトラマンオーブっていう難易度ウルトラな相手を協力プレーで攻略しようぜ」

 

『遊びで侵略とは・・・話に聞いていた通り酔狂な奴だ』

 

 ため息をついたゼットン星人は俺の円盤へとワープしてくるとロングバレルタイプのビームライフルを肩にかける。

「ゼットン星人センサ。殺し屋だ」

 

 殺し屋をしているゼットン星人がセンサと名乗ると、次に地球人のようなタイプの宇宙人がやってきた。科学力が高いというサロメ星人だ。

「ウルトラマンでデータを取るいい機会だ。その提案に乗ろう」

 

 データを取るために協力してくれる様子のサロメ星人の手にはスパークドールズが握られていた。

「なんだよ。遊ぶゲームぐらい貸してやるのに」

 

「その必要はない。お前の作り上げたゼータスパークのみで充分だ」

 

 ゼータスパークとスパークドールズぐらいこっちで用意するつもりだったが、サロメ星人は自分達で作り上げたそれを試すつもりなようだ。

「ハードだけ借りれればいいってことか。名前は?」

 

「サロメ星人のエヴァルス」

 

「エヴァルスか。そんで最後はお前だな」

 

「やはり気づいていたか」

 

 センサが来ると同時にステルスを発動させながら潜り込んでいた残る1人へと視線を向けると、そいつはステルスを解除して正体を現す。

「バット星人ゾオン。傭兵をしている」

 

 傭兵のバット星人とは珍しいな。

「バット星人といえば技術だったり怪獣の育成だったりが得意な奴が多いはずだが、何でお前は傭兵をしてるんだ?」

 

「大した理由ではない。俺はそれらに恵まれなかった。それだけだ」

 

 恵まれなかった・・ねぇ。

「まぁいいか。てなわけで募集した理由は侵略ゲームで地球に現れてるボスキャラ、ウルトラマンオーブの攻略だ。報酬は活躍に見合ったぶんを出してやるよ」

 

 そう言いながらも俺は3人にゼータスパークを渡す。

「これを獲物に戦えということか?」

 

「言っただろ。これはゲームだって。こいつはゲームに必要なコントローラーぐらいに思ってくれよ」

 

「・・・確かにウルトラマンのような巨大な相手にはこのようなものを用いて戦うしかないか」

 

 理解を示してくれたバット星人は幾つものスパークドールズを飾っている場所に視線を向ける。

「怪獣はこちらで選ばせてもらうぞ」

 

「あぁ、それは全然OKだ。だけどゼータスパークでライブできるのは1回だけだからキャラセレクトは自分に合ったのにしろよ」

 

「それでは俺はこれにしよう」

 

 センサは右端にあったEXゼットンのスパークドールズを手に取る。エヴァルスはデータを取りたいと言っていたものがあるので子の中から取る気はないようだ。

「ならば俺は・・・これにしよう」

 

 ゾオンは真ん中に置かれていたスパークドールズに決める。これで全員がキャラセレクトを終えたな。

 

 

 

~~久遠~

 

「あぁ・・・もうすぐ春休みも終わりかぁ」

 

 音々の高校が影響でホーという怪獣が出現してから4週間が経過した。あれから時に怪獣が出現したなどはなく平和が続いていたかな。

「こうも平和なのは久々ですね」

 

「先月までは2週間に1体。酷い時は1日に3体現れた時もあったからな」

 

 今年になってから侵略者による襲撃が頻繁になっていたけど・・・侵略ブームが過ぎたのかな。

「まぁ・・・そういったのが出ないせいでSSPのサイトが更新できないんだがな」

 

 徹さんがため息をついた瞬間・・・何処からともなく聞こえてきた銃声とともに店の窓ガラスが割れた。

「「きゃぁっ!?」」

 

「っ!!」

 

 いきなりの出来事に店の仕事をしていた音々と瑠々がしゃがみ込むと、すぐさまガイが外へと出ていく。

「ガイ!」

 

「待て嬢ちゃん!今外に出るのは・・・」

 

 徹さんの静止を振り切って私は外に出て周囲を見渡すも、銃撃した犯人どころかガイの姿すら確認できなかった。

「どうしたんだい?」

 

「どうしたんだアネゴ?」

 

「襲撃」

 

「何者かの狙撃がありました」

 

 トリコリにやってきた様子のヤクトワルトとシノは慌てている私を見て何があったのかと尋ねると、いつの間にか真後ろに立っていたウールとサァラが割れた窓ガラスを指さしながらそう説明をしてくれた。

「なるほどな・・・」

 

