ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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大魔導師の日常と弟子との再会。

書けと言われりゃ書くしかないでしょ。


アウギュステへ

アウギュステに向かう。

 

愛しのジータがアウギュステにいることは既に確認済みだ。

 

水晶玉、ではなく、魔法の液晶モニターで見ていた限りでは、オイゲンと一緒に沿岸の警備をしているようだ。

 

因みに、オイゲンは俺の予言を覚えていたっぽい。重畳重畳。

 

数日の間は、沿岸警備をする、とも聞いた。

 

なら、今移動すれば丁度会えるんじゃねーかな、と思ってのことだ。

 

と言う訳で、騎空艇で空の旅。転移魔法?いやー、あれは風情がないから。折角騎空士やってる訳だし、それっぽいことやりたいだろ?

 

騎空艇もかなりデカイの買って、フルカスタムしたんだよね。ベースはドラブンスピリット号だけど、魔術的な強化と塗装の変更、新パーツの追加で、最早別物になっている。

 

なので名前は変更して、「ハルバード」とした。だから、カービィやりこんだんだよ、ガキの頃。

 

操舵?魔法で全自動に決まってんだろ。

 

物資の殆どは魔法で作り出した。一般的な騎空士から見れば反則で、全く苦労してないけど、まあ良いだろう。

 

俺は大魔導師だからな。

 

まあそんな訳で、俺は、船内の談話室で創造した紅茶を飲みながら、女の子達と戯れていた。

 

「マリンさん……❤︎」

 

「よしよし、良い子だなサラ。私のお嫁さんにしてあげよう」

 

「ふぇ?!い、良いんですか?!私なんかが、マリンさんのお嫁さんにだなんて!」

 

「もちろんだとも、君を目一杯愛すると誓うよ」

 

「マリンよ、お主、サラがいくつだか分かっているのか?」

 

黙れ翼の王(高所恐怖症)。

 

「そこに愛があれば、年齢などなんの関係もないだろう?」

 

「実力と人格は両立しないのだな……」

 

遠い目をするネツァワルピリ。

 

「どうでも良いが俺のアルドラたんに手出ししたら殺すからな」

 

と、アギエルバ。

 

「いやアルドラたんは流石にペドい。あと五年くらいしたら本格的に口説く」

 

「その時は殺す」

 

「って言うかあと五年で手を出すのか……」

 

困惑するビリビリおじさんことアルベール。

 

うるせーぞカス共、お空に放り出されてーか。俺の邪魔をするんじゃねえ。

 

しかしそんな強い言葉を使えば可愛い可愛い俺のサラが怯えてしまう。ステイ、俺。

 

「あららー?ボクちんはー?」

 

「わたしさんもー」

 

メルゥとネモネだ。気付いたら口説き落としていた。

 

「もちろん、君達も愛するさ」

 

「わー、はーれむだー」

 

「えっちだー」

 

あとマギサとアルルメイヤもな!

 

ボレミアは……、中々俺に惚れてくれない。何故だ。女癖?ははは、まあまあ。

 

「マリン、お菓子を出しておくれよ」

 

ひょこっと現れるアルルメイヤ。最近はアルルと呼ぶことを許された。

 

こいつ、二十九歳の大人の女を自称しているが、お菓子大好き。そんなところもまた可愛い。

 

「ああ、ああ、何でも出すとも、何が良い?」

 

「では、カンノーリを」

 

カンノーリと言うとゴッドファーザーのアレだが。

 

お空の世界にもカンノーリが存在すると言う事実に若干ビックリ。

 

まあ良いや、テーブルに皿ごとカンノーリを出す。

 

「紅茶は?」

 

「頂こう」

 

俺の目の前の椅子にちょいっと座ったアルルは、カンノーリを食べ始める。

 

「うん、一流の菓子職人に作らせたみたいに美味しいね」

 

俺の魔法にかかれば、理想的なカンノーリを創造することなど容易い。

 

