~~音々~
オーブとガンQの戦いから1時間後、一旦トリコリへと戻った私達はお客さんが少ない時間帯ということで御店を瑠々さんに任せてウールさんとサァラさんを連れて再びスパークドールズの捜索を始めました。
「どう2人共。スパークドールズの気配を追えそう」
「ふつうに難しい」
「人形のシミを見て、持ち主を特定するようなものです」
TVとかでみる科捜研の人達が犯人を特定するって感じに近いようですが・・・どうやら私達はお2人にそれをお願いしているようです。
「けど出来なくはない」
「スパークドールズが1つだというなら気配を辿れませんでしたが、盗まれたのが3つだというなら可能だと思います」
やはり人形になっているからかスパークドールズ1つの気配はそれほどではないようです。
「例えるなら知らない人の気配を辿って、その人探すようなもの」
「ですがスパークドールズが複数なら1つの集団を探すようなものなのですので」
「なぁるほど!話は聞かせて貰ったよ!」
無駄に高いテンションをした声が響いてきたのです。この声・・・あの人なのですよ。
「いつも思うのですが・・・いったいいつの間に聞き耳を立ててるのです?杏さん」
私はため息をつきながら振り返ると・・・そこにはさも当然なような顔つきな杏さんとそれを止められなかったことを悔いている様子の千佳さんがいました。
「それは当然・・・トリコリに戻って来たタイミングからに決まってるでしょ!」
あぁ・・そのタイミングから尾行されていたのですね。
「気が散る」
「気配を探すので少し静かにしてください」
「あっ、はい・・。ごめんなさい」
ウールさんとサァラさんに静かにするように言われると、さすがの杏さんも静かになりました。
「・・・西の方角・・」
「ここから15キロほど行った場所にスパークドールズの気配を感じます」
西に15キロ。・・・2つほど行った町ですね。
「もう少し具体的にはできないの?」
「分かるのは気配だけ」
「ここからの具体的な場所の特定は不可能です」
全てを見通すという千里眼でもないかぎり確かに場所まで視るというのはできないですよね。正直この2人ならできそうだと思ってましたけど・・。
「ひとまずそっちに向かってみるか!近づけばもう少し正確な場所が分かるかもしれないしな」
私達はひとまず西に15キロほど行った場所へと向かってみたのです。
~~杏~
「いったいどこなのぉ~」
ウールとサァラが西にスパークドールズの気配を感じてから数十分ほどで西に15キロの場所に到着したのはいいけど、ここまで近づいても2人がそれらしい気配を感じ取れずに2時間ほど周囲をぶらついていた。
「これ以上気配を頼れない」
「疲れてもう無理だったりするのかな?」
久遠は2人が疲れて探索が難しくなったのかと尋ねたら、2人は首を横に振った。
「スパークドールズの気配が消えかかってる」
「ここまで来た頃には既に命尽きる寸前かのような気配になっていたので、これ以上の特定はできません」
つまりスパークドールズが死にかかってるってこと?
「えと・・人形なのに死にかかってるのですか?」
「怪獣が人形になってると言っても命は残ってる」
「壊れたりすれば、それは当然怪獣が命を失います」
確かに怪獣たちにとってスパークドールズは時間が止まった状態らしいし、止まってる間に身体がバラバラにされちゃったらそりゃそうなっちゃうよね。
「スパークドールズの気配ではないですが・・・別の気の流れは感じます」
別の気の流れ?
