へうげものとバンディットも欲しいなあ。
はい、じゃあ、十六階層から攻めて行こうか。
現在は六月十四日。
今日中に十六〜二十階層を見て行こう。
とは言え、もう一々見ていくのは非常にかったるいので、流す感じで。
一〜五階層がチュートリアル。
六〜十階層がお得なスキルで冒険者を強化。
十一〜十五階層がテイム可能なモンスターゾーン。
こんなコンセプトだった。
では、十六〜二十階層のコンセプトは？
『状態異常』だ。
ポイズンスコーピオンなどの毒持ち、パラライズスパイダーなどの麻痺攻撃持ちなどが出る。
ここで冒険者は、状態異常の恐ろしさを知る訳だな。
二十一〜二十五階層では、群体で現れる敵を倒す『継戦能力』を問われ、二十六〜三十階層では、様々な『属性攻撃』をしてくる敵が現れる。
うーん……、難易度エラッタのせいで、俺が到達できる階層が伸びちまったぞ。
前までは十階層ごとに周辺環境が変わり、難易度も違ってきたのだが、今は二十階層ごとだ。
だから、俺が前の難易度の時に攻略してきた雪原ステージまで行くには、倍の六十階層まで進む必要があるようだ。
しゃーない、行くか……。
行った(過去形)
ぶっちゃけ、レベルが上がり過ぎて、六十階層まではかすり傷一つ負わなかった。
七十階層辺りから一撃では殺せなくなってきて、八十階層では死闘を演じた。
もうちょい緊張感がある殺し合いがしたいので、レベル上げは控えたいのだが……、研究所の方からドロップアイテム集めを依頼されている以上、それは無理だ。
ドロップアイテムを集めたり、ポイントを貯めたりしているうちに、嫌でもレベルが上がってしまう。
……と言うか、難易度エラッタは本当にクソ困るな。
俺からすると、ただ単に道のりが間延びしただけなんだが、世の中の大多数の人々からすれば、難易度が調整されて嬉しい訳なのがなあ……。
トッププレイヤーだけ割を食う調節だ。仕方ないと涙を飲もう。
あ、雪原エリアのボスはフロストジャイアントだったぞ。
『絶対零度』『吹雪』『金剛』『氷鎧』『百裂拳』『旋風脚』を持つバケモンだった。
絶対零度は、その名の通り絶対零度の氷のブレスで、俺の全力の『爆熱砲』と拮抗する威力があった。
吹雪は、フィールド魔法みたいなもんだな。
金剛は、『強化』と『硬化』の合わせ技。
更にその上、氷鎧という、戦艦の装甲板のように硬い氷の鎧を身に纏い、10mの巨人がアクロバティックに動き回って、近寄れば百裂拳と旋風脚をぶちかましてくるのだ。
これを地球の科学力で倒すなら、対艦ミサイルを数十発ぶち込むしかないだろうな。
……いや、無理か？対艦ミサイルがどれほど速く飛ぶのかは知らんが、掴み取られて投げ返されるのがオチかね。
その辺はどうでも良いや。なんかこう、偉い人らが考えるんじゃねえのかな。
下々の人間の税金で食っていってるんだから、難しいことはそっちで処理して欲しいね。
俺も、所得税で五十億円くらい持ってかれたからな。
五十億円分は働いてもらわなきゃ困る。
……今手元に五十億円くらいあるなこれ？
「……と言う訳で、研究所の職員を辞めて、ダンジョン攻略者専業になって良いか？」
俺は、親父にそう言うと……。
そうすると親父は、研究所の椅子をひっくり返して土下座してきた。
「困るゥーーーッ！！！！それ言われると困るゥーーーッ！！！！」
「いやそんなん言われましても……。もう一生分稼いだし……」
普通の男の子に戻ります、ってか？
「そこを何とかァーーーッ！！！！」
えぇ……。
「まあぶっちゃけた話、ここでお前が働くのをやめると、日本が経済的にヤバい説あるぞ」
ケロッとした表情でそう告げる親父。さっきまでの土下座とは打って変わって、いつものようなクソでかい態度。何なのこの人？
ってか、日本経済？そんなレベルの話なのか？
「……そうなのか？」
「まずさ、ダンジョン発生の時、日本の株価がちょっとヤバいレベルで落ちたの知ってるか？」
あー、そんなんあったね。
「でも、回復したんじゃなかったか？」
「ありゃ嘘……、いや、マスコミの過剰な報道だ。正しくは、回復の兆しがある、だ」
んー？
そうなのか？
「ダンジョン発生以降な、海外では『日本は悪魔に魅入られた！』みたいなことを言われて、海外から散々虐められてるのよ」
ふーん？
「日本は、輸入しなけりゃ、食べ物すらろくに得られないのはお前も知ってるだろ？」
「そりゃあ、まあな。食料自給率は六十パーセント？だったっけ？」
「うんそれ、生産額ベースでの話ね。カロリーベースでは四十パーセント切るから」
「へえ、そうなのか」
ってことは、日本だけでは、食卓に上がるカロリーのうち六割以上が海外のものってことか。
一日の摂取カロリーを六割も減らされたら死ぬ自信があるな。
「それだけじゃなく、鉄も、石油も、半導体のような機械のベース部品も、全部輸入してるじゃん？」
「そうだな」
だから何なんだ？
「……足元見られるじゃん？」
「……あー？」
つまり、そう言うことか。
「国内に、モンスターが湧くダンジョンとやらがある推定危険国家なんて、どうせ今後潰れるだろうから、良い顔する必要……、ないだろ？」
