ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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新作がまた四十話くらい書いてあるんですわ。


36話 ダンジョンでの休憩

バベルダンジョンにて昼飯。

 

俺にとっては、昼飯が作るのが面倒な時の謎ごった煮だったが、こちらの世界はそんなに飯が美味くないから、喜ばれた。

 

ランチョンミートは、柔らかで美味しいとのこと。

 

さて、今は午後一時くらい。

 

ここから更に駆け抜けるぞ。

 

午前だけで二階層突破できたので、今は三階層にいる。

 

今日は四階層まで進む予定だ。

 

 

 

……まあ、この辺りは、ゴブリンやウルフ、ホーンラビット、コボルトなどの、弱いモンスターしか出てこない。

 

このパーティのステータスから見て、気を抜けなくなってくるのは五十階層くらいから、苦戦するのは八十階層の後半から、ってところか。

 

それでも、この五人だけでも、兵站の問題さえ解決されれば、充分に百階層をクリアできると俺は見ている。

 

さあ、晩飯の後には寝るぞ。

 

ダンジョンは、光る苔によりそこそこに明るい。だから、寝るときは顔を隠した方が良い。

 

結界杭を四方に打ち付けて、スープとパンを配り、歯を磨いてから、見張りを立てて寝ることに。

 

その場でマントに包まって寝ようとしていたので、三つ折りのマットレスと寝袋を支給した。ついでにテントも。

 

二人一組で三交代で眠る。

 

二時間と半分ずつくらいで交代。

 

一人五時間くらいは寝れる計算だ。

 

俺は、ダーナと見張りをすることに。

 

順番は最後だった。

 

まだ寝ている四人を横目に、結界杭を張り直す。

 

一日六時間結界を張れる結界杭を二組。

 

つまり、一日十二時間は休める計算だ。

 

その内、三時間は食事と休憩に、七時間と半分は睡眠に、残りは予備。

 

「おい」

 

「はい?」

 

おっと、ダーナに話しかけられた。

 

「暇だからなんか話してみろ」

 

「はあ……、話、ですか?」

 

ふむ……、となると、身の上話でもするか!

 

もちろん、俺が適当にでっち上げたストーリーだがな!

 

「僕の話で良ければ」

 

「おう」

 

「僕は、西のリトルベアという小さな村に生まれて……」

 

ざっくりとまとめると、西の小さな村で生まれ育ったけど、十歳頃くらいに村がモンスターの群れに襲われて滅んでしまったので、中央の街エクスシアまでなんとか逃げてきたよ!って話だ。

 

因みに、リトルベア村は本当に存在していたが、本当にモンスターの群れに襲われて全滅している。

 

「姉が、いたんです。本当に、優しい人で。モンスターの群れから僕を庇って、床下に隠してくれて……」

 

はい、そこにでっち上げの悲劇をトッピングしていくぅ!

 

優しい姉(笑)に庇われて、命を繋いだという、いかにも主人公な設定!

 

え?いやまあ、多少のパクリは許してくれよ。

 

どの道、この世界に、『物語におけるテンプレ』なんてもんはないんだからな。

 

やっぱりほら、王道主人公には身内の不幸話は欠かせないだろ?姉は死ぬし、親も死ぬし、村も滅ぶだろ。

 

「そして、モンスターが去った後に、村のみんなを弔ってから……、食べ物をかき集めて、エクスシアに向かいました。それで……」

 

ということになっている。

 

「ひょんなことから、錬金王様に出会って、錬金術の才能があると評価していただきまして。それで、丁稚として雇っていただけることに……」

 

ということになっている。

 

「……っと、こんな感じですかね?」

 

「ふうん……」

 

ダーナは、俺の方を見た。

 

「偉いんだな、お前は」

 

「いえ、そんな」

 

「いや……、俺とは段違いだ。詳しくは話さねーけど、俺はガキの頃から乱暴者の鼻つまみものでよ。そんで、自分から村を飛び出したんだよ。お前は偉いさ、よくやってる」

 

お?

 

意外と優しいとこあるんだな。

 

ギャップ萌え狙いか?

 

粗暴そうに見えて実は優しいとか、あるあるな話だな。

 

そんな話をしながら、缶コーヒーを取り出して湯煎する。

 

「なんだそりゃ?」

 

「これはコーヒーです。苦いけれど、少し甘い飲み物で、飲むと目が覚めます」

 

「へえ、一本くれよ」

 

とのことなので渡す。

 

「こうやって開けて飲みます」

 

「ん……、お、これは……、良いな!」

 

この世界の人ら、どうやらカフェインにあまり慣れていない模様で、ちょっとカフェインが入ってる飲み物を飲ませるだけで、かなり元気になる。

 

そんなこんなで、ダーナといちゃつきつつも、朝飯の用意をする。

 

チキンライス缶とかぼちゃのスープにコーヒーだ。

 

「ん……、おはにゃあにゃー」

 

「起きた」

 

「おはようございます」

 

「オハヨ」

 

寝ていた四人も起きて、缶詰を食べ始める。

 

飯を食ったら移動だ。

 

「とりあえず、二十階層まで攻めて様子見だ」

 

ダーナがそう言った。

 

「え?三十階層の方が近いじゃないですか」

 

俺は、いかにもななろう主人公感を醸し出しつつ、そう言った。

 

「近い……?」

 

「あれ?知らないんですか?百階層までに、三十、六十、九十階層には、転移門があるんですよ?」

 

「転移門、ってのは?」

 

「ええと、三十階層と三十一階層の間にある休憩階層の奥にある、魔法陣のある祭壇で、そこで決まった量の魔石を捧げると、一、三十、六十、九十のうち、行ったことのある階層に転移できるんですよ」

 

「「「「な、なんだってーーー!!!」」」」

 

あ、念のために言っておくが、魔石はモンスターの体内などから取れる魔力の結晶だな。

 

そしてもう一つ。

 

この転移門システムは、転移門システム始動以前に九十階層に到達していたとしても使えないから。

 

この転移門システムの始動後からスタートな。

 

そう説明すると……。

 

「よし!なら、三十階層まで突っ切るぞ!」

 

ということになった。

 




なんか続き見たいのとかあります?

やっぱりこう、新作増やすよりどれかを終わらせるべきなのかな……。

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