「その気は何か別の気を吸い取ってるようにどんどん大きくなってる」
「確かにそりゃ怪しいな。場所は何処だ?」
キャップがその場所を聞いてみたら、2人は正面に見えるホテルを指さした。
「ホ・・・ホテル?」
普通そういうのは人気の少ない場所で作業をするものだと思っていた私達はあまりにも意外な場所に驚いていて固まってしまう。
「なんでホテルなんだろ?」
「とりあえず入ってみるか」
私達はそのホテルの中へと入ってみる。電気こそ通っているようだけれど、まるで人払いがされたかのようにホテルの中には従業員すらいなかった。
~~音々~
ウールさんとサァラさんがホテルに別の気が流れがあるという事なのでそのホテルの中へと入ってみると・・・ホテルには宿泊客はおろか従業員さんの姿もなかったのです。
「照明はついているから経営自体はされてるはずなんだが・・・どうなってるんだ?」
「まるで神隠しにでもあったみたい」
「あったみたいじゃなく、たぶんみんな消されたんだと思う」
え?消された?
「どういうことなのです?」
「この建物の中には私達以外の気配が1つしかありません。その1つの近くに大きな気を感じます」
「たぶんその大きな気にここにいる人達の気・・・生命力が吸い取られた」
気の動きというのはそういうことだったのですね。
「このホテルの人達やスパークドールズの気を吸い取って、犯人はいったい何をする気なのですか?」
「それは分かりません。ですが・・・」
「犯人は私達に気づいて、狙ってきたのは確か」
サァラさんがそう言った瞬間、私達の前に20体ほどの銀色のアーマーをした人型の何かが現れたのです。
「おい2人とも、あれは何だ?」
「傀儡の兵士」
「分かりやすく言えばロボットの兵隊です」
ロボットの兵隊・・。このホテルの人達はあの軍団に捕まって生命力を奪われてしまったのですね。
「だったら私達が捕まるわけには行かないかな。セイっ!」
ロボット軍団へと真っ先に特攻した久遠さんは銃撃を掻い潜って1体の懐へと飛び込むと重めのボディーブローを叩き込みました。
「シッ!」
そして背後に迫って来た別のロボットの頭をがっつり掴むと、それを勢いよく地面へと叩きつけてそのロボットを破壊したのです。
「そういえば特技はCQCでしたね」
「のォォォらっ!!」
兄さんも接近してきたロボットの腕を掴んで背負い投げで別のロボットにぶつけたのです。兄さんは一応柔道で黒帯なほどの実力者ですが、あくまでも一般人としては強い程度なので無茶はしないで欲しいのです。
「てい」
「邪魔です」
ウールさんとサァラさんは手から金色に輝くエネルギー破を飛ばして遠くのロボットたちを吹き飛ばしました。やっぱりお二人はこういうことができるんですね。流石です。
「・・・フンッ」
そして千佳さん。杏さんのボディーガードというだけあって寄ってくるロボット達の打撃をあっさりと受け流していました。しかし本来守られるはずの杏さんはと言うと・・・
「とぉぉりゃっ!!」
自ら前に出てロボットへと殴り掛かっていました。
「危ないので・・・す」
危ないので下がるように呼びかけようとすると、杏さんの拳はロボットを貫通したのです。
「てぇぇぇい!」
偶然装甲の薄い部分に当たったのだと考えてもう1度杏さんの方へと視線を向けると・・・今度は杏さんの回し蹴りでロボットが胴体から粉砕されたのです。このロボットたちは確かに機械なはずなのにどうやったらそれを貫通させたり、粉砕させられるのですか?
