奴隷達全員に服を用意する。
狼獣人のアルゴンには、牛型のクリーチャーであるブラフマーの革を黒塗りにして作る『新品のガンマンの服』を着せる。見た目は普通に黒い革ズボンと、灰色の半袖シャツに革ジャン。ベルトのバックルがゴツくて、柄悪そうなところがぴったり似合っている。
それに、シルヴィアと同じ『サバイバルアーマー』を装着。
武器は、槍がいいらしいので、DLC『Seven SAMURAI IKUSA』の『KAZAKIRI SPEAR』という高周波ブレードの槍を持たせる。
牛獣人のリードには、放射線変異コットンで作る『新品の用心棒の服』を着せる。黒いタンクトップシャツと青いジーンズだ。
アーマーは、重く全身を保護する『パワードメタルアーマー』だ。あれだよほら、古典アメリカヒーローみたいな。
大型のスレッジハンマーにブースターを取り付けた武器、『ハイブースタースレッジ』を持たせる。
鳥人のカッパーには、アソシエイションという組織で買える近未来的な服『アソシエイションサイボーグ制服』だ。サイボーグ制服は、多様なサイボーグに着せる為の服であるから改造が容易である。カッパーは、立派な鳥の羽が背中から生えているから、羽を通す用の穴を開けた。見た目は、白くてタイトな服だ。
空飛ぶらしいから、余計な装備は持たせない。両腕にイオンビームあるしいいだろう。
蜥蜴人のガリアには、こちらもクリーチャーの革からできる服『新品の傭兵の服』を装備させる。ノースリーブの灰色シャツにノースリーブの革ジャン、カーキーのカーゴパンツってところだ。アメリカ映画の不良の三下っぽい。
アーマーは『スナイパーアーマー』という、曲線的で少々分厚いアーマーを着せた。
武器は……、『アンチマテリアルライフル』でいいだろう。あとは適当なマチェットとピストル。
狐獣人のネオンには、『新品の戦前の不良少女の服』を着せる。青い横縞が入った白い大きめのシャツに、デニム生地の半ズボン。ネオンは清楚なイメージがあるから、こういう服を着せるとギャップがあって良いかもしれない。
服の下に『チェインアーマー』という鎖帷子を着せる。
武器は杖が良いとか言っていたが、魔法使いの杖なんてもんは所持していない。
なので、PSY能力を強化する腕輪である『PSYブースター』をくれてやったら、これで良いとのこと。謎だ。
虎獣人のパラスには、アイアンウィルという組織で買える『アイアンウィル戦士の服』を着せる。近未来的なライダースーツってデザインかな。でも、丈は半袖半ズボン。色は黒。
『スカウトアーマー』という黒く、軽量の鋭角なアーマーを着せる。
武器は両手足にあるんでそれで。それとは別にハチェットを持たせる。ハチェットは小型の斧のことだからな。
全員に、標準装備として、水筒や薬などを入れる小さなポケットと、バックパック、サバイバルナイフなどを与える。
それと、適当な替えの服を5、6枚。
さて、この状態で訓練を開始する。
プロのサイボーグだと、身体を作り替えてもすぐに対応できるのだが、こいつらはアマチュア。
少なくとも一週間は、この肉体に慣れる為の訓練が必要だろうな。
あ、ナノマシンで人体と同じくらいのペースで修復されるから、経年劣化とかはしないぞ。
俺のこのボディも、ゲーム内時間で百年くらい経過しているけど、何の問題も出ていない。
「これから一週間、毎日身体を動かせ。新しい身体に慣れる為に、走ったり、武器の素振りをしたりして、サイボーグ化した部分をよく動かせ」
「「「「はい!」」」」
「シルヴィアは、訓練について何か言いたいことはあるか?」
「訓練か。まずは毎日走り込みだな」
「ほう、その心は?」
「人間であれ獣人であれ、最後に物を言うのは気力と体力だ。逃げるにしたって走れなきゃ意味がない」
「そう言う訳だ。今日は、武器を持って、鎧を着たまま走れ」
「「「「はい!」」」」
走り込みから一時間経過。
不思議と脱落者はいなかった。
「どうだ、シルヴィア?」
「やはり獣人は良いな、生まれつき体力に恵まれている。足も速い」
三時間経過。
まだ走っている。
「こんだけ走れりゃ充分では?」
「……確かにそうだな」
「はーい、やめー!」
俺は、コストトのスポーツドリンクを配る。
一リットルの、そこそこに冷えたものだ。
「これは……、水?」
「飲め」
「どうやって?」
「えーと、蓋の部分を回してみろ」
「あ、開いた。……冷たくて甘くて美味しい!」
パラスが言った。
奴隷達はしっかりと水分補給できたようだ。
「それじゃあ、適当に巻藁とサンドバッグを置いておくから、武器の素振りや試し斬り、格闘の練習をしておけ」
「「「「はい!」」」」
「あの、あっしのこれは……?」
ガリアがアンチマテリアルライフルを見せてきた。
「武器だ」
「いや……、なんすかこれ?」
「ライフルだ」
「ライフル?!か、火薬代は払えないっすよ……?!」
「俺が出すから安心しろ。お前はとりあえず、弾薬を背負ったまま格闘訓練だ」
「はい!」
なろうでもPNはハードオンだから、見たい人は見ればいいんじゃないかな。