タイムリミットの一ヶ月が過ぎた……、のだが、まだ八神将は来ない。
最短でも一ヶ月で来るであろうと言う予測なので、来なくてもおかしくはないだろう。
折角なので、百一階層からどんどん攻略していこう。
百一階層。
百階層までは洞窟だったが、ここは平原だ。
七元徳のラブに飛行してもらったが、空に果てはないようだ。
つまり、ダンジョンとは、物理的に存在する塔ではなく、亜空間であることが分かった。
ラブはすでに百メートルくらい高く飛んでいるが、天井はないそうだ。
錬金で天井をぶち破って移動、とかは無理か。
さあ、早速攻めて行こうか。
モンスターの強さは七、八十階層レベルか。
ガンガン行くぞ!
「……なんか、錬金でどうにかなったな」
「そうですねえ」
アルケミックマーキングからの遠隔錬金で、どんなモンスターもなんかやる前に瞬殺されるから……。
「二百階層まで行っちゃう?」
「ご命令とあらば」
二百階層のボスは、三万体のモンスターレギオンだった。
首領はデーモン。
強いとか弱いとかは分からなかった。
錬金で死んだから……。
そして、恒例の女神放送。
『あーあー、聞こえてますか、人の子の皆さん!女神ヒューラです!私は今、あなた方の脳内に直接語りかけています!』
来たぞ……、次は何だ?
『ただ今、バベル二百階層がクリアされました!初クリア者は、錬金王アレックスと、錬金術師のテンパランス、フォーティチュード、フェース、ジャスティス、ホープ、プルーデンス、ラブの八人です!初クリア者であるこの八人には、北西の侵入禁止領域にある、《闘技都市ヴェーロノーク》の所有権と、百一階層から二百階層までのダンジョンの改変権をプレゼントします!』
「いらないんですけどぉ」
『だからごめんねってば!そういう決まりなの!はい、アレックスさん達のパーティには、レベルキャップ解放をしておきます!レベルの上限が300になるってことね。今後も、二百階層をクリアした人にはレベルキャップの解放はしますね!みんな頑張ってよ、本当に!』
そう言うことらしい。
『それと、修正が入るわ!戦う錬金術師を、今後は《錬金闘士》という新しいJOBに当てはめることにしたから!つまり、七元徳の人達は今後、錬金闘士ね!以上、女神ヒューラからのお知らせでしたー!』
うーむ。
「三百階層〜、行きますかぁ?」
「ご命令とあらば」
二百一階層からは森。
三百階層ボスは巨大なイビルツリー。
『あーあー、聞こえてますか、人の子の皆さん!女神ヒューラです!私は今、あなた方の脳内に直接語りかけています!』
来たぞ……、次は何だ?
『ただ今、バベル三百階層がクリアされました!初クリア者は、錬金王アレックスと、錬金闘士のテンパランス、フォーティチュード、フェース、ジャスティス、ホープ、プルーデンス、ラブの八人です!初クリア者であるこの八人には、北の侵入禁止領域にある、《情報都市アンビエント》の所有権と、二百一階層から三百階層までのダンジョンの改変権をプレゼントします!』
「やったぜ」
『それと、レベルキャップの解放ね!上限400まで!』
「おほー」
『本当にやり過ぎよアンタ!もっと加減しなさい!錬金武術は本当にもう、こっちからすればバグ技なんだからね!まだ世界の平均レベルがそんなに高くないんだから、もうちょっと加減して!三百階層以上の攻略は一、二年くらい待ってよ?!』
そんなん言われましても。
『これ以上はネタバレになるからあんまり言いたくないんだけど、バベルがクリアされればされるほど、人類の平均レベルが上がったとみなされて、野良モンスターとかそういうのも強くなるのよ』
えっ。
『つまり、アンタがあんまり攻略を先走り過ぎると世界がヤバいわ。でも、大規模なエラッタは神の約定に違反するからできないし……。本当にお願いだから、人類の平均レベルが上がるまでちょっと待って!』
なるほど。
「おk」
『よろしい!じゃあ、そんな感じでよろしくね!女神放送でした!』
しゃーなし、しばらくはレベル上げに努めるか。
上限400なのに、今の俺達のレベルは251だしな。
どうやら、レベルアップに必要な経験値は、パーティメンバーの人数で頭割りされるらしい。
八人のパーティはちょっと多かったみたいだ。
七元徳と俺は、今後はパーティでレベル上げを行うことにした。
そして、今まで閉鎖していたエクスシアの大通りにある店も再開して……。
「女を抱きたい」
そういうことになった。
蒙古を何だと思ったんだ、ってか、武士を神聖視し過ぎでは?