「お嬢様は特殊体質でその気になれば常人の数十倍のお力を振るうことができる」
いやあれ特殊体質って説明で片付くレベルじゃないと思うのですよ。
「とはいえいくら怪力でも体術に関してはまだ経験が乏しい。なので油断をしてしまうと・・・」
「にょわっ!?」
千佳さんが杏子さんのことを語っていると、杏さんはロボット軍団に抑え込まれてしまった。
「こうなってしまう恐れがあるので・・・前に出て欲しくないのだ」
愚痴りながらも千佳さんは杏さんを助けようと駆け出した瞬間・・・私達の横を誰かが駆け抜けました。
「その手を離せ。機械人形」
杏さんを押さえつけているロボット達を颯爽と現れて引き剥がしたのは・・・ガイさんでした。
「ガイ!」
「フンッ!大丈夫か杏?」
「う、うん!大丈夫!」
押さえつけていたラスト1体を蹴り飛ばしたガイさんは杏さんの安否を確認すると、杏さんは大丈夫だと頷きました。
「ガイはどうしてここに?」
「お前らがここに入るのを見かけたから念のため付いてきたんだよ。これまた危険な状況になってやがるな」
それはガイさんも人のことが言えないと思うのです。
「ここは俺が何とかしてやるから、お前らは早くここから出ろ」
「えっ、でも・・・」
「こいつ等がいる時点で奥の方に宇宙人がいることは分かってるだろ。もしここで怪獣が出てきたら下敷きになっちまうぞ」
奥にいるであろう宇宙人はいつでもスパークドールズを戻せるはずなので、確かに建物内にいるのは危険なのです。
「・・・悪いなあんちゃん!そんじゃここは任せるぜ!」
兄さんはこの場をガイさんに任せる決断をしてここで撤退する決断をしました。
「えっ?良いの?スパークドールズは・・・?」
「残念だけど今回は依頼失敗だ。たぶんスパークドールズは取り戻せない」
たしかに生命力が吸い尽くされたであろうスパークドールズを無事に取り戻せるかといえば・・・おそらく無理なのです。
「悪いなマロロ」
「構わんでおじゃる。元より盗まれてしまったマロが悪いのでおじゃるから」
こうして私達は一度ホテルを脱出した。
~~ライドウ~
「ふむ、あの変な奴らがこの場所を嗅ぎつけたか」
どうやら情報にあったゴールド星人のカムナギにスパークドールズを探知させているようだが、それを頼るには少々遅かったな。
「既にエネルギーは溜まりきった。これで・・・」
「それで何をしようってんだ?」
「む・・来客か。来たのは誰だ」
俺は声の聞こえた背後へと振り返ると・・・そこにはあの男が立っていた。
「白金ガイか。よくここが分かったな」
ウルトラマンオーブ・・・その人間姿である白金ガイだ。
「この辺りの町でそれっぽいところをしらみつぶしに当たって、あのゴールドの双子を見かけてようやく見つけたんだよ」
それはそれは・・。ご苦労だったな。
「お前は・・・マグマ星人か?」
白金ガイの問いかけに俺は頷いた。
~~ガイ~
「お前は・・・マグマ星人か?」
サーベル暴君マグマ星人。右腕に装備するサーベルを使った剣術が得意な宇宙人でその凶悪性はL77星を滅ぼすほどだと聞く。
「如何にも。俺の名はマグマ星人ライドウ」
「盗んだスパークドールズでいったい何をする気だ?」
「愚問だな。そんなこと決まっているだろう」
そう言ったマグマ星人ライドウは紫色の短剣型のアイテムを取り出す。あれはまさか噂に聞くチブルスパークってやつか。
「通常のチブルスパークは怪獣にライブ・・・怪獣に変身することしか出来なかったが、この改良版は限りなくオリジナル品のダークスパークに近づけたものでわざわざ怪獣に変身しなくともスパークドールズを解放できるのだ。名付けるならそう、『マグマスパーク』とでもいうべきか」
『モンスライド・ファイヤーゴルザ』
