最近はコンピュータの発展が目覚ましいので、あー、そんな時期かー、とか思いつつ、プログラミングを学んで株取引を。
毎月うん百万単位でもらえるお小遣いを株に投入、更に稼ぐ。俺の記憶に基づいて、元の世界と同じような事件が起こると仮定すれば、株価が暴落するタイミングは見えてる。失敗はしない。
そして気づいたんだが、この世界って何かが足りないんだよね。
ちょこちょこと足りない。
ゲームとか、アニメとか、音楽とか、知ってるやつは多いけど、その知っているのの中に入っているべきあれこれがないとか。
例えば……。
「この世界、FFがない?」
超有名タイトル、ファイナルファンタジーとか、そう言うのがない。ドラクエもない。
参ったな、俺、ドラクエよりFFの方が好きなのに。
じゃあこの世界には、スクエニがない?
探してみたところ、スクウェニと言う潰れかけのゲーム会社を発見。
んー。
やってみようか。
俺は即座にスクウェニを買収、社長の座をゲット。ママンとパッパにおねだりしたら数千万円PONとくれたぜ。やっぱ稼いでんな、世界レベルのスターは違うぜ。
そして、企画書、ファイナルファンタジスタを提出。
俺の記憶に基づいたパクリだが、この世界ではそれが分かる人間はいない。やったれやったれ。
スクウェニは潰れかけで、藁にも縋る思いで企画を受諾。
そして、一年後。
『ファイナルファンタジスタ、500万本売上!!!』
社会現象になった。
未だフェミコンの普及が完全ではないこのご時世にこの売上。
海外含めめちゃくちゃ売れてるらしい。
えっ、えっ、えっ、自分でやっといてなんだがどうすんだこれどうすんだ。
えっ?
どうすんだ?
小学四年生にして億単位の金が手に入った俺。
俺の中では、「まあ、ちょっとは売れるだろうな」くらいの気持ちで、遊び半分でドット絵をポチポチ打って、プログラムを組んで、デザインとストーリーを好き勝手にやって、作曲して……、ってだけだったのに。
こんなんなる?
嘘やん。
「社長!FF2を出しましょう!!」
「いや、それより先にデザイン画集を!!」
「社長!!」
「社長、私頑張りました!撫でて下さい!!」
「社長、パンツ下さい!!」
「社長ぉぉぉ!!!」
あーうー。
「うるせーぞ下僕共!!オラっ、FF2のデザイン画とストーリーと楽曲だァ!!キリキリ働けェ!!」
「「「「はい!!!」」」」
この統率力である。
「三好ィェア!!!」
「はい!!!」
「これ、FF2のコンセプトアートとデザイン画とストーリーとシステム構想な。意見出せ、チーム集めて会議して報告書上げろ」
「イエッサー!!!」
「行けやオラッ!!!」
「あひぃん❤︎」
三好はうちのゲームプロデューサーだ。
マゾのショタコンであることを除けば有能な女だ。
今日もいつものように尻を物理的に蹴飛ばして、仕事させる。
本人曰く、罵倒して蹴られないと調子が出ないらしい。
基本的にスクウェニの社員はそんなんばっかだ。
畜生め。
売れた理由として、何でも、碌なRPGゲームがなかったらしい。
他にも、色々と売れた理由は推測されるが……、単純に画期的だったんだろうな。
今までのゲームと言えば、マリオみたいな(この世界ではマリーらしい。パチモン感)単純なゲームだったのに対して、急にこれだ。
練られたストーリーに、本格派ファンタジーに世界中の人間が衝撃を受けたのだ。
そもそも娯楽が少ないってのもあるんだろうけど。
兎に角、俺プレゼンツ、ファイナルファンタジスタは売れに売れた。
売れた。
売れてしまった。
「新九郎君!ファイナルファンタジスタ凄く面白いよ!!」
「ちィーっひ、買ってくれたのかありがとうな」
そして、俺の名も世界へ知れ渡ったのだ。
そりゃそうだろう、五百万本の時点で凄いのに、しかも少年が開発者だなんて。
お陰様でどこでも取材だ何だと湧くわ湧くわ。
実力行使してくるやつは中野流空手でブチのめせるし、大きな問題ではないんだけど。
「こんにちは、フェミ通です!風見新九郎さんですよね?!」
「……FF2は来年、それとは別のラインでファンタジーRPGを製作中、それと他にも現代が舞台のRPGを二種類、製作中」
「ーーーッ!!!2が出るんですか?!続編の内容は?!それに、新しいファンタジーRPGとは?!製作中のゲームとは一体?!そもそも何故RPGなんですか?!」
「2は世界観は同じだけど直接的な続編ではない、完全新作になる。新しいファンタジーはドラゴンポールの烏山先生にデザインをお任せしたよりポップなライトファンタジー、名付けてドラグーンクエスト。残り二つはタイトルだけ。Fatherと男神転生、だ。アクションゲームはハードの技術がまだ未成熟だから作らない」
「お、おおお!おおおおお!!!またゲーム界に新たな風をォ!!!」
幼稚園生活と小学校生活の間に、このパクリゲーらのデザインとストーリーは出来上がっている。
会議もして、あとは作るだけだ。
会社の規模もFFで稼いだ金を全投入して規模を拡大した。今は複数ラインでゲームを作ってる。
でも、全作品の主人公を女にされたのは予想外だったが。
そうして、小学校の間は仕事をして過ごした。そして中学生へ……。
仕事の合間に、ちっひ達と遊んでやりーの、三好をしばきーの、三好が人工授精で妊娠しーの。
この世界では人工授精の技術が発達しており、多くの女性がそれを選択する。
三好が言うには、もう一人は嫌だ、とのこと。
俺がいるだろ三好!と慰めたら泣きながら抱きついてきたのでグーで迎撃。慈悲はない。
中学で主にやることは決まっている。
フレイステーションの発売は近いと業界の話を聞いたので、ステルスアクションゲーム、アイアンギアの発売、R16ゲーム、グランドシフトオート、ロボットゲーム、アーミーズコア、アドベンチャーゲーム、ヴァイオハザードの発売を目標にする。
その上で、アニメ会社を買い取り、これ、エバンゲリオンの放送も目指そうか。
更に、ライトノベル、スレイヤースと漫画、バスダードの発売も。
実は既に原稿が出来てる。勿論、登場人物の性別は反転している。
続々とサブカルチャー界隈を賑わせていきたい。
だが。
俺的にはちっひ達と日常の生活を過ごしたいのもある。
前世から考えられないほどのモテっぷり、女の子に囲まれた生活の中で、女友達と遊ぶ。
良くない?
さて、中学一年。
俺も十三歳だ。
成長した。
具体的には下の毛が生えた。
「ちひりん」
「あだ名安定しないのやめてくれないですか……?」
ちっひーろは中学入る頃から何故か敬語キャラになった。美優も。
何で?と聞いたら、男の子は敬わなきゃいけないとかなんとか。
分からんなぁ。
麻理菜は乳がでかくなってきて僕満足!
わくわくさんこと留美は相変わらずクールだ。
菜々と心はテンション高くて可愛い。
ってか、二次性徴来たら本格的に手を出したくなるんだが?
高校生にもなったらもうアウトだよ俺。
決めた、ビッチになろう。
どうやらこの世界では、性欲旺盛な男性は喜ばれるみたいだし。
ん、なんで知ってるかって?
市場を知る為エロ本を読んだことがありまして……。
エッチな中年男性のグラビアだったよ!吐きそうになった。
そんなことで中学生活。
楽しもう。
サブカルチャー界隈を賑わせる男。