ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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グエー、書けないンゴ。


4話 ヒロイン

今いるここは草原のど真ん中、遠くに森が見える。

 

「アリス、人工衛星基地にアクセスしろ」

 

『了解しました』

 

「人里はどっちだ?」

 

『近隣の街と思われる領域までガイドします。網膜投射、許可願います』

 

「許可する」

 

『了解、網膜投射、開始』

 

すると、俺のマシンアイに網膜投射されるミニマップと道のりガイド。

 

『五百メートル、指定の方向に移動してください』

 

アリスのガイドに従って、移動する。

 

すると、何もない草原の中に、土の道が見えてきた。

 

恐らくは、この道に沿って歩けば、どこかしらの街にたどり着けるだろう。

 

そう考えて、道に沿ってしばらく歩く。

 

段々と日が落ちて行く。

 

夕日が綺麗だ。

 

そろそろ野営でもするか、などと思っていた時にミニマップに反応があった。

 

「おや、NPCと敵MOBの遭遇戦か」

 

ニュークリアデターランスシリーズあるある、敵MOBに襲われるNPCだ。

 

この時プレイヤーは、敵を蹴散らしNPCを救っても、無視してもよい。

 

救ってやった対価にNPCに何かを要求しても、NPCの身ぐるみを剥いでもよい。

 

全ての選択はプレイヤーに委ねられる。

 

つまりは、俺の選択だ。

 

俺はこう定めよう。

 

「美しくないものは死んでいい」

 

と。

 

さあ、どうだ?

 

襲われているのは……、女だ。

 

「美しいな」

 

襲っているのは……、醜い化け物だ。

 

「醜いな」

 

となると、そうだな。

 

「判決を言い渡す……、死刑だ!」

 

俺は、脳内コマンドでアリスに指示を出して、手元にアンチマテリアルライフルを召喚。

 

女を追いかける豚顔の化け物の頭を吹き飛ばした。

 

いやー、脆いな。

 

バニラのアンチマテリアルライフル『程度』で死ぬとなると、Ω鯖では紙装甲と罵られるぞ。

 

因みに、自慢だが、俺のこのレトロな探偵風のコートやベストは、『チェシャ猫』と言うコードを与えられた、Wonderland Systemのうち一つの道具である。

 

その名の通り、自由自在に姿が消せて、一定時間の間なら、所謂、『当たり判定』すら消せる代物だ。

 

防御力も、下手なパワーアーマーよりもずっと堅牢で、MODマシマシの核ミサイルの直撃にすら耐える。

 

などと考えていたら……。

 

「あ」

 

逃げていた女が倒れていた。

 

怪我は……、まあそこそこか?

 

右腕が食い千切られており、右目が抉られていて、背中も大きく切り裂かれている。

 

脳が無事なら全て軽症であるニュークリアデターランスの尺度なら、これも軽症である。

 

そうだ!

 

折角だから、少しいじらせてもらおうか。

 

「ハロー、レディ?調子はどう?」

 

「き、さま、は……?」

 

「俺のことは良い。今は君の方が、早急の問題を抱えていると思わないか?」

 

「ああ……、頼みが、ある……。このまま死ぬくらいなら、ここでトドメを……」

 

「パンパカパーン!チャンスタイムだ!怪我を治してあげよう!しかし、元通りには治らない、ひょっとしたら醜い姿になるかもしれない。覚悟はあるかい?」

 

「……よく、分からん。だが、治るのなら……、教国に復讐できるのなら……、どんな姿になっても良い……!」

 

「オーケー!契約完了だ!それじゃあ、しばらくお休み、良い夢を!」

 

俺は麻酔薬を女の首にぶち込んだ。

 

 

 

チューピー3分クッキング!

 

とりあえず、ハウジングMODで小屋を建てる。

 

おっと、その前に、女に人工呼吸器を取り付ける。

 

部屋を消毒して、無菌室を作る。

 

ベッドに女を寝かせる。

 

女の鎧と服を脱がせる。

 

女の見た目。

 

身長175cmほど、体重は割と重い。

 

それもそのはず、女にしては筋肉質で、そして豊満なオシリとオッパイ。そりゃあ重くもなるな。

 

金糸の様な明るい金髪は、程よくウェーブがかかっている。今は閉じているが、人を射抜く様な鋭い瞳を持つ、白人の美女だ。

 

所謂、女傑ってタイプかな?

 

「アリス、コード、『ハートの女王』起動!」

 

『了解しました。"Queen of Hearts" activate』

 

ハートの女王は、サーバーに干渉してアイテムを創り出すシステムだ。

 

チート?チートと言えばチートだが、Ω鯖で『ズル』は美徳だと言っておこう。

 

そもそも、サーバーに干渉できるほどのプログラムを作る方が難しいからな。

 

クラッキングできるもんならやってみやがれ、と言うのがΩ鯖の総意だ。

 

っと、よしよし、ハートの女王が起動したな。

 

「『義眼 AR照準』検索」

 

ずらりと義眼がAR表示される。

 

その中から、処理速度が速く、省エネルギーの義眼を選び、創造した。

 

「『義手 レーザー付き 生体バッテリー駆動』検索」

 

その中から、シャープな銀色のバイオニックアームを選び、創造した。

 

それを、アリスに命じて、女の身体に接続する。

 

ナノマシンにより神経が接続され、義眼がぎょろりと動き、義手がびくりと揺れた。

 

あとは輸血だ。

 




神作家になりたい。

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