『モンスライド・メルバ』
『モンスライド・レイキュバス』
『モンスライド・ガンQ』
『モンスライド・超コッヴ』
マグマ星人は連続でスパークドールズをライブする。一気にあの数の怪獣を相手にするってのは流石に骨が折れそうだ。
「よもや1体1体と個別で現れると思っているのではあるまいな」
「何?」
「その考えは甘いぞ」
『超合体!ファイブキング!』
ファイブキング。聞きなれない怪獣の名前が聞こえたかと思うと暗雲から落ちた雷とともに頭部と胸部がファイヤーゴルザで翼と額、それと尾がメルバ。左腕がガンQの目で右腕がレイキュバスの鋏に下半身が超コッヴで構成されている合体怪獣が現れた。
「超合体怪獣ファイブキング。5体の怪獣の力を1つにしたとっておきの怪獣だ」
「オォォォォ!!!」
超コッヴの胴体部分から無差別に光弾を乱射したファイブキングは街へと向けて歩き出す。
「俺はあのファイブキングを従えて、我がライバルメフィラス星人リダルホが果たせなかった悲願『地球侵略』を実現しようではないか!」
随分とはた迷惑なライバル関係だぜ。
「ジャックさん!」
『ウルトラマンジャック!』
「ゼロさん!」
『ウルトラマンゼロ!』
「キレのいいやつお願いします!」
『フュージョンアップ!』
『ウルトラマンオーブ!ハリケーンスラッシュ!』
オーブ・ハリケーンスラッシュへと姿を変えた俺は5体の怪獣が1つになった存在であるファイブキングへと戦いを挑んだ。
~~久遠~
「オォォォォォ!!」
雷が落ちた場所からはガンQの目玉を盾のように左腕にくっつけている翼の生えた怪獣が現れた。怪獣は光弾を乱射した後、街へと向けて歩き出した。
「みんな!大丈夫か?」
「はい。何とか大丈夫なのです」
「よし、じゃあアレを追うぞ!」
徹さんが全員の無事を確認すると、私達は車へと乗り込んで怪獣を追い始めた。
「ね、音々。あの怪獣はいったい?」
「あ・・あんな怪獣。ガイさんから教わってないのですよ」
「メルバにレイキュバス。それとガンQ。間違いないでおじゃる」
あの怪獣を見たマロロは何かに気がついたようだ。
「何か分かったのマロロ?」
「あの怪獣は盗まれたスパークドールズを含めた怪獣4~5体の怪獣が1つになった怪獣でおじゃる」
怪獣が合体?
「そんなことありえるの?」
「改造やら遺伝子操作やらであり得る話でおじゃるよ。たぶんあれはそのどちらの手段でもないと思うでおじゃるが・・・」
「どういうことなのです?」
「憶測でしかないでおじゃるが・・・スパークドールズの状態を利用して融合させたものだと思うのでおじゃるよ」
スパークドールズの状態を利用した融合?それってつもり人形を分解して、パーツとパーツでくっつけたのを怪獣の姿にって感じかな。
「たぶん久遠殿が考えてるようなやり方ではないのは確かでおじゃるよ」
私がマロロに考えを読まれていると、青いオーブが怪獣を止めるべく現れた。
「オーブランサーシュート!!」
光の刃を槍にしたオーブはその槍から光線を放ったけれど・・・その光線はガンQの目玉部分に吸収されてしまった。
「やっぱりガンQの能力も使えるのです!」
「オォォセャッ!」
光線が通用しないと理解したオーブは槍を振りかぶって怪獣に斬りかかろうとすると・・・
「っ!?」
その槍は右腕の鋏に挟まれて受け止められてしまった。
「ガァァッ!!」
怪獣は口から光線を放とうとすると、オーブはすぐさま槍を手放して怪獣の光線を回避する。しかしその光線は数キロ先のビルをあっさりと撃ち抜いてしまった。
「あの距離の建物をあっさりと・・・怪獣が合体してるだけあってかなりの破壊力なのです」
あんなにヤバそうなの・・・ガーゴルゴン以来かな。