 ヤクトワルトはシノを連れてトリコリの中へと入ると、すぐに1人で出てきた。

「シノは木村に任せてきた。・・・嬢ちゃんは犯人とそれを追った旦那を探すんだろ。1人じゃ危ないだろうから付いてくぜ」

 

「私達も・・・」

 

「お供致します」

 

 3人は私1人では危ないということで付いていってくれると言ってきた。

「ありがとう。それじゃSSP出動っ!」

 

 

 

 

 

 

~~ガイ~

 

「お前か。さっき撃ってきたのは・・・」

 

 店を出た俺はすぐさま銃弾が放たれたビルの屋上へとやってくると・・・そこにはライフルを肩にかけたゼットン星人が立っていた。

「その男がウルトラマンオーブですか。噂ほど強そうではありませんね」

 

「油断しないほうがいい。あの男は伝説に語り継がれる魔王獣たちを倒したという戦士だぞ」

 

 さらには白いスーツの女とこの前とは違ってスタイリッシュなバット星人も姿を現した。あの白い服・・・特徴的にサロメ星人か。

「『Z』の依頼だ。お前を始末する」

 

「Zだと?」

 

 80さんが言っていたあのZか。この間は如何にも適当な奴って感じの奴らだったが、今回はプロっぽい雰囲気の奴らを使わせてきたな。

「お前達は何者だ?」

 

「お前を攻略するゲームにスカウトされた殺し屋さ」

『ゼータライド・EXゼットン!』

 

 そう言ったゼットン星人は頑丈な甲殻と鋭利なクローを持つ強化体ゼットン・・・EXゼットンに姿を変えた。

「・・・・」

『ゼータライド・ハイパーゼットン!』

 

 物静かな雰囲気のバット星人はハイパーゼットンへと姿を変える。

「さぁ、データを取らせてもらいますわ!」

『ゼータライド・メカゼットン!』

 

 そしてサロメ星人は機械で作られているゼットン。いうなればメカゼットンともいうべき怪獣へと姿を変えた。

「またゼットン集団か・・」

 

 だけど今回はこの間とは違って強化体とロボットが相手だ。しかもライブした奴らですら前よりエリートっぽいのだし、厳しい戦いになりそうだな。

「ウルトラマンさん!」

『ウルトラマン!』

 

「ネクサスさん!」

『ウルトラマンネクサス・ジュネッス!』

 

「光の絆、繋げます!」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!スぺシウムシュトローム!』

 

 スぺシウムシュトロームへと変身した俺は空中から光の刃をメカゼットンへと放ち、EXゼットンへとキックをぶつけてから着地をする。

「受け継がれていく魂の光」

 

 さて・・・どう戦うべきか。まずは一番厄介そうなハイパーゼットンから倒すべきか?

「旦那はその細い奴に集中するじゃん」

 

「っ!」

 

 声に反応して振り向こうとした瞬間、斬撃が俺の横を通り過ぎてEXゼットンへと飛んでいく。

「ゼットォォン・・」

 

 その斬撃はバリアによって防がれると、その斬撃を放った人物が横に並び立った。ザムシャー族としての姿に変わっているヤクトワルトだ。

「EXゼットンとは珍しい・・。俺が相手をするぜ」

 

「ゼットォォン」

 

 ヤクトワルトは跳び上がって刀を振り下ろそうとするとEXゼットンの放った火球に吹き飛ばされる。

「ぬぉ・・・!?」

 

 転倒したヤクトワルトに対してメカゼットンは胸部のクリスタル部分から光弾を放とうとすると・・・メカゼットンはガトリングガンによる攻撃でそれが中断された。

『あのロボットはお任せください』

 

『久しぶりに戦う』

 

 ガトリングガンを放ったのはウールとサァラが動かすルディアンだ。マガオロチとの戦いで大ダメージを受けていたが修復を終えていたのか。

「それじゃ・・・任せる」

 

 ヤクトワルトにEXゼットン。ウールとサァラが乗るルディアンにメカゼットンを任せた俺は低空飛行からのキックをハイパーゼットンへと決め込もうとすると真後ろへとテレポートをされてしまう。

「ppp・・ゼットォォン・・」

 

「クロスレイスぺローム!」

 

 背後から火球を放ってきたハイパーゼットンに対して俺は腕を十字に重ねて光線を放った。何とかその光線で火球は相殺できたが、この姿じゃ有効打を与えるのは難しそうだな。

「タロウさん!」

『ウルトラマンタロウ!』

 

「マックスさん!」

『ウルトラマンマックス!』

 

「強さの高み!お願いします!」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!ストリウムギャラクシー!』

 

