ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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生存、飽きた……。

マジで代わり映えのない日常過ぎるだろ!

人生がつまらんのはお前がつまらん人間だからだ!みたいな一見上手いことを言ったかのようで何のエビデンスもない文言に惑わされてきたが、実際世界側が悪いだろどう考えても。

人間の代わりに働いてくれるAIは?シンギュラリティはどうなってんだよシンギュラリティは!

クソが!税金取んのかよ!


67話 武蔵大異界

冒険者学校だが。

 

この一年、ガッツリとサボったのにも関わらず、単位は全てA判定でもらえた。

 

特にテストなども受けていないのに。

 

サボって何をやっていたかと言うと、まあ、当然のようにダンジョン攻略だな。

 

今では、日光ダンジョンを二百階層まで突破している。

 

この一年、色々あったな。

 

キチレンジャー他、見込みのある冒険者達が努力を重ねて、オリジンダンジョンの攻略が終わった。

 

いや、終わったとは語弊があるな、百階層にまで到達して種族進化を果たしたってだけの話だ。階層自体はまだまだ続く。

 

だがとりあえず、ダンジョンの創造主たるソラ的には、百階層が一つの区切りらしい。

 

八つのオリジンダンジョンの百階層攻略と、日光ダンジョンの二百階層攻略により、ブランチダンジョンは更に九十ヶ所生まれた。

 

どうやら、オリジンダンジョンを百階層攻略すると、それ毎にブランチダンジョン十個の創造権利を得られるらしいな。

 

それによって、各県に最低二つのダンジョンが設置された。

 

もちろん、東京などの人口密集地や、北海道などの広い県にはダンジョンは三つ以上設置されたな。

 

各県に最低二つものダンジョン、それぞれ異なる採掘資源……。

 

これはまさに、日本にとっては福音だ。

 

更に、一年をかけて行われた、国家総動員体制による国の立て直しもまた凄かったな。

 

原子力発電所を解体して、ドラゴンの心臓を炉心に埋め込んだ「魔力発電所」の開設。

 

ぶつかった瞬間に魔法が起動して、あらゆる衝撃を打ち消す「無事故車両」の開発。それに伴い「自動運転AI搭載車」の一般化と、多くの乗り物のオートメーション化の実現。

 

超伝導素材による「量子コンピュータ」の開発に、「リニア新幹線」の実用化……。

 

ポーションの解析による「再生医療」と、スキルスクロールによって技能をダウンロードできる社会制度、若返りのポーションの一般販売……。

 

まさにやりたい放題だ。

 

東京に新たにできたブランチダンジョンで、人間に極めて近い知的生命体モンスターである「エルフ」や「ドワーフ」などが発見され、それらを労働人口に組み入れたのも非常に大きな発展要素の一つだな。

 

俺はそこまで詳しくないので、俺の理解を語るが……。

 

日本の凄いところは一応、技術力となっている訳だろ?

 

で、一番の弱点は、食料すら自弁できない狭く小さな国土(いや人が多過ぎるのかもな?)、つまり資源が自弁できないこと。

 

と、そこに、ブランチダンジョンのお陰で資源はどうにかなりますよ、となれば。

 

少なくとも弱点はなくなるよな、って話だ。

 

 

 

ダンジョンシステムの方も、何度かのアップデートを重ねて、つい先日に新機能が追加される。

 

『クランシステム』と、『ダンジョンシティ』の二つだ。

 

クランシステムは、四人から八人のパーティだけでなく、好きなだけ集団を集めて組織化できるというシステムだった。

 

モンスターの討伐や売却により得られるDポイントを使って、クランという集団に利益を齎らし、それを共有できるという感じだな。

 

まあその辺の話をすれば、既に企業雇われの冒険者などが徒党を組んでおり、クランというものは最初からある程度できていた。

 

そこに、クランシステムというラベルを貼り付けて、公式であるソラが認めたってだけの話だ。

 

だが、ただ認められただけでなく、いくつかの利益も発生した。

 

クランシステムに利益を供給する、その為に用意されたのが、クランの拠点となる『ダンジョンシティ』だ。

 

それを簡潔に言えば、ダンジョンの周りが街にすり替わったってことか。

 

空間が捻じ曲がり、国土の大きさそのものは変わっていないのだが、ほんの市町村一つくらいの領域にぎっしりと県一つくらいの空間ができてしまった。

 

何と言えば良いのだろうか、上手い表現が思い浮かばない。

 

空間の拡張?