「ストビュゥゥゥム!!バァァァスト!!」
赤い2本角の姿に変わったオーブは火球を放つも、その火球はガンQの目玉に吸収されてしまう。
「マロロ。ガンQの他に合体している怪獣は分かる?」
「盗まれたメルバとレイキュバスとガンQ以外でおじゃるか?特徴からして顔はゴルザ・・いや、ファイヤーゴルザでおじゃるな。それと下半身は超コッヴだと思うでおじゃるよ」
「メルバは翼のある怪獣と聞きますし・・・あの翼がそれだと思うのです。となると消去法で鋏はレイキュバスですね」
遠距離は光線に中距離だと光弾。近づくと鋏で防御はガンQの吸収。それで空も飛べちゃうとか、攻守だけじゃなく機動力もあるのはズルいかな。
~~ガイ~
「オォォセャッ!・・・イッテェェ・・」
俺は炎を纏った拳でファイブキングの腹部を何度も殴る。見た目こそ超コッヴの部分だが、その強度は5体が合わさっただけあって超コッヴの強度を遥かに上回っていた。
「ュァっ!?」
ファイブキングが放った光弾が直撃した俺はその場に膝をつく。すると近くの建物の億勝にマグマ星人がテレポートで現れた。
「貴様ではファイブキングは倒せん。さぁファイブキング!ウルトラマンオーブにトドメを刺せ!!」
マグマ星人の命令でファイブキングは俺にトドメを刺そうと迫ってくる。どうする?考えろ俺。このファイブキングを倒す手段はきっとあるはずだ。
「なんだい旦那。苦戦してるじゃない・・」
「っ!!」
聞き覚えのある声に反応した瞬間、後ろから振り下ろされた剣戟がファイブキングの鋏に一太刀を入れた。今の太刀筋、間違いない。
「ヤクトワルト!」
振り返るとそこには一度刃を交えた剣豪。ヤクトワルトが刀を構えていた。
「お前、どうして・・」
「そりゃまぁ、旦那には娘を助けてもらった恩があるしな。借りを返すのは当然じゃない。それにここから2つ先の町にはシノが通ってる学校があるんだ。これ以上行かせるわけには行かないじゃない」
相変わらず娘第一だな。
「助かる」
「それと・・・助っ人は俺だけじゃないぜ」
ヤクトワルトがそう告げると、ファイブキングの後ろからガトリングガンの銃撃音が鳴り響いた。
『お待たせ』
『お手伝い致します』
ルディアン。ウールとサァラの2人だ。
「ザムシャー族とゴールド星人の加勢だと・・」
どうやらマグマ星人もこの3人の助っ人は予想してなかったようだ。
『まずは厄介なガンQの目を潰す』
サァラはガンQの部分からの各部破壊を提案してくる。でもどうやって・・・?
『素早い動きでかく乱をお願いします』
どうやらウールには何か策があるようだ。ここはその作戦に乗っかろう。
「ティガさん!」
『ウルトラマンティガ・スカイタイプ!』
「マックスさん!」
『ウルトラマンマックス』
「疾風の速さ。頼みます!」
『フュージョンアップ!』
『ウルトラマンオーブ!スカイダッシュマックス!』
「輝く光は疾風の如し」
~~久遠~
「輝く光は疾風の如し」
ヤクトワルトとルディアンがオーブに加勢すると、オーブは水色のマフラーの姿に変わって怪獣の周囲を高速で移動し出した。
「ォォォォォ!!」
怪獣は自分の周りを高速で移動するオーブに光弾を飛ばすも、オーブはその全てを回避する。
『やっぱりオーブを最優先してる』
『殺気がオーブさんだけに向けられていたことには気づいていました』
どうやらウールとサァラは怪獣がずっとオーブ狙いだったことに気づいていたようで、その隙を突いてガトリングガンを連射した。
「ファイブキング!ガードしろ!」
何処からともなくあの怪獣の名前だと思うものに指示をする声が聞こえてくると、怪獣・・・ファイブキングは銃弾の嵐をガンQの目玉でガードした。
『今がチャンス』
