ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ビッグオー1999年なの?

うそやろ?


13話 おしめ

調べた通りに点滴を打って、調べた通りに消毒軟膏を塗り、調べた通りに包帯を巻く。

 

グウェネスの魔物の傷は、残念ながら最初の処置が悪かったためか、傷跡は消えないだろう。これは俺の責任ではない。

 

医務棟にはかなりの量の薬や医療機器があるから助かっている。

 

もちろん、医薬品も医療機器も、持ち出すと補充される。

 

 

 

グウェネスが目を覚まして再び眠りについた後、ニコレットが再び目を覚ました。

 

ニコレットが一番症状が軽いからだ。

 

栄養失調と水分不足で、体重は恐らくは四分の三ほどに減っていたであろう。

 

身長が145cmほどのニコレットの体重が、大体45kgくらいだとする。身長から100を引くと適正体重らしいからな。

 

それが今や、34kgほどまで減少しているといえば、どれだけ危機的状態にあるか分かるものだろう。

 

「ここ、は……?」

 

「俺の屋敷の医務棟だ」

 

最初に目覚めた時よりも、大分意識がはっきりしているようだな。

 

点滴がしっかり効いたのだろう。やはり、悪魔と人の構造は変わらないのか?

 

それはまあ、良いとして……。

 

「貴方は、誰なの?」

 

「俺は……、名前はレオ、最果ての荒野に住んでいる」

 

「最果ての荒野に……?!」

 

「お嬢さんはニコレット、だったな?グウェネスとメナスってのが、お嬢さんを背負って、俺の屋敷まで逃げてきたんだ」

 

「そう、なの……」

 

なにかを考えるような仕草をしたニコレット。

 

そして、ふと、自分の腕を見て……。

 

「ひっ、は、針が!」

 

「抜くなよ、それは点滴だ」

 

「て、てんてき?」

 

「お前達は、水も栄養も殆どなく、渇きと飢えで死ぬところだった。水を飲ませようにも、水を飲む力すらなかったんだ。だから、身体の中に直接、水と栄養を入れている」

 

「そ、そんなことをして大丈夫なの?」

 

「人間には効くものだ。どうやら、悪魔にも効くらしいな」

 

「そう……」

 

さて。

 

「意識ははっきりしてるか?」

 

「ええ、まあ、大体は……?」

 

「身体は動かせそうか?」

 

「駄目みたい……、あまり力が入らないわ」

 

「水は飲めそうか?」

 

「多分……」

 

俺は、常温の水を持ってきた。

 

「飲んでみろ、ゆっくりな」

 

「うん……、ごくっ……」

 

水の入ったコップを口元に持っていき、飲ませてやる。

 

「まずは胃を慣らさなきゃな」

 

コップ一杯ほどの水を飲ませた。

 

「よし、それでいい。眠いか?」

 

「ううん、全然眠くないわ」

 

「それもそうか、三日も寝てればな」

 

「私、そんなに寝てたの?」

 

「ああ、それはもう、ぐっすりと」

 

「そう……」

 

「さて、足の包帯を替えるぞ」

 

布団をめくる。

 

「あ……、服が……」

 

「ああ、着替えさせた」

 

「え?!あ、貴方が?」

 

「勿論だ、下着も脱がせて全身を拭いて、新しい服を着せた」

 

「……見たの?」

 

「見たぞ」

 

「……変態?」

 

「あのままじゃ死ぬところだったんでな、死んでも良かったのか?」

 

「そう、ね。ごめんなさい、ありがとう」

 

「それでいい」

 

足の包帯を剥がす。

 

「痛いっ!!」

 

「我慢しろ。……お、ちょっと治ってきたな」

 

足を拭いてやり、消毒液を塗り、更に包帯を巻く。

 

「痛いー!痛いってば!」

 

「うるせえな、こうでもしないと、いつまでも治んねーぞ?それに……」

 

グウェネスとメナスを見る。

 

「あっちの二人はもっと酷いんだ」

 

「そう、ね。あの二人は、私を守るために……」

 

「よし、包帯は終わりだ。喋るのも大変だろうしな……、何か暇つぶしになるようなもの……、そうだ、少し待ってろ」

 

俺は、備え付けのテレビをつけてやる。

 

チャンネルは……、ケーブルテレビの、アメリカの景色を映しながらジャズが流れるやつにしておこう。

 

「わあ!何それ!」

 

「これは、俺のいた世界を映し出す道具だ。俺の世界の音楽も流れている」

 

「俺の世界の……?まさか、貴方は……」

 

「俺は転移者だ。勇者ではない」

 

「そう、なら良いわ」

 

「朝昼晩と様子を見に来る。グウェネスとメナスが起きたら、点滴の針は抜かずに待っていろと伝えてくれ」

 

「うん、分かった」

 

「じゃあな」

 

「え、その、あの……」

 

ん?

 

「どうした?」

 

「……おトイレ、行きたい」

 

ああ……。

 

「おしめを当ててあるから、そのままして良いぞ」

 

「おっ、おしめ?!!」

 

「おい……、仕方ないだろ?お前は動けないし、血豆でぐちゃぐちゃのその足じゃ立つことすらままならないんだぞ?俺だって大人のおしめを替えるのは嫌なんだからな?」

 

「う、ううう〜!!!」

 

顔を赤くするニコレット。

 

「朝昼晩におしめを替えてやるから、小便はそのまましろ」

 

「うー!うー!」

 

そういうことになった。

 




美女のヒモになりたい。

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