「……アルル、君は、小さな口でちょこちょことお菓子を食べるのが非常に可愛らしいね」

 

「可愛らしいって……。私は大人だよ?」

 

「年齢なんて関係なしに、可愛いものは可愛いじゃないか」

 

「もう……。まあ、君に悪気はないみたいだし、その褒め言葉は素直に受け取っておくよ」

 

と、軽いいちゃつき。

 

そこに、本を抱えたマギサが現れる。

 

「マリン、ちょっと」

 

「どうしたんだい、マギサ」

 

「貴方の魔法の、ここの構文の意味が分からないんだけど、教えてくれるかしら?」

 

「ああ、そこは三ページ先の十二行を参照する構文だね」

 

「何でそんなことを?」

 

「ループ処理を増やすことでマナの循環を促し、威力を向上させるためさ」

 

「……あー、はいはい、成る程ね!ありがと!」

 

そう言って、自分の魔道書に注釈を書き込むマギサ。

 

「魔法、ある程度は極めたつもりだったけれど……、貴方と比べればまだまだね。でも、新たな目標ができて、今は幸せだわ」

 

「まあ、魔導師とは皆須らく学徒であるからね。かく言う私も、まだ探求の途中さ」

 

「ふふ、冗談が上手いのね。全空一の大魔導師がまだ探求の途中ですって?」

 

確かに、俺レベルの魔導師は未来永劫現れないかもしれないけどさ、それでも探求は続けるよ?

 

言っておくが、俺の趣味は魔法の探求だ。

 

え?女漁り?ははは。

 

「ん、ところでサラ、ボレミアは?」

 

「え?ボレミアはお洗濯してますよ?」

 

「洗濯?魔法で一瞬なのに」

 

「まず一つ、家事はやらないといざという時に困る。もう一つ、お前に私やサラの洗濯物を渡したくない。以上だ」

 

と、ボレミアが空になった籠を持って現れた。

 

「しかしすまんなボレミア殿、我ら男性陣の分の洗濯まで」

 

団の良心、ネツァワルピリが礼を言う。

 

「なに、こいつが騎空艇に取り付けた洗濯機、と言うものを使えば楽に済むんだ。気にするな、ネツァワルピリ」

 

まあほら、ボレミアって人の世話を焼くのが好きだからね。本人は言わないけど。

 

そんで、剣豪ジジイ二人……、ヨダルラーハとアレーティアは。

 

「いやはや、今日も良い陽気で」

 

「そうじゃのう」

 

日の当たる場所でお茶を飲んでいる。

 

こいつらは……、ほら、剣術絡まないとただのジジイだから。

 

午前中は甲板でめっちゃ素振りしてたが。

 

しかも何故か全員参加。

 

俺も。

 

運動しろとのことで。

 

めっちゃ余計なお世話。俺はインテリスーパー大魔導師だから、剣を振り回すような野蛮なことやりたくないっすわ、と抵抗したが、健康のためにも剣を振れと。

 

しょうがないから付き合ったが。

 

 

 

さてそんなこんなで俺達、白き翼は船着場に騎空艇を係留し、アウギュステに到着した。

 

うちの騎空団の馬鹿共、と麗しき女性陣には金を渡して遊んで来いと送り出した。

 

ヨダルラーハ、アレーティアは釣りをしに、ネツァワルピリは嫌がるアルベールを連れて風俗、アギエルバは娘と観光。女性陣はまとまって観光。だがまあ、アウギュステはエルステ帝国と戦争中ってこともあってか、人は疎らだ。

 

まあうちの連中の強さならある程度は大丈夫だろうし、ヤバけりゃ緊急連絡用の魔術が込められたスクロール使えって言ってある。

 

エルステ帝国との戦争が本格化した時は、アウギュステ側で参戦する予定だから、その契約をしに行くか。

 

直接オイゲンと交渉すりゃ良いだろ。

 

さあ行こうか。

 

 

 

×××××××××××××××

 

「えいっ!」

 

「おうおう、ジータよぉ、お前もこの沿岸警備が板についてきたんじゃねえのか?」

 

「えへへ、そうかな?」

 

褒められちゃった!

