ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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献立案ありがとー!


4話 勉学に励む

ぶっちゃけ、形が違うだけでアルファベットなので、文法とかも変わらんらしいし、バリバリ読み書きはできるのだが、習っていないのに急に読めたらやべーやつなので、隣のアイリンの学習ペースに合わせて俺も文字を読めるようになった、ということにしておく。

 

そして一ヶ月……。

 

「世界の中央にあるバベルは、偉大なる女神ヒューラの手によって建てられており、一説によると、バベルの最上階に辿り着いたものには、神になれる権利が与えられるとも言われている……」

 

俺は、本の内容を読み上げた。

 

「うむうむ、文字の読み書きはもうばっちりじゃな!」

 

文字の読み書きをマスターしたアイリンに合わせて、俺も覚えたということにした。

 

これからは毎日、本を読む日々が続く……。

 

 

 

「おべんきょー、あきたよ!あそびにいこう!」

 

アイリンがなんか言っているが無視して、俺は長老と話す。

 

「このバベルってのは?」

 

「天の彼方まで続く塔が、この世界の中央にあるのじゃよ。そこは、ダンジョンと呼ばれる危険な空間になっており、恐ろしいモンスターやトラップがあるのじゃ」

 

「その代わりに、何か良いものが落ちているとか?」

 

危険なところなのに人が集まる理由は一つだよな。

 

何らかの利益があるってこと。

 

「ふぉっふぉっふぉっ、流石はアレックスじゃの。ダンジョンでは、ダンジョンでしか手に入らない貴重な道具や、価値のある宝石なんかが手に入るのじゃ」

 

ふーん、へー、はー、ほー。

 

予定変更、スローライフはやめだ。

 

バベルの最上階を目指そう。

 

新世界の神になる。

 

いや、俺が神になりたいって訳じゃないが、ロクでもない奴が神になったら俺は困るだろ。

 

そうでなくても、バベルのある中央へ行こう。

 

ダンジョンが攻略されない限り、地価も高いし、物流も多いだろう。つまりは都会。

 

俺は、田舎に引きこもっていると駄目になるタイプだ。都会に出よう。

 

「バベルか……、行ってみたいな」

 

「……そうじゃな、アレックスの才能は、この小さな村で収まるものではないのう。お主ならば、塔を目指すのも良いかもしれんぞい」

 

「わたしもー!」

 

「ふぉっふぉっふぉっ、もちろん、アイリンも確かに天才じゃて」

 

「やったー!あれく、おとなになったら、いっしょにばべるにいこーね!」

 

無視する。

 

 

 

そして半年、長老の家の本を読み尽くした。

 

それにより、魔法の基礎と錬金術の基礎、そして、世界の風土などを覚えた。

 

おかげさまで、長老の教えもあり、『生活魔法』を覚えられた。

 

生活魔法は、水を生むクリエイトウォーター、種火を出すティンダー、物を綺麗にするクリーン、物を乾かすドライ、空間を照らすライト、この5種類だ。

 

魔法とか科学的に考えたらありえないけれど、存在するもんはするんでまあ、納得した。

 

長老は、俺とアイリンの才能を伸ばしたいと思ったらしく、中央……、つまり、バベルのある街である『エクスシア』から、魔法の本や錬金術の本を取り寄せてくれることになったらしい。

 

金はあるのかと聞いたが、実は長老は、かつてはバベルに挑んだ経験のある『冒険者』だったそうだ。

 

魔法がチョットデキルとのこと。

 

そのため、貯金が結構あるらしく、快く本を買ってくれた。

 

本が届くまであと一ヶ月くらい、何をして過ごそうか……?

 

 

 

今は三月、俺の誕生日は九月。本が届くのは四月。

 

さて、どうやって暇を潰すか……。

 

そうだな、身体を動かそう。

 

ゴールデンエイジ、だったか?

 

六歳までに運動神経が八割決まる……、みたいな話があったはずだ。

 

錬金術師になったとして、バベルに登るのか登らないのか、それはまだ分からないが、いざという時に身体が動かなくては駄目だ。

 

身を守るための格闘能力は備えておいた方が良いだろう。

 

それに、錬金術の基礎を学んで、俺はある理想を思いついた。

 

錬金術。

 

錬金紋を刻んだ物質、及び、錬金紋を刻んだ物質に触れている物を分解して再構成、合成する技術である。

 

ならば。

 

俺の両手に錬金紋を刻み込んで、触れた物を分解消滅させる『戦う錬金術師』なんてものはどうだ?と思ったのだ。

 

これは、俺が少年時代、両親をぶち殺してから、施設に入っていた時、その施設の中の子供達に大人気だった漫画雑誌、『週刊マンデー』のとある漫画から着想を得た。

 

前世では、総合格闘技と八卦掌をやっていたから、その要領で自主トレに励むことにした。

 

まずは走り込みだ。

 

今は春、少し肌寒いが、たくさん汗をかいても風邪にはならないだろう。むしろ、身体が冷えて良いかもしれない。

 

「はあ、はあ、はあ……」

 

「はあ、はあ、はあ……」

 

後ろからアイリンがついてくるが、気にしない。

 

ガキの身体じゃあ、走れて三十分、いや、二十分。

 

限界ギリギリまで走るが、決して限界は超えない。

 

限界を超えれば、怪我をするからだ。

 

充分に休憩して、水を飲む。

 

本当はスポドリにしたいが、隣にストーカーのアイリンがいるので、虚空錬金は使えない。

 

仕方がないので、クリエイトウォーターで水を出して飲む。

 

そうしたら次はシャドーと型。

 

「シィッ!ハアッ!」

 

「えーい!やー!」

 

なんか隣でアイリンがバタバタしてるけど無視。

 

受け身の練習や投擲の練習なども身体に染み付かせておく。

 

「あはは!ごろごろー!」

 

なんかよく分からんけど、アイリンは転がってる。

 

そのあとは、充分にストレッチして身体をほぐす。

 

アイリンも真似をする。

 

うわ、やっぱり、ガキだから身体が柔けーな。

 

 

 

よしよし、一日二時間くらいは運動するか。

 

四歳からは一日三時間くらい……?

 

加減がわからんが、六歳までにたくさん運動をしておこう。

 




大鍋ハヤシライスを消費し終えたら、ガーリックライスと照り焼きチキン行きます!

そして俺は献立味噌なる未知の食材(存在を知らなかった)を求めてアマゾンの奥地へ向かった!!

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