 パワーで勝負しようとストリウムギャラクシーへと姿を変えた俺はハイパーゼットンへと殴り掛かろうとするとまたもテレポートをされて避けられた。だがもうそれは見切っている。

「ダァッ!!」

 

 真後ろから攻めてくると判断した俺は体を捻らせて後ろに移動していたハイパーゼットンをパワーマックスで殴り飛ばした。

「ストキシウムカノン!」

 

「ゼェェトォォン・・」

 

「デュァ!?」

 

 そして光線を放ちながら距離を詰めるも・・・その光線はハイパーゼットンのアブゾーブによって光線が吸収されて、そのエネルギーが増幅されて撃ち返されてしまった。

「ぬぉっ!?」

 

 ヤクトワルトの方もEXゼットン相手に1人ではキツイらしく、火球を刀で斬り裂くと片膝をついてしまっていた。

「大丈夫かヤクトワルト?」

 

「旦那の方こそ・・・だいぶ苦戦してるじゃん・・」

 

 ハイパーゼットンもEXゼットンも普通のゼットンより格上の存在で多くのウルトラマンさん方は複数人で協力して倒していると聞く。だけど連携を取って倒せるほど、こちらには余裕がないのが現状だ。

「どうする?1体ずつ倒してみるか?」

 

「1体ずつ相手にさせてくれるような相手か?」

 

「とてもそうは思えないな」

 

 前のアホっぽい連中なら2対1に持ち込むこともできただろうが・・・今回の奴らは前の時と違ってガチっぽいから難しい。だがあちらもヤクトワルトとルディアンが現れてからは各個撃破を考えていたようで、俺達は見事に相手の思うツボにハマったってわけだ。

『これで・・・』

 

ルディアンはミサイルを放ってメカゼットンを攻撃するも、それはあっさりと触覚部分から放たれたレーザー光線によって撃ち落されてしまう。いくらロボットとはいえ相手はゼットンだ。弱いわけはない。

「イチかバチかだが・・・活路を作ってみる」

 

 これが成功するかどうかは分からないが隙は作れるはずだ。

「セブンさん!」

『ウルトラセブン!』

 

「ゼロさん!」

『ウルトラマンゼロ!』

 

「親子の力!お借りします!」

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!エメリウムスラッガー!』

 

 エメリウムスラッガーへと姿を変えた俺は3つの刃を飛ばしてそれぞれのゼットンへと攻撃をする。

「「「ゼェェトォォン・・」」」

 

 それぞれのゼットンはそれをバリアを張ることで防ぐと、3人とも俺の策を理解してくれたようで真っ先にルディアンが動いた。

『リミッター解除』

 

『全弾発射します』

 

 リミッターを解除されたルディアンはガトリングガンとミサイル、そして目の部分からレーザーを一斉に放つとそれぞれのゼットンが張っていたバリアが砕けた。

「陽炎の太刀、爆龍ノ迅!」

 

 ヤクトワルトが横に刀を振るうとメカゼットンは上半身と下半身が離れ離れになって倒れ、EXゼットンの硬い甲殻に傷がついていた。

「やっぱあの怪獣は硬いな。悪い旦那、仕留めそこなった」

 

「充分だ」

『覚醒せよ!オーブオリジン!』

 

「オーブカリバー!」

 

 オーブカリバーを手にしてオーブオリジンへと変身した俺はリングを回転させて『風』の力を解放する。

「オーブウインドカリバー!」

 

 大きくオーブカリバーを振るう事で巨大な竜巻を起こし、それによってEXゼットンを巻き上げる。

「ヤクトワルト!」

 

「応ッ!」

 

 巻き上げられているEXゼットンにヤクトワルトが斬撃を飛ばすと・・・その斬撃は先ほどヤクトワルトが傷をつけていた部分に直撃した。

「ゼッ・・・トォォォン・・」

 

 その攻撃でEXゼットンも爆発すると、残るはハイパーゼットンのみとなった。

「オーブスプリーム・・・」

 

 このまま決めようとオーブスプリームカリバーを放とうとすると、それを撃つよりも前にテレポートで距離を詰められてオーブカリバーが弾き飛ばされてしまった。

「ッ!!」

 

 俺はすぐさま殴り掛かって対応しようとするも身体の一部をテレポートさせられ、まるですり抜けるように拳をからぶった。

「ヌンッ!」

 

 ヤクトワルトも刀を振るって対応したが・・・片腕でそれが弾かれてカウンターの火球を受けてしまった。

「ぐぉ!?」

 

 それによりヤクトワルトはアヌーの姿へと戻ってしまう。

『申し訳ありません』

 

