なんにもわからん。
とりあえず、飯を食う。
「美味い!」
スーパーのお惣菜弁当系の味だ。
コンビニ弁当みたいな安っぽい味ではない、そこそこに上等なもの。
肉が牛肉で美味い!
ついでにプリンも食べて、と。
さて、スキルとやらを見ようか。
まずは、『鑑定』だな。
鑑定の……、スクロール、羊皮紙だ。
これは……、読むのか?
読んでみよう。
「おっ……、おお」
《スキル『鑑定』を獲得》
なるほどな、スキルスクロールは全部読んじゃおう。
続けて、収納を獲得した。
続いてPSYだが……。
「これは……、注射器なのか」
うーん、怖いな。
あ、そうだ、鑑定!
「『鑑定』!」
《PSY『テレポート』》
《スタミナを消費して、自身から半径100m以内に転移する。PSYなので、繰り返し使えば成長する》
ははあん、成る程ね。
要は超能力か。
魔法ではないみたいだな。
適当に腕に注射した。
ああ、そうだ、ゴミはどうしよ。
《ゴミ箱に入れますか?》
《はい/いいえ》
あ、そんな機能あるのか。
「はい」だよな。
弁当の容器やスキルのアンプルが消える。
注射器とペットボトルは何かに使えるかもしれないので、収納スキルで異次元にぶち込んでおく。
それと、アイテムの精査だな。
えーと、魔法ランタン。
魔法ランタンは、熱くない魔法の光で周囲を照らす、とある。
そして、魔法銃フォーマルハウト。
これは……、鑑定によると、持ち主の魔力を吸って弾丸を形成し、射出するハンドガンらしい。
見た目は……、これ、マテバっぽい?ゴツゴツしたリボルバーで、銀色の銃身に灰色のグリップ。
俺が手に持ってみると、何かを吸われる感覚が。
大体、何かは、全体の二割くらい吸われたかな。
そして、リボルバーには六発の弾丸が装填されていた。
ってことは、魔力二割で六発、一発三パーセントってところか。
燃費が悪いみたいだから、使いどころは気をつけなきゃならないな。
さて、じゃあ……。
「ガチャるか」
《スキル:ガチャを使用しますか?》
《GP:99900》
《はい/いいえ》
一回100GPなのね。
とりあえず100連引くか。
結果。
ノーマル×73
レア×20
スーパーレア×5
レジェンドレア×1
一日100回までらしい。ボーナスガチャは別だ。
さっき一回引いたので99回ガチャした。
結果は、七割ノーマル、二割レア、一割以下でスーパーレアで、100回に一回くらいの確率でレジェンドレアが出るようだ。
分かったこと。
ノーマルは、様々な食品、雑貨が出る。
ハンバーガー、カップ麺、ガム、歯ブラシ、塩、ニンジン、がま口財布、アルプス天然水、ティッシュ、石鹸、ロングソード、スコップ、ダンベル、壺、懐中時計、革鎧、革の服、布の服などなど。
レアからは、魔法が関わるアイテムが出た。
マジックスクロール、ポーション、魔法の丸薬、魔法のボウガン『ポーンシューター』、錬金術セット、魔法のトイレなどなど。
スーパーレアからは、スキルアンプルとPSY注射器などが出るようだ。
強力な魔法の槍『火龍の槍』、強力な魔法の短剣『シルバーウイング』、強力な回復ポーション、スキル『察知』、PSY『パイロキネシス』だった。
スキルとPSYは全て使っておく。
そしてレジェンドレアは……。
『召喚獣:バハムート』
だった。
明らかにやばいので、できれば使いたくない。
「食事だ」
「はあ、ありがとうございます」
お腹いっぱいなんだけどね。
兵士が飯を持ってきたみたいだ。
「そらよ」
がしゃん。
ボコボコの鉄のおぼんを投げて寄越された。
その上には、カビの生えた黒パンに、木の器にちょっぴり入った具のないスープらしきもの。
「ああ、はい」
俺は思った。
こりゃダメな、と。
もしも、俺が無能と分かっても、きっちりと呼び出したことを詫びて、こちら側を尊重するような態度を見せて、せめても人並みの食事や部屋を寄越すなどしておけば、もしかしたら、俺も協力するつもりになっていたかもしれない。
だが、ここまでやられたら、もう無理だ。
協力すると言う方向はナシ。
逃げてやる。
「『テレポート』」
俺は牢の外に出る。
さて、今は深夜二時。
持ち物は、『収納』で仕舞ってから、城の中を移動する。
そうだ、折角だし、宝物庫から金貨をちょろまかしていこう。
日本の銀行みたいに、一円単位で金が管理されているとかなら無理だろうけど、可能ならガチャ代を貰う方向で。
途中、魔導師らしき人間が俺の悪口を言い、新しい勇者を呼ぶとかなんだとか言っているのを聞いた。
となれば、俺が逃げてもどうとでもなる。
次の勇者はもっと上手くやってくれるんじゃねえの?知らんけど。
服装は、ガチャで出てきた服だ。
さて、宝物庫は……、おっ、これは。
金貨の入った袋やら、金でできた像やら壺やらがゴロゴロ転がっている。
物置って感じで、管理されてはいないようだ。
これなら、千枚くらいの金貨をちょろまかしてもバレないだろうな。
金貨もらってこう。
《100000000GPを追加しました》
おっ、この美術品もいいねぇ、純金製だあ。でも、飾るわけでもなく、こんなところで埃かぶってるってことは要らないんだよなあ?そうだろ?
《100000000GPを追加しました》
そして、金貨を十枚、銀貨を三十枚ほど、革袋に入れて、と。
さあ、出発だ。
書けない、書けない。