 

異次元侵食?

 

世界のダンジョン化?

 

とにかく分からないが、事実上、冒険者による冒険者のための冒険者の街ができたのは確かだった。

 

このダンジョンシティには、最初からソラが配置したエルフなどのモンスターが運営する店舗がいくつかあり、ここではDポイントを通貨として使えることになっていた。

 

それを受けて更に、Dポイントが本格的に仮想通貨に認定されて、国内で流通するように。

 

レートは一ポイント百円くらいか。

 

ソラが言うには、「信用創造というものは凄いね。私の世界には金本位制しかなかった。この偉大な経済の発明を、ダンジョンシステムの体系に組み込みたい」だとか。

 

それで……、クランだが、これにはレベルのような尺度として「ランク」があり、Dポイントによる投資が増えれば増えるほど、できることが増えていく。

 

例えば、拠点の広さや外見を変えたり、共有倉庫なるものを追加したり、サービスをする労働モンスターを購入したり……、などだな。

 

これにより、企業がそれぞれクランを作ったり、逆にその辺のグループがクランを作って起業したりなどが相次いだ。

 

また、人型知的生命体型モンスターと、使うだけで技能が得られるスキルスクロールの相乗効果により、様々な施設やクランが乱立する……。

 

東京、ダンジョンシティ。

 

名を、『武蔵大異界』という。

 

なんか最近は反海外の風潮が強く、ダンジョンシティには日本の旧国名で統一されたようだ。

 

個人的には、いくら海外が嫌いだとしても、その文化まで否定するべきではないと思えるが、今の日本はそういう雰囲気だから仕方がないだろう。

 

さて、武蔵大異界だが……。

 

広々とした平原に川、少々の森と山がある。

 

この領域内は、ダンジョンと同じ植生だそうで、ダンジョンの固有生物や植物がいるんだとか。

 

しかしながらカウント的にはゼロ階層ということらしく、攻撃的なモンスターは出ない。

 

で、そんな異界は、もちろん最初は何もないだだっ広い原野だったのだが。

 

俺がクランを立ち上げて、Dポイントを使って施設を買うと、建物が生えてきた。

 

ああ、そうそう。

 

俺の立ち上げたクランだが、『日本冒険者隊』と言うものだ。

 

そうだな、前に時城政史郎の爺さんが言っていた、「冒険者による軍隊」だな。

 

人数は千人を超える程度だが、所属しているメンバーは冒険者ランキング一万位以内の腕利きのみだ。

 

クランの約定として、国家が安全を脅かされた時、軍人として戦うことが求められる。

 

しかしその代わりに、得られる利益は絶大だ。

 

例えば、食べるだけでしばらくステータスが上がる特別な料理が無料で食べ放題とか、あらゆる傷病が治る回復の湯に入り放題とか。

 

装備品やエンチャントなどの大幅割引に、所属しているだけで数千万円の給与が得られ……。

 

更に、腕利きのスキル持ちモンスターを多数雇用して、慰安や整備などを担当させているので、バックアップ体制は万全。

 

そうして、俺がクランを立ち上げると、早い者勝ちだと言わんばかりに様々な企業が参入してくる。

 

エイトアンドアイホールディングスのコンビニエンスストアは当然できたし、ニチゼンホールディングスのチェーン店である「牛丼のすぎの屋」や「かしま寿司」「CoCode's」なども建った。

 

武具の管理維持の為の金属加工会社である大日本鉄鋼(大日鉄)も、武具屋などを出してきたし……。

 

刀匠や、革製品の作成者なども個人レベルで開店していた。

 

地鎮の為、ソラ……、明空命を奉る神社も建った(ソラは大喜びしていた)な。

 

完全自動運転のリニア電車駅もできた。

 

そして、大半の店舗は、使役された人型モンスターによる接客か、そうでなければマシン系モンスターを使った自動販売だ。

 

日本はもう、ダンジョン前とは全く違う世界になっていた……。

 




暇だし、エロRPGでも買おうかな。

モン娘もののやつ。

またモン娘グロエロ冒険譚が書きてぇわね。

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