「……いや、だが、推定なんだろ？」
「世の中の相場は全部推定で動くんだぞ、息子よ」
はあ〜？
「例えば、アメリカのチェス前大統領が当選した時、アメリカの株価は目に見えてガクンと下がっただろ？まだ、チェス大統領は何も失策はないのに……」
あー……、そんな話を聞いたような、聞かないような……。
「つまり、外国人からすれば、日本は悪魔に魅入られた国で、滅亡が運命付けられているように見える訳よ」
「悪魔、ねぇ……。まあ、確かにデーモン系のモンスターも出るけど……」
「ん？ああ、いやいや、悪魔っていうのは『明空命』様のことだよ」
……は？
「いや何言ってんだ、あいつは神様だろ？」
「キリスト教イスラム教の一神教の教えでは、聖四文字以外の超常的存在は全部悪魔なんだよなあ……」
あー……？
「つまり何か？キリスト教やらを信じてる外国人連中は、ソラを悪魔だと思っていて、ダンジョンを悪魔が作り出したと考えている、と？」
「そうだよ」
はあ〜〜〜？？？？
今、ネットスーパーおじさんの続きを書いてるんですけど、プロットがないので困ってますねえ。
よし、今考えよう。
まず現在。
ドゥムヤ王国のテディと言う街で、サフランなどの高級スパイスを売り払って大量の金を手に入れた。
ここは良いな、覚えてる。
そして、これからどうするか？
まず、偉くなって領地を貰い、そこに引きこもって楽しく暮らすことを目標とする。ええい、貧乏領主ものを書かない代わりに、貧乏領主ものでやりたかったことをここでやってやれ！
えー、次に、道中で追い剥ぎ村に引っかかる。ほら、村ぐるみで追い剥ぎやってくる感じ。最初は笑顔で旅人を迎え入れるけど、夜とかに奇襲して金品を奪って殺す。
そんな感じの被害を受けて、この世界の人々の不道徳さにほとほと愛想が尽きる現代人メンバー。どこか静かなところに引きこもりたい欲求が大きくなる。
そして、隣国であるバラオン教国へ向かうのだが、国境にあるマトリヨの街でしばらく活動。
この世界は割とガチめに中世だから、外国人とかは差別階級ってかなんかそんなん。ユダヤ人商人みたいな感じだね。
なので、どうせカースト外の被差別民扱いされるなら、金持ちらしく振る舞おう！と言うことに。
資本金は充分にあるので、それを使って商会を結成。従業員は奴隷市場で数人買ってそれを使う。ネットスーパーの人材派遣サービスはあくまでも人間じゃない何かだから、バレたらまずいかなぁと。表向きに使える人間の部下も必要だと言う観点ですな。
あ、奴隷はあくまでも従業員なので、ヒロイン化とかはあんまり考えてません。奴隷ヒロイン欲しいですか？現代人ヒロイン四人いれば良いかなーって思ったんですけど、モブヒロインみたいな感じの置いときます？その辺は適当で。
で、奴隷を使って、現代物品を売り捌いて商業チートしましょうか。
現地の商人ギルドとバチバチ戦いましょ。
商人ギルド≒職人ギルドと思っていただいて結構です。
商人ギルドは、要するにカルテルみたいなもんなんだけど、「商品の品質維持」「値段の維持」「会員から徴収した金銭を元手に福祉活動」などの利点もちゃんとあるのね？
そこに、地球の物品を売り捌いて、「この世界には存在しない商品だから値段は俺がつけても良いよね？」と暴れまくり。
ギルドはキレるが、おじさんは無視する。だってそもそも、商人ギルドで売っている品目とはあまり関係ないものを売ってるんだもの。完全に、ギルド側は「うちにも一枚噛ませろ」という感じで絡んできてる訳だからね。するとギルドは、与太者を派遣するなどして潰しにかかってきた。
はい。
当然のように与太者は抹殺され、ギルド管理下の店舗全てにどこからか現れた与太者(ネットスーパーの人材派遣)が押し寄せて、店も商品もズタボロにして行った。
店舗全てが開かないとか、マジやばいよね。
そこでおじさんが、「かーっ！商人ギルドに遠慮して売ってないだけで、かなり物資を溜め込んでるんだよなー！かーっ！」と言う。
そうして、ギルドへ向けられるヘイトを高めて、ギルド側が折れたところで物資提供。
黒衣の商人達の元締めであることも発表。
そして隣国、バラオン教国へ。
バラオンでは、噂も広まっていて、商売に掣肘してくる存在はいなかった。
しかし今度は、金を持っていると見られて、クソ坊主共に「寄付のお願い」をされる。
申し訳程度に寄付しておいた。
するとしばらくして、「儲けている額の割に喜捨が少ない」と批判され始まる。
徴税請負人が執拗に現れたりなど、嫌がらせが続く。
徴税請負人に対しては、あえて金を渡した後に闇討ちして金品を奪うことで徴税を回避するダイナミック脱税をした。
その後、でっち上げの証人により、徴税請負人襲撃の容疑で逮捕されるが、裁判所にて、こちら側が買収した証人達に証言させ、ついでに徴税請負人の不正の瞬間ムービーを上映した。
最終的に、雪冤宣誓(熱した鉄持って火傷しなかったら神の加護がありとみなされて無罪になるやつ)をやらされる。
おじさん「効かねェ！《熱耐性Lv10》だから！！！」ドン！！！
ここまで考えた。
後よろしく。