豚バラスライスを買ってきたので、ネギとニンニクと炒めてスタミナ丼で優勝することにしたわ。
建物は俺と、七元徳のフォーティチュード、テンパランス、ジャスティスの四人で造る。
残りの四人は、プルーデンスが奴隷集め、フェースが冒険者ギルドへ交渉に、ホープとラブが資材集めに行った。
とりあえず、最初の一週間で、飛空艇の発着所たる『港』は作れた。この港に、飛空艇が発着する。また、コンソロールをいじって、百階層クリア者もこの港に現れるように。
港は、マイブリスの中央に存在する。飛空艇は空を飛ぶので、わざわざ大陸の端に発着所を移動しないでも良いのだ。
そして、南側に居住区を創造して、下水道も通した。
なお、下水道については、コンソロールから弄れた。
流石に女神も、カッコいい空中都市から糞尿を撒き散らされたら嫌だ、ということだろう。女神肝いりの都市がそんな有様じゃあ、信仰に翳りが出るものな。
だから、コンソロールには、下水道の設置システムと除染装置が付いていた。それと、水源発生装置も。
これにより、上下水道は使えるようになった。
一週間で、奴隷の居住区画と港が完成。
「オイオイ、これっぽっちのメシじゃ足りねぇよ!」
「そうだそうだ!」
「ダンジョンを攻略して金があるんだろぉ?もうちっと量を増やしてもらわねーとなあ!ぎゃはは!」
奴隷の一部にはこのような態度をとる奴もいる。
それもそうだ、奴隷の数は千人を超える。
人間は群れると気が大きくなる。
よし、ならこうしよう。
俺は、フードを目深に被った人の幻影を出す。
『私がアレックスだ』
とボイスチェンジャーにかけたみたいな声を発する。
「なんだあ?メシを持ってこい!」
俺は、乞食の死体を叩き台の上に置く。
『錬金』
あえて、ゆっくり錬金する。
血肉は沸騰したかのように沸き立ち、大きな蛆が肉を啜るかのような音が響く。
「「「「ひ、ひいっ……!!!」」」」
そして、ホムンクルスができる。
それは、七元徳のような、確固たる意志を持つ正常な人間の姿ではない。
全身白色の肌を持ち、頭と胴体がくっついており、側頭部に大きな瞳が二つ。手は長く大きい。やや前傾した身体で、胸に大きく裂けた口がある。
『んぼゔぉ〜……!!!』
牛のような、カエルのような低い鳴き声を発する異形の化物、『バトルホムンクルス』だ。
『あらかじめ言っておこうか。私の手を煩わせるものは、『材料』にする。……生きたまま全身が沸き立ち、作り替えられるのは、この世の全ての痛みを集めたものよりも酷い、とだけ言っておこう』
そう宣言すれば、文句を言う奴隷はいなくなった。
これが治世だ。
さて、次は西に食料生産区域を作ろう。
肉屋から買ってきた大量の肉に錬金。
『もー』『めえー』『こけこっこー』『ぶひー』
はい、こちら、『ホムンクルスアニマル』になります。
白い身体と赤い瞳を持つこと以外、普通の動物と変わりません。
いや、むしろ、この時代の臭くて不味い肉と比べれば、それなりに美味いように調整もしているし、繁殖力も成長力も三倍にしてある。
その代わりに、寿命は三分の二ほどに短くなってしまったが、些細な問題だ。
それと、野菜や穀物も錬金。
紫芋、白いにんじん、紫キャベツ、黄色のトマト、紫のナス、赤いタマネギ。
軟質麦と黒米、蕎麦の畑も生やした。
甜菜大根、メープルの木、緑のリンゴの木、黄色い桃の木、黄色いスイカ、白いイチゴ、赤いオレンジなども用意する。
本物の食品も生み出せるが、ここの特産品になるようなものが欲しかった。
因みに、全ての作物はすぐ育ち、病気にかかりにくいようにしてある。その代わりに味が多少落ちたが、そもそも、この世界の野菜は品種改良されておらず不味いものばかりなので、多少味が落ちたとしても、それでもなおマイブリス産野菜の方が美味い。
農地はいくらでもあるので、集めに集めた奴隷に管理させることにした。
何せ、奴隷は大抵、農村から集められる。だから、農家をやるスキルは持っていることが多い。
動物の世話ができる奴や、果樹の世話ができる奴、動物の解体ができる奴などは優遇しておく。
計算ができる奴には、店の会計をやらせる。
また、水源発生装置により、川や湖をいくつか作り、そこに『ホムンクルスフィッシュ』を放つ。
淡水魚だが、味は美味いぞ。
釣り人、魚屋などを優遇。
何にもできない奴は農家の手伝いをしろと命じておく。
設備を用意して酒造なども開始。
奴隷は、市場にいる奴隷を全て連れてきたので、色々なバリエーションが揃っている。
人種様々、技能様々で、酒造をできる奴隷もいた。
人材面で困らないのは救いだな。
旅人提督の更新時間間違えたし、こっちも出しちゃえー。