『リミッターを解除した反動で動かせない』

 

 ルディアンはさっきの全力攻撃の反動で動けなくなってるようで既にスパークドールズに戻ろうと光が漏れていた。

「・・・シュァ!」

 

 互いに1対1か。さっきと状況は変わらないように思えるが・・・俺のタイマーは既に赤く点滅してる。必殺技を連続で使ったせいで消耗も早かったんだ。

「シュワッ!!」

 

 右腕に光のエネルギーを集束させて手刀で光の刃を飛ばす。しかしそれはあっさりと部分的なテレポートで避けられてしまう。

「オォォォ・・セイッ!」

 

 部分的なテレポートで避けられてしまうことを想定していた俺は光の刃を飛ばすと同人ハイパーゼットンの後ろに回り込んでいて、避けられていた光の刃を蹴り飛ばすことでそれをハイパーゼットンの背に喰らわせた。

「背中がガラ空きだぜ」

 

「ppp・・・ゼットォォン・・」

 

 怯んでいるハイパーゼットンに追撃を仕掛けようとした途端、上半身を俺の頭上にテレポートさせてそこから火球を放ってきた。

「デュォ!?」

 

 想定してなかった攻撃に反応しきれなかった俺はその一撃で背中から倒れてしまうとハイパーゼットンはトドメを刺すと言わんばかりにゆっくりと歩いてきた。

 

 

~~久遠~

 

「ゼットォォォン・・」

 

 ヤクトワルトとウールサァラの協力で何とか2体は倒せたまではよかったけどハイパーゼットンはダメージで中々起き上がれないオーブにトドメを刺そうと近づいてきた。

「立ってオーブ!!」

 

 私はオーブに早く立つように呼びかけるも、オーブが立ち上がるよりも早くハイパーゼットンは火球を生成してそれを放とうとした途端・・・

「っ!?」

 

 ハイパーゼットンは四方から飛んできたミサイルを左膝に受けてバランスを崩した。

「今の攻撃・・・まさか!!」

 

 私は辺りを見渡すとBRGのジェットスピーダー4機が4方向からハイパーゼットンを捉えていた。

「やっぱりBRGだったかな・・」

 

「あぁ。いつもは遅れてしまうが、先日あの人に注意されてな。・・・今回は怪獣出現からかなり速めに対応できた」

 

 後ろから聞こえてきた声に振り返ると、そこには日本支部隊長の朧伯父さんが歩いてくるのが見えたかな。

「総員!警戒を怠らずに距離を取れ!奴はテレポートのようなもので瞬時に距離を詰めてくるぞ!」

 

 朧伯父さんの指示でジェットスピーダー各機はハイパーゼットンと距離を取る。

「大丈夫だったか久遠?」

 

「うん。私は大丈夫かな。でも・・・」

 

 私は少し先で倒れているヤクトワルトと彼に肩を貸してこちらへと歩いてきているウールとサァラに視線を向ける。

「変わろう」

 

「よぉ大将・・・。もうちょっとばかし早く来て欲しかったじゃない」

 

「すまんな。申請などの手続きのせいでこれが今できる速さの限界なのだ」

 

 ウールとサァラから交代してヤクトワルトに肩を貸した朧伯父さんはこれが出撃までの速さの限界だと話しているとオーブは立ち上がって右拳に力を溜めた。

 

 

~~ガイ~

 

 BRGのおかげで難を逃れることのできた足をふらつかせながらも立ち上がる。タイマーの点滅も速まっていてこれ以上戦いを継続させるのは無理だ。あと一撃が限度だろうな。

「次の一撃で決める!」

 

 オーブカリバーはハイパーゼットンの後ろの方で地面に突き刺さっている。引き抜いたり、引き寄せるほど余裕はない。それ以前に光線技はあいつに対して有効じゃないと考えると・・・あの力だな。

「ダイナさん!」

『ウルトラマンダイナ!』

 

「コスモスさん!」

『ウルトラマンコスモス!』

 

「ゼロさん!」

『ウルトラマンゼロ!』

 

 3枚のカードをオーブリングにリードするとそこから解放された光が渦となる。

『ウルトラフュージョン!』

『ウルトラマンサーガ!』

 

 その渦が重なり一枚のカードへと変化する。3人のウルトラマンさん方の光が1つとなり『人の形をした光』を思わせる結晶体のようなボディをしたウルトラマン・・・ウルトラマンサーガさんのカードだ。

「輝く希望の光、お借りします!」

『ウルトラマンサーガ!』

 

 手にしたウルトラマンサーガさんのカードをオーブリングでリードすると、俺の隣には半透明のサーガさんが現れる。

『サーガマキシマム!』

「オォォォォ・・・セェェェイッ!!