「マクバルトアタック!」
銃弾に意識が向けられている隙にオーブはファイブキングの懐に飛び込んで光弾で左手首にダメージを与えた
「ギャォォォォ!?」
手首への攻撃でガンQの目玉の裏側へのダメージとなったようで・・・ガンQの部分は実質使い物にならなくなった。
「これで光線が通用するようになった!」
「ギャォォォォッ!!」
ファイブキングは怒り任せにオーブへ鋏を振り下ろすと、ヤクトワルトは刀でその鋏を受け止めた。
「陽炎の太刀・・・風撃三刀!!」
鋭い風の刃ともいうべき斬撃は鋏に亀裂を入れると・・・オーブは両腕が太くてゴツイ姿に変わった。
~~ガイ~
「陽炎の太刀・・・風撃三刀!!」
ヤクトワルトの風のような斬撃でファイブキングの鋏に亀裂を入れた。ガンQの盾がない今ならこれが通用するな。
「ガイアさん!」
『ウルトラマンガイアV2!』
「ビクトリーさん!」
『ウルトラマンビクトリー!』
「地球の大地の力!お借りします!」
『フュージョンアップ!』
『ウルトラマンオーブ!フォトンビクトリウム!』
「ゼェァ!!」
最も硬い姿であるフォトンビクトリウムへと変わった俺はファイブキングの鋏に右拳をぶち当てた。チョキとグー・・・勝利するのはもちろん・・
「ギャァァァァォォォ!?」
グーの方に決まってるだろ。
~~久遠~
「ゼェァ!!」
「ギャァァァァォォォ!?」
オーブの右拳とファイブキングの鋏がぶつかると、既にヤクトワルトの斬撃で亀裂が入っていたファイブキングの鋏がへし折れた。
「くっ、飛べ!!ファイブキング!!」
また聞こえてきた指示でファイブキングが空へと飛びあがる。きっと逃げる気だ。
「行かせるか!フォトリウムエッジ!!」
オーブは額のクリスタルから鞭のようにしならせた光線を放って右翼にあてると、ファイブキングはバランスを崩した。そこにルディアンはミサイルを放つとファイブキングの両翼がボロボロになった。
「旦那・・決めてくれ」
ヤクトワルトの言葉に頷いたオーブは紫の姿へと変わると両腕を十字に重ねた。
「スぺリオン光線!!」
重ねた腕から放たれた光線がファイブキングへと直撃するも、ファイブキングはオーブに反撃しようと光線を受けつつも前へと進んでくる。
「オォォォォォリャァ!!」
近づいてくるファイブキングに対してオーブはさらに光線の威力を強めると・・・いくら5体もの怪獣が合体しているファイブキングといえども限界がきて、爆発した。
~~ライドウ~
「スぺリオン光線!!」
オーブの必殺光線がファイブキングへと直撃する。ファイブキングは少しは耐えたが蓄積されたダメージもあって、耐久度が限界に到達していたファイブキングはそのまま爆散してしまった。
「今回はここまでか・・・」
時間と手間を浪費した作戦だったが、ウルトラマンオーブの戦力増加をもっと視野に入れておくべきだったな。
「オーブ、今回は俺の負けだ。だが次こそ貴様の最後だ」
俺はウルトラマンオーブへのリベンジを誓い、テレポートでこの地を後にした。
ウルトラヒーロー大研究
ウルトラマンティガ
属性・古(イニシエ)属性
超古代から蘇った光の戦士。ウルトラマンティガさん。その最大の特徴は状況に応じて姿を変えるタイプチェンジだ。バランスのいいマルチタイプにパワフルな戦闘を得意とするパワータイプ。高速戦闘と飛行能力に優れたスカイタイプの3タイプになれるんだ。
ファイブキング
属性・闇属性
超合体怪獣ファイブキング。スパークドールズとなっていた5体の怪獣が素材にされて誕生した怪獣で、それぞれの怪獣の能力を使える厄介なやつだ。能力だけじゃなくて基礎スペックも相当なものであのまま俺1人で戦っていたら負けていたかもしれないな。
次回「妹」