 

『グルルルルッ!!!』

 

「っと、だがまだ魔物が残っていやがるな!さっさと片付けちまおう!」

 

 

 

『インプロージョン』

 

 

 

『ゲピッ……』

 

『キシュ……』

 

『ゴボポ……』

 

「な、何だぁ?!魔物が突然破裂した?!」

 

即死の魔法……、こんなことができるのは!間違いない!

 

「師匠〜!!!」

 

「久し振りだね、ジータ」

 

空から降り立った師匠に、私は思い切り抱きついた!

 

「師匠ぉ〜、久し振り〜!元気でしたか?」

 

「ああ、可愛い女の子に囲まれて元気一杯さ」

 

「むー!」

 

師匠の女誑し!

 

「な、なんて恐ろしい魔法なの……?抵抗もできずに、内側から柘榴みたいに……」

 

イオがそう言う。

 

確かに、師匠の魔法は合理を突き詰めているから、とても恐ろしい。

 

「酷いです……」

 

ルリアも恐怖している。

 

「即死させる魔法だと……?」

 

カタリナも恐怖している。

 

「ああ、お嬢さん方、これは即死させる魔法なんかじゃない。正確には、対象の体内で魔法爆発を起こす魔法だよ」

 

「対象の体内で魔法爆発を……?う、嘘よ!生物の体内には魔法抵抗があるはずよ!内部で爆発を起こせるほどの干渉はできないはずだわ!」

 

イオが反論する。

 

「ふむ、良い質問だ。それではこの魔法の主要部である多重化構文を見てみよう」

 

師匠は、空中に光る文字を書き、さっきの魔法について概要を説明する。

 

「……と、これにより、生物の内部に干渉して、魔法爆発を起こせるんだ。分かったかい?」

 

「そ、んな……、なんて、酷い……!」

 

血の気が引いて真っ青になるイオ。

 

「イオっ!大丈夫か?!」

 

ラカムが、ふらつくイオを支える。

 

「可能、なのよ」

 

「なんだって?」

 

「凄く、本当に凄く緻密な魔法式だけど……、確かに、生命体を内側から爆発させることができるのよ!!」

 

「……俺ぁ、魔法は門外漢だから、よく分からねえが、そんなにヤベエのか?」

 

「ヤバいなんてもんじゃないわ!悪魔の魔法よ!!精密さ、難易度、必要な魔力の量!どれを取っても悪魔的なの!でも、一番恐ろしいのは、こんなにも……、殺す為の魔法が、殺意を突き詰めた悍ましい術式が存在することよ!!!」

 

確かに、この術式は恐ろしいよね……。理論上、人間だって破裂させることができるんだもん。

 

「さて、お初にお目にかかる、美しいお嬢さん方。私はマリン、大魔導師マリン。君達のような美人には、是非お近づきになりたいと思っているよ。よろしく」

 

「ひっ……!は、はい、よろしくお願いします……」

 

怯えた様子で師匠の握手に応じるイオ。

 

同じようにルリアとカタリナにも挨拶をする師匠。

 

「さて、オイゲンとか言ったかな」

 

「お、おう……」

 

「確かアウギュステはエルステ帝国と戦争中だとか……。私の騎空団がアウギュステ側につく、と言ったら?」

 

「……分かった。上との交渉次第だが、かなりの額は渡せるだろうぜ」

 

「それでいい」

 

すると師匠はマントを翻して……。

 

「それじゃあ、可愛らしいお嬢さん方には魔法を教えてあげよう!」

 

口説き始めた、と。

 

むー。

 

師匠の女誑しー!!

 




白き翼
良心装置ネツァワルピリと正義制御アルルメイヤによって成り立つ。

グランサイファー団
ジータの騎空団。原作通りの面子が揃っている。

ジータちゃん
天使。

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