 

 そしてその必殺技をお借りして拳に力を溜める。サーガさんが俺に重なると同時に全エネルギーを集めた拳をハイパーゼットンへと振るった。それがクリーンヒットしたハイパーゼットンが爆発するとライドしていたバット星人が地面へと落下した。

 

 

 

~~久遠~

 

「ぐっ・・・」

 

 ハイパーゼットンがオーブに倒されると、その爆発の中からバット星人が目の前に落ちてきたかな。

「下がっていろ久遠!」

 

「ぐっ・・」

 

 朧伯父さんは銃を構えながら私達の前に立つとバット星人は立ち上がったかな。

「・・・依頼は達成ならずか。撤退す・・・ぐっ!?」

 

 バット星人は敗北を認めてこの場を去ろうとすると苦しみながら膝をついた。

「な・・なんだこれは?」

 

 みるとバット星人の身体は粒子の粒になるように蒸発し始めていた。それは本人も予期せぬことだったようで冷静さを保とうとしながらも焦りを隠せずにいると別の宇宙人がテレポートで私達の前に現れた。

「せっかくレアアイテムのハイパーゼットンとEXゼットンを使わせてあげたのに負けちゃったのかよあんた等」

 

 黒い魔人といった姿をしたその宇宙人は軽い口調でバット星人にそう話しかける。

「それに関しては事実なので言い返すことはできん。だがこれはなんだ?俺の身体に何が起きている?」

 

「あぁ、消えかかってることのことか。そりゃゲームオーバーになったんだから当然だろ?」

 

「ゲームオーバーだと?何を言って・・・くっ・・」

 

 両脚が完全に消えてしまったバット星人はその場に倒れながらも黒い魔人を睨みつけると、その黒い魔人はバット星人の顔を覗き込むようにしゃがむ。

「あんた等に渡したゼータスパークはライブできるのは1回だけってのは事前に説明したよな。それはな、ライブした奴そのものを怪獣に変化させてるからなんだよ」

 

「なん・・・だと・・」

 

 バット星人は黒い魔人が語ったその事実に驚いた反応をする。確かに思い返せばこの間のチームゼットンも今回の襲撃者たちもこのバット星人以外は怪獣が倒されてから見かけていないかな。

「あんたの使ったゼータスパークはコピー品のコピーでまだデータが再現されているほうだったから元の姿に戻れたようだが・・・戻れたところで生命力自体はほとんど使い果たしたっぽいから死にかけてるってわけ」

 

「まるで仲間を使い捨てにするみたいなやり方かな・・」

 

「使い捨てになんかしてないさ。ちゃんとプレイヤーの1人としてこいつらの命は尊重しているぜ。それに元々生物ってのはたった1つの命を大切にするもんだろ。あくまで俺はその身体を作り変えるアイテムを渡してやっただけでそいつ自身の命を奪ってるわけじゃない。こいつ等はオーブとの命をかけたゲームに負けたからこうなってるんだよ」

 

 命をかけたゲームって・・・。この黒い魔人はそもそも命の価値観から私達と違うっぽいかな。

「敗者には敗者のルールがあるということか・・」

 

「そういうこと。じゃあなゾオン」

 

 潔く自身の負けと死を受け入れたバット星人はそのまま完全に消滅してしまうと、遅れてガイがこの場へとやってきた。

「お前・・・何者だ!!」

 

 宇宙人に詳しいガイもあの黒い魔人は所見だったようで、何者かと尋ねる。

「そういやまだ自己紹介がまだだったな。俺はゼット。これまで完全無敵のGEMERの宇宙恐魔人ゼットだ」

 




ウルトラヒーロー大研究

ウルトラマンオーブ・スぺシウムシュトローム
属性・絆属性

 ウルトラマンさんとネクサスさん。2人の絆という光の力をお借りした姿がスぺシウムシュトロームだ。アクロバティックな飛行を得意とする形態で空中からの光線技を駆使した戦法が得意な形態でもなんだ。2種類の光線を同時発車する必殺技のウルトラフルバーストは強力だぞ。
 
メカゼットン
属性・光属性

 宇宙恐竜ゼットンをモデルにサロメ星人が開発したスパークドールズによって解放されたメカ怪獣、それがメカゼットンだ。ゼットンの能力を限りなく再現されたロボットだったが、ライブしているのが戦闘慣れしてないのもあるが一緒に現れたハイパーゼットンとEXゼットンにはだいぶ劣っていたな。

次回「遺伝子の想いを込めて」

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