更に一週間。
三人とも、掴まり立ち程度ならできるようになってきた。
リハビリ体操もちょくちょくやらせる。
結構、身体が動くようになってきたみたいだ。
怪我も殆ど治っている。
やっとおしめ交換から解放されたな。
あとは、たくさん食べて体重を戻さなきゃな。
「今日からパンだ。それと、白身魚のホイル焼きにミネストローネ、それとブドウジュースだ。デザートにプリンがあるぞ」
「やった!パンだ!」
ニコレットが喜んでいる。
パンをちぎって口に運ぶ仕草がもう既に、一般市民のそれではない。
「何故、最果ての荒野に魚が……?」
「あっちの方が海なんだよ」
「な、なるほど」
メナスが言った。
「この薄く伸ばした鉄は一体……?!」
「アルミホイルだ」
「一体どんな技術を使ったのだ……?」
グウェネスが言った。
「それよりも、このパンはなんと美味しいのかしら!真っ白で、柔らかくて、ほのかに甘くて……。こんなの、今まで食べたことない!」
ニコレットが言った。
「そのパンは俺が焼いたんだ」
「賢者さんは料理も上手なのね!凄いわ!」
「そうかい」
「それにしても、ブドウジュースを飲むと、ワインが恋しくなるわね……」
「んー、酒はまだダメだ、もうちょっと様子を見てからな」
「むう……」
「身体が万全になったら、美味い酒をたくさん飲ませてやるから、今は身体を休めろ」
「ええ、分かったわ!」
ふーん?
ニコレットは背がかなり小さいが、落ち着いた高貴そうな雰囲気や顔つきから、見た目は14歳くらいに見えるが……?
飲ませて良いんだろうか?
まあ良いや、誰も気にしないしな。
さて、スレを覗くか。
551:異世界セレブニキ
XXXX/XX/XX ID:isEkAi
ク◯ラが立った!
[掴まり立ちするニコレットの画像]
552:以下、3ちゃんねるからVIPがお送りします
XXXX/XX/XX ID:◯◯◯◯◯◯
おめでとう!!!
553:以下、3ちゃんねるからVIPがお送りします
XXXX/XX/XX ID:◯◯◯◯◯◯
おめでとう!!!
554:以下、3ちゃんねるからVIPがお送りします
XXXX/XX/XX ID:◯◯◯◯◯◯
おめでとう!!!
555:以下、3ちゃんねるからVIPがお送りします
XXXX/XX/XX ID:◯◯◯◯◯◯
美少女の介護とか楽しそう
556:異世界セレブニキ
XXXX/XX/XX ID:isEkAi
バカ言ってんじゃねえよ。
同じ人間なんだ、出るもんも出るし、垢も拭いてやらにゃならん。
正直、拾って後悔しているくらいだ。だが、村人を増やすためだからしょうがない。
557:以下、3ちゃんねるからVIPがお送りします
XXXX/XX/XX ID:◯◯◯◯◯◯
あくまぞくの森に草
村の評価はMAXなんだから、あとは歌う犬を呼ぶしか……
558:以下、3ちゃんねるからVIPがお送りします
XXXX/XX/XX ID:◯◯◯◯◯◯
しかし……、また美少女だな
イッチの予想によると貴族なんだっけ?
559:異世界セレブニキ
XXXX/XX/XX ID:isEkAi
そうだな、恐らくは貴族だろう。
食事の時に見せる礼法や、周りの悪魔の態度、そして何より、歳上であるはずの俺を敬うどころか対等と言わんばかりに扱うところ。
第一、俺もセレブだから、同じ金持ちは態度や雰囲気で察するわ。
560:以下、3ちゃんねるからVIPがお送りします
XXXX/XX/XX ID:◯◯◯◯◯◯
出ておじゃれ、金持ちは匂いで分かりまするぞ!
そんな感じで、スレの住民達とじゃれ合いながら日々は過ぎ去り……。
真夏のある日。
「……完治だ」
「……やった!」
三人の怪我と衰弱が治り、完全に日常生活が可能になった。
新作。
錬金術師A、バベルの塔に挑む
バベルの塔。世界の中心に建つ、天辺が見えないほどに巨大な塔。この世界の女神が建てたとされる建物で、人類の歴史が始まる前から存在している。この塔を登り切った者には、神になる権利が与えられると言うが、真偽は不明。有史以前から、人類は、この塔を探索して、そこから出土した物を使って、文明を発展させてきた……。
そんなバベルのある、世界の中心たる街『エクスシア』の一等地に館を持つ、錬金術師(ALCHEMIST)のアレックス(ALEX)は、転生者である。ネグレクトされた腹いせに両親に毒を盛って殺して、入社した企業がブラックだったので潰して周り、最終的に大人気同人エロゲ作家になった男であったが、特に前触れもなく異世界転生した。所望したチートは三つ。『虚空錬金』『魔力無限』『学習能力』である。
性格が鬼のように悪い最低系主人公がバベルを攻略!下僕でハーレム!